東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

中間発表(農:開田有紗)

2016年11月13日 (日)

Kaita-1113-01.JPG

冒頭に掲載した写真は11/8に撮影したブロッコリーハツカダイコンの様子です。

前回の投稿から時間が経ってしまい、ここまで成長する過程が報告できていないのですが、記事の内容と実際の様子にあまりに時間差が生じるのも講義の双方向性という面でまずいと感じたので...ひとまず写真での報告とさせていただきます。
過程は次回からの記事にまとめ、今回は中間発表を行いたいと思います。


(1)この展開ゼミを通じて、植物を観察し、どの様なことが一番驚くべきことであったか。

一番驚いたのは日光の力です。序盤、ハツカダイコンとブロッコリーの両方で徒長させてしまったのですが、これは今考えてみると明らかに光不足によるものでした。10月12日の記事にラボスタッフのオガタさんから光の強さについてのコメントを頂いた後から、明るい時間は出来るだけ外に出して直射日光に当てるように心がけたところ、目に見えて変化があったように思います。

特にブロッコリーは日光にあまり当てていなかった時と日光に当てたときでの変化が大きかったです。
これが、まだ完全に室内で栽培していた10/11のブロッコリーの様子です。
Kaita-1113-03.JPGそしてこれが直射日光が当たるように外に出すことを心がけた、上の写真から5日後の11/16のブロッコリーの様子です。
Kaita-1113-04

単に成長の過程としてここまで急成長したとも考えられますが、2つを見くらべるとやはり葉の色の濃さやつやに違いがあるように見えます。

10月17日の記事にも少し書いたのですが、ハツカダイコンはデスクライトでもそれなりの生長を示す一方、ブロッコリーはあまり活発に生長しないように感じました。このことからブロッコリーの方が光補償点が高いのではないかと考えています。植物の種類によって環境に対する特性が違うということを身をもって学ぶことができました。

栽培を始めた時は、暖かい室内の窓辺に置いてデスクライトで光を足せば順調に育ってくれるのではないかと考えていましたが、温度と同様かそれ以上に光が重要であることが分かりました。特に光はただ当てれば良いというものでは無く、その強さや当てる時間もかなり重要になる、ということはこれまでの植物を育てた経験の中では考えたことがありませんでした。驚いたのと同時に、科学的に見た植物のエネルギーシステムを考えることで当然のことだなと納得しています。
明るさを数字の指標で表した場合の日光とライトの差を比べてみました。デスクライトは約500~800ルクスのものが多く、一方、晴天時の昼の太陽光は約100000ルクスとあります。まさに桁違いです。普段生活している中で私たちはそこまで差を感じませんが、植物にとってはこんなにも大きな差だということに驚きました。


(2)よかった記事の指摘

まずは、10月11日13日の田阪さんの記事です。日付だけでなく時刻まで正確に記してあり、植物ごとに分けて時系列ごとに並べられている点が見やすく、良いと思いました。また、写真中にいつ撮った何の写真かについてのメモが写されていることも、分かりやすいと感じました。日付だけを記録していても、何時だったかによって経過時間はかなり変動します。細かな記録を見習いたいと思いました。
また、10月12日の小澤さんの記事も良かったと思います。特に講義への目標が取り組み前にしっかり設定され記されている点、そして詳細な下調べが分かりやすく並べられている点です。私も小澤さんと同じくハツカダイコンを栽培しているため、ハツカダイコンの栽培条件や調べたサイトのURLはとても参考になりました。この講義の特徴でもある受講者同士の情報発信という面からも良い記事だったと思います。


(3)参考になったコメント

まず、上述した通り、10月12日の記事に頂いたラボスタッフのオガタさんからのコメントです。このコメントを貰ったことで光の当て方を見直したり、光の強さについて調べたりすることができました。日光に当てるようにしてからは徒長も止まり、元気に育っています。コメントの中に慎重かつ大胆に、時には修正を加えながら育てる、とありました。徒長の際だけでなく他の時も、野菜に元気がない時はその原因を考えて対策するなど、参考にしています。

また、10月7日の福島さんの記事へのコメントも、植物の科を意識するきっかけとなりました。私が育てているのはブロッコリー、ハツカダイコン、カイワレダイコンと全てアブラナ科の植物です。種の形や大きさは異なっていましたが、芽が出てからの様子や葉の形など、確かに似ているなあと感じています。また、同じ科の植物を育てている受講者の方の記事も、自分の育てているものと似ているかどうかという視点で見るようになりました。
特にブロッコリーとキャベツでしょうか。本葉の形までよく似ていることに気付かされました。渡辺先生も出前講義で扱っておられた二種のようです。

これが私の育てているブロッコリーの写真です。
Kaita-1114-05.JPGそして、福島さんが栽培しているキャベツの様子はこちらから。

植物に科があることは知っていましたが、これほど似るとは思ってみませんでした。野菜だと成長の過程を見る機会はあまりなく、食べる部位も違うのでなかなか気付かないことですね。自分で育ててみたことで得ることができた発見だったと思います。


(4) 残りの最終発表会まで、どのようなことに注意して、また、何を目標として、この展開ゼミを受講したいか。

これから注意したいのは日光と寒さの兼ね合い、そしてその対策です。今は、日中は外に出して夜になったら室内に入れていますが、これからさらに気温は下がってきます。帰るのが遅くなると葉が凍ったりしないかという心配もでてきそうです。防寒対策を考えて早いうちに対策したいです。コメントで頂いた、時には慎重に時には大胆にということを心に留めて、植物の様子を観察しながら適宜工夫をしていきたいと思っています。

初めに立てた目標の一つは、文章力の向上でした。これは少しずつですが進歩しているかなという感じです。文章の内容はあまり代わり映えしない気がするのですが、始めた当初よりも短い時間で記事を書き上げることができるようになったと思います。投稿間隔が段々と広がってきてしまっているのですが、週一回を目安にこれからも継続した投稿をしていくことが、基本ですがなによりも目標です。他の受講者の方の記事も参考にして、より読みやすく分かりやすい発信を心がけたいです。

そして大事な目標はそれぞれの野菜をおいしく食べられるところまで育てあげることです。ブロッコリーはまだ先が長そうですが、毎日の積み重ねを記録に残しながら手をかけていきたいと思います。ハツカダイコンはもう少しといったところなので、収穫まで水や肥料に気を抜かないように頑張ります。カイワレダイコンにもいよいよ着手したので近いうちに報告の記事をアップロードしたいと考えています。


以上を私の中間発表とします。

コメント

農学部・開田さん

 遺伝の渡辺でございます。2週間ぶりくらいでしょうか。現状に近い写真だけの報告、よいと思います。また、折を見て、その後の様子をuploadして下さい。見る限り、ブロッコリー、ハツカダイコンとも、よく生長しているかと。葉っぱの緑色もよいかと思います。施肥の具合が少ないように感じるようなら、もう少し施肥の頻度、量などが多くてもよいかと思います。

 太陽光が植物にとって、かなり重要だと言うことを実感したこと。大きいですね。農学部の沼澤さんの中間報告のコメントに書いておきましたが、昔は、光の単位は、luxでよかったのですが、いまは、マイクロアインシュタインという単位を使います。それを計測する光量子密度計がないとわかりませんが、正確には。でも、室内の蛍光灯と太陽光の強いのでは、かなり違うと思います。明らかにorder(10倍、100倍という単位で、。。)の違いと言うことで。

 記録として、どこまで書いておくか。時間単位で変化する場合、大事ですね。そのことを意識されて、最新のカイワレダイコンの栽培で時間を明確に示しているのは、このことが反映されていて、よいですね。受講者相互に連携したり、刺激し合ったりできるというのも、この講義のpointの1つですから。それに気がついて、同じものを栽培していると言うことで、相互によい刺激になっている感じが、よいですね。これからも色々な記事を参考にして下さい。

 光について、今度は、ぜひ、マイクロアインシュタインという単位を調べてみて下さい。光というのは、波であって、粒子であると言う物理に関係することなのですが、その両方の側面を持っているという不思議なことで、luxとは違ったことがわかりますので。キャベツとブロッコリーは、同じ種になります。B. oleraceaと言います。本葉が数枚の状態では、キャベツとブロッコリー、よく似ています。それを、渡辺の出前講義の記事から見つけたというのもよいですね。色々な記事に注意力が届いていることだと思います。これからも、そんな風に、記事を見るようにして、参考にしてもらえれば、幸いです。

 文章力は、見る限り、長い、しっかりとした文章になってきていると思います。これを基礎として、後半戦もがんばって下さい。継続することで、さらに文章力は上がると思いますので。肥培管理をする上で、これからの寒さと日光をどの様に工夫して、対処するか。大きな問題だと思います。それをどの様なバランスで実現するか、楽しみにしておりますので。また、何より、最後は、おいしく頂いて下さい。それも楽しみだと思いますので。この講義の。


 わたなべしるす