こんにちは。お久しぶりの投稿になります。
科学者の卵5期生、仙台二華高校2年の丹野ちぐさです。
昨年の11月8~9日に「全国受講生発表会」と、1月9~14日に「サンディエゴの国際学会」に参加しましたので、そのご報告をさせていただきます。
まず、「全国受講生発表会」のお話から。
一昨年から渡辺先生のもとで、発展コース・重点コース生として研究をさせていただきました。
その研究の集大成として、東京で開催された「全国受講生発表会」にてポスター発表を行いました。
10分ほどの発表を何度か行い、その都度何名かの審査員(他大学の先生)に見ていただくというスタイルの発表でした。
私は昨年の卵の発表会に参加できなかったため、自分の研究成果を発表するのは初めての経験でした。
自分自身が研究内容をしっかり把握しなければいけないのはもちろん、様々な分野の先生方がいらっしゃるため、どんな奇抜な質問が来るかも予想できず...。
内心、とてもナーバスになっていました。
しかし実際発表をしてみて感じたことは、「案外伝わる」ということです。
一方で「上手に」できたわけではありません。
というのも、発表を聞いてくださる方々は心からサイエンスを愛している人ばかりです。そのため、抱いた疑問を真っ直ぐに私たちにぶつけてきます。私たちは「伝えよう」という気持ちを持ち、相手の質問に的確に答えようとさえすれば、自ずと話は弾みます。効率よく端的に、つまり「上手に」伝える必要はあまり感じませんでした。
いかに相手に興味を持っていただくか、が大切なのではないでしょうか。
また、発表会前日の夜には、小グループに分かれて参加者同士のディスカッションも行われました。一口に「科学」といっても様々ですから、興味の対象の違う同年代と話すことはとても刺激的でした。
受講生で発表会参加の機会がある方は、ぜひ肩の力を抜いて楽しんで参加していただければと思います。
今回の発表会では、東北大から参加した3チームが優秀賞をいただきました。自分の研究が他人に評価される喜びはひとしおです。
そして「サンディエゴの国際学会」についてです。
夏に渡辺先生からお話をいただいたときは半信半疑で、国際学会に行くという実感が湧いたのは飛行機に搭乗してからでした(遅い)。
到着したサンディエゴは意外と寒く、発表への不安も募るばかり...。
なかなか精神的に落着けないまま、発表日以外は偉い先生方の講義もいくつか聴講しました。もちろん講義はすべて英語でしたが、どの先生も使用しているスライドが見やすくて興味深く、理解できるものもありました。専門用語など、もっと知識が豊富だったら...と思う場面もたくさんありましたが、それは大学生になってからリベンジしたいと思います。
そしていよいよ発表当日。口から臓器が全部出てくるのではないかと思うほどに緊張しました。しかし、アブストラクトを見て興味を持った方が聞きに来てくだされば、もう話すしかありません。覚悟を決めて英語を話しだしてみれば、期待以上に内容が伝わり、少し自信が持てました。しかし、、日本でたくさん練習を重ねた序盤の研究の説明はうまくいきましたが、結論までたどり着き質問タイムに突入した途端、正しい文法で話すことができず、少々パニックになりました。時には何度答えても噛み合わない質問もあり、完全に自信を喪失しました。しかし同時に、私の中で何かが吹っ切れました。相手に満足して帰ってもらうために、とにかく話そうという意欲が湧いてきました。英語はめちゃくちゃでしたが、相手の方がこちらの意思をくみ取ってくださり、なんとか終えることができました。
すべてが終わり振り返ってみると、悔しさも大きい反面、聞きに来てくださった方と精一杯対話できたことはとても良い経験になりました。
今後「科学者の卵」を通して国際学会に参加する方や、海外で発表する方も多くなると聞いています。
緊張とプレッシャーは大きいかもしれませんが、研究内容と発表練習は自分を裏切りません。「上手な」発表ができることが一番かもしれませんが、海外ではとても難しいので、多少かっこ悪くとも泥臭く頑張ることが一番だと、私は思います。
そして14日の発表会、みなさんお疲れさまでした。
私のようにサイエンスの右も左も分からない人間が、国際学会に参加できるほど「科学者の卵」は偉大なプログラムです。深く関われば関わるほど、新たな世界を見つける糧になると思います。ぜひ一回一回の講義や研究を大切にしてください。
最後になりましたが、すばらしい機会をくださった渡辺先生をはじめとする諸先生方、事務局のみなさま、本当にありがとうございました。
2016.3.15 宮城県仙台二華高校 丹野ちぐさ