初めまして。秋田県立能代高等学校の佐々木円花です。今回、第一回目の科学者の卵養成講座に参加して多くの学びを得ることができました。そこでその感想を簡単ではありますが、書かせていただきたいと思います。初めての投稿で拙い部分もあると思いますが何卒お見逃しください。
1.開講式・オリエンテーション
前年度の海外研修に参加した先輩方からお話を聞いて、皆さんがおっしゃっていたことの共通点は「積極的に」「能動的な学びを」ということでした。他の科学者の卵の皆さんと交流をするにしても、先生方や大学生の先輩方に質問をするにしても、自分からきっかけを作る必要があります。折角このような機会を与えていただけたので一つ一つのチャンスを見つけて、つかまえられるよう、常に好奇心を持っていたいと思います。受動的な学習は学校の授業だけで十分です。興味を持って、科学を楽しむことを第一に、能動的に活動に臨みたいと思います。また、講義や他の卵の皆さんから新しいことを吸収し学んでいきたいです。
2.講義
今回は伊藤幸博先生の「DNAと遺伝子組換え植物」という講義でした。稲わらの糖化性の向上について老化したらセルラーゼが発現するというように、遺伝子の発現時期まで操作することができるということにとても驚きました。プロモーターも塩基配列からなり、その配列によってプロモーターの種類が異なって、その後にくる遺伝情報の発現する状況を決定するそうです。これを聞いて私は、周囲の環境(例えば、温度や湿度など)によっても遺伝子が発現するかしないかということをコントロールできるのではないか、と考えました。調べてみたところ、温度によって遺伝子を発現させるプロモーターはあるようでしたが、湿度についてはこれといった記述は見つかりませんでした。また、伊藤先生に質問させていただいたのですが、タバコなどでは葉の一部からカルスを形成してタバコの新しい個体を作ることができるそうです。以前読んだ本には、植物体のいかなる部分であっても再分化させて新しい個体を作り出すことは理論的に可能であると書かれていましたが、実際には、分化して個体を作るのに利用できる部分は ①アグロバクテリウムが感染することができ かつ ②再生可能な部分 に限られるということだそうです。しかし、タバコにおいて葉などから新しい個体が作れるというのは、目から鱗が落ちる思いでした。遺伝子組み換え植物は研究をされている方々の様々な努力と工夫のもとで生まれた知の結晶であるのに、社会で良い感情を持って受け入れられていないというのは非常に残念なことです。私自身もこの講義に参加するにあたって遺伝子組み換えについて調べてみるまでは、学校や家庭で遺伝子組み換え食品は危険だと教わってきたため、あまり良い印象を持ってはいませんでした。しかし、遺伝子組み換えに対する反対意見の多くは非科学的であったり、誤った認識に基づいていたりするものなのだと改めて考えさせられました。インターネットで事前に調べた反対意見の中には「遺伝子組み換え作物はアレルギーを引き起こす危険性がある」というものが多かったように思われます。今回、レポートの課題である「遺伝子組み換え植物を新しく作るとしたら、どのようなものが良いか」という問いを見たとき、私はこのことを思い出して、アレルギーが起こらない植物があれば良いと考えました。このような植物があれば、世間一般に考えられている遺伝子組み換え作物の欠点を補うことができると思ったのです。その方法として ①ある植物のアレルギーを引き起こす遺伝子を見つけ出し、②同じ植物内で良いので人体に影響を与えない(アレルギーを引き起こす危険性のない)遺伝子を①の遺伝子と入れ替える という方法を考えたのですが、②の遺伝子をちょうど①の遺伝子と入れ替える方法については具体的に考えることができませんでした。講義終了後のレポートでは短い時間で自分の意見をまとめることがうまくできませんでした。レポートと質問の時間の兼ね合いを考えて、講義を受けながら最低でも質問する内容を整理することはしようと思いました。私は物理選択のため、生物の講義と聞いて少し自分の知識不足を不安に思っていましたが、それさえも埋めるほど楽しく講義を聞くことができました。伊藤先生、ありがとうございました。
これから一年、このように一つ一つの新しく触れる分野に興味を持っていきたいと思います。最後になりますが、東北大学関係者の方々、卵の皆さん、一年間よろしくお願い致します。ここまでお読みいただきありがとうございました。
投稿者:秋田県立能代高等学校