1日目 3月17日(土) (成田)
海外研修の参加にあたっての目標
今回のカリフォルニア研修での私の目標は主に2つあります。
1つ目は、柔軟な発想を養い、視野を広げることです。この目標は、今年1年間の科学者の卵養成講座に参加するにあたって立てたものの内の一つでもあります。今年1年間科学者の卵に参加して科学分野間の繋がりや多角的な視点を意識するようになりました。研究をする際にはその分野だけでなく他分野の知識や柔軟な発想、そして様々な視点から事象を見つめる力が必要になると考えるので、この度の研修を通して柔軟な発想と広い視野を養います。
2つ目は、現地の方に沢山質問することです。現地では疑問に思ったことを書籍やインターネットで直ぐに調べられる環境に常にいるわけではありません。質問から更に話題が発展することもあると思うので、人に聞くことで理解を深めたいと考えます。特にホストファミリーとの会話の機会が最も多いと思うので、疑問に思ったことがあれば直ぐに尋ねたいと思います。
事前研修中に渡辺先生からグレープフルーツに関するお話があったので、グレープフルーツについて調べてみました。特定の薬を飲むときにグレープフルーツを食べてはいけない、という話を聞いたことがあるのでその理由を調べたところ、フラノクマリンという有機化合物が関わっているということでした。ヒトにおいてはフラノクマリン類の一種であるベルガモチンやジヒドロキシベルガモチンが小腸上皮細胞に存在する薬物代謝酵素CYP3A4を阻害するとカルシウム拮抗剤や免疫抑制剤などのCYP3A4の代謝を受けやすい薬物が不活性化されないため、循環血液中に入る薬物量は多くなり、その結果として体内濃度の指標となるAUCやCmaxが大幅に増加し、薬が効きすぎてしまうようです。また、グレープフルーツの薬物に対する相互作用は長く持続し、長いものでは1週間程度も持続するようです。
与えられた情報に対して、なぜそのような結果が導かれたのか、その理由を探る「科学の目」を持ち、有意義な研修にしたいです。10日間、至らぬ点も多々ございますが私らしく精一杯頑張りますので宜しくお願い致します。
2日目 3月18日(日)① (成田)
今日の活動内容と感想
今日は事前研修として、研究発表の練習をしました。
渡辺先生から大きな声で堂々と発表するようにとのアドバイスを頂きました。どれだけ理解しやすい原稿内容でも、聴衆を意識した声量やポーズの取り方をしなければ相手には伝わらないのだということに改めて気付き、反省しました。また、専門用語は伝わりにくいと思うので詳しく説明し、原稿量を増やしたいと考えます。
渡辺先生、アドバイスありがとうございました。今から練習を重ね、本番では自信を持って発表します。
他の皆さんの発表を見ると、アニメーションを効果的に使用していたり、ジェスチャーを交えていたりとより効果的に伝えるための様々な工夫がされていました。是非参考にしたいと思います。
成田国際空港に到着し案内板を見ると、現地の最高気温が16℃との表示がありました。私が想像していたよりも寒いようです。少し話が脱線しますが、東北では今月初旬に非常に冷え込み、「春の嵐」とニュースで報道されていたのは記憶に新しいことであります。ラニーニャ現象の影響のようですが、ラニーニャとはどのような意味なのかと思い調べてみました。ラニーニャの語源を説明するにはまずエルニーニョ現象の語源を知っておく必要があります。
もともとは、ペルー北部の漁民が、毎年クリスマス頃に現われる小規模な暖流のことをエルニーニョと呼んでいました。エルニーニョはスペイン語でEl Niñoと書き、英語ではThe ChildやThe Boyが対応します。この子供は単純に一般の子供を意味するのではなく、「幼子イエス・キリスト」を指しています。この言葉が、次第に数年に一度起こるペルー沖の高水温現象の意味で使われるようになったようです。一方、ラニーニャ(La Niña)はスペイン語で「女の子」を意味します。「神の子キリスト」を意味するエルニーニョの反対現象を「anti-El Niño」などと呼んでは語感が悪い、と米国の海洋学者フィランダー(S. G. H. Philander)が1985年に提唱し、定着したとのことです。
一見単純な名付け方に感じられますが、男の子に対して女の子と名付けるのは捻りが効いていて面白いと思います。シカモアパークで動植物の見学をしますが、面白い名前の動植物を見つけたらその語源を調べ、是非皆さんとシェアしたいと思っています。
今は、現地は良い天気であるようにと心より祈っております。
投稿者:岩手県立一関第一高等学校