こんにちは。仙台第二高等学校の熊澤康太郎です。
さて今回の第二回講義は安藤晃教授によるプラズマと核融合の授業、渡辺正夫教授による自家不和合性の授業、そして羅漢教授による英語の小講義でした。
渡辺教授による序業は植物の自家不和合性についてでした。自家不和合性というのは植物が自分の花粉では受粉しないようにする性質のことです(これを持たない植物もいます)。一見デメリットのように思えるこの性質ですが集団内に遺伝的多様性を生み出し、環境の変化等で全滅しないようにするという役割があります。
これが突然変異の積み重ねによってできたというのですから自然というのは偉大であると改めて思い知らされます。
安藤教授の授業で特に印象に残ったのが核融合についてです。
核融合といえば太陽の中で行われている、我々の手には負えない何か途方もない反応のような印象を持ちます。そしてこれを発電に使おうという取り組みが世界で進められています。
今地球上ではエネルギー不足が深刻化しています。化石燃料は地球温暖化の観点から使用しづらく、再生可能エネルギーは供給量が不安定で使用しにくい。
そんな中で核融合は二酸化炭素を発生させることなく、再生可能エネルギーのように供給量が不安定ということもありません。しかも原子力発電のように放射能物質を発生させることもない。極めつけは燃料となる水素が地球上には人には使いきれない程存在し、実質的に燃料が無限であることです。まさしく夢のエネルギーと言えるでしょう。
しかし世の中そう簡単にうまくいかず、核融合反応は起こすのが非常に難しいのです。核融合反応というのは世界で一番有名な式の一つである E=mc^2 という関係を使った反応で、原子と原子をぶつけ別の原子にするときにわずかな量の質量が欠損することを利用して莫大な量のエネルギーを生み出します。しかし太陽の中で行われているような反応を人工的に起こそうというので、この反応を生み出すのには数億度という温度とその原子たちをとどめる強い力が必要になります。
そのためこれが実際に使われ始めるのはかなり先になるだろうと思っていました。ところが安藤教授によれば2060年ほどには商用化できるのではないかということです。これは非常に期待が持てます。今あるようなエネルギー不足がなくなるだけでなく、エネルギーの制限で行われていないような物理の高エネルギー実験などもできるようになるでしょう。電気の届かない地域というものもなくなり、ある種の世界平等も実現されるのではないでしょうか。
第二回講義は不思議な植物についてやこんな夢のようなエネルギーについての話でした。第一回に引き続きとても興味深い内容で聞くだけでも楽しい内容です。これから科学者の卵を目指す皆さんにもこんな授業を聞くために頑張って応募してほしいです。
第二回講義のレポートはこれで終わりです。短文ではありましたがここまで読んでいただきありがとうございました。
投稿者:宮城県仙台第二高等学校