東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

[10]中間発表:二ヶ月後おいしく食すために何が必要か(理:植木優)

2018年11月21日 (水)

おはようございます。入院9日目の今日は朝から胃カメラ、内視鏡、心電図、超音波検査、レントゲン撮影がありました。忙しさと点滴の副作用で目が回っています。理学部3年の植木です。

ひとまず退院日が23日となり(12月のどこかに手術が入りますが...)、中間発表の期限内に退院できそうにないので、病床から自宅の植物に思いを馳せながら中間発表といたします。

(きっかり第10回できりがいいのもありますが)

         


       

設問1:ここまでの栽培において、一番驚いたことは何ですか。また、普段食している野菜に対する気持ちや感覚がどう変化しましたか。

        

なんと言っても植物の躍動感といいますか、ひとつの小さな種が、わずか数時間のうちに大きく姿を変えていくところでしょうか。特に、数時間のうちに次々と発芽していく様子については第03回でも述べました。

このことに関しては、「植物なんだから種まけば育つのは当たり前じゃん」などと思われるのはごもっともです。実際、私も受講を始める前はそんなふうに思っていました。

しかし、それがすごいのです。たかだか「種をまけば育つ」と言ってしまえば終わりなのですが、この育ち方といい、少し目を離すと前と変わった姿になっている、毎日違う姿が見られる(それは今のうちなのかもしれませんが)、そういった点に魅了され、驚かされました。

          

03c.jpg03e.jpg◎第03回で紹介したブロッコリーの発芽(左側)。2枚の写真の撮影間隔はわずか3時間ですが、発芽数が2から10に増えています。

     

また、普段食べている野菜についても、明らかに感覚が変わりました。複雑すぎて文字にはできないのですが、明らかに野菜に対して強く意識をするようになりました。

強いて言うのであれば、植物を実際に育ててきたがために、それに伴う手間暇だとか、コストだとかをより身近に感じることができました。

また、行動にも表れるようになって、あるときは業務スーパーで大量のブロッコリースプラウトと30分くらいにらめっこしたり(へえ、スプラウトにするとこんな風に育つのかとかそういえばブロッコリーの種はこんな形してたわとか)、またあるときはまた別のスーパーマーケットにて閉店間際に1袋20円まで値引かれてもなお売れ残ったキャベツサラダになぜかシンパシーを感じ、在庫4袋をすべてかっさらったりすることもありました。

        

10b.jpg◎当然のことながら、このキャベツサラダはメガ盛りにしておいしくいただきました(1.3kg/¥265)。

   

このように意識が変化したというのも驚きの1つではありました。

設問1、以上。字数767。


          

設問2:他人の「記事」で参考になったものは何ですか。また、どのように参考にしましたか。

      

基本的に参考にしたものは過去の記事で必要の都度挙げています。が、これ以外にもこれから育てるにあたって役に立ちそうだと思ったものを中心にいくつか挙げておきます。

まず1つが、現5回生の金森さんの記事(2014年度)。この記事では、身近にある材料で日光を遮ることなく植物を保温する方法を実践しています。これがどれほど効果的なのかの対照実験を実践しようと思ったのですが、この寒い時期から改めて育てても手遅れな気もするので、温度計を用いて保温効果を確かめてみたいと思います。

2点目は、現3回生の開田さんの記事(2016年度)。この記事では、私の育てているブロッコリーについて言及しており、土ごとに比較している点がためになりました。第09回でも述べましたが、今回使っている土が圧縮土と初期の土を混ぜて使っているため、これと比較するとどのように異なるのかを比較対照していければよいかな、と思います。

最後に3点目は、現2回生の菅原さんの記事(2017年度)。この記事では、事細かく統計にしてまとめてあること、第08回で触れたように葉の大きさで成長の具合を比較していることに着眼しました。さて、統計については地学系の専門に「地球科学の統計学」という授業があり、統計学の基礎や、統計解析ソフト「EZR」の扱いを学んでいます。これを応用して後半では積極的に採用していく所存ではあります(2つ以上の授業で同じ題材を使えば一手間で二度おいしいですからね)。

ひとまず3点の記事を挙げました。確認しましたが、これらは今のところ中間発表の設問2にてこれまで挙がった記事とまったくかぶっていなかったので、他の受講生はこれも参考にすると得られるものがさらに大きいと思います(上から目線になってしまいましたが)。

設問2、以上。字数720。

     


      

設問3:これまでの「コメント」で参考になったものは何ですか。また、どのように参考にしましたか。

      

基本的にはコメントを読んで返答する形式をとってい(るつもりではあり)ます。経験則として、だいたいこの手のコメントはそのままヒントになっていることが多いのでおいしいですからね(とはいえ、植え替えは必要ないと第06回でコメントをいただいたときには手遅れだった、という大ポカをやらかしていますが...)。

コメントに反応して実行にもっていくにあたり最も例にあげやすかったものが第05回のコメント。温度計の指針が40度を超えたことにパニックを起こすあまり植物をさも恒温動物であるかのように扱い、このまま外に置いておくと危ないと勝手に判断しましたが、コメントを読んで冷静になり、結局極端な温度に関しては動じなくなりました。また、逆に低温を避けて頻繁に移動を行うのは全くの逆効果であるという知見も同時に得られたため、このことについても念頭に置くようになりました。

逆に、第06回第09回にて防虫ネットについて必要性に懐疑的なコメントをいただきました。これに関しては第02回にて言及しております。2017年度の講座で鳥害が頻発したため、一応の対策ということで試験導入したものです。虫除けというより鳥よけがメインですね。効果が見込めなさそうであれば別の対策を考えます(ちなみにうちは3階なのですが、1階のベランダにはよく猫が出没するそうです)。

あとは余談ですが、第01回のコメントで「この講座にツイッターのノリは通用しない」ということを強く叩き込まれたことですね(正直メンタルブレイクがすごかったので思い出したくもないです)。ですが、その第01回のコメントにはそれ以外にもよりよい観察の仕方のヒントが書かれていたため、それを実践し第02回で改めて観察をやり直したりした、なんてこともありました。

設問3、以上。字数723。

      


        

設問4:双方向の授業のメリット、デメリットは何ですか。

      

メリットはなんといってもヒントが豊富にあることです。私は理系なので、何か問題を解くにあたって教科書から読み取ろうとしても「自明」とか「簡単」とかで済まされることが多く、高校数学の知識すら危うい私にはほぼノーヒントで臨むことになります。また、頼れる友人などいないので早々にあきらめ単位を落とす、などということがざらにあります。

しかしこの双方向の授業では、何かしら疑問を投げかけておけば1日待てばその手のプロから返答が来ます。最悪これにさえ頼っておけば理系の学問に対する高校数学の知識のように、この講座に関する基礎知識がなくてもなんとかなります(というより、もともと1回生向けですから基礎知識が要求されることも少ないでしょう)。

また、双方向性というよりかはこの授業特有のものとして、過去の記事、いわゆる「過去レポ」が堂々と公開されており、しかも公認で参考にし放題なのです(むしろ、設問2のように使うことが前提になっています)。実際、コメントにだけ頼るような双方向性だけだと受け身が過ぎるような気がするので、こういった過去レポを含めた外部の記事を参考にすることによって、受け身になりがちな双方向性を補完するのがよいと思います。

デメリットとしては、先ほど言ったように「過去レポ」や外部記事を参考にしていかないと受け身になりがちであるということと、優しいコメントだけでなく厳しいコメントが来ることを身構えておかないと、精神が貧弱な人(いわゆるメンヘラと呼ばれる人)は簡単にやられてしまうことです。私は一切身構えない状態で第01回からそれをやられたため、メンタルがあっさり轟沈しました。十分に気をつけましょう。

コメントによってうまくいった例は、設問3で紹介しています。

設問4、以上。字数725。

       


        

設問5:以上を踏まえた上で、今後の目標を述べて下さい。

      

表題の通り、最終目標は2ヶ月後においしく育てた野菜を食することです。そのため、過去の記事をもとに新たな手法を探し出すなど(温故知新戦法、と自分で呼んでいます)、先達より一歩でも先にいけるような努力を続けていくことを第一目標として掲げております(防虫ネットや活力剤に課金したのもその一環ではあります)。また、これからは寒い時期がやってきます。実際入院中は外気温を肌で感じることができないため、気温の実況値を見て震え上がるような毎日でした。従って、より一層過去レポが役に立つのは自明です(わざわざ10月から一斉に野菜を育てはじめるのはこの講座くらいですからね)。ですから、そのためにも身近な目標として過去レポを人一倍読み込むことからはじめていこうと思います。最低限、設問2で挙げたものについては念頭に置くようにします。

次にもう1点。同期の記事を見ると「リーダーフレンドリー」さが足りないというコメントが散見されます。実際私も足りていないかな、と思うところはあります。この記事ではリーダーフレンドリーさを(少しばかりですが)意識して書いてみました。意識しすぎて損はないので、少なくとも来年度以降、設問2のような設問で私の記事が参考になった、と言われるような記事を書けるようにしていくようにするのも、小さいながら2つめの目標として掲げます。

そして最後に。3つめの目標として、一定の更新頻度を保つということです。今後手術が予定されているので完璧にこなすということは困難だと思いますが、記事は多ければ多いほど単純にコメントが多く手に入ります。つまり得られるヒントが多いというわけです。得しかありません。それに、設問3で触れたような、コメントをもらったときにはもう時すでに遅し...なんていうやらかしも防げるわけです。理想的なのは、

  1. (過去レポ・外部記事を)調べる
  2. 投稿する
  3. コメントをもらう
  4. 1.や3.の情報をもとに実行する
  5. 観察する
  6. 1.に戻る

の繰り返しです。おそらく2日前後の周期になると思います。これさえこなせれば、双方向授業のよいところを存分に得られ、結果としておいしい野菜も得られ、さらに過去最高の投稿数という栄冠も得られるという一石三鳥理論を提唱したいと思います。流石に少なくとも第07回第08回の間のように3週間も期間が開く、なんてことは金輪際ないと思っておいて下さい。

余談として、これは目標とは関係ないのですが、今後やることの1つとしては、スプラウト栽培のやり直しとして、対照実験を含めたさまざまなことをやっていきたいと思います。幸い芋煮で余った紙コップを大量に引き取ったので、いつでも始められると思います。

以上の3点のことを踏まえて、今後よりよい投稿ができるよう心がけますので、何卒よろしくお願いいたします。

設問5、以上。字数1,150。

        


         

想定より長くなりましたが(字数は4,085でした)、以上で中間発表を終わりたいと思います。

まずは退院して、記事を再開させるところからですね...健康にも気を遣いつつ、頑張ります。

それでは、ごきげんよう。

コメント

理学部・植木さん

 育種の渡辺でございます。最初に、体調はいかがでしょうか。渡辺は動物というか、人については詳しくないので、ラボスタッフのオガタくんからの方が、その点については適切なコメントがあると思います。競馬の世界に「カゲなき、これ名馬」ということがあります。今回の入院の原因が自分で分かっているようでしたら、それを修正すること、ではないでしょうか。それと関係するかも知れないですが、この講義は、1回/weekを投稿するタイミングとしています。投稿回数はもちろん多いことは評価できますが、極端なむらがあるというのは、改善した方がよいかと思います。理学部と言うことですから、この後、卒論、大学院などでの研究があるはずかと。その時、偏った実験というわけにはいかないと思いますので。

 植物に愛着が湧いて、普段の生活にもポジティブな栄養を与えているように思います。そんなちょっとしたことから、改善することが、色々なことを変化させるきっかけになるかと思います。学部の3年生と言うことで、過去記事(過去問)を十分に活用しているというのは、さすがだと思います。このactivityでむらがなければと思う次第です。それを後半戦の修正課題とするのは、いかがでしょうか。もちろん、入退院というのがあるので、そこが大きな問題ですが。この単位もかも知れないですが、それ以外の単位も。。

 最初の投稿には、インパクトがありましたね。破壊的な。これまでの投稿記事にはなかったですから。ただ、これはあくまで、大学の講義の一環と言うことを考えれば、こちらのコメントがインパクトがあったということですが、それなりに、理屈の通ったことだと思っていますが、いかがでしょうか。双方向をよい方向に理解して、しっかり活用できていると思います。それをさらに発展させるためにも、コンスタントにと言うことを心がけて下さい。今後の目標にある、3日に1回というような短いものではなく、1回/weekを目指して、偏りのない、投稿をして下さい。もちろん、体調を考えながら。記事の最後に、totalの文字数があることは評価できますね。是非、後半戦は、このパターンを定着させたいと思います。平均的に見て、理系の方々の方が、文章が長いというのが、気になっている今年度の受講生なので。


 わたなべしるす