東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

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平成28年度 活動ブログ

平成28年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2017.03.29

海外研修を終えて その4 アメリカ四日目 上昇傾向

こんばんは。県立前橋高校の山田桂一です。

さて、今回で4件目ですが、ちょうど折り返し地点(の予定)です。前回は暗い内容でしたが、今回からは明るい内容になっているはずです。まだ失敗しても取り返しがつく身分であることに深く感謝。失敗から多くを学び成長の糧にできれば、今はそれでよいのではないでしょうか。(これからもこう甘えていることはできませんが。)

【活動内容】

STEM works 1 ×3コマ

・地学研修(Sycamore Canyon自然公園)

【成果と感想】

この日の朝は、気負いすぎることをやめたことが功を奏して肩の力が抜け、活動が始まる前の時間に現地の高校生たちと複数対一でも話すことができました。何事も力みすぎないことは大切ですね。このことから少し自信がつき楽しむ余裕が出てきました。

ここから渡辺正夫先生が合流しました。その際に渡辺尚先生から全員に一言。「科学者の卵としてここにきているのだから、語学だけでなく、科学的に考えることをしなさい」といった内容でした。私はそれまで本当に英語を話すのに必死で、それだけしか考えられていませんでした。そのためこの言葉で目が覚めました。帰ってきた今になって冷静に振り返ると、海外研修に行く前も英語のことばかり考えていたように思います。

軽く喝を入れられたのちに待っていたのが、その1で書いた、噂のSTEM worksです。この日は現地の中学生が対象でした。自分たちで授業を担当することは初めての経験でした。加えて英語で、となるとこれからの人生であるかどうかさえわからない経験です。3コマの授業を受け持ちました。私たちの班では折り紙で立体を造ることに挑戦してもらいました。当初は24枚の折り紙を使って小さいくす玉を造り、その後時間が余ったら30枚の折り紙を使ったくす玉に挑戦してもらう予定でした。しかし、私たちがシンプルユニットの折り方を説明するのに非常に苦戦し、それだけで授業のほとんどの時間を消費してしまいました。そこで急遽、6枚の折り紙でキューブを造り、最も多く作れた班に賞品のシールをプレゼントする内容に方向転換しました。しかし、結局一回目は悲惨なもので、来てくれた子たちの中にはかなり退屈そうにしていた人もおり、申し訳なく感じました。先生とメンターの方に横から助けていただき何とか事なきを得ました。二回目以降は一回目に助力をいただいたときの要領で進め、何とか持ち直して成功させられたように思います。来てくれた子たちの中でも楽しそうに取り組んでいる子が増えていました。班によっては、綺麗なキューブを協力して多数作っていたところ、個人プレイで最終的には数個しか作れなかったところ、班で一つ作って満足して鶴を折りはじめてしまったところ、など個性が出ていて見ていて興味深く思いました。しかし、私にはまだ臨機応変に説明を変えられるほどの英語力がなく、この日はメンターの方に頼り切ってしまいました。

海外研修12.jpgSTEM worksの様子。

写真にあるキューブを作りました。

午後は近くにあるSycamore Canyon自然公園にて地学研修を行いました。二つの班に分かれ、私の場合は前半が地学研修で後半が生物の研修でした。地学研修では自然公園を歩きながら説明を受けました。歩く距離と年代とを対応させた説明であり斬新だと感じました。歩く距離で年代を表していたので、途中はしばらく歩くだけの時間もありました。酸素の話や生物の体の大きさの話など、個人的に興味深い話をいくつか聞きとることができました。(とても他者に説明できるほどの明瞭な理解ではなく、概要だけのアバウトな理解ですが。)後半の生物の研修では、今度は見かけた生物を記録しながら、再び自然公園内を歩きました。案内してくれたのはRSAの生徒さんだったのですが、生物の名前などを質問してみるとすぐに回答してくれて、校内ツアーのときの中学生と同様でやはり説明することに慣れていて感心しました。

海外研修13.JPGSycamore Canyon自然公園

今回訪れた自然公園はカンガルーラットという絶滅危惧種の珍獣を保護するために作られたそうなのですが、この話を聞いたとき私は、なぜ変化した環境に耐えられない程度の動物を保護するためだけにそこまでする必要があったのか疑問に感じました。おそらく回答は「生物多様性を守るため」なのでしょうが、珍獣一種類の絶滅がそんなにも人類文明に大きな悪影響を与えるものなのでしょうか。あの珍獣がまさかキーストーン種であるようには思えません。このことをレポートに書いたところ、尚先生から、このような視点をつけて自然を残す理由付けとしたのではないか、といった回答をいただきましたが、保護をする目的はいったい何なのでしょう。人類は保護している傍らで破壊を続けています。それなのに保護の素晴らしさをどうして声高に謳えるのでしょうか。私は疑問でなりません。保護をする理由もよくわかりません。保護をした結果、何が、どう変わるのでしょうか。冷静に理由を考えてみると疑問符のつくようなことはほかにもあるはずです。(この地学研修では日本では見ることのない生態系を見学できて楽しかったので、それでいいのでしょうが。学術的に価値のあるものを残そう、という魂胆なのでしょうか。)

さて、冒頭にも書いた通り、ここで海外研修の日程の半分が終了し折り返し地点です。ここまでの活動ブログを読んでいかがでしたか。実はこの日の朝、正夫先生よりレポートの公開の話が挙がりました。十五名の考えたことを共有すれば十五名分の成長をできる、というわけです。これと類似した目的で今私は可能な限り詳細に綴っています。海外研修に参加できなかった方も、私の記事を読んで少しでもそれを有効に取り入れることができていたとしたら幸いです。

投稿者:群馬県立前橋高等学校

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