こんにちは。宮城第一高校一年、佐藤和奏です。
一年間、どうぞよろしくお願いします。
さて、先日、第一回の講義が行われました。
今回の講義は、農学研究科、伊藤幸博教授による「DNAと遺伝子組換え植物」でした。
非常にわかりやすい例えや、面白く、ひきつける説明に、講義中、私はずっとワクワクしていました。
遺伝子組換えについての説明で、アグロバクテリウムの存在を初めて知りました。植物に感染し、自分専用の栄養分を作り出"させる"、非常に頭の良い、植物の病原菌です。
・・・そう聞いてはじめ私は「アグロバクテリウムって、悪い生き物なのか?」と考えていました。
しかし、これを利用して様々なことができるようです。例えば、青いカーネーションを作ろうとしても、カーネーションは、青い色素がないので、 ペチュニアの青色色素を作る遺伝子を入れるとします。このとき、アグロバクテリウムに青色色素遺伝子を入れ、そのアグロバクテリウムを感染させると、植物はアグロバクテリウムにより、青色色素を作るという働きをはじめるのです。 人間は、アグロバクテリウムをまねして、遺伝子組み換えをし、色々なものを作っています。
しかし、遺伝子組換えを、あたかも悪いものかというように「遺伝子組み換えをしていません」と表示された食品が、身の回りにたくさんあるのです。このことについて、ほかの卵さんが質問していましたが、伊藤先生は、悪いものではない、 と回答されました。
また、今回の話を聞いて、私はとある小説を思い出しました。 木根尚登の短編集、「天使の涙」中の、「男が女を愛するとき」。
この話は、とある大学教授が、息子には幸せな人生を送ってほしいと、教授自身の遺伝子を操作し、様々な良性の遺伝子と結合させ、さらに優れた遺伝子を組み込み、人工的に完璧な人間を作ろうと試み、一流のスポーツ選手の優れた肉体、国賓専門の通訳を親子三代にわたって務める家系、一流シェフの味覚、美形な顔、世界一の香水テスターの嗅覚、それぞれの遺伝子を、教授の頭脳の遺伝子と合わせ、一人の少年を作った・・・という話からはじまります。
この話のメインは実はここではないのですが、なによりもこの設定が記憶に強く残りまし た。 こんなこと、本当にできたらどうなってしまうのだろうか・・・。 他の卵さんも、同じ疑問をもつ人は多いようです。
もし本当に、「完璧人間」ができてしまったら。そして、それが増殖(書き方は悪いかもし れませんが)したら。 もはや、人間は、価値がなくなってしまうのではないでしょうか。
遺伝子組換えは、人々に、多くの良い影響を与えてくれます。 私は、度が過ぎるものは避けるべきだ、と思いますが、そのボーダーラインはどのようにしてきまるのか。人によって考え方は当然違いますから、たくさんの意見があります。 その意見をできるだけ知りたいなと、いま私は考えています。
投稿者:宮城県宮城第一高等学校