東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

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平成28年度 活動ブログ

平成28年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2016.11.07

理数科講演会について

宮城第一高等学校の荻原 舞那穂です。私たちの学校では11月7日、東北大学大学院理学研究科の 松澤 暢教授をお招きして「地震と噴火ーなぜ、どのようにして起こるのかー」という題で講演をしていただきました。

マグニチュードと震度が混乱していたのが、マグニチュードは原因規模で、震度は結果だと分かりやすく説明してくださいました。断層の破壊(すべり)の伝播はおよそ秒速3キロメートル、音速の10倍という話にとてつもないエネルギーを感じました。また、マグニチュード9クラスの地震は、断層面積は100000平方キロメートル(東北地方と同じくらい)滑り量10メートル、の波動エネルギーは広島、長崎の原爆3万個に匹敵すると聞いて言葉を失いました。また、鮭おにぎりに換算すると2.5兆個分であるそうです。この様に身の回りのことと比較してお話してくださり、面白かったです。太平洋プレートの動く速さは、髪の毛が伸びる速さだそうで、フィリピン海プレートの動く速さは、爪が伸びる速さだそうです。髪の方が伸びるので太平洋プレートの方がひずみが溜まりやすいということでしょうか。3.11後に予想される最大余震はM8クラスだそうです。明日起こるかもしれないし。30年後かもしれません。長町ー利府線断層帯とも合わせ備えが肝心です。長町ー利府線断層帯が30年以内にM7.0~7.5の地震が起こる確率は1%以下と言われているが確立を過小評価している可能性もあります。

10月21日の鳥取地震の特徴は、鳥取には活断層が確認されていないのに被害が大きいことです。活断層とはM7.3を超えると現れるもので、M7以下だと断層として残らないのが原因です。断層の有る無しだけで地震の安全を議論するのは無意味なのだと分かりました。M6.8くらいの地震は、日本中どこでも(活断層の知られていないところも)起こる可能性があります。

蔵王火山についてです。警戒レベルが2から1に下がったのですが。山体の膨張は続いています。地震の回数が少なくなったから安全ではなく、今後も注意して観測する必要があります。蔵王山は明治までは頻繁に噴火していました。

地震対策について。ゆっくりとした揺れが長時間続くときは要注意。家具の固定(天井からつるせるくらいの強度がベスト)建物にしばらく戻らない、経験や知識の伝達が大切です。

日本の国土は世界の1/400ですが、世界で起こる地震の20%は日本で起きています。M7クラスの地震が世界で5件起きるとその1件は日本ということに驚きました。この稀な国土に住む私たちは、地震や火山について知識や経験が多いという利点を生かし、どの様に暮らすのか、メカニズムはどうなっているのかなど考えるチャンスに恵まれているのだなと思いました。

投稿者:宮城県宮城第一高等学校

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