皆さん、こんにちは。仙台青陵中等教育学校4年山本 望海です。今回は3/23〜24の活動をご報告させて頂きます。
≪その5 今日の活動を振り返って 3/23(in California)≫
今日は午前中はUCRに行き、山中さんご夫妻から昆虫学や大学で学ぶということについて貴重なお話を聞くことができました。
「昆虫の変態とヒトの思春期が同じような意義をもっているのでは」ということを研究されていると聴き、大変驚きました。
私は、今までの人生の中で昆虫とヒトの生涯に共通点があるとは知りませんでしたし、知ろうと努力したこともありませんでした。
いかに自分の視野がまだまだ狭くて、そして広げる余地が残っているかをしみじみと感じた瞬間でした。
奥さんの方には、ご自身の経験をもとに研究者として生きていくことについてのお話とフェロモンの研究のお話をして頂きました。
ご自身は、男性優位の研究室に属したことが無いから性差を感じたことは無かったと仰っていましたが、自分の興味のあることを貫いてこられたその姿勢に感動し、奥さんのように性差を感じさせない、強い芯のある研究者になりたいなと思いました。また、旦那さんの方は対照的に研究なら何でも面白いだろうとオープンマインドな姿勢で研究と向き合ってこられてきたそうで、私は、研究者として生きていく上での選択肢や楽しさがたくさんあることに気づかせて頂きました。
奥さんのフェロモンの研究はとても興味深く、ヒトに鋤鼻器が無く、他の多数のホニュウ類は持っていると聴き、私はヒトはホニュウ類の中で嗅覚の劣っている種だと思いこんでいましたが、どれくらい劣っているのか気になったので調べたところ、人間の嗅覚もほかの哺乳類に匹敵することを知り、驚きました。
お話にもあったように、においをかぐ能力というのは前頭葉にある楕円の組織の嗅球という部分によるもので、ネズミの場合この大きさは脳の2パーセントを占めているのに対し、ヒトは脳の0.01パーセントしか占めていないのだそう。そのためヒトの嗅球は思考のプロセスや他の脳の部分に導かれたものと考えられました。2007年の『Nature Neuroscience』で人間は犬のようににおいをたどれるという発見が発表されたそうで、ヒトは他のホニュウ類と比べて劣っているわけでは決してないようです。私は、ヒトがニオイをもとに交尾行動などを引き起こすわけではなく、ニオイを嗅ぐ行為のもつ意味が他のホニュウ類と異なるため比較するのは難しいだろうなと考えました。
ちなみに、嗅覚を鍛える方法があるようで、3~4種類の好きなニオイを1日に4~6回かいでいく「スニフ・セラピー」がアメリカで誕生したそう。興味のある方はぜひ調べて試して下さい。
追記:昨晩は今まで大変美味しいメキシコ料理を振舞ってくれたホストマザーや思い出をたくさん作ってくれたホストファミリー全員に感謝の気持ちを込めてちらし寿司を作り、10点満点で11点をもらいました(笑)
喜んでもらえたのはもちろんのこと、このようなちょっとした笑いのポイントが英語で通じ合えたのも嬉しかったです。
あと残り僅かとなってしまい、恋しい気持ちでいっぱいですが、まだ旅は途中です。気を引き締めて頑張りたいと思います!皆さんよろしくお願いします!!
≪その6 今日の活動を振り返って 3/24(in California)≫
時が流れるのは早いもので、ついに最終日が来てしまいました。朝はホストファミリーとのお別れがあり、本当に別れてしまう実感が湧かないままバスでCalifornia ScienCenterへ行き、その後昼食をはさんでNatural History Museumに行きました。
California ScienCenterについて書かせて頂くと、ここではEndeavorをはじめ、人体や環境・川・熱帯・植物など幅広い分野の科学の展示をみることができました。
Endeavorの展示で機械輸送の様子の動画を観て、なぜアメリカが宇宙開発において最前線にいられるのかがわかりました。
まずは道路の幅をはじめ土地が非常に広いという「条件に恵まれていること」
そして、街中を通ってしまおうという「大胆な発想に至ること」
この2つが、科学に新しい風を吹かせる上で必要なのかなと考えました。
日本はそういった意味ではなかなかパイオニア的存在になるのは難しいかもしれません。しかし、STEMの高校生たちとの交流でジェンガをした時に、日本人はよく考えてから動かす特徴があるなとふと感じたことを思い出し、日本は既存の技術の現状を熟考し、改善・発展させてより有益なものに変えていくような第2のパイオニア的存在なのかなと思いました。
第1だから良くて第2だから悪いというわけではなく、どちらもいなくてはベストな状態にはたどり着かないので、自分としてはアメリカと日本はパートナーのような立ち位置にいると理解しています。私はアメリカも日本もどちらにも魅力を感じました。
今回私がアメリカ研修に参加させて頂き、アメリカという地に足を踏み入れられたように、国の壁を越えることが容易になった今、日本人だから日本の役割を果たさなければならないわけではなく、かといってアメリカの役割を果たさなければならないわけでもなく、お互いの役割をきちんと認識してどちらにも触れてみること(=食わず嫌いにならないということでしょうか)が求められているのかなと私は思っています。まだ私は何かの分野において専門的な知識は無いので、まずは日本で実際に勉強・研究してみて、その後もう一度アメリカの地に足を運んでアメリカの研究とを「自分の目で」比較してみたいと思います。そして自分の適性を見極めていこうと思いました。
投稿者:仙台市立仙台青陵中等教育学校