研究経過

【プレスリリース】卵子は精子を食べて受精を成立させる -食作用に類似する受精様式を発見-(齋藤班)

April 24, 2025 11:33 AM

Category:プレスリリース, 論文発表

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公募研究班・静岡大学農学部の齋藤貴子 助教、福島県立医科大学の井上直和 主任教授、和田郁夫 名誉教授の研究グループは、共焦点顕微鏡や走査型電子顕微鏡を用いた様々なイメージング技術を駆使し、さらに多数の遺伝子改変マウスや培養細胞を活用して、精子と卵子の接着の瞬間から融合までの仕組みを解き明かしました。
本研究では、精子が卵子に接着すると卵子の微絨毛が精子頭部に集合してラメリポディア様の「Oocyte tentacle」を形成することを発見しました。
さらに、複数の融合因子が協調して卵子が精子を食べるかのような「SEAL」 を惹起し、受精が成立することを示しました。
また、SEAL形成後にはJUNOが消失し、多精子受精を防いでいることも示唆されました。

なお、本研究成果は、2025年4月22日に、Cell Pressの発行する国際雑誌「Cell Reports」に掲載されました。また、本論文は掲載号の表紙に採用されました。

 

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【論文情報】

掲載誌名:Cell Reports

論文タイトル:Noncanonical phagocytosis-like SEAL establishes mammalian fertilization

著者:Naokazu Inoue, Takako Saito, Ikuo Wada

DOI:10.1016/j.celrep.2025.115463