東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

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平成28年度 活動ブログ

平成28年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2017.03.29

海外研修を終えて その5 アメリカ五日目 Enjoy!!

こんにちは。県立前橋高校二年の山田桂一です。

他の海外研修参加生のブログも増えてまいりました。共有が進んでいる海外研修中のレポートも然り、皆いいことを書くなあ、としみじみ。当然のことながら、人が変われば視点も変わります。私とは異なる考えを知るきっかけとなって、彼らの記述も読むことでますます自身の思考を発展させられているように思います。

【活動内容】

・シニアレセプション

・リバーサイド市長表敬訪問

・ハラダハウスについての議論

STEM works Ⅱ ×2コマ

【成果と感想】

シニアレセプションでは様々なレクリエーションをしました。一つ目はじゃんけんをして負けた人は勝った人についていくゲームです。これは21日にバスを待っている間にも行ったゲームです。ただのじゃんけんなのに大盛り上がりでした。こちらの人は本当にテンションが高いと思います。しかし、次第にこちらのテンションにも順応してきて、ただのじゃんけんに白熱していました。二つ目はつなぎ鬼でした。狭い場所に制限されると、次第に長くなっていく鬼から包囲されてしまい逃げるのも次第に困難になりました。しかし、鬼の側からしても、捕まられるのは両端の人だけなので包囲はできても腕の隙間から逃げられてしまいもどかしさを味わうことも。鬼ごっこなんて小学生以来だったように思いましたが、現地の高校生も含めてこれまた白熱していました。この日の朝は凍えるくらいに寒かったのですが走り回って体が温まりました。三つ目は20日にも行った人間知恵の輪のようなゲームでした。20日に疑問に感じた通り、一度だけ、ひとつの輪にほどけず二つの輪になりましたが、ほどけたことはほどけたのでそれでよいのでしょう。ここまでで3つのゲームを行ったのですが、英語での説明を聞くだけでも内容を理解できたためほんの少し成長を感じて気がしました。

そして、この後は親指をテープで固定し使えないようにしてから、靴紐を結んだりペットボトルのふたを開けたりといった日常生活でよく行う動作を、時間を計りつつ行いました。この際、現地の高校生2人と日本人1人で分かれるように、という粋な指示が出ました。そのため、行う動作のために必要なものを貸し借りして楽しく行えました。紐を結ぶ動作は親指が使えなくても(確かにやりにくいのですが)そこまで大きく不便であったということはありませんでした。しかし、紙をハート形に切る動作では、カッターナイフを握るときに親指がないと安定しにくく、とても苦戦しました。親指だけ異なる方向についていることの利点を味わいました。

最後にジャストダンスをしました。スクリーンに映ったダンスの見本を即興でまねる遊びで、初めてでしたが周りもノリノリで楽しめました。

ここまでの文章で、この日は前日までよりも楽しめてきていることが伝わっているでしょうか。この前日辺りからようやくこちらに馴染めるようになってきて次第に研修が楽しくなってきました。私にとって大きな成果だったと思います。

朝からレクリエーションで軽く汗を流したのちはバスで市庁舎へ移動し、リバーサイド市長に表敬訪問をしました。市長と面会をする前に職員の方からリバーサイド市の歴史とダウンタウンについて説明をしていただきました。21日の街中ツアーではわからなかった内容も知ることができました。市庁舎からの眺めはとても綺麗でした。市長との面会では、仙台市に在住している卵生から仙台市長へ親書を渡しました。市長はとても気さくな方でした。正夫先生の研究室のブログに書いてあった、市長席に座らせてもらったというお調子者の高校生。はい、それが私です。とてもお忙しい中だったそうですがこのようなことまでさせていただいて感激でした。貴重な思い出です。

市長はその日は本当にお忙しかったようで、予定よりもずっと早く表敬訪問が終了しました。そのため、市庁舎の前の道にある銅像と21日に見学したハラダハウスについて議論をしました。私の班ではセザール・チャベスの銅像について、それがなぜ現代に語り継がれているのかを主に論じました。ここからは私個人の考えです。現代の社会では民主主義が尊ばれ、専制君主は忌み嫌われています。民主主義への移行には、チャベス氏が行ったような、権利を認められていない弱者(言い方は悪いですが)が自由を求めて立ち上がった運動が大役を買っているように思います。そのため、彼らを語り継ぐことには、私たちが当然のように享受している権利が獲得されるに至った歴史を伝え、過去の不平等な時代への退化を防ぐ戒めの意味が籠っているのではないでしょうか。(想像以上に自分の考えを文章にするのに苦戦しています。私の考えを正確に文字に起こせているかわかりません。)班での議論の後には、異なる銅像(キング牧師の銅像)について議論した班と合流し、互いに議論を深めあいました。ここでは話が次第に反れてしまい、差別の話からいつの間にか政治の話になっていました。二班合同の議論を経て、最後に四班すべてが合流しての議論を行いました。議論の中で複数のトピックが乱立してしまい混乱状態になりました。最終的には、ハラダハウスを科学的にどう広めていくか、というテーマで議論を進めることになりました。ハラダハウスについてはその3でも書きましたが、私は、ハラダハウスの存在を知ってもらうには、まず私たちが周囲の人に伝えることが重要であると思っています。この議論は、自分の意見を持ち発信する力をつける練習の場として、メンターの方々が企画したそうです。普段は同級生と深い議論をする時間など滅多にないので、とても楽しく有意義な時間でした。ただ、この議論では全員が人文・社会系の視点で意見を述べており、メンターの方から科学者の卵として議論をしているのだから科学的な視点から物事を見るようにとの講評をいただきました。例えば、トピックが乱立していた時に、差別をなくす方法についての話が挙がっていたのですが、メンターの方はそれについて、仮に無限に使えるエネルギーを開発できれば格差を縮小でき差別の解消につながるのではないか、といった例を示してくださいました。科学技術は現代の人類文明において非常に大きな役割を担っています。そのため、心理的・社会的な諸問題に科学的な切り口から介入することも可能なはずです。こうした見方もあることを今回の議論から学びました。

午後はSTEM worksを再び行いました。この日は高校生が対象です。授業時間が短かったため結局この日もくす玉は諦めてキューブを造ることにしました。この日はあまりメンターの方に頼る場面は少なかったのではないでしょうか。最後の授業では、授業の終わりに景品として30枚のくす玉あげたり、くす玉に挑戦したい人に折り紙を配布したりと、予定に全くなかったことを組み込むほどに余裕が生まれていました。景品のくす玉は一つしか用意しなかったのでじゃんけん大会を開催しました。海外で授業をすることはこれから先にもあるかどうかわからないほどなので、最初は恐ろしいと思っていましたが非常に貴重な経験だったと思います。

海外研修15.JPG

最後に。この日は写真が少ないので。

市庁舎からの眺望です。

こちらは土地が広いため背の高い建物が少なく見晴らしは良好です。

投稿者:群馬県立前橋高等学校

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