東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

最終発表(工:大和田莉央)

2015年12月31日 (木)


図1 ベランダに出したホウレンソウとハツカダイコンの鉢とパック

 明けましておめでとうございます。最終発表として投稿します。以前渡辺先生が投稿された記事の項目に沿って報告させていただきます。

(1) 植物、作物の栽培を行って、最初に想像していたよりも、たいへんだったこと、逆に、以外とうまくいったなと言うこと、という栽培について、感じたことをこれまでの発表のHPを引用(link挿入)するなどして、説明して下さい。これまでのプレゼンに使ってないような写真があれば、それを掲載してもOKです。

 私が野菜の栽培を行って、予想以上に大変だと思ったことはいくつかあります。そのうちの1つが収穫時期の見極めです。豆苗は12/23に行った収穫を除いて、いつも収穫時期を逃してしまい、硬くなってしまった後に収穫して食べていました。逆に12/24に収穫したハツカダイコンは時期が早かったのか、かなり小ぶりでした。

 また、作物を光に当てる時間や水やり、肥料の調整も難しいと思いました。ホウレンソウは光に当たる時間が長くなると、花芽が形成されてとう立ちしてしまうということをこの講義で初めて知り、大学から帰ってきた後はいつも段ボールの中に入れて光を遮っていたのですが、毎日鉢を移動させるのが思ったより大変でした。豆苗に関しても、この講義が始まったばかりの頃はまだ室温が高く、水を短時間で吸収してしまうためしょっちゅう水不足に陥り、しおれかけてしまっていました。ハツカダイコンについては、最初に水のやり過ぎはよくないと思い、与える水の量を少なめにしていたところ、水不足で1つ苗が枯れてしまいました。さらに、11月の半ばにハツカダイコンは途中肥料が足らなくなってしまい、通常よりも子葉が早く枯れてきてしまったりと加減が難しかったです。

 最初の予想よりうまくいったと思ったことは、ハツカダイコンやホウレンソウの播種です。ハツカダイコンは発芽しやすい作物ではありますが、水に浸し始めてわずか1日で、ほとんどの種の芽が出てきたとき(10/10)はとても嬉しかったです。ホウレンソウは発芽させるのが難しいと聞いていたため、本当に発芽してくれるのかどうかとても不安でした。実際に、ハツカダイコンが1日で発芽し、土から子葉が出てきたのに対して、ホウレンソウはシャーレの中で白い根が出てくるのに5日かかり(10/17)、さらに土から子葉が見えてくるのに4日かかった(10/21)ため、とても心配でしたが、全滅も覚悟していたためほっとしたのと同時に、意外とうまくいったと思いました。

(2) シラバスにも書いたように、植物の観察眼を養うことを目的としていましたが、それ以外の科目などへの波及効果もあったのではないかと思っています。どの様なところに波及効果があったかを実例を入れて説明して下さい。

 私がほかの科目に効果があったと感じた場面はいくつかあります。そのうちの1つは、第二外国語の授業で自分の経験について発表した時です。第二外国語は、まだ学び始めたばかりの言語であるので、使える単語や文法が限られていました。(4)で詳しく述べますが、この講義を受講したことで文章を考える力や、効率の良い発表の仕方を身に着けることができました。このことによって、その限られた表現のなかで伝えたいことを簡潔にまとめる、というところで役立ちました。

 ほかに波及効果があったと感じたのは、(3)で詳しく書いていますが、自分のしたことやその先の予定、自分以外のひとの予定をちゃんと把握するようになったことです。以前は、次の日に予定が入っているにもかかわらず、そのことを把握していなかったため、やらなければならないことを後回しにしてしまって後から慌てる、ということがありました。また、誰かに頼みごとをするときに、相手が忙しいときに頼んでしまい、迷惑をかけてしまうということもありました。しかし、この講義を受講して、水やりや追肥をした日付、次に何をすべきか等を書き残すようになりました。そのことによって普段の生活でも予定を書きとめる様になり、周りの動きを気にするようになりました。


(3) 他の展開ゼミとは異なり、実質、「毎日が展開ゼミ」ということでたいへんだったこともあると思いますが、逆に、毎日の観察をすると言うことで、どの様なことが身についたのか、感じたことなどを、まとめて下さい。これまでの発表のHPを参照してもOKです。

 作物を育てることで身についたと思うことは、植物を観察することで養った観察力と、時にはゆっくりだと感じる植物の生長を待つことから学んだ忍耐力です。ハツカダイコンやホウレンソウは、気温の高い時期に比べると非常に生長が遅く、まだかまだかと様子を見ては、つい水や肥料を多く与えたくなってしまうのを我慢する、というのを繰り返していました。逆に、豆苗は(1)でも述べたように、もう少し生長させても大丈夫だろう、とのんびりしてしまい、いざ収穫して食べてみると少し硬い、ということが多々ありました。このような経験から落ち着いて待ち、本当に必要な時期を見極めようとすることが大事だと知りました。まだ、自分はちゃんとその時期を見極めることはできていないのですが、これからも相手の様子をしっかりと窺って、自分がいつ、どうすべきかを考えて行動していけるよう、日頃から意識して生活していくようにしたいです。

 また、この講義を受講することで、自分のやったことや先々のスケジュールなどを確認するようになりました。いままで植物を栽培するときは、前回肥料を与えてから何日経過したのか覚えておらず、しおれていることに気が付いてから、慌てて肥料をやって枯らしてしまったり、水やりをしたばかりなのに、ただ何となく水を与えてしまって、根腐れを起こしてしまったりしてしまう、ということが多々ありました。しかし、この展開ゼミで作物の栽培を始めてからいつ、どのくらい水やりをしたか、というようなことをノートに書いていくようになり、自分がハツカダイコンやホウレンソウ、豆苗にそれぞれ何をしたかがわかるようになりました。そうすることで、それらの野菜に今何が必要なのかが分かるようになっただけでなく、それまでの自分の行動を把握したり、そこから先の予定を順序だてて考え、書きとめたりする、という習慣が付きました。このような習慣のおかげで、自分がやらなければいけないことをやり忘れる、ということが減ったので、これからもこの状態を保っていける様にしたいです。

 (4) 大学の講義の中でも、かなり、異端の講義形式になっていますが、このゼミ形式で文章を書いたり、それをいかにプレゼンするかと言うことも学んだのではないかと思います。それらを踏まえて、文章を書くという点で、ゼミ開始前とあとでどのような変化があったか、考察して下さい。

 この展開ゼミを受講する前後で、文章を書くということにおいて変化があったと思う点はいくつかあります。まず最も変わったと思う点は、文章を書き始める前に文の構成や文量を気にするようになった、という点です。以前は、何も考えずに書き始めて、途中で書くことに詰まってまとまりの無い文になってしまったり、文量を考えずに書いてしまって、だらだらとした長い文になってしまったりしていました。しかし、この展開ゼミを受け始めてからそのようなことになってしまう回数が格段に減りました。これは、この講義では他の人に伝えるための文章を書く機会がとても多く、どうしたら事情を知らない人にも伝わるのか、どうすれば自分の考えていることや工夫したことを理解してもらえるのか、といったことを考えながら書く訓練をたくさん積むことができた、ということが理由だと考えられます。また、この講義では自分と同じテーマに取り組んでいるほかの人たちの文章を読むことができたことも大きな理由だと思います。自分では思いつかなかった表現や投稿文の構成などを見ることで、自分の文章の書き方を考え直すことができました。

 他に変化があったと思う点は、文章を書くスピードが上がったことです。一回目の投稿で、自分は文章を考えるスピードが遅いという話を書きました。しかし、植物たちの生長する速度がとても速く、それに追いつこうと投稿する回数も多くなったため、自然と文章を考えて書くスピードが上がっていきました。

 また、文章を書くということに対する抵抗感も少し減りました。以前はどうしても自分の意見を伝えるような文章を書くのが苦手で、作文の宿題はいつも後回しにしていました。しかし今は、私はこれを伝えたい、ということを自分の中で見つけることが前よりも簡単にできるようになりました。これはやはり、書くことを遠ざけていたころと異なり、このゼミのような文をたくさん書く環境に身を置けたことが大きいと思います。


 (5) 以上の(1)(4)を踏まえて、この展開ゼミで学んだことを、大学での活動を含めた日々の生活に対して、どの様に活かすことができるか。さらには、まだ、収穫していない作物を今後、どの様に管理したいかを記して下さい。

 この展開ゼミで学んだことや自分の変化で、これからの生活に役立つことはいろいろありますが、その中で特に役立つと思うことは、文章を書くことに対する変化です。なぜならば、これから大学で学んでいく中ではもちろん、社会に出てからも文章を書くということは必要不可欠なことだと思うからです。(4)でも述べたようにこの講義を受講し、記事を書いていく中で、文章を作成することへの抵抗感が薄れ、文章を考えて書くスピードが上がっていきました。このことは、レポートを作成する時だけでなく、誰かに手紙を書いたりするときにも活きてくると思います。

 まだ収穫していない作物は、現在ハツカダイコンは4つの苗が残っており、ホウレンソウは2つの苗が残っています。12/16の投稿に対するコメントにもあったように、与える水の量に気を付ける事や、日中は屋外に出して日の光に当てるということを続け、すべての作物が無事に収穫できるようにしていきたいです。

 特にハツカダイコンは1回目の収穫で、採る時期が早すぎたために小さいうちに収穫してしまったので、その失敗を活かし、しっかりと根が太ったころに収穫するようにしたいです。また、今ハツカダイコンの本葉の表面はざらざらとしていて丸まっているので、カーテンやほかの本葉に引っかかるとすぐに破れてしまうような状況です。できる限り丁寧に扱うよう気をつけてはいたのですが、カーテンに近い方の苗の葉が何枚か裂けてしまいました。これから新たに傷付けてしまうことの無いようにより一層注意していくようにしたいです。

 また、ホウレンソウは乾燥を嫌うため忘れずに水やりをしなければならず、しかし夜まで葉が濡れていると病気になりやすいそうなので、ちょうど良い量の水を与えるよう、様子を見ながら調節していきたいです。草丈が20㎝くらいになったころに収穫しようと思っているのですが、現在の草丈はまったくそこまで達しないので、追肥などを行っていきたいと思います。また、ホウレンソウはとう立ちしてしまう危険もあるので光に当てる時間も気を付けていきたいです。

 豆苗は水を入れ過ぎてしまったせいか、種のペットボトルに当たっている部分が黒くなってきてしまっています。そのような部分はできる限りピンセットなどで取り除くようにしているのですが、3回目の収穫は無理かもしれません。これからは水を取り換える頻度を増やしつつ変化を観察していきたいと思います。もし全体が腐ってしまった場合は、新しく豆苗の種を買ってきて再び栽培しようと思います。

 以上で最終発表を終わりにします。ありがとうございました。

2016.1.1

コメント

工学部・大和田さん

遺伝の渡辺でございます。あけましておめでとうございます。「最終報告」、とてもしっかりしていました。こちらが意図していたことをきちんと学んでいるのが、文章からよくわかりました。

これまでの報告からも読み取れましたが、日々、管理を一生懸命やっていたのだなと、ホウレンソウで花芽がつかないようにするために努力をしたり、。。ものを言わない農作物を管理することで、また、それを他の履修している学生さんに伝えるために、どの様な表現をすればよいのかと言うことをも、きちんと学んでいると言うことです。学部での実験等、これからやるであろう事に対して、より積極的に、また、しっかりした観察力と文章力で、対応できる力を身につけられたのではないでしょうか。linkを入れると言うことで、それが何を意味するのか、これは、論文を書くときの引用文献のような根拠となるようなもの。その重要性もわかり、今後のレポートなどにも十分活かせると思います。

予定の管理であったり、一緒に活動しているときに、どの様にあわせるのかなど、難しいことがたくさんあるのではと思います。そんなところ、さらに、これからはもっと別の面でこれで学んだことが活かされているなと気がつくと思います。

文章を書くスピードが上がっているというのは、すごいです。文章を書くことへの抵抗感というか、ハードルが下がったのは、よいことです。この感覚を大事にして下さい。これからの講義、研究、実社会でとても大切なことですから。何かの形で、文章を書くことを継続できれば、実社会に出る頃には、色々な意味ですごい力になっていると思います。

最初にも書いたとおり、こちらがこの講義を通じて学んでほしいことが実体験とし書かれてあり、変な形態の講義だったかもしれないですが、どこかで、あっ、こんなこともあったなと思い出して、それが力になったなと思える講義であれば、幸いです。このあともまだ、大きくなります。このHPは閉じられることはありませんので、継続して、最後の収穫等まで、時間の許す範囲で、投稿してみてください。こちらも、遅くなるかもしれないですが、コメントを入れますので。

わたなべしるす

旧展開ゼミ