東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

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平成28年度 活動ブログ

平成28年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2016.12.19

第8回卵の感想

卵の感想 秋田県立秋田高等学校1年の早坂椿です。勉強がひと段落し、久しぶりにブログを書きます。秋田では金曜日に吹雪で学校から帰ると雪かきに追われましたが、仙台は雪が積もってなくて、暖かくて過ごしやすいなと感じました。土曜日は人生初めてひとりで新幹線に乗りました。公共の乗り物といえばほとんどバスしか使わず、卵の時しか新幹線を使わないせいか、新幹線はテーブルもあり速度も速く、安全で、最高だと改めて感動しました。しかし、その快適は東北大学さんからのいただきものであり、多くの人が運行のために働いているからこそのものであることを忘れずに感謝の気持ちを持ち続けたいと思いました。 今回の英語サロンは「減災アクションカードゲーム〜地震・津波〜」でした。災害時の行動を分かりやすく表したカードがあり、与えられた災害時のシチュエーションで取るべき行動として最適だと自分が思うカードを選び、なぜ選んだのかをグループの人に説明するというルールです。ゲーム感覚で楽しめて、かつ実際に地震や津波が来た時についての対処法を考えることができました。また、自分のグループはもちろん他のグループの人が選んだカードとその理由を聞くことで、自分が考えつかなかった行動の選択肢を学べてためになりました。私は、テロやバスジャックに遭遇したり歩いていて急に刺されたりした時にどうしたら助かるか頻繁に考えます。これからは、地震や津波をはじめとする災害時からゾンビに囲まれた時まで幅広い危機的状況を想定し、どのように自分や家族の安全を守るか、理由も明確にして考えたり家族と相談したりして、その時に必要な道具や対処法を身につけていきたいです。 日本は2020年に東京オリンピックを控え、外国人観光客の飛躍的増加が見込まれます。そのために各地で彼らへの配慮が見られてきていますが、それと同時に、外国人のための災害時の情報伝達手段をきちんと確立させなければなりません。そこで私は、中学校で国語の時間に扱った教科書の「やさしい日本語」という文章を思い出しました。やさしい日本語は専門用語を簡単な日本語に直したもので、外国人が理解できるように考えられました。例えば「津波」は「高い波」などで表すそうです。その場合、日本語が少しは分からなければなりません。しかし、今回英語サロンで使用したカードは文字が一切使われておらず、全世界の人々が共通して分かるため、災害時に良い利用ができると思いました。 また、もう1つ英語サロンで思ったことは、春と比べて英語を話せるようになったということです。卵の講座に参加して焦燥感を感じたおかげで、英語の暗唱大会に参加してALTと話す機会を得たり、母に頼み込んで夏からAEONに行かせてもらったりと積極的に取り組むことができました。次の講座ではTOEICを受けさせてもらえるということでとても楽しみです。まだ1年生なので不安はありますが、いただいたテキストを英検の勉強と並行させながら解いていきたいです。 お昼には、いつもと同じカレーと野菜ジュースを食べました。野菜ジュースは、良薬は口に苦し!と思って、売っていた中で1番美味しくないものを選びました。しかし、後々考えてみると、良薬だから不味いのであって、不味いからといって良薬とは限らないことに気づきました。因果関係は間違いやすいことがあるから気をつけた方がいいことと、ことわざや先人の知恵は正確に理解しておかないと損をすることが分かりました。 ご飯の後は、安藤教授の「プラズマと核融合」の講義でした。核融合エネルギーと聞いて、特に核という漢字を見て、環境に悪く、世界を脅かすという連想をしましたが、私は全くの阿呆でした。なんと核融合エネルギーとは、二酸化炭素を排出せず、暴走も爆発もしない新エネルギーで、しかもエネルギー源が海水であるため他国に頼る必要がないばかりでなく、少しの燃料から莫大なエネルギーを生み出せるそうです。最強ですね。 そんな夢のようなエネルギーでもデメリットがあるだろうと帰って調べてみると、巨大な施設の建設にお金がかかるという欠点があることが分かりました。現在日本での核融合研究は岐阜県にあるヘリカル装置で行われています。その装置は、高度な職人の技術で作られ、塵が入らないように管理され真空状態を保っています。これはお金がかかりますね。とても大きな装置をどのように真空状態にするのか疑問に思い調べてみましたが難しかったので時間をかけて読んだり先生に質問したりして理解したいです。デメリットのもう1つとして、調べていると、トリチウムが放射能被曝を起こす可能性があるという文章を見つけました。核融合反応では、重水素とトリチウム(三重水素)をぶつけてヘリウム原子になった時に中性子が離れ、もともとその中性子をくっつけていた分のエネルギーが得られます。その離れた中性子にまた水素がくっついて...と繰り返されます。インターネットを利用して調べたために確かであると断言はできませんが、それによると、放射性物質であるトリチウムは毒素は高くないものの、水素は閉じ込めておくのが難しく、そもそも水になってしまうため排水の中から取り出せずにたくさん集まって有害になってしまうという問題点があるそうです。若干キャパオーバーですが、配布された資料によると、トリチウム分離精製装置とあり、それがその問題に対してどのような解決策をとっているのか詳しく知りたいです。 世界の核融合研究では国際協力してITERプロジェクトが進んでいるとのことです。そこでITERのウェブサイトでITERをペーパークラフトで作ってみようというものがあり、作ってみました。カッターを持っていなかったので作るのに2時間ほどかかりましたが、印刷して、切って、折って、組み立てて、久しぶりの工作でとても楽しかったです。完成形はもちろん立体で部品の説明もついているのでより理解することができました。皆さんもぜひやってみてください。 最近は世界のあちこちでエネルギー消費量が増えていて化石燃料がなくなるタイムリミットが近づいています。そんな中で、無尽蔵にエネルギー源が取れる核融合は魅力的ですが、それが実用化される前に化石燃料がなくなって人類が痛手を被り、今までの行為が愚かだったことを理解することで、これからは資源を有効活用しよう、と考えを改めるのではないかと思います。そうでなく、化石燃料が尽きる前に見事核融合発電が実用化して火力発電や水力発電から乗り換えてしまえば、どこかで私たちは「自分たちは化石燃料や自然に見捨てられたのではない。より良いものを作り出し選択をし、それらを見捨てたのだ。」と勘違いしてしまう気がするのです。そして環境問題への国際的な総意は変わらずに遠い未来に後悔しても遅い時が来てしまうのかもしれないのです。現実、発電がなくなってしまえば世界は回らなくなるからできませんが、未来のためにどこかで苦しい時を迎えなければいけないと思います。 講義の次はひよこさんたちとの交流会でした。3回も違うひよこさんからお話をお聞きする機会があり、志望している学科以外についても知ることができました。教員になるための授業を選択できることや、テストがあること(大学と聞いてテストを想像しませんでした...)、バイトするなら家庭教師がいいことなど新しいことをたくさん知ることができました。また、高校でどのように勉強をしたらよいかも聞き、励みや活力になりました。ひよこさん、面白い話や役立つ話をたくさんしてくださりありがとうございました。 今回はなぜかたくさんの人と話せて、とても楽しかったです。これからも、限られた卵の講座の回数の中で、より多くの人とのつながりを大切にしていきたいです。

投稿者:秋田県立秋田高等学校

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