東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

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平成27年度 活動ブログ

平成27年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2015.07.24

第2回目の講義についてコメントへのコメント-その壱(7/24)

 遺伝の渡辺でございます。例年の梅雨なら、雨が降ると、気温が下がるというのが通例ですが。。。今年は雨が降っても25oCを下回らない不思議な梅雨です。身近なところにある不思議を見つけるまちかどサイエンスへのたくさんの投稿があることと、どこから投稿しているという、日本地図が出るのを見たことがあるでしょうか。東日本をほぼカバーするというか、東京以北をカバーしたところから投稿している。感動ですね。それだけ、地域性、気象条件、環境が違うと言うこと。夏はあまり違わないともいますが、秋から冬にかけては、また、春のタイミングも。ずいぶんちがうと思います。是非、たくさんの不思議を投稿して下さい。また、もちろん、前回の講義へのコメントなどを書く、ブログも是非。すでに2名の方が、投稿してくれていますね。ありがとうございました。

20150724175843-199dfa8c19b865c04d29dcd0413fef817034b99b.jpg 福島高校の本田さんの記事では、こちらが遅い時間まで質疑応答に対応していたことを書いてもらい、ありがとうございました。渡辺もあのように長い質問時間は初めてだったような。植物があれ以降、不思議に見えるようになってもらったのであれば、幸いですね。それから、水曜日に仙台白百合の石井さんから質問などが来ていましたので、回答しておきます。

 自家不和合性のことを理解して、不明な点を渡辺の研究室のHPで学んでくれたことは、うれしいですね。不思議に思ったまま放置している受講生の方は、こちらからどうぞ。講義で書いたことより、少し難しいことを書いているかもしれないですが、参考になるかと思います。また、自家不和合性を活用した「一代雑種育種法」というのがあります。詳しいことは、とりあえず、種苗会社にlinkを入れておきますが、現在、仙台市内の放送局からお願いされて、原稿を書いています。モバイル端末から見ることができるようなニュース記事として、掲載予定です。パソコンからは見ることができないのが、。。。また、掲載が決まったら、お知らせします。単純に言えば、S対立遺伝子がちがう系統(S1, S2)というものを植えておけば、その間では、和合性、自分の花粉は、排除するので、効率よく、S1S2という雑種種子がとれます。という仕掛けです。

20150724175908-d7f8cb5c9fbbdbb261107c721b9394a0db4f210b.jpg さて、花粉症の問題。これは、渡辺も花粉症ですので、大きな問題です。何が花粉症を引き起こしているのか。それは、花粉表面のタンパク質です。そもそも、植物が人間を攻撃するために、この花粉症を引き起こすタンパク質を作るようになったのでしょうか。底まで植物は進化してないと思います。つまり、植物は自分の花粉で機能するタンパク質を作っている訳です。なくなると、植物として困ってしまうということになります。場合によっては、花粉として機能できなくなる可能性もあります。多くの受講生は、スギなどの花粉症だと思いますが、渡辺は、アブラナの花粉症です。研究をしていてなりました。なるヒトとならないヒトがいるようです。では、花粉症にもなったり、ならなかったりというのがあるのは、なぜなのでしょうか。花粉の表面タンパク質を異物と感じると、アレルギー反応が起きるわけです。正確でない表現かもしれないですが。昔は、花粉症などほとんどありませんでした。これは、今から比べると身の回りのほこりなどが、多かった。道路は舗装されていない等々。あるいは、寄生虫などがいたり、たいへんな時代でした。そうしたものを攻撃して、体を守ることが免疫として必要だったわけです。ところが、時代と共に、そうした、いわゆる、汚いものがなくなって。。。そうしたら、ヒトの体としては、というか、免疫系としては、暇ができるので、花粉のようなものを異物として認識するようになり、花粉症が起きたのではということを言う方がいます。だったら、あまりきれいでないところにすめばよいか、ということではないですが、いつだったか、テレビで、諸外国では乳幼児期に牧場などに行って、昔のような異物と触れる機会を多くして、花粉などは異物としないようなことを免疫系に覚えさせるというのを、見たことがあります。渡辺が子供の頃は、隣にウシがいました。近くではブタが飼われていました。ヤギも。というような環境でしたので、それがよかったのかもしれないですが、あまりに大量のアブラナ花粉を扱うようになったので、花粉症になったと。実際、リンゴ、イチゴ農家の方は、リンゴ、イチゴの花粉症になるというのを聞いたことがあります。

 というわけで、花粉表面のタンパク質は、まだ未解明な部分は多いですが、基本、植物にとって重要な機能を持ったタンパク質なので、それを失わせると、花粉でなくなるので、それは簡単ではないと言うことです。

 少しは回答になったでしょうか。他の方々も、是非、講義の感想を書きながら、質問があれば。どうぞ。このような形で公開していきますので。なにより、忘れないうちにやること、長い文章を書いてみることは大事ですから。多くの方のチャレンジをお待ちしております。

20150724175935-2f361faf223515a5943186c9a0c2995ad22eec4e.jpg
 わたなべしるす

 PS. 渡辺が書いたり、事務局の白戸さんが記事を書いてくれているとおり、オープンキャンパスで、研究室公開をします。たくさんの方の来訪をお待ちしております。

 

投稿者:事務局

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