東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

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平成28年度 活動ブログ

平成28年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2017.01.07

もし天2016!Part1.~もし天って何?~

宮城県仙台第三高等学校 理数科 鈴木 智寛です。

2016年の12/22〜12/28まで、「もしもキミが杜の都で天文学者になったら。」という、東北大学と仙台市天文台が主催の、天文学者の職業体験(グループでの課題研究)に参加しました。南は岡山、北は北海道から、総勢16人の高校生が集まり、4つのグループに分かれて研究を行いました。サポートはその倍以上の大人がついてくれて、東北大学の教授、先生、大学院生、大学生、宮教大の学生、仙台市天文台の方々、もし天卒業生...他にも多くの方のサポートの中、僕達は仙台市天文台のひとみ望遠鏡を使った天体観測を基にした課題研究を行いました!!!

ポスター1.pngポスター2.png

(もし天より引用した広告ポスター2枚)

https://www.astr.tohoku.ac.jp/MosiTen/

↑(もし天のホームページ)

僕達の4人グループは「ブラックホールと銀河の形成の関係」を探ることを目的として、二日間に渡って計画し、プロポ―ザル審査会を合格した後に仙台市天文台のひとみ望遠鏡で撮像観測した銀河のデータを基に、勉強しながら銀河の質量や光度を計算し、ハッブル分類や過去の論文を参考にしながら、研究成果をまとめました。7日目に東北大学の青葉サイエンスホールにて30分間の口頭発表を行いました。僕達の班は、観測データから、渦巻銀河同士の合体によって楕円銀河ができる。という仮説を証明し、銀河の成長過程が、矮小楕円銀河→渦巻銀河→楕円銀河となることを発見しました。また、銀河合体する前と後の銀河の質量と、その銀河の中心に存在する超巨大質量ブラックホールの質量を比較したデータから、銀河合体によって銀河が成長することと、銀河合体の時に、2つの渦巻銀河が衝突を繰り返し大きくなり、2つあったブラックホールも衝突を繰り返す中で1つになり、大きくなることを発見しました。

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(ひとみ望遠鏡で得た撮像観測データを、マカリというソフトで解析し、銀河の光度と質量をExcelも駆使しながら求めようと奮闘する鈴木智寛)

この7日間はとても濃く、辛く、楽しいものでした。そこで、学んだ3つの事を記して、この記事を終わりにします。

1、共同研究の時の個人個人の理解度の差を埋める難しさを痛感しました。人間関係、コミュニケーション能力って、研究者に大事なんだと実感させられる経験でした。頭いいだけじゃ、上手くいかないようですね(笑)

2、研究者に1番大事なのは、三食しっかり食べる事だと分かりました。(コンビニ弁当ばかりだと6日目くらいから、頭痛や吐き気に襲われます)睡眠時間や朝食を削ると、5日目くらいから頭の働きが悪くなりました。

3、地道な研究を続けられるのは、その先に驚くような、面白い結果が出るという可能性が1%でもあるからです。粘り強い人間だけが生き残り、そこに辿り着ける可能性を得るのです。それでも僕は、研究者になりたいです。

今回、一緒に7日間、早朝、昼食時、寝る直前までも、ずーーーーーっと宇宙の事ばかり話し合って、笑って、悩んで、頭を痛めたRAKKI☆班の3人。丁寧に銀河やブラックホールについて解説授業をしてくれたSLAの皆さん。宇宙の面白さを、誰よりも分かりやすく教えてくれた野田先生。Oh!バンデスでの生放送宣伝で緊張していた僕を優しい笑顔で落ち着かせてくれた津村先生。東北大学理学部が持つ天体望遠鏡を惜しみなく紹介してくれた本物の木村先輩。皆に気を配ってくれたカメラマンの幹人先生。ここには書ききれませんが、本当にたくさんのサポートメンバーに支えられたからこそ、7日間の研究を乗り越える事ができました。本当にありがとうございます!

研究者の辛さを知りました。研究者の醍醐味を学びました。研究者の喜びを仲間達と分かち合いました。僕はやっぱり研究者になりたいです。

宮城県仙台第三高等学校 理数科 鈴木 智寛

投稿者:宮城県仙台第三高等学校

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