東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

平成28年度 活動ブログ

平成28年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2017.04.04

海外研修のご報告④

こんにちは。日本航空高等学校の加藤愛菜です。今回が最後の記事となります。

The Sixth Day

この日はリバーサイド市長のもとを表敬訪問し市長(元高校の先生、とてもフレンドリーです)や国際交流課の方にテラスのようになっている見晴らしの良いコミュニティスペースを歩きながらリバーサイドについての説明をしていただきました。

内容は多岐に渡り、リバーサイドの伝統的なホテルであるミッションインについてや、リバーサイドは大学の多い都市で世界中から生徒が、帰省の時期に人口が減るほど多く集まるということ、またその学生が落とすお金がカリフォルニアでは高価な水の代金(カリフォルニアは乾燥しているのでコロラド川から取水する必要があり水が貴重で高価である)を賄うのに役立っていることなどを聞きました。

また90年代後半ではオレンジ栽培の成功により、アメリカで最も裕福な都市になり、UCR(カリフォルニア大学リバーサイド校)も柑橘類の研究機関として発足したとのことでした。

テラスからリバーサイドを見渡した後は市長の部屋に行き、部屋の様子を見たり仙台市長の親書を渡したりしました。

その後STEMに戻り2回目のSTEM workをしました。1回目で流れは掴むことができ、さらに相手が少人数かつ高校生だったため(1回目の相手は中学生でした)、騒がしくならず趣旨もうまく伝わり滞りなく進めることができました。

放課後は3人のSTEM生+日本人の高校生4人でショッピングに行き、そこのフードコートで人種差別を科学的な視点から解決するにはどうすればよいか一緒にディスカッションしました。(実はこの日の午前中に人種差別や原田ハウスについてのディスカッションを海外研修のメンバーでしたのでその流れを受けています)結論を書くと、現在私たちは違う外見的特徴を多く持っていますが元をたどれば同じ祖先を持っているので、それを知るために、自分の祖先がどこから来たのかを科学的に検証するシステムを開発するのはどうか、というものです。道徳的なことや歴史的なことで人種差別について学ぶことはもちろん大切ですが、このように元をたどれば自分たちは結局同じ人類であり差別が無意味であるということを科学的に証明するのも手だと思います。

The Seventh Day

この日はUCRの見学がメインでした。朝はUCR内のスターバックスに集合しました。このスタバの営業時間は朝5時半から夜中の12時まで。朝から勉強している学生がたくさんおり、アメリカの大学生は本当によく勉強するという話をいろいろなところで聞きますが、このスタバの営業時間にも表れているのではないでしょうか。

UCR内のツアーで印象的だったのは半導体の研究室見学です。見学の前の教授のプレゼンテーションでは、以前の半導体の断面は層が平らに重なっておらず電気を流したときの効率が悪いので平らにする必要があること、半導体の最適なバンドギャップを生み出す物質を探したり、最適な層の数を研究し、オンオフがよりスムーズにできる半導体を作る研究をしているとのことでした。その後半導体のサンプルを作るクリーンルームや働きを解析する施設を見学しました。クリーンルームは厳重に管理されていて帽子と白衣をつけて作業している人もおり、半導体を作るという作業が少しでも阻害するゴミなどをいれてはいけない繊細なものであるということがうかがえました。今まで半導体や電気の話は苦手で嫌煙していたのですが、ここでの研修は本当に面白く興味がわき自分でも驚きました。サイエンスと言っても様々な分野があって、その中にはもちろん興味がないものや苦手なものもあると思います。しかし私のように何かがきっかけでそれが実は面白い分野であったということがわかるかもしれません。将来自分が研究するときにどんな知識が必要になるかわからないのですから、好きになっておいて損なんてことはないのです。最初から壁を作らずサイエンスに対して心を開き幅広い知識を得るということが将来の自分のためにできることなのではないかと考えました。

この日がSTEMの学生と交流する最終日だったので、全ての行程を終えた後に送別会を開いていただき、Tシャツにメッセージをもらったりダンスをしたりして別れを惜しみました。この滞在で友達が増え、まだまだ話したりずあと1年はリバーサイドに留まりたかったのですがこの日で終了です。

友達の一人が何度もハグをしてくれたり(私も負けじと返しました)、"I'll miss you."と言ってくれたり、さらに帰り際まで見送りに来てくれて本当に別れるのがつらかったです。今もメールでコンタクトをとっており仲が続いているので、また会いに行きたいと思います。

The Last Day

この日は早朝にSTEMでホストファミリーとお別れをしてからバスに乗ってCalifornia Science Museumに行き、エンデバーを見たり、IMAXを見に行ったりしました。まずエンデバーの展示についてです。エンデバーは今までに何度も宇宙に行っているが、機体が爆発したり空中分解したりして乗っていた宇宙飛行士が亡くなってしまったというものがありました。宇宙飛行士は宇宙に行く前に遺書を書く方が多いと聞きますが、相当な覚悟がなければスペースシャトルやロケットには乗れないのだということを改めて感じました。未開の宇宙には様々な可能性があることは確かですが、そのような犠牲の上に宇宙の研究が成り立っているということを忘れてはならないと思いました。そしてIMAXでは3DISSの内部や地球の表面を見ることができ、実際の宇宙飛行士のISSでの生活や、宇宙服を着てISSの外にでるのがどのようなものかなどを自分も宇宙にいるかのようなリアルさで体感することができました。ISS内部にはランニングマシンや筋トレ装置もあり、ISSの開発には様々な分野の人が携わっており、宇宙飛行士が過酷な環境でもよりよい生活ができるように工夫しているのだということがわかりました。

そして最後はグリフィス天文台に行きました(LA LA LANDのロケ地でもあります)。天文学を学ぶために、より遠くのものがはっきり見える望遠鏡の開発が求められてきたという展示があり、天文の研究にも工学の知識が必要であることがわかり、自分が学びたい分野だけでない他の分野も学ぶことの大切さを理解すると共に科学者の卵で一年間様々な分野について学べたことの有り難みがわかりました。

○まとめ○

過ごした1週間があまりにも濃く私の成長1年分がつまっているのではないかと思っております。1番成長したと自負しているのがリスニング能力と科学的な視点から考える力です。リスニングについて、日常会話も行く先々での解説も英語で、最初は一つ一つ耳を研ぎ澄まさなければならず疲れもありましたが徐々に頭にスムーズに入ってくるようになり疲れも感じなくなりました。科学者を目指すにあたり英語ができるということは必須なので、英語の勉強をする時間が取れる今のうちに使えるものにしていこうと思っております。また、科学的な視点から考えるようになったということについてですが、毎日書いていたレポートに秘密があります。最初は科学的な視点を意識せず内容の薄いレポートを提出してしまい、先生方やメンターの方々から「これは語学研修でなく科学者の卵だ。もっと科学的な視点を持ってレポートを書かなければならない。」という喝を頂戴しました。そこから一日一日を科学的な発見や考えを持つことを意識して過ごすようになり、最初は苦労しましたが徐々にアイデアがどんどん出てくるようになり楽しめるようになっていきました。このようなことを自分が言えるようになるとは研修前の私は思ってもいませんでしたが科学的な視点を持ってみると何気ないものも面白くなるものです。この面白さを忘れずに今後とも科学者になるべく精進していきたい所存です。このような楽しみを得ることができ、自分を成長させることができたこと、そのどれもがサポートしてくださった先生方やメンターのみなさん、研修メンバーのみなさん、STEMのみなさん、ホストファミリーのみなさん、、、挙げればきりがありませんが多くのみなさんのおかげです。心から感謝しております。みなさんとの出会いは私の大きな財産です。今後ともよろしくお願いいたします。

投稿者:日本航空高等学校

PAGE TOP