東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

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平成28年度 活動ブログ

平成28年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2017.04.02

海外研修のご報告①(1~3日目)

こんにちは。日本航空高等学校の加藤愛菜です。先のリバーサイドでの海外研修についてご報告させていただきます。同期の方やお世話になった方、また来年度参加される方の参考になればと思います。(私自身昨年度の方の記事を服装など考えるときに何度も読ませていただきました。ありがとうございました。)

まず研修先のリバーサイドですが、カリフォルニア州南部に位置する、仙台の姉妹都市(今年提携60周年を迎え全米で最も古い姉妹都市のひとつ)であり同州におけるオレンジ栽培発祥の地でもあります。ケッペンの気候区分ではステップ気候に属します。

また、このブログでたびたび登場するSTEMについても紹介いたします。正式名称はRiverside STEM Academyで、STEMというのは「Science, Technology, Engineering, and Math」の頭文字をとったものです。理系に特化した5年生から12年生(10歳から17歳)までの学生が通う学校です。年に1度行われる抽選に参加し当たったら入学できます。

リバーサイド 087.JPG

*The First Day*

家からバスで成田空港へ向かい、成田エアポートレストハウスというホテルにて集合後、事前研修(先生方の話、自己紹介、STEM worksの準備等)を行いました。自分が海外研修に行けるとは思ってもいなかったので、海外研修に選抜されたという書類が届いてから優秀なメンバーの中で悪い意味で浮いてしまうのではないかという考えが拭えませんでしたが、先生方の話を聞いて今回参加することが出来なかった人の分まで甘えたことを考えていないで自分を最大限発揮し、最大限学んでこなければと思いました。

リバーサイド 019.JPGホテルの部屋から。大韓航空など様々な航空会社のコンテナ、またタグ車が見えました。

*The Second Day*

3月19日の17時に日本を発ち、319日の10時頃にロサンゼルス国際空港に到着したため、飛行機から降りたら時間が巻き戻っているという現象が起こり日付変更線を身を持って感じました。

その後リバーサイドにバスで向かい、車内で大気汚染問題への取り組みとして高速道路にカープールレーン(車内に二人以上乗っていると入れるレーン)を設置したという話を聞き、そのような発想は思いもよらなかったので驚きました。私の地元の群馬は自動車普及台数が日本一なので、このレーンを取り入れ環境問題に取り組むことは有効なのではないかと思いました。

リバーサイド 072.JPG 黄色い線の内側がカープールレーンです。

バスで向かった先はリバーサイド市内にあるSTEM生の家で、そこで歓迎パーティーに参加し初めてホストファミリーに会うことができました。事前のメールでの交流が盛り上がり毎日メールをしていたので実際に会って話すのが楽しみでしかたがなく、やっと会えた!という感慨がありました。

私がお世話になったホストファミリーはスリランカ系で、3世帯で暮らしていました。私の年齢からみて祖父母にあたる世代の方は英語ではなくスリランカの公用語で話し、それ以外の世代は英語も話せるバイリンガルでした。家族内での会話が英語から突然理解できない言語に切り替わるということが多々あり、バイリンガルの家庭の実態を肌で感じました。

パーティーの後はホストファミリー宅に移動してからリバーサイド市内が見渡せるという山にハイキングに行きました。

リバーサイド 066.JPGハイキングに行ったRubidoux山から見たリバーサイド市。ステップ気候とは思えぬ量の緑が。

*The Third Day*

朝7時代から集合し、STEMの高校生による歓迎会(これでもかと用意されていたドーナツを食べたり、外で人間知恵の輪のような遊びをしたり)に参加して親睦を深めました。いろいろな学生と話しましたが、安定してひたすらまわり続けるこまのようなおもちゃで遊ぶ学生を発見し何事かと話を伺ったところ自分で設計して3Dプリンターで作ったというのだから驚きでした(3Dプリンターは学校にあるそうです)。資金調達ルートを確保してどこかの店で売るべきだと思いました。

そのまま学生に学校を案内してもらい使われている教室や教科書、授業風景を見学しました。多くの実験ができる環境があったり、授業が先生から生徒への一方的でなく、両者がコミュニケーションを取り一緒に考えながら進めていくものがあったりと日本とは異なる部分が多かったです。

リバーサイド 079.JPG 化学の教室にて。STEM magic! ということで先生に水に入れても濡れない砂を見せていただきました。

リバーサイド 081.JPG エンジニアリングの授業の様子。写真のように生徒はそれぞれノートパソコンを持っていて、日々の連絡や宿題の提出もネット上でするそうです。

テストが多く大変と言っている生徒もいましたがこのように授業中のコミュニケーション然り、実験然りで自分の知識や考えを様々な方法で磨くことができる環境にこの年代でいられるということはとても恵まれていると思います。また、STEMの高校生はとても自立していて、自分たちでリーダーシップを取りながら学校案内も歓迎会も本当にうまく進めていくので驚くと同時にこれが私に足りないものであるとも思いました。近年多くの学校で新しい教育が模索されていますが、意欲的で自立した学生を見てこの風潮に納得しました。STEMのような教育を取り入れて行くのも一つの手ですが、現行の教育にそのまま様々な授業や活動を増やし生徒の負担が増え結果的におざなりになってしまったら本末転倒なので何でもアメリカ風にするのではなく日本人をよく見て合うようにアレンジして取り入れていくべきだと思いました。

また、宇宙生物学について学ぶアクティビティもしました。内容は宇宙にある物質のうち、地球にあるものと同じ臭いや味がするものについてそれらがどこから来たのがを実際に臭いを嗅いだり食べたりして考えるというものでした。わたしは天文系の学問に苦手意識があったのですが味覚と嗅覚を使ったゲームの授業はとてもおもしろく抵抗なく宇宙について学ぶことができました。そもそも宇宙について実際に食べたり臭いを嗅いだりして学ぶという発想が全くなかったのでこのような学習方法があるのかと驚きました。

投稿者:日本航空高等学校

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