東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

中間発表 reader-friendlyな記事作成と来年以降の学生が参考にしやすい記事作り(文:坂谷日向)

2018年11月22日 (木)

 みなさん、こんにちは。文学部の坂谷です。

 今回は中間発表です。テーマは5つありますが、2500字も書けるだろうかと不安に思っていたのですが、過去の自分の投稿を調べてみたら毎回2500字は越えていて安心しました。というより、そんなに書いていたのだと驚きました。なにはともあれ、いつも通り一つ一つ丁寧に書いていこうと思います。


★中間発表の内容★

1.ここまでの栽培において一番驚いたこと

2.参考になった記事となにが参考になったのか

3.頂いたコメントで参考になったものとそれから得た気づき

4.双方向の講義で良かったと思う点

5.1~4を踏まえて残りの講義で注意したい点や目標、学びたいこと、記事にしたいこと


1.ここまでの栽培において一番驚いたこと

 私がこの1ヶ月半で最も驚いたのは、第2回の記事で報告した種子のつくりと第5回の記事で報告した葉の生え方です。第2回の記事で消毒のコーティングを落としてみたり、半分にカットしてみたりといろいろ試してみましたが、最も驚いたのは皮を向いたとき、4層の構造になっていたことです。harukunn4sou.jpg


daityan4sou.jpg
 上の写真がキャベツ、下の写真がかいわれ大根です(第2回記事にも使用した写真ですが、分かりやすくするためもう一度載せました)。どちらも似たような構造をしており、3枚目と4枚目には棒のような物がついています。この時点ではこれらがどのように生長していくのか全く想像がつかなかったのですが、第5回の記事で葉の観察をしたときに、棒状の物は根と葉を繋ぐ部分であること、4層のうち2枚目と3枚目、1枚目と4枚目がそれぞれ繋がって1枚の葉(=子葉)になることが分かりました。DSC_0361.JPG

 途中から4枚に分かれたものは葉になるのではないだろうかと思ってはいたのですが、まさか2枚目と3枚目、1枚目と4枚目がくっつくとは思いませんでした(1枚目と2枚目、3枚目と4枚目がそれぞれ繋がって1枚の葉になると思っていました)。

 また、かいわれ大根を①スポンジ(ナイロン不織布・ポリウレタンフォーム)、②キッチンペーパー(牛乳パック類再生パルプ)、③コットン(綿)、④手芸わた(ポリエステル)、⑤ぬいぐるみ(ポリエステル)⑥ザル⑦パフ(合成ゴム・天然ゴム)の7種の下敷きで育てたのですが、パフだけが育たなかったことにも驚きました。第5回の記事にも書きましたが、ザルでの生育がうまくいったことを踏まえてあえて水浸しにしたり、下敷きをティッシュペーパー(パルプ100%)に変えてみたりしても育つことはなく、パフからなんらかの発芽・生長を阻害する物質がでていたのだろうという結論に達しました。

 私自身も栽培を楽しんでいた上に、徒長なども起こらなかったため、特に苦労したと感じることはないのですが、私が育てたスプラウトは全く問題のない味でしたが、形が不揃いで色も薄く、到底店頭には並べられるものではないなと感じました。見た目良く、味も良く育っている店頭の野菜を作るための農家さんの努力を考えたら頭があがりません。これまで以上に感謝の気持ちを持って食べようと思います。

 

2.参考になった記事となにが参考になったのか

 私がよく参考にさせて頂いているのは、2016年度の福島さんの記事です。同じキャベツを育てていたということで、これからどんなことに気をつけていかなければならないのかという点やキャベツに変化があったとき、何が起こっているのかを知るという点で大変参考になります。まだ記事にしていないのですが、例えばキャベツが紫色になるのは寒さに耐えるため子葉が黄色くなってきたら、あるいは下葉が落ちてしまったら栄養不足なので肥料を与える(そうなる前に与える)などです。もちろん福島さんの記事に対する先生方のコメントも合わせてではありますが。

 また、私はよく過去の記事を展開ゼミの目次の下の方にある日付から探して読んでいます。日付から探すことで、今、そして少し先にやらなければならないことがわかります。その時にタイトルに記事の内容や育てている植物を書いてくださっていたり、日付や気温、リンクを示してくださっていたりする記事は大変助かります。かいわれ大根をザルで育てる方法を知った2016年度の開田さんの記事にはタイトルに「カイワレダイコン」の文字があり、間引くタイミングを参考にさせて頂いた2017年度の田村さんの記事もタイトルに「間引き」という文字がありました。温度やリンクに関していえば、2017年度の直江さんの記事が大変参考になります。また、直江さんといえば、渡辺先生の投稿にもありましたが、記事中の画像の注目すべきところに丸をつけたり、目立たせるところは文字の色を変えたりなどの投稿の仕方や投稿ペースにおいても多くのことを学ぶことができます。現在一緒に受講している八巻さんの投稿頻度、写真の撮り方、はり方も大変勉強になります。今後の投稿ではぜひお二方の投稿を参考にさせて頂きたいと思います。

 

3.頂いたコメントで参考になったものとそれから得た気づき

 私は高校で生物基礎しかとっていなかったので、植物の複雑な仕組みはよく分かっていませんでした。そんな素人の質問にもコメントで丁寧に説明してくださっているのが大変参考になっています。例えば第2回の記事のコメントで教えて頂いた好光性種子の仕組みや特徴は、鉢に植え替えする時に役立ちました。好光性種子は発芽が決定されれば良いだけなのにもかかわらず、それを知らずにいたらきっと鉢に植え換えする時、必要以上に浅く植えてしまい、十分に根が張れなくなってしまう、なんていうことになりかねませんでした。

 2の記事でも少し触れたように過去の先輩や他の受講生の方の質問に対する答え、アドバイスも参考になります。上記したもの以外でいえば、2016年の開田さんの徒長に対する渡辺先生のコメントです。他の方々にも同じようなコメントをされていたり、コメントに開田さんの記事のリンクを張ってらしたりして多くの場面で徒長対策のコメントを目にしました。これらの多くは栽培開始前に読んでいたので、水はあげすぎないこと、外に置き十分に光を当てること、土は入れすぎないことなど、気をつけるべきポイントを抑えて徒長対策を行うことができました。

 また、外部のものとして大変参考になるのが、今回種子を提供してくださったタキイ種苗さんの家庭菜園野菜栽培マニュアルのキャベツの欄中原採種場さんの野菜作り講座のスプラウト系の欄です。(2017年の岡田さんの記事で「栽培方法を調べるときにはまず、ヒットするかどうかは別としてその種の販売元のHPを調べるといいことがわかりました。信頼性があることと自分の栽培するその特定の品種に向けて書かれていることからかなり有効なのではないかなと思います」という報告を参考にしました。)生育に適した温度や基本的な育て方が書いてあり、キャベツの方には気をつけるべき病気や害虫、肥料の与える量、時期についても触れているのでとても参考になります。

 

4.双方向の講義で良かったと思う点

 私が双方向の講義で良かったと思う点は、自分の状況(植物の生長具合など)に合わせて細かなアドバイスとこれから気をつけるべきことを根拠付きで丁寧に教えていただける点です。コメントもその日のうちに頂けることが多いので、すぐに行動に移すことができます。特に私は生物の知識が足りず、ある現象に気がついても、それがなぜ起こるのかというところまでは突き詰められていないので、それをコメントで教えて頂き、さらに自分で調べてみることで新たな知識を得ることができました。他の講義でのレポートとは違い、栽培そのものの他、投稿の仕方についても、どこが駄目で、こうするべきだというのはっきりと教えて頂けるので、今後の投稿で気をつけることができます。ストレートなので刺さるものは刺さるのですが、そう言っていて頂けているうちが花、心を強く持って真摯に対応したいと思います。

 

5.1~4を踏まえて残りの講義で注意したい点や目標、学びたいこと、記事にしたいこと

 今後の目標を定めるにあたって、初心を思い出すため、初回の投稿で建てた目標を今一度確認したいと思います。

三日坊主にならない

 →私は何かすると決めて3日続いたためしがありません。ランニングしかり、日記しかり。しかし、今回はランニングや日記とは訳が違います。植物といえど1つの命です。私が栽培すると決めた時点でその植物の命を預かっていることなります。最後まで責任を持って育て上げたいと思います。

観察力、思考力、発想力を身につける・磨く

 →過去の記録を読んでいると「そんなところに新たな発見があったなんて」「そういう対策があったのか」と驚かされることばかりでした。私も先輩方の記録を参考にして、自分なりにじっくり観察し、考え、新たな方法を模索していくつもりです。

 今のところ植物は毎日様子を見て、細かく観察しているつもりですが、まだまだ甘いところが多々あります。①でいえば観察そのものは継続して行っていますが、投稿頻度はまちまちです。②でいえば、観察力・発想力はまあまあではないかとも思うのですが、思考力に関しては明らかに知識不足で深くまで追求できていません。

 以上の反省から、上記に加え以下のものを後半の目標として付け加えたいと思います。

③毎週月曜日投稿

④毎日30分以上過去の記事・他の受講生の投稿を読む

 →毎週その週で1番ためになった記事を紹介する。

⑤reader-friendlyな記事作成と来年以降の学生が参考にしやすい記事作りをする

 →写真は大きく見やすく、温度・日付・時間を記載する、色や棒線を効果的に用いる、リンクを張る、タイトルに育てている植物の他、出来事も記載する(生長観察だけではなく、間引きをしたなど)。

 これらに目標を通して、物事を継続する力と先達に学ぶ姿勢を身につけ、細かいことに気がつく観察眼・深いところまで追求できる思考力・独自性を生み出す発想力を養っていきたいと思います。

 残り半分もどうぞよろしくお願いいたします。


●今日の画像●

 さて、今回の記事の最初に使った画像はオムライスで作ったピカチュウです。(ピカ)中間発表などというちょっとしたシャレです。しかしながら、思ったよりも耳が長くなってしまい、ピチューやミミッキュの方が近いような気がします。オムライスのご飯は前回の服部平次に使ったカレーご飯で、耳は鶏のささみをレンチンして卵で巻きました。次回はかの有名なテーマパークの鼠を、今度こそ巻き寿司で作ってみようと思います。お楽しみに!

 

★次回予告★

・春くん(キャベツ)の生長記録

・春くん(キャベツ)の間引きと調理と実食

・大ちゃん(かいわれ大根)の収穫と調理と実食②

 最後までご覧くださり、ありがとうございました。

 

【先生方へのご質問】

 実は野菜たちが萎れることも黄色くなることもなくピンピンしているので、まだ追肥を与えておりません。もう1ヶ月半は経っているので、与えた方が良いでしょうか?

コメント

文学部・坂谷さん

 育種の渡辺でございます。ほぼ、コンスタントに現状を記すために、適切な写真と言葉を入れて、毎週のように投稿できていることは、評価できます。というか、これが平均値であってほしいわけなのですが。。。他の受講生のみなさん、自戒の念を込めて、改めて、坂谷さんのこれまでの記事を眺めてみて下さい。文系ということで、理系のような観察ができないということでもなく、きちんとやればできるということを示しています。このような低次元のコメントをしたいということではないです。より高いレベルにということが目標であることを、この坂谷さんの一連の記事から見て、考えるように。

 多くの先達の記事を参考にしているというのは、よいことです。これから起こるであろうことを予測すること。もちろん、現状がよいかということを学べると思います。それでも学び足りないことを自学自習したり、こちらからのコメントに応答するという態度も評価できます。この講義を4月の段階だったでしょうか。その時に、やってみるということで、申込をされたという意気込みとそれに裏打ちされた行動力は、高く評価できます。これからもしっかりこれをベースに後半戦をがんばって下さい。1ヶ所、linkのところで、2016年の開田さんというのがありますが、link先は、沼澤さんになっています。どちらが正しいのでしょうか。このあたりは、投稿時間、ギリギリではなくて、余裕を持って行動すること、これを最終報告では覚えて、行動して下さい。

 これらをふまえて、5つの目標を明確に、分かりやすく、報告しているのはよいことです。投稿する曜日を決めるというのは、よいことだと思います。去年の高校生の記事がそうでした。確か、日曜日の投稿だったような。。。この講義に限らず、他の講義でも、是非、同じように何を学ぶのか、そのために、どの様に行動するのかということをしっかり目標を立てるというのは、いかがでしょうか。誰かのコメントにも書きましたが、先達の記事に頼るだけでなく、先達が見つけることができなかったことを見つける。それも大切なことです。是非、チャレンジしてみて下さい。最後に書かれてあった追肥の問題ですが、前回の植物体を見ると、キャベツにしては、少し緑が薄くなっていますね。これは、Googleの画像を見てみて下さい。食するところのキャベツの色は、薄いですが、そうでない部分は、意外と濃い色をしています。ですので、数粒、数ヶ所に施肥をして下さい。これからあと、10日に1回くらいが目安です。詳細は、また、次回の報告で写真をuploadして下さい。ラボスタッフのオガタくんがコメントをすると思いますので。


 わたなべしるす