東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

中間発表~立派な野菜を育てることの難しさ~(経:阿部遥太)

2018年11月20日 (火)

学期が始まったと思ったらもう中間になってしまいました。日がたつのがはやく感じられます。

今回はタケノコハクサイの間引きと食レポ、そして中間発表の記事です。

まずは間引きから。

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こちらが今回(11月19日)間引いた個体です。真ん中の写真のように、古ければ古いほど外側から葉が生えています。せっかくなので外側から順番通りに葉をはがしました。(1番下の2枚だけ順番が逆です。間違いました、すみません。)解剖してみると、右の写真では本葉が8枚ほどしか確認できませんが実際には10枚の本葉が存在していることがわかりました。中に埋もれていたんですね。また葉を並べてみると、古ければ古いほど成長しているわけではなこともわかります。

 赤いしるしは、葉が生え始めている場所を示しています。1.2枚目の本葉だけ明らかに他とその場所が異なっていますが、おそらく新しい葉が上に生えてくると根本付近にどうしても陰となるため、そこに葉を生やしていないのだろうと思います。


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ゆでてポン酢をかけていただきました。普段食べているハクサイは白い部分が多いですが、これは緑の部分ばかりなのでハクサイというよりはほうれん草を食べている気分でした。

間引き、食レポについては以上です。


次に前回の記事でいただいたのコメントへの返信をしたいと思います。

 そして今回、葉の形態に着目していますね。厚さ、ギザ、葉脈などです。感心したのは後ろから光を透過させてみることです。こうやって比較しやすく、また見る側にもとてもいいプレゼンになっています。惜しむらくは一枚の葉の成長と共に変わってくるのか、それとも植物の成長につれて出てくる葉の形態が変わるのか、が判然としません。いくつかの葉に印をつけておいて同じように写真を撮り続ければ分かってくるものなのだろうと思います。

>>>今後撮影をしていきます。後半のどこかで記事にする予定です。

  今回、植物が良く育っているので、栽培的なことに触れませんでした。水やりの間隔、置き場の日照、温度などの情報を載せて下さい。これから冬場、急激に環境が変わりますので。

>>>

・日に当たっているのは午前7時ころから午後3時、4時の間までです。この時間帯に帰宅できないので細かくは把握しておりません。

・水は、毎朝100ml与えています。水をやるときにはちょうど土が乾いているのでタイミングは問題ないと思っていました。これからも同じ要領でやるつもりです。

・温度は朝はこの1週間7度~8度ほどです。最高気温は気象庁のホームページの塩釜市の過去の天気を調べたところ14度~15度付近でした。塩釜市に近いのでだいたいこのくらいの気温だと思います。


最後に、中間発表に移ります。

(1) 自分の身の回りに植物をおいて、毎日、観察するという通常の講義とは異なる展開ゼミを通じて、植物の発芽、生長を観察したと思います。それぞれの学部・基礎知識・興味にもよるかも知れないですが、ここまでの栽培において、一番驚いたことは何か、それを記事にしていていれば、その記事をふまえて、記事にしてない場合は、使ってない写真があると思います。驚くことの写真を使って、そのポイントを記して下さい。今年度は、あまりないようですが、栽培に苦労した方は、普段、食している野菜に対する気持ちというか、感覚がどう変化したかも、併記して下さい。

私がこれまでの栽培において一番驚いたことは「野菜を立派に育てることの難しさ」です。まず、カイワレダイコンについてです。カイワレダイコンは、インターネットで栽培方法を調べた際、かなり栽培が簡単だと感じました。実際栽培を終えて振り返ってみると、やったことと言えば濡らしたキッチンペーパーの上にタネを乗せてしばらくの間遮光し、あとは日光に当てただけ。実際簡単ではあったのですが、出来上がったカイワレダイコンは自分が想像していた、自分が知っているカイワレダイコンとは程遠いものでした。カイワレダイコンといえばたいてい、いくつものほぼ個体が同じ長さに育っているものを想像すると思いますが、自分が栽培したものは大きさがバラバラなものです。普段何気なく食べているカイワレダイコンは、さまざまな試行錯誤の結果成功した方法で栽培されたものなのだろうと思います。プロの凄さを痛感しました。(プロの技術を真似しようと思いましたが、商品用のカイワレダイコンの栽培に関する情報を見つけ出すことはできませんでした。)

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次に、タケノコハクサイについてです。タケノコハクサイは、発芽までは順調でした。しかし、鉢に移してから数日後、今思い返せば徒長になっていた気がします。下が疑惑の写真です。その時はなぜか自分のは徒長じゃない、大丈夫だと思っていました。もしあのまま室内に置いたままだったなら、日照不足で完全に徒長になっていたことでしょう。「発芽してしまえばあとは水をやるだけだ」と、完全に栽培を舐めきっていましたが、立派な野菜を育てるには日々植物の状態に気を配り、必要な処置を逐一しなければいけない、のだと痛感しています。また、害虫についても気を配っていませんでした。大きい被害は無いのでいまだに対策はしていませんが、鉢での栽培とは言え野菜は野菜なので、注意しておく必要があったなと思います。

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 (2) ラボスタッフのオガタくんからの個別のコメント、渡辺からの全体へのコメント、さらには、上にも書きましたが、自分の記事をuploadすることに満足せず、他の受講生の方の投稿記事、去年までの受講生の記事を参考にしてほしいと言うことを記しました。そのことを踏まえて、自分の記事を含めて、誰の記事が参考になった、あるいは、なるほどということをに気がついたことがあると思います。それがどの様なことであったのかを記して下さい。その時、誰の記事だったかをURLを入れて、それのclickしたら、見ることができるようにlinkをはって、わかるようにして下さい。linkを入れるのは、これからの後半戦に向けて、あるいは、次年度以降の受講生の方々へのメッセージとして参考になるといういうことを考えて、対応して下さい。

特に参考になったあるいはなるほどと思った記事を3つ紹介させていただきます。

まず1つは今年度の受講生、松野さんの記事です。私は先生方いただいたアドバイスに対する回答を記事の中に散りばめており、松野さんのように明確な形式で回答するということはしていませんでした。しかし松野さんのような形式の方が、質問も見返す必要がなく回答を探す必要もないので、より「リーダーフレンドリー」だなと感じました。

2つ目は2017の受講生、直江さんの記事です。写真について文章で説明する際、その写真に説明したい箇所や関連する部分をマークしているため、何を話題にしているのか読み手は一目でわかります。とても読み手にとって親切であると感じ、真似させていただきました。

3つ目は2015の受講生、森さんの記事です。自分がいま栽培しているタケノコハクサイではなくミニハクサイを栽培されていたようですが、ハクサイの栽培を成功させるには何が大事なのかがまとめられており、大変参考になりました。今後もこのアドバイスを参考にし、肥料を絶やさないよう、また、水をあげすぎないように注意していきたいと思います。


 (3) 渡辺だけでなく、ラボスタッフのオガタくん、増子さんからも色々なコメントをしました。栽培に関すること、それ以外のことを。そうした一連のコメントで、どの様な気づきがあったのか。さらには、その後の野菜栽培、受講することにおいて参考になったかと言うことについて、実例を挙げて、つまり、自分自身、あるいは、他の受講生のいくつか記事を選んで、どの様に参考になったのか、(2)と同様の形式でlinkを入れつつ、記して下さい。なお、こちらからのコメントでなくて、外部のHPの方が、より参考になったという場合は、その記事のことを簡単に記して、同様にlinkを入れて、説明して下さい。その逆で、こちらの方が参考になった例を取り上げても、よいです。

まず、先生方コメントから、学術界の常識を知ることができました。写真は斜めから取らないメジャー気候の情報を入れなければならないなど、さほど気にしていなかったことが実は重要であったのだとわかりました。学んだルールを今後の記事で守っていきたいと思います。

2つ目は、いつ間引きすれば良いかについてです。このコメントを受け、自分は間違った間引きの基準を採用してしまったことがわかりました。間引きを終えてしまっておりコメントを活かすことはできないのですが、反省として今後の講義ではインターネットを信用し過ぎないようにしようと思っています。

3つ目は、追肥についてのアドバイスです。肥料は配布されたもののいつ使ってよいか分からず、調べてもよくわからなかったのでこの坂谷さんの記事でのコメントは大変参考になりました。

最後に、渡辺先生の全体へのアドバイスです。この記事を読まなければハクサイ過保護になって室内から出さなかったと思います。ベランダでの栽培を開始し、結果的に徒長で失敗するのを防ぐことができました。


 (4) この講義の特徴は、双方向の講義ということです。他の講義とは違って、双方向の講義であってよかった、あるいは、そうではなかったと言うことがあったと思います。その実例を挙げて、また、記事を書いていれば、それらをlinkを入れつつ、説明してください。

以下の理由から、双方向の講義で良かったと感じています。まずは栽培に関する専門的知識を得られるという点です。徒長の存在やその対策方法は、自分1人で栽培していたら知らないことだろうと思います。完全に徒長になりきって第一回の栽培は失敗していたでしょう。失敗に陥る前に問題点や解決法を知ることができるという点は双方向であるメリットの一つであると感じています。

もう一つは、双方向のやりとりが記事を投稿するモチベーションになるということです。プレゼンをしたあとに質問が一つもなくて味気ない思いをするのと同じよう(質問する価値のないプレゼンをしたのかもしれませんが)に、記事に対するなんのフィードバックも無ければ、記事を投稿する意味を見出せないのでないかと感じます。この講義では一つ一つの記事に丁寧なフィードバックがあり、栽培や記事の内容の良いところや問題点に関する客観的な意見を知ることができました。工夫したところを褒めていただけると素直に嬉しいですし、問題点を指摘していただけるとどうすればより良い栽培、記事の執筆ができるかを考えるきっかけになります。このように、自分にとってフィードバックは大きな意味があり、これを記事執筆の目的の一つとして投稿を継続することができました。双方向でなければ良かったと思ったことはありません。先生方、研究室スタッフの方、ありがとうございました。これからもよろしくお願い致します。


(5) 最後に、以上の(1)~(4)を踏まえて、残りの展開ゼミの講義を続けるに当たり、どの様なことに注意して、また、何を目標として、この展開ゼミの講義から何を学び、記事にしたいかを記して下さい。

 私が残りのこの講義を続けるにあたり注意したいこと、かつ目標にしたいことは、わかりやすい、ある程度長さのある文章を書くということです。私は高校時代から文章を書くのが苦手で現代文の記述もほとんどできず、自分の文章力をなんとかしなければと思っていました。この問題意識はこの展開ゼミを受講した理由の一つでもあります。今後も他の受講生の記事を観察し、どのように書けば読みやすく、またどのように書けば読みみくくなるかや、ある程度の長さのある文章の構造を学んでいき、自分の知識として記事や最終報告にも生かしていきたいと考えています。また、メジャーや気候条件など、これまでの記事で教えていただいた注意すべき点をしっかり守って記事に反映していきたいです。


以上で中間発表を終わります。後半もどうぞよろしくお願いします。

コメント

阿部さんこんにちは

 中間発表については、教授からコメントがありますので、私からは冒頭の報告についてコメントします。

 さて、間引きしたものはアップで撮られているせいもあり、とてもしっかり育ってましたね。分解して葉を並べているのも面白いことです。そうして見れば新しい知見が得られます。これからの理系学生生活で重要ですね。

 葉の生え方や形態、成長につれ植物は生存戦略(つまり、何らかの理由)に応じて変えていきます。何気ないことのようですが、そうなるには生物は遺伝子の発現を変えなければいけません。逆に言うと、環境や生育によってどの遺伝子の発現をスイッチオンオフするか、調整するわけです。そのための機構が存在しています。今の時点でそういう機構について、分かっているところも若干ありますが、ほぼ大多数は分かっていません。今回の現象についても分かっていないでしょう。この現代においても、生物学研究はそのレベルなのです。今後解析ツールの進展とともに研究も加速度的に進むでしょうが、謎は山ほどあります。

 食レポ、きれいなおひたしですね。ともすれば煮過ぎてしまうのですが、これは良い感じです。まあ、ハクサイには見えません。ですがハクサイとスプラウトの中間、というかいいとこどりをしているんだ、とポジティブシンキングすればよいのです。

 そして栽培について、毎日水をやる、というか土が乾いているというのが気になります。一度に与える水が少な過ぎるのではないでしょうか。鉢底から水がしっかり出ていることを確認して下さい。気温はその通りだと思いますが住所は塩釜市ではない、ということなのでしょうか。遠くから一高に通ったのも凄いですね。

ラボスタッフ オガタ




経済学部・阿部さん

 育種の渡辺でございます。普段の投稿も色々なチャレンジをしており、よいと思います。こちらからのコメントに対して、どの様なことを考えて、対応したかを記しているのも、評価できると思います。最初の頃は、linkをどうやって入れるのか、分からなかったようですが、途中からの記事には、きちんとlinkを入れて、reader-friendlyな記事になってきていると思います。一部、例えば、「気象庁のHPで、塩竈市と同じくらい」ということを記していますが、それに対する根拠ともいえる、linkを入れて、どの記事を参考にしたのか分かるようにすれば、さらに改善されることだと思いますので。後半戦も是非、今のペースをベースラインとして、さらに高みを目指して、記事を書いてください。なお、水やりについては、ラボスタッフのオガタくんから、コメントをしているとおり、毎日水やりというのは、不自然です。自然界では、たくさん雨が降るときもあれば、そうでないときもある。つまり、一定程度の水をやって、数日おいて、水をやるということを、後半戦は考えて見て下さい。

 ものをいわない、植物をどの様に管理して、栽培するのかということの大変さは理解できていると思います。これからも是非、自分でいろいろ調べて、よりよい野菜にして下さい。これまでの記事でもそうなのかも知れないですが、「linkの貼り方」、これを少し学習して下さい。というか、linkを入れて、それが目的のところに、jumpすることを確認して下さい。linkの貼り方は、最初の講義の時の資料で渡してあると思います。他の受講生は、これまでもきちんとできていましたので。少なくとも中間報告のものについては、目的のところに飛びません。急ぎ、修復をして下さい。記事を書いたら、書きっぱなしと言うことではなく、書き終わったら、改めて読み直し、それでよいのか、問題がないかを確認することも、この講義の大切なことです。

 渡辺も現代文は苦手でした。意味が分からないというのが、たくさんあったと思います。そんな現代文と、こうした何かを報告したりする、レポートはスタンスが少し違うと思います。reader-friendlyな記事にということだし、論理的に破綻しないようにということでは、もう少し書きやすいものだと思います。最初に、講義の回数は、15回なので、ということを話したとおり、totalで15回の投稿を超えるように、これまでには、コンスタントな投稿で、20回を超えるような受講生もいました。さらなる高みを目指して、精進して下さい。書けば書くほど、文章力は磨かれます。書かないと、いつまでもそのままですから。

 最後に、カイワレダイコンの図版をnetから使っているようですが、これは、free素材ですか。そうでなければ、勝手に人のものを使うことは、法に触れます。もし、そうであれば、修正して下さい。それから、タイトルには、中間報告という文字と、それを補足するタイトルを付加するようにとしてあったと思います。改めて、渡辺が書いた、中間報告のあり方のところを読んで、確認するように。


 わたなべしるす