東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

7.日々気にかけることの大切さ(中間発表)(薬:松木優佳)

2019年11月22日 (金)

 さて、いよいよ中間発表ですね。といいつつ早めの提出を理想としていたのに、締切日に3連投する羽目となってしまいました。

(1)観察を通して

毎日、観察するという通常の講義とは異なる展開ゼミを通じて、植物の発芽、生長を観察したと思います。ここまでの栽培において、一番驚いたことは何ですか。

 最初の頃は発芽やほんの些細な変化が楽しみで仕方なかったです。あんなに硬い殻の中に入っているのに、水をかけてしばらく待つだけで芽が出るのは本当に驚きでした。種から芽が出る。という当たり前の現象でも、実際にその時間を体験すると、命が神秘的であることを実感することができました。 

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 また、発芽してしばらくは昨日までほとんど殻にはいっていたはずなのにいつのまにか子葉がでてきたり、根がどんどん伸びていたりと本当に成長が早く感じました。大きさは5mmにもすぎなかったし、今では1日数cm単位で成長しているのでしょうが、初期の生命力とは違うとつくづく思いました。

 初期もそうですが、基本的に植物は環境の変化に強いということも、実際に育ててみて驚きました。私は今まで夏植物しか育てたことがなかったので、暖かくなったから成長するんだろうぐらいに思っていたのですが、秋冬野菜は寒くなっていく中、寒さをものともせずに成長していくのがすごいと思いました。また、外の鉢は日当たりが良いと2日ほどで土が乾燥することもあるのですが、そのままさらに1日2日放置しても割と平気で驚きました。パクチーはそこまで丈夫ではなかったのですが、それでもしおれたあとに水をやると次の日には回復しており、健気だなと思いました。

(2)他の記事で参考になったこと

 他の受講生の方の投稿記事、去年までの受講生の記事を参考にしてほしいと言うことを記しました。誰の記事が参考になった、あるいは、なるほどということをに気がついたことについて記して下さい。

 やはり、過去の先輩方の記事をすべて読むことができるというのは、今後の青写真を描きやすく、非常に助けになりました。また、ちょっとした疑問は過去の記事を読むことで解決できる上、問題を未然に防ぐことができたのは過去記事のおかげだと思います。参考というか、個人的なお気に入り記事を以下に紹介します。

2019年度

吉田朱里さん

 カビが発生した後、カビの種類まで調べているのがすごいと思いました。コラージュ画像を取り入れることで、よりみやすい記事に仕上げているのも参考になります。私は今まで基本PCに画像を送ってからトリミングしてuploadしていたので、アプリで先に加工するのは手間だなと思っていたのですが、色々あって画像編集ソフトを導入したのでコラージュもつくれるようになりました。これから活用していこうと思います。

2018年度

金あおいさん

 スプラウトの苗床の実験、この記事を読んでなるほど種がたくさんあるのだから対照実験をしてみるというのは良い考えだと思いました。また、単純に苗床選びの参考にもなりました。今後の後輩も必読記事だと思います。

八巻慶汰さん

 平時からの文字数カウントやタイトルに日数を入れる発想は八巻さんから得ました。また、正確にコンスタントに更新し続けている姿勢も見習うべきだと思っています。

2017年度

井上千春さん

 水耕栽培が面白そうと思ったのは井上さんの記事がきっかけでした。結局鉢のパクチーすら満足に育てられてませんが...色々な容器を使ってみたり、藻と戦ったり、水耕栽培ならではの試行錯誤が見られてとても興味深かったです。たくさんある鉢を管理しきっているのもすごいと思います。

菅原ののさん

 記事のみやすさといったらののさんのイメージがあります。それと、「おいでよののの森」のイメージが強いです。観察も丁寧ですっきりした記事はお手本になります。

2016年度

沼澤芽生さん

 古いですが20回超・翌年投稿の根気がすごいです。難しい白菜を結球間際まで持っていき、翌年さらに大きく育てられたのは、やはりきちんと手入れできているからなのではと思いました。結球という追加ミッションがあるので、白菜記事は本当に面白いですね。

(3)コメントから得られた気づき

 栽培に関すること、それ以外のこと。そうした一連のコメントで、どの様な気づきがあったのか。実例を挙げて、つまり、自分自身、あるいは、他の受講生のいくつか記事を選んで、どの様に参考になったのか、記して下さい。

 最も参考になったコメントが抽象的になってしまうのですが、徒長関連です。毎年徒長は多くの人に起きていて、必ず渡辺教授やオカダさんが「日照を増やすこと。できれば外に出すこと。」と「水をやりすぎないこと。土の中も乾くまで待つこと」という2項目を色んな方にコメントしているのを見て、これだけは絶対に気をつけなければならないと意識を持っていいました。かえって、徒長に敏感になりすぎて無駄に土寄せしたりということもありましたが、ふあふあミックスと黒キャベツについては全く徒長することなく育てられたのではないかと思います。 

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 わかりやすい写真を全く撮っていなかったのですが、土と下の葉がすれすれだったので、茎がほぼ残っていないことがわかると思います。根もしっかりはっていました。ちなみに、土寄せといえば一昨年のオカダさんの記事は非常に参考になる内容で、いざという時は参考にさせていただきました。

 また、データのまとめ方や対照実験の仕方など、ポイントとなることについて必ず言及があるため、どこを参考にすべきかわかりやすくて助かっています。例を挙げると、金あおいさんのスプラウトの苗床を変える実験について、オカダさんの「何が行き届いているかというと、一つには変えたい条件、すなわち下敷きの材質以外の条件を同一にしようという配慮がある点です。」というコメントがあることによって「条件を同一」ということが科学的に重要であることに気がつくことができました。今のところこれを生かしたことはできていないのですが、りんごを使ったスプラウトの生育実験をしたいと考えているので、その際は気をつけたいと思います。

 外部サイトですが、パクチーに関しては過去記事がないため、takkaaaaaさんのブログを参考にさせていただいています。パクチーは他の作物と育て方が違うと実感しているので、参考になるサイトは必要だったと感じています。特に最初の播種の時点で普通に撒いてはよくないという情報は目からウロコでした。

(4)双方向の講義であることについて

 この講義の特徴は、双方向の講義ということです。他の講義とは違って、双方向の講義であってよかった、あるいは、そうではなかったと言うことについて説明してください。

 基本的にレポートの返信というと、点数だけであったり、あるいは簡易的なコメントに留まってしまうものが多い中、この講義では雑談のような内容も含め、記事の内容一つ一つに関して丁寧に反応していただけるので、励みになると同時に、植物という時間経過によって変化するものを相手にしていうので、タイムリーにレスポンスがつくことによって修正することができるという側面もあるのかなと思います。実際、初回でなんとなく余計な追肥をしてしまったときはかなり焦りましたが、コメントをいただけることでどうすべきか速やかに解決することが出来ました。また、ブロッコリースプラウトが赤くなっていたときも、収穫間近で食べて良いものか判断に迷いましたが、オカダさんの「大丈夫ではないか」というコメントで安心することができました。

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(5)最後に

 最後に、以上の(1)~(4)を踏まえて、残りの展開ゼミの講義を続けるに当たり、どの様なことに注意して、また、何を目標として、この展開ゼミの講義から何を学び、記事にしたいかを記して下さい。

 10月末から11月中にかけて世話や観察がないがしろになってしまい、その結果が虫やパクチーにあらわれていることから、コンスタントに更新できている人の作物がよく育っているのは、毎日天塩にかけて世話しているからだということに気づくことができました。初回では「・4種類の野菜の生育を通してそれぞれの特徴や生育環境の違いを比較する。・見やすい文章を心がける。」ということを目標にしていました。基本的にこの2つは実行できていますが、「毎日丁寧に、気をかけることを忘れない」ということを追加して、頑張りたいと思います。(字数:2840字(総3397))


謝罪:最初、タイトルを中間発表だけで投稿してしまいました。ただちに修正しましたが、Twitterの方には旧タイトルでpostされてしまいました。すみません。

コメント

薬学部・松木さん

 育種の渡辺でございます。中間発表のtopの写真。この2ヶ月間の頑張りを象徴しているような写真。説得力あります。地元と言うことで、栽培する場所があるとはいえ、よくできています。植物の生長の速さについては、1つ前の工学部・松木さんの記事に渡辺が考えるからくりを書いておきました。参考にしてみて下さい。この時期の栽培に適している菜の花の仲間のアブラナ科作物はよくできています。一方、パクチーは苦戦ですね。寒さはありますが、外での栽培を模索するのも1つかと。

 過去記事から自分の将来像を見ているのは、教育学部・日野原さんのところに書いたことであり、それをきちんと実行できているから、説得力のある野菜になっているのだと思います。過去記事と言えば、水やりをやりすぎないこと、日照に注意。これは毎年書いています。それもよく見てくれていますね。あれだけ書けば、どこかの段階で、日野原さんくらいの栽培になると思うのですが、いい「加減」を理解するのは、なかなか難しいのだと思います。

 双方向のタイムリー性について書いてくれていますが、その通りです。植物は生長しているので、そのタイミングで情報を共有したいわけです。困っていたり、それではちょとまずいいよと。学部、大学院に進むと、本格的な実験になります。最初はメンター的な先輩がついてくれるところが多いですね。そこで学ぶ時は、まさに双方向ですぐのタイミングです。そんなちょっと先のことも見すえて、残りの後半戦を頑張って下さい。

 タイトルのところにあった、毎日気にかける。これも実験をするときの大事なことですね。いくつかの実験をしていても、それらに気を配るという意味では今回の複数の栽培で、みんなに気を配る、そんな先のことにもつなげて、がんばって見て下さい。それから、途中の記事は、オガタくんがコメントしてくれていましたが、1つ、キーボードを見ないで、タイプすること。どれくらいできるようになったでしょうか。渡辺も実際に練習で試してみましたが、1minで、200文字くらいだったような。何事も続けていればできますので。そうそう、忘れそうになったのですが、記事を書くとき、ストーリー性を持つこと。教育学部・日野原さんのところに書いてあります。そんなことにも気を配りながら、後半の栽培、記事の投稿をやってみて下さい。


 わたなべしるす