こんにちは、青森県立弘前高等学校の加藤甫です。
すっかり遅くなり、来週には第2回目の講義が控えていますが、第1回目の感想と再現実験について綴ってみたいと思います。
講義当日は期待で気持ちもそぞろに道祖神の招きにあひて昼食も手につかず(いや、腹が減っては戦もなんとやら、と思い直し食べましたが)、松島の月まづ心にかかりて、と青森から逆奥の細道をたどり東北大学へと向かいました。
第1回の講義で特に印象に残ったのは、植物にアグロバクテリウムを介して電気ショックで入れたい特徴を寄生させるということと、稲の遺伝子組み換えによって糖化生を向上させて燃料としてもより有用に活用できるのではないかというアグロバクテリウムの可能性です。
この講義を聞いて、アグロバクテリウムは動物(人間も含む)にも有用になるのではないかと思いました。癌を例にとると、癌を広げないためにはキラーT細胞、NK細胞ががん細胞を攻撃しなければなりません。その働きが促進するように、それらの細胞に指令を出すヘルパーT細胞をアグロバクテリムを用いて活性化させ、また大量に作り出すことができれば、がん治療に役立つのではないかと考えました。現実にはアグロバクテリウムが有害に働く場合もあるそうなので難しいのかもしれませんが、成功したら面白いと思います。
帰路は、卵にちなんで山形名物のスモークトエッグを購入しました。大変美味でした。
さて、講義の翌週に家族が食そうと思い立って購入したであろうバナナを拝借してDNA抽出の再現実験をしてみました。
そのレポートです。(参考:やさしいバイオテクノロジー 芦田嘉之著)
用意したもの一覧。
バナナにはシュガースポットが出でおり、大層食べごろです。
バナナを潰し、食塩水を加え(蛋白質とDNAを分離)、ペーパーフィルターで漉します。
食器用洗剤を加え(物理的に破壊)、アルコール注ぎ、しばらく待つと
白いモヤっとした DNA が抽出できました。
せっかくなので、これを顕微鏡(祖母プレゼンテッド7年前の誕生日)で観察しました。150倍です。
できればもっと高倍率で観察したかったのですが。
大変美しくて、しばし見とれました。
紐状のものに全ての情報が書き込まれていることの不思議や起こるべくして起こる突然変異や種の多様性、そして一方でDNAの近似性などについて、顕微鏡を覗きながら改めて思いを馳せました。バナナと人間は半分遺伝子が同じらしいです。
来週の第2回の講義では、また新たな気づきや初めての視点に出会えることを今からとても楽しみにしております。
科学者の卵の一員になれたことを感謝して、第1回目のブログ投稿といたします。
投稿者:青森県立弘前高等学校