東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

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平成29年度 活動ブログ

平成29年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2018.03.31

飛翔型「科学者の卵養成講座」米国研修を終えて

こんにちは、宮城県仙台第二高等学校の大井一輝です。

私は、3/17から3/26にかけて、飛翔型「科学者の卵養成講座」米国リバーサイド研修に参加していました。これは、現地のRiverside STEM Academyの高校生の家に一週間ホームステイしながら、大学や企業、研究機関などを始めとする様々な場所を訪れ、その分野の専門家からお話を伺ったり、科学的な体験活動を行ったりしながら科学者としての視点を養うというプログラムでした。

十日間の全日程について事細かく記すのは難しく、また、科学者の卵という点からも少し外れてしまうかもしれないので、この研修で私が何を学んだのかについて書きたいと思います。

まず、科学的に物事を見るとはどういうことなのかを学びました。この研修中、私も含むメンバー10人が先生方から意識するよう言われたのが、これは決して英語研修ではなく、科学者としての視点を養うためのプログラムであるということでした。初めは、なぜ科学者の視点を養うという目的でアメリカまで行く必要があるのかわかりませんでしたが、研修を終えた今ならはっきりとその意図がわかります。そこには、主に三つの理由があったと思います。

①当たり前に感じていたことについて、再び考えるため

アメリカの一般家庭での生活を通して、日本では当然のように思っていたことを相対的にとらえることが出来ました。例えば、日本では、道路といえばアスファルトですが、重量のある車の交通量が多いアメリカの道路にはコンクリートも使われているということや、雨の降らないリバーサイドの方が、強い日光による消耗で日本よりもワイパーの交換頻度が高いことなどです。このような一つ一つの気づきから、日常生活で無視して見逃していることにも実は科学への入り口が多くあると知りました。(下の写真は、素材の異なる二種類の道路と、リバーサイドの日差しです。)

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②考えることに集中するため

この十日間、学校の課題や受験勉強などのあらゆる面倒なことから、物理的にも心理的にも距離をとったことで、頭に浮かんでくる疑問について純粋に考えを巡らせることができ、またそのための時間もたくさんありました。特に、ホストファザーの運転する車でいろいろな場所へ連れて行ってもらったのですが、その道中に助手席から見える物について次から次へと疑問がわき、そこから発展して実に様々なことについて議論しました。疑問についてとことん考えるという意味でも、英語の訓練という意味でも、ドライブは非常に有意義な時間でした。

③科学技術で世界をリードするアメリカを自分の目で見るため

UCR(カリフォルニア大学)の研究機関では自動運転や電気自動車、次世代のエネルギー技術を目の当たりにし、bournes企業訪問では大きな成功を収めたにもかかわらず、他の分野にも挑戦し続ける会社の経営者に求められる資質について話を伺い、そしてカリフォルニア科学センターでは、アメリカだけが実用化したスペースシャトルの栄光と悲劇を知りました。挙げればもっとたくさんあるのですが、それぞれを五感でとらえることが出来たというのは、この上なく貴重な体験でした。

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次に学んだのは、人とコミュニケーション(会話や議論)をとる方法です。これまでの英語サロンなどでは、相手のことを知ろうとして話を聞くことに努めていました。しかし、それだけでは英語力の向上にならないばかりか、海外の人たちと親しくなることはできないと気づきました。日本人同士なら相手の考えを察することが多少なりともできますし、「聞き上手」という言葉もあるくらいですが、ほぼ初対面の、さらに海外の人に対しては今までのやり方を改める必要がありました。そのことに気づけたのは、幸いにも初日でした。ホストファミリーの家に向かう車内で、私は例のごとくどんな人たちなのだろうと、彼らの話を聞こうと意識していました。しかし、彼らが私についてたくさん尋ねてくるうちに、相手を知ろうとしているのは彼らも同じなのだと分かりました。その後は、徐々にですが相手の言うことに対して自分の意見も述べつつ、互いに相手を理解することを目指してコミュニケーションをとるように心がけました。そのおかげで、ホストファミリーとも強い信頼関係が築けただけでなく、STEM高校では今も連絡を取り合う友達が何人かできました。この経験を生かして今後は、日本人であろうと外国人であろうと、議論の場では、相手の意見を理解しながら、自分の考えもきちんと伝えていく姿勢で臨んでいきたいです。

最後に、自分の頭の中にあることを文章化してみることの重要性を学びました。この研修中、私たちは毎日、科学的な考察を取り入れたレポートを提出しなくてはなりませんでした。初めは、何を書こうかと自分一人で頭を悩ませていたのですが、研修に参加した仲間たちやホストファミリーとの何気ない会話を通して思ったことからも、考えを発展させて書けるようになってからは、それほど苦にならなくなりました。私の場合は合計文字数が15000字に及び、間違いなく人生で最も文章を書いた10日間でした。そのおかげで自分の考えを文章にまとめたり、他人にも理解してもらえるように書いたりする力が伸びたと思います。とはいえ、このブログを書くのにもだいぶ時間がかかってしまっており、また、将来的には論文などを書くことになるかもしれないので、まだまだ訓練をしていこうと思います。

振り返ると、文章化するのが容易でないほどたくさんの学びに恵まれた十日間でした。ですが、それを生かしていけるかどうかは今後の自分次第だという意識もあります。もちろん、物事を科学的な視点から捉えようとするなど、すでに実践していることもありますが、企業訪問で聞いた話など、何年もたってようやく役に立てられそうなこともあります。いずれにしても、これらのこと全てを今後に生かしていきたいという強い感情があり、そのためにも今回学んで考えたことを時々思い返してみながら、前に進んでいくつもりです。

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ここまで読んでくださりありがとうございます。実は、私は、この研修においてもっとも重要なことの一つを忘れていた節がありました。それは、感謝の気持ちです。確かに、毎日すぐ近くにいた、メンターのお二人や下山さん、渡辺先生と伊藤先生には終始助けられているという実感があったのですが、研修に集中するあまり、遠く離れた日本から私たちを見守り、サポートしてくださっていた実に多くの方々への感謝を忘れていたことを今となって反省しています。だから、この場をお借りして、私たちが無事に研修を終えることに力をお貸ししてくださった全ての方々、そしてこの研修がきっかけで出会えた多くの素敵な方たちに心の底から感謝の気持ちを述べさせてください。本当にありがとうございました。

宮城県仙台第二高等学校 大井一輝

投稿者:宮城県仙台第二高等学校

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