東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

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平成30年度 活動ブログ

平成30年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2018.08.06

第三回講座「日英高校生サイエンスワークショップ発表会」

 こんにちは。岩手県立盛岡第一高等学校の金澤青空です。相変わらず今回も話題が転々する可能性が高いですが、自分の頭の中が整理できるようにまとめようと思います。

 

 今回は英語で研究結果を聞くということでした。普段あまり意識していない聴覚に神経を研ぎ澄まさせなければならなかったので、かなり体力を消耗しました。自分は英語に慣れるために普段から英単語を見るようにはしていたのですが、やはりリスニングとなると難しいものです。少々言語学的な話にはなってしまうのですが、ある新しい言語を覚えるときは聴覚を存分に使ったほうが効率的に言語を習得できる、と自分は思います。なぜかというと、それは人類の歴史にあります。文字は話し言葉よりもかなり後に出てきたものです。つまり、話し言葉というのは文字よりも我々人類に馴染んでいるということです。我々の遠い祖先は話すことによって言語を習得する期間の方が文字を見て習得する期間よりもが長かったのです。その感覚がいまの我々の中にもあると思います。だから、話すことによって聴覚情報から言語学習を行った方が良いと自分は考えています。しかしながら、自分はそうと分かっていても英語を聞くことは日常化されていませんでした。相手に伝えるためのプレゼンテーションだったからこそ比較的聞き取りやすかったものの、英語の学習が不足していたと実感した1日でした。

 

 話を戻して科学の話をしましょう。今日の発表を聞いて、物理学について研究したグループが少ないと思いました。これはなぜでしょうか。確かに、最先端の物理学は素粒子物理学などの難しいものばかりですから高校生を対象とした実験はなかなか難しいのかもしれません。しかしながら、物理学というものは最も身近な学問ではないでしょうか。例えば素粒子物理学の始まりとしては、哲学者が目の前にあるものを見てこの世の全てのものは何でできているのか、すなわちアルケーを追究する事から始まりました。この世の全ての出来事が一つの論理体系(理論)で説明できたら、なんと素晴らしい事だろう、と自分は思いますし、古代の哲学者や物理学者もそう思っていたと思います。物理学は一番身近であったからこそ人類史において早くから研究され続けられてきたのです。それゆえに日常のほとんどの現象が簡単に説明できてしまい、研究できる内容が少ない気がしてしまいます。そうではないと自分は思っています。これは物理に限らない事ですが、特に物理学は多くの条件を付け加えたりなくしたりすることができます。例をあげるとすると、(これは実験物理学ではありませんが、)物体の運動を空気抵抗ありで考えて見た時、空気抵抗が働いて摩擦力が働かないとき...等様々な組み合わせが考えられます。高校生の自分が言うのも変ですが、高校物理は本当に基本的なことです。高校物理の教科書に書かれている"単元"というのは身の回りの現象を明らかにするための"道具"と考えていいでしょう。我々は目の前の現象という機械に対して公式という最適な道具を組み合わせて、その機械をわかりやすく分解してやるのです。これが自分の思う物理学的現象の理解の仕方だと思います。理解したら研究論文としてまとめれば良いのです。ここで(自分の文章をここまで読んでくれた方々に対して、)最も注意して欲しいことは、自分は物理屋でもなんでもないということです。

 

 さて、かなり話が飛躍したのでもとに戻します。英語という言語の壁があったものの、今回聞いた発表は自分にとってとても興味深いものでした。ここでは2つまとめておきたいと思います。

 

 一つ目は"Water Disinfection and Sustainable Development Goals"です。この研究グループは、国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGS)」の一つです。自分は、このような国際的な取り組みに科学者が科学者として手助けするということはとても良いことだと思っています。(今回の場合は"科学者"ではなく"科学者の卵"というべきでしょうか。)なぜなら、そのような活動によって世界全体がより理想的な方向に進むとともに、科学者の立場をより高めてくれる可能性があるからです。科学者の立場がより高くなれば、政府や民間人とのやりとりがより思い通りに行くようになるでしょう。今まさに東北に関することではILC(国際リニアコライダー)計画が例としてあげられます。ILCは世界中の物理学者や物理に興味のある人たちによって、とても注目を集められています。もちろん物理屋の卵である(と思い込んでいる)自分もこのILCについてはとても興味があり、結構情報を集めています。ILCが災害大国かつ借金大国の日本に建設されるとなるとやはり、それに見合う重要な実験結果が得られるのか、ということが政府や民間人に理解されることが科学者にとっては大切になってくると思うのです。「我々科学者は社会のために活動を行なっていますよ」というアピールをすればいいのです。ですから、このグループの研究活動にはとても協力的な姿勢で発表を聞いていました。

 

 二つ目は"Visualization and analysis of hidden nano-technologies in our daily lives"です。この研究グループでは日常的な製品の中に組み込まれている科学的な技術を調査する、ということでした。この調査では「疎水性」と「親水性」が鍵となっていますが、この二つの性質は人間の感覚的には理解しやすいものの、数学的に表そうとするとなかなか難しいものだと思います。高校物理でいうと円運動のようなものでしょうか。概念が簡単な割に数式が難しい。自分は円運動で詰みました。この疎水性と親水性について振り返った時にちょっとした疑問が浮かびました。角度をθ[rad]とした時、θ<π/2は親水性、θ>π/2は疎水性であると定義されていました。本当に細かいことなのですが、θ=π/2となった時はどうなのだろうか、と思いました。まあ、完全にθ=π/2となるのはほぼないのでしょうから、この疑問自体がナンセンスの可能性が高いわけですが、将来理論物理学を研究しようと考えている自分としては理論的なことは知っておきたいということです。(話を戻して、)この研究というのは身近なことに注目した研究となっています。身近なことに疑問を持つことはとても良いことだと思いますし、身近なことについて考えるとなると意外と深いところまで考えることができます。現代は身近なところで様々な技術が使われているわけですから、我々のような普通の高校生でも身の回りのことに疑問を持って思考を続けることができます。自分も暇な時にはたまにそうしているわけですが。そのように思考している時に「実験したいなぁ」と思うことがたまにあるのです。ここから自分が考えたのは、研究というものははじめに思考があるべきなのだと思います。思考をしている中で根拠不足だと思ったところを実験するわけです。自分もちょっとした研究ならばいくつかしたことがあるのですが、今思うと実験重視であまり思考を行なっていなかったように感じます。そういうわけで、自分はこれからの人生では思考を大切にしていきたいと思っています。

 

 以上が第三回講座で考えたことのまとめです。今まで通り様々なことを思考しましたが、今回の文章は少々長くなってしまったようです。もし、ここまで読んでくれた方がいるのであればとても嬉しいです。第四回講座でも様々なことを思考していこうと思った第三回講座でした。

投稿者:岩手県立盛岡第一高等学校

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