東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】1/29(日)~2/4(土)のアウトリーチ活動(出前講義)(2/4)

2017年2月 4日 (土)

 30年以上前の今頃、共通一次の結果を見て、担任から3つくらいの選択肢を頂き、結果、東北大・農学部を受験したのを覚えているのですが、出願に必要な書類を慌てて取り寄せ、応募したような。ただ、それが、いつだったのか。記憶もなくて。。。もちろん、当時は、郵送で。時代は流れて、今は、国公立大学でもネット出願ができるとか。。。時代は変わったわけだなと。。。今週の科学の記事と言うことではないですが、東京電力福島第一原子力発電所2号機の内部映像が公開され、溶解燃料とおぼしきものが見えたと。。。この後のことを考えると、どの様な科学力を駆使して、この難題を解決するのか。。。難しい問題だなと。。。生き物という点では、外国産クワガタムシが「特定外来生物」に指定検討とか。。解禁されたとき、気になった事象でしたが、このような収束になり、少しほっとしているわけですが、。。。雑種が現れる可能性があると言う時点で。。。もう少し何とかしてほしかったなと。。。で、今週のアウトリーチ活動は、2件。


 2/1(水):仙台市立片平丁小学校・平成28年度 第2回学校評議員・関係者評価委員会

 今年度から、仙台市片平丁小学校で、学校評議員を仰せつかっており、昨年の6月に第2回学校評議員・関係者評価委員会。その時の計画等を踏まえて、今年度の実施状況など。。。出前講義では、「キャベツとブロッコリー」、「セミの脱皮」、「花の不思議な世界」。最初の2つは、学校評議員をやっていること、また、すぐ近くの小学校ということもあり、企画を。「花の不思議な世界」は仙台市教育センターからのリクエストで。また、仙台市教育センターとのコラボのような形で、愛媛県四国中央市川滝小学校・村上校長先生をお招きしての特別企画も。あっという間の1年でした。こちらが関わることができたイベントは。「キャベツとブロッコリー」については、また、別企画として行いたいと思いますので。次年度も。また、仙台市教育センターからのリクエストも是非、お願いして頂ければ。。。そんなことを考えながら。。。

20170201151818-26445d32ef7f37177a0cb971370cbe7b6f6549a0.JPG 前置きが長くなりました。会議では、最初に全学年の授業参観を。ITCを活用した授業も。また、3年生だったでしょうか。マングローブの話をしていて、金曜から沖縄出張もあるので、先生からの「マングローブをみたことある人」と言う言葉に反応したら、マングローブを解説することに。。。ちょっと、お邪魔だったのでは。ただ、海水でも生きることができる植物があるのは、理解してもらえたのでは。。。そんな見学のあと、今年度の実施状況を踏まえて、。。。自己評価を年に2回実施していると。。。最初に実施したときと、後半で実施したとき、後半の方が厳しくなると。。。それまでできてないところを反省すると。それが、高学年だけでなくて、1年生でもというのは、感動でした。研究室の学生さんにも、自己評価のようなものを行うことを考えることも大事なのかなと。。。とても参考になりました。地域連携という点で、地域の方々と児童の皆さんが積極的に取り組んでいて、児童の皆さんに、この地域をよくするというか、誇りを持つというか、そんなことをもっているというのも、感動でした。これらのことが実を上げているのは、学校教育目標として、「志をもち、心豊かにたくましく生きる子どもの育成」というのを掲げているからであろうと。その言葉に込められた校長先生の思いと、高い志を感じた会議でした。ありがとうございました。

20170201151838-543b87ea23af9d72d451b50289f35b93693a466e.JPG 小学校にもアクティブラーニング、ICTなどが入るようになり、ある意味、大変な部分もありますが、渡辺も小学校の頃に、こんなこともあったのかな、できたのかなと、振り返ることもあったり。。。いずれ、よい方向に物事が展開できるように、サポートできればと感じた次第です。最後になりましたが、成田校長先生、浅野教頭先生、加藤先生をはじめとする、片平丁小学校の先生方にはお礼申し上げます。ありがとうございました。来年度もと言うことで謹んで賜ります。さらなる発展を楽しみにしております。


 2/4(土):沖縄県立球陽高等学校・SSH特別講演「大学教授からの進路選択アドバイス---進路、就職、人生を戦略的に考える---」

 渡辺のプロフィールにも書いてあるのですが、行ってみたい所。。「沖縄県のどこでも」とあるように、亜熱帯の温暖な所にいくことができれば、望外の喜び。以前、沖縄県立開邦高等学校でSSHが行われていた当時、ダイコンコンソーシアムに参加頂き、指導教員であった新城先生からのリクエストで、2010年2011年に沖縄県に出前講義と言うことがありました。その前には、研究科内の学生さんに紹介頂き、その方の母校と言うことで、最南端の沖縄県立八重山高等学校へ。2008年でした。いずれ、こちらとしては、過ごしやすい季節の秋から春にかけてのシーズンに。今回は、その沖縄県立開邦高等学校に伺った折、新城先生と一緒にお世話になっていた渡久平先生が現在SSH実施校である沖縄県立球陽高等学校に教頭先生として異動になり、SSH 4年目の発表会に特別講演をお願いされた次第です。1週間前の福島でのSSHのイベントでは、路肩に雪がありましたが、一転、1週間後の今日は気温が20oCを超える。。。ちょっと、体調管理には、大変かも知れないですが、それでも、こんな機会はなかなか。。。

20170204184811-82bc9b76823c57861925231a29695efa1275c40a.JPG20170204184836-48dc836d7ac8cec94deedda8e4ea9b33c1defe73.JPG 那覇市からは高速バスで沖縄市に。沖縄県立球陽高等学校は、併設型中高一貫校で、今回の講演会には、全校生徒に加えて、次年度から、高等学校に入学される方もと言うことで、800人規模に。この規模での講義を行うのは、愛媛県立松山南高等学校愛媛県立今治西高等学校青森県立三本木高等学校以来のような。。。

20170204185123-46d010cef3f3e6583653c25d668b80018405051a.JPG20170204185143-79f8b69b88de63033306fd4d62785fd70462ba95.JPG 講義は1hrだったのですが、前半に「植物の生殖・自家不和合性」、後半は「キャリア教育」。最初のスライドの前に、出発地・仙台の朝の積雪の写真と那覇空港でwelcomeしてくれた「ラン」の花の写真で温度の対比を。また、渡辺が農学部で遺伝学・植物育種学を目指すようになった琉球大・農・新城先生の話を。いつもは途中でなのですが、沖縄と言うことで、ご縁もあり。。。前半の生殖の所では、花の写真と作物名の対応関係。クダモノトケイソウがパッションフルーツを知っているのは、さすが。あと、オクラの花を観察していたというのは、同じアオイ科のハイビスカスがたくさんあるからかと。。。自家不和合性、受精反応の動画は、インパクトがあったのでは。植物も考えているわけです。そんな植物を見習ってほしいものだと。。。

20170204185547-3c102a3a2f4691a5cdbde46d6a2fc8e67629ee9b.JPG20170204185604-21a7601272d71a28fee305a3b0a454e4c8b1e3d0.JPG 後半のキャリア教育。小学校、中学校の頃、渡辺がどんな子供であったのか。科学者にあこがれたきっかけも。また、小学校の帰り道に「花の蜜」を吸っていたわけですが、そんな道草をするときに、考えること。大事なことです。昔は、縦の繋がりで先輩方から習ったこと。何とか、そんなことを復活できないかと。高校の時に、何を学ぶのか。数学の考えること。さらには、将来に向けての人生のきっかけをつかんでほしいと。また、大学で学んだことなど。あと、大事なことは、誰を師匠にするのか。それによって、ずいぶんと人生が変わると言うこと。また、高校から大学進学の時、センター試験ができなくても、へこむことなく、がんばってほしいと。渡辺もそんな1人ですから。気がついたら、少し時間をoverしていましたが、座右の銘として、戦後初代の理化学研究所・所長の仁科博士の言葉を。「環境が人を創り、人が環境を創る」と。。。沖縄の自然から色々なことを学んで、それをまた、将来、沖縄に還元してほしいと。。。最後は、いつもの組織論。積極的に頑張れる組織で、あきらめず、へこたれず、がんばってほしいと。。。

20170204185446-c9e7a5fe6f687b4b9d85d1a6035be9566d63028c.JPG20170204185503-6f8ba71ca50f555ba8d7d871ed13c6d9921c6516.JPG 講義のあと、代表の生徒さんからお礼の言葉。とてもしっかりしていて、こちらが講義で取り上げた「きっかけ」であったり、それを継続する思いであったり。そんなことを話して頂いたことは、とてもありがたく、講義のあとに、もう1度改めて、挨拶に来てくれて、講義がおもしろく、興味深いものであったと。。。ありがたいことです。どこかでご一緒することがあれば、幸いです。

20170204185250-f7deeb979133aac89f7cc721e4c31d9cdb3bc297.JPG 最後になりましたが、島仲校長先生、渡久平教頭先生、SSH担当・上江洲先生をはじめとする、沖縄県立球陽高等学校の先生方にはお礼申し上げます。ありがとうございました。SSHのさらなる発展を楽しみにしております。また、課題研究等でお手伝いできることがあれば、お知らせ頂ければと。。。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. 先週の福島での講義で議論になったのですが、小学校から高校まで、学校で学ぶことは、基本、答えのあること。大学になって、答えのないことにチャレンジするというので、あたふたすることもあるようですが。。。ただ、渡辺の子供時代を考えると、野山、田畑を走り回って、何かをするとき、色々なことを考えて、工夫するわけです。もちろん、普段の学校生活は、今と変わらないと。。。あと、高校の数学も公式に頼るとき方はきらいで。。。そんなのが、社会に出たら、意外と役に立っているような。。。そう考えると、やっぱり、小学校から高校までは、生業(なりわい)を授けるという意味で、授業。大学では、その先の社会人としての生き方のようなことを学ぶという点では、義を講ずる、と言うことで、講義の方が正しいような。。。会議であったり、資料、mailなど、いつの時代から、大学が講義をやめて、授業にしたのか。。。。このあたりに、考える力の養成するためのヒントかくされているような、そんな気がしたこの2週間ほどでした。

20170204185715-7c6cd87f1c3fe99efc76ce90799262f715d14fd5.JPG PS.のPS. 講義のあとで、沖縄県内の別の高校の先生から声をかけて頂き、ありがとうございました。時間の関係でゆっくりお話しできませんでしたが、何か、こちらでお手伝いできることがあればと。。。



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