岩手県立盛岡第三高等学校の佐々木暖人です。一年間、科学者の卵養成講座に参加して様々なことを知ったのですが、その中で、個人的に特に重要だと思った事を書きます。
一つ目は、大学では学力や研究する力はもちろん、自分が受けた講義についてのレポートを書くための文章力も重要であるという事です。大学生の方や、大学生の兄や姉を持つ人からすれば当然のことかもしれませんが、私は正直、この講座を受ける前は、理系に進めば最低限の文章力があればやっていける、と思っていました。しかし、実際に講義を受けた後でレポートを書く時間を与えられると、何を書こうかと迷って、やっと書き始めた頃には回収まで残り5分しかない、といったような経験から自分の文章力では大学でやっていけないという事に気づきました。そこで、その次の講義からは、どの部分が重要な抑えておくべきポイントなのかを自ら考えて、それを抑えた上で、レポート用紙の問いに対する自分の考えを書くようにしました。また、普段の生活で文章を書くときも、できるだけ良い文章を書くよう意識するようになりました。それでも、しばらくの間は時間内にレポートを書き終える事ができなかったり、文章の分量や内容もあまり充実させる事ができないことが多かったです。あれから約一年が過ぎ、最後の講座の日に自宅に帰った後、今までの講座で渡された資料やスライドの印刷、自分が書いたレポートやそれに対する先生方のコメントに改めて目を通したのですが、初めの頃に比べて、後半の方が、文章の内容や分量が充実していることに気づき、自分が学んだことや思ったことを文章で表現する力が確実に伸びた事を実感できるほどの変化を目の当たりにして、自信を持つことができました。大学生や院生の方との交流で聞いた話によると、大学では毎週のように膨大な分量のレポートを書く必要があるという事だったので、大学に入るまでに自分の文章力をさらに向上させられるように努力したいと思います。
二つ目は、英語力の重要性です。これは、私が科学者の卵養成講座全体を通して感じたことです。たとえば、講義の中で先生が話していた、研究成果を世界に発信したり、世界中の研究者との競争に勝つためには英語が必須であるというお話や、あるいは、外国の研究者と共同で研究するときの共同研究者の間でのコミュニケーションについての話を聞いて、そのように感じました。また、科学者の卵養成講座のプログラムの中に英語サロンが含まれていることからも、研究者には英語が必要だという大学の先生からのメッセージを受け取る事ができます。英語サロンで留学生の方と会話したときに、会話の内容が簡単な時は十分にコミュニケーションをとることができたのですが、会話の中身が複雑になってくると少し困る場面もあったので、大学進学後や社会に出た時に、外国の方とコミュニケーションをとったり、あるいは、私は現時点で研究職に就きたいと考えているので、自分の研究成果を伝える事ができるレベルの英語力を身につけられるように、さらに努力したいと思います。
最後に、研究者に必要な力を身につけられるようにして下さった大学の先生方やスタッフの方々、そして、毎月の講座をより楽しいものにしてくれた受講生の仲間たち、一年間ありがとうございました。
投稿者:岩手県立盛岡第三高等学校