東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

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平成28年度 活動ブログ

平成28年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2017.04.16

海外研修の報告 ~5日目・6日目・7日目とまとめ~

こんにちは。宮城県仙台二華高等学校の武田一紗です。
前回の公開から約2週間ほどあいてしまったのですが、今回のブログで締めたいと思います。
(写真を挿入したかったのですが、エラーとなってしまい、挿入できませんでした。できるようになったら加えようと思います。すみません)

3/23(木)
・活動内容・
シニアレセプション
リバーサイド市長 表敬訪問
Harada House等についてディスカッション
STEMワークスⅡ 「紋切り遊び」


特に印象に残ったところを、書いていきます。

シニアレセプションの後、リバーサイド市長を表敬訪問。とても気さくな市長さんのお話によると、Mt.Rubidoux の近くを流れる川のそばというのがリバーサイドの由来だということで、Mt.Rubidouxがシンボルの1つだということを再認識しました。市長さんのお話の通り、とても景色が良かったことを思い出しました。

STEM works2日目は紋切り遊びをしました。やりながら、日本のはさみの切れ味の良さを改めて感じました。日本のモノのクオリティーは本当に高いと実感できました。
気付いたことをもう1つ。STEMだからなのか、アメリカがそうなのかよく分かりませんが、授業時間がかなり不思議でした。というのも、STEMの先生に、「次の授業は何時までですか」と伺ったところ、「ちょっと待ってね...」といわれ、驚きの答えが返ってきました。「1403から1442まで」だそうです。39分授業って一体。...日本ならせいぜい時間割は5分刻みくらいのはず。これではタイムスケジュールの把握が難しいのではないかと思ってしまいました。他にも、10:30から11:21まで、など1分刻みが多発。やっぱり私は、5分刻みが良いです...。

昼食後、卵の15人でHarada House についてのディスカッションを行いました。

差別、Harada Houseのことを広めるためには等、いわゆる文系的なことはかなり考えが深まりました。当たり前ではないことが怖い。だからこそ自分を守るため、防衛本能で同じ人間とみなさない差別をしてしまう。無くすのは難しいけれど、選択肢を狭めてしまう差別をするのではなく、いいところ、個性を区別する。しっくりきている考えです。
私は早い話の展開についていくのに必死で、まともな発言はできなかったように思いますが、あ互いに意見交換が出来て良かったです。

放課後、私を含めて4人の卵でそれぞれのホストファミリーにこのことについて聞いてみました。ディスカッションをするのが理想だったのですが、話したいことを英語で説明し理解してもらうのに約1時間かかりました...。
ホストシスターたちの1つの考えとして、
タイムマシンのようなものを作ってみんながそれぞれ大昔に戻れるようにする。そうすれば、祖先がアフリカ大陸からやってきた同じホモ・サピエンスだとわかるから、差別しなくなるのではないかということでした。
科学技術を用いて人々の意識改革をするのはとてもいいアイディアだと思いました。
私は、マッチ売りの少女のマッチのように、擬似体験できる装置があればいいと考えました。いわゆるVRのようなもので、差別される側や、過去の歴史上の出来事の現場にいた気分になってみることで気持ちが変わるのではないかと思います。差別を当たり前のことには思えなくなるはずです。しかし、これだけでは「差別している人」の意識改革が主で、日本人をはじめとする多くの人々にHarada Houseを知ってもらえません。Google検索トップページの「Google」のデザインが時々変更されていることがあります。大勢の人が使うものにそういう工夫をすれば、知る人が増えると思います。

以上は、あくまで私の思いつきであり、現実的に考えるとつっこみどころしかないですが。科学と疑似科学が混ざってもいるので...。
また、ホストシスターたちはそれぞれイタリア系、スリランカ人、アメリカ人とメキシコ人のハーフです。出身国は違っても、アメリカを誇りに思っているという事でした。そういう部分で気持ちが一つになっている、団結力の強さを感じました。

4
日目にして、初めて科学的なことについて英語で意見交換ができました。伝えるということの大変さを痛感すると同時に、上記の考えは私の発想になかったので有意義な会話になりました。


3月24日(金)
・活動内容・
UCR 研究室訪問(半導体、昆虫学)
実験ワークショップ
プレゼン本番
farewell party


UCRにある、半導体の研究室を見学しました。MoS2を用いて薄く小さいマイクロチップを作製していました。調べたところ、モリブデンは、カーボンファイバーの次の世代の材料として注目されている材料だそうです。なんと、人間の体にも必要な栄養素として微量ですが、あるそうです。私は、モリブデンという名前しか聞いたことがなかったのですが、半導体分野の研究が進み、もう既に次々世代の材料があると知り、科学の日々の進歩を感じました。3次元の立体構造を薄くするために2次元構造に変えることを目指す研究をしているそうです。
ここでの話も、メンターさんからの助言があったからこそ何となく理解できたものの、専門用語が多すぎて一度聞いただけでは到底理解できませんでした。将来的には自分の専門分野を持つとはいえ、専門用語を使いこなすこと自体がハードルが高いと感じました。
それに加えて、クリーンルームも見学させていただきました。塵ひとつ持ち込まないようにする超清潔を保たなければなりません。維持費によほどの費用がかかるのか、大学に1時間の使用につき30ドル払うのだそうです...。

昆虫学のお話は日本人の山中先生から伺いました。植物に分類学があるのと同じように、昆虫学の1つとして分類学があると分かりました。
その後、日本では見られない虫を見ることができました。私は、ナナフシと俗名がブルーデビルという虫を触りました。ナナフシのようにくにゃっとして比較的柔らかい虫もいれば、標本を作る際に釘(?)を刺せず、ハンマーが必要なほど硬い虫もいます。押されるのにとても強いのだそうです。まるで死んでいるかのように動きませんでしたが、実際押しても硬くて潰れませんでした。

STEMに戻ったらいよいよプレゼン本番。(とても緊張していたので初めに渡辺先生にイントロダクションを挟んでいただきました。)20人以上に聞いてもらえたかと思います。
プレゼンの後、あるSTEM生が「so fast 」と言っていたそうなので、それが少し残念です。内容自体が日本語でやっていた私たちにとっても難しかったのだから、当たり前かもしれません。
ただ、2つだけでしたが質疑応答できたのも収穫です。このような経験はめったに出来ないので、自分の経験値を上げる貴重な機会となりました。



追記;夜、車から降りて気づいたことがあります。ステイ先の家がある住宅街は、外灯の色が赤っぽいです。日本ではトンネル内くらいでしか見かけないと思います。少なくとも、私の家の周りは白色です。明るさが大きく違うようには感じませんが、心なしか星がよく見えました。


3/25(土)
・活動内容・

ホストファミリーとお別れ
カリフォルニア科学博物館にて研修
ファーマーズマーケットで昼食
グリフィス天文台で研修


ついにホストファミリーとお別れする日に。あっと言う間の1週間でした。寂しいですが、LINEを始めとするインターネットを使った連絡手段によって「keep in touch 」が楽に実現するのも、科学の進歩のおかげだと思いました。

博物館では、大きく分けて宇宙、生物、工学系の分野の展示を見学しました。エンデバーの迫力がとても大きい...。ロケットのエンジンは、酸素と水素が使われています。機体の9割を占めるエンジン部分の軽量化を図るためと、エンジンの冷却効率の面を考慮したためです。また、万が一落ちた時の海の汚染も考えると、石油等の化石燃料では欠点が多いと分かりました。
エンデバーがあったフロアでは、ロケットに使われたエンジンのことや、エンジンが不良で発射から72秒で燃えてしまった「チャレンジャー号」の話など渡辺先生が解説してくださって理解が深まりました。
私は、発展コースで根の重力屈性について研究しましたが、担当の高橋教授は、以前に向井千秋宇宙飛行士ら協力のもと、宇宙実験を行っていたそうです。そのときのロケット打ち上げのパネルもありました。改めて宇宙実験のスケールの大きさを感じました。

その後、クリエイティブワールドを見学して、昨日講義していただいたナノテクノロジーの半導体に関するブースにも行きました。モルフォチョウは一見羽が水色ですが、実は茶色です。羽を構成する小さい部分の重なり具合や反射の仕方によって水色に見えるというのがよくわかりました。(後日、「構造色」という仕組みが関わっていると教えていただきました)ナノレベルの世界はすごいと思いました。

ファーマーズマーケットでの昼食後、アメリカ式片付け方に疑問を感じました。ゴミ箱の中にゴミを入れて、皿とトレーはその上に重ねていました。店側からしてみれば、どこで飲食したか分からない客の皿などをいちいち探すとしたらとても手間のかかることだと思います。どうしてそのようなシステムなのか、メリットは何なのか知りたいです。日本のように、返却口があった方がスムーズな作業になると思いました。(でも、もしかしたらお皿すらも捨ててしまう...?そこまではよく分かりませんでした)

グリフィス天文台では、太陽系の惑星についての展示等を見学しました。体重計にのって重力の大きさを比較しました。惑星によって重力の影響が全然違いました。重力は惑星の質量が関係しているらしいということしかわかりませんでした。これから物理を学習すれば、少しは理解できるようになるかもしれません。
はっきり分からなかったとはいえ、今までは、積極的に考えようという気持ちがあまりなかった私にしてみれば、ここまで自分が疑問に思うことが増えたのに驚きました。


最後に...まとめです。

研修には、最初から英語力・コミュニケーション力重視で参加してしまったところが1番の反省点です。科学的観点から見てみようという姿勢が足りていませんでした。
中日に指摘されて気持ちを持ち直し、そこから意識的に科学的に物事を見てみると、身の回りのものがいつもと違ってよりおもしろく、興味深く見えました。科学の面白さを再発見できたと思っています。
また、アメリカに行って、現地の方々と接することで生活習慣の違いだけではなく、考え方の違い、今の自分とのレベルの差を実感できました。
研修後の今の自分を振り返って、そうした科学の視点を持てるようになったことや、英語でのコミュニケーション力が少しでも向上したことは収穫であり、これからの自分にとって大きな糧になると思っています。

新学期になって1週間が経ちました。この研修で身に付けたことをそこで終わりにしないように、また、刺激を受けたことを含めてこれから活かしていけるように努力していきたいと思います。
準備を始め、研修期間の10日間のサポート等、皆さん今まで本当にありがとうございました。

投稿者:宮城県仙台二華高等学校

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