東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

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平成28年度 活動ブログ

平成28年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2017.04.02

海外研修を振り返って

 こんにちは。秋田県立秋田高等学校の東海林紬です。先日参加させていただいた海外研修についての記事を書かせていただきます。

 今回が私にとって初めての海外渡航でした。出発前は、自分の英語がどこまで伝わるのか、相手の英語をどこまで聞き取ることができるのかと言語に関しての心配が大きかったです。アメリカで、ホストファミリーやSTEMの生徒さん達とお話しするなかで、自分の英語力の課題がはっきりと見えてきました。私が最も自分の課題であると感じたのは、聞き取りでした。日頃から英語のニュースに触れるなどして、少しずつ慣れていければと思います。また、先日カリフォルニアを含めたアメリカ西側はまだゆっくりしゃべる方だということを知り、世界共通言語である英語を使って世界の人々とコミュニケーションをとるためには、様々な英語に対応していく力も必要だということに気づきました。自分がもっと英語を理解できていれば、自分がもっと英語を話せれば、この研修で学び取ることができたことはもっと多かったはずだと、少し後悔しています。今回の反省が、次に海外に行く機会に確実に活きるようにしたいと思います。

  STEMの高校生と交流する中で、アメリカの高校生は多くのことに挑戦しているのだという印象を受けました。日本から遠く離れた、アメリカという国で頑張っている仲間と出会えて、この人たちと一緒に自分たちは将来世界をつくっていくことになるのだという意識が生まれました。海外研修を通して、自分の見る世界が確実に広がったのを感じています。海外研修中に、たまご15人でディスカッションをする機会がありました。主にHarada Houseという過去に虐げられる立場にあった、日系アメリカ人の方が住んでいらしたお宅についての議論でした。その場では15人全員が自分の意見を持っていて、相手の意見を尊重し、相手の意見を踏まえて議論が広がっていきました。同年代の仲間と議論をする機会はあまりありませんが、今回はとても良い経験ができたと感じました。

 ここで、私が興味を持った、カンガルーラットの保護について 少し書かせていただきたいと思います。

3/22に地学研修で訪れたSycamore Canyon 自然公園では、絶滅の危機に瀕しているカンガルーラットの保護をしているというお話がありました。私が疑問に思ったのは、その保護の方法についてです。私が考えられたのは、カンガルーラットの天敵を駆除するなどして個体数の減少を防ぐという方向と、カンガルーラットが繁殖しやすいように環境を整えるという、個体数の増加を促すという方向でした。環境省のホームページで日本国内の取り組みについて調べてみたところ、やはり「生存を脅かす原因を取り除く」と「生息環境を改善することで生息地で数が増えるようにする」の2つが大きな柱としてありました。具体例としては、生息地での捕獲や開発の禁止、餌となる植物が増えるようにするための草刈りなどがあるようです。自然界の食物連鎖に直接的に働きかけてある種を保存しようとする計画は、対象とする種以外への影響を熟考する必要があります。Sycamore公園に、「ガラガラヘビ注意!」の標識がありました。ガラガラヘビはカンガルーラットの天敵です。そう考えると、あの公園ではガラガラヘビの駆除が行われていたのだろうかと考えられます。Sycamore Canyon 自然公園

 また、絶滅危惧種保護の方法の一つとして、「生息域外保全」と総称される、動物園などの施設で保護するという方法もあるそうです。檻の中に閉じ込められている動物がかわいそう、と動物園に反対する意見も確かにありますが、子どもの教育のためという目的だけでなく、種の保存のためという側面も動物園は持っていたのかという気づきがありました。動物園のような生息地から離れた、完全に管理された施設で保護されるということと、今回訪問した公園のように管理された自然の中で保護をしていくことのメリット・デメリットについても考えていきたいです。

 海外研修での、たまごやアメリカの高校生との交流を通して、自分の課題、そしてこれからの自分がどうあるべきか、そんな自分を目指すにあたって自分はどうすればいいのかということが、以前よりも明確に見えたと感じます。最後になりますが、科学者の卵養成講座でご指導くださった先生方、メンターさん、ひよこの方々、たまごのみなさんにお礼を申し上げたいと思います。

 貴重な経験をさせていただきました。ありがとうございました。

投稿者:秋田県立秋田高等学校

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