東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

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平成29年度 活動ブログ

平成29年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2017.08.13

第3回講座を受講して

桜の聖母学院高等学校2年の山内璃乃です。

<進化する航空機、浅井圭介先生>

その後、ライト兄弟が飛行を成功させる前まではケルビン卿が「私は、気球以外の飛行方法に、分子一つほどの信念も持っていない。」とまで言い切ってしまっていたというのが私の中で強く印象に残った事でした。言い古された言い方ですが、鉄の固まりが空を飛ぶなんて考えられない、と思うのが万人の考え方でしょう。
これに対して、科学的アプローチにより、数多くの科学者たちがこの鉄のかたまりの飛行実現に向けて努力をしてきたことも、科学者の姿勢として大きな学びとなりました。
揚力と推力を区別したのがケイレイ卿で近代航空学の父と呼ばれる彼のこの概念が飛行機の実現に大きく役立ち、以後の航空学に貢献しているそうです。
さらにライト兄弟が、風洞を使った実験や、プロペラを回転している翼としてとらえ、理論に基づいた設計をしたことなどは、現在でも通用しています。

今回の講座は私にとっては難しく帰って来てから復習するところから始まりました。出てきた定理、法則、理論などのキーワードは以下の通りです。

  • ニュートンの理論
  • ベルヌーイの定理
  • マグナス効果
  • クッタの理論
  • 動的相似則
  • レイノルズ数(超低レイノルズ数)

この中のベルヌーイの定理、マグナス効果、クッタの理論については、紙やプラスチックケースを使って自宅でも、空気の流れ方について何度も確認してみました。
イメージとしてはだいぶ理解できたと自負しています。これが、なぜ、機体を持ち上げ維持出来るのかという答えが、最先端技術の優れたエンジンの出力だけではなかったことがとてもよくわかりました。

最先端技術ということでいえば、プレーリードッグの巣穴の換気や、ヒョウタンカズラの種子、さらに近未来火星への宇宙飛行を視野に入れれば超低レイノルズ数環境下での飛行に生ずる問題解決の為にトンボのはねの構造が参考になる点など、自然界から学び得る事がまだまだたくさん残っていることが逆に新鮮でした。

<磁石、隕石と原始惑星系円盤、中村教博先生>

太陽系が出来るのに磁力が大きな影響を及ぼしていると考えられている事を初めて知りました。
また、コンドリュールと呼ばれる隕石を調べることによって原始太陽系に磁場を捉えられる事は、太陽系誕生の謎を解明する手がかりとして非常に有効なのだそうです。隕石の分析は、地層の研究ととても似ていると感じました。正直言うと、これまで宇宙のことには全く関心をもたなかったのですが、磁力の影響をうけてくるくる回りながら太陽系が形成されていく姿を想像すると面白く、知らなかったことへの興味がわきました。

地磁気の方向が過去に何度も変化したということは、帰宅後調べてみましたが、過去に360万年の間に少なくとも11回は起きていたそうです。磁気を記録している岩石を分析すればわかるということですが、いったい磁場が逆転する時は、私たち人間になにかしら影響を及ぼすか、体感で何かが変わるようなことがあるか(少し怖い事のようにも思いますが)どうなのでしょうか。

<サイエンスカフェ、長神風二先生>

今回の講義の中では、5〜10年後に実現しそうな技術として「頭の中で考えた事が、言葉にしなくても実現する」と書きましたが、研究者倫理という点から、私が将来やりたいと思っている研究に関係する倫理についてここで書いてみたいと思います。私は将来本物そっくりの動物型ロボットを作りたいと思っています。それを人に言うと「動物型ロボットって今もあるよね」「もうあるじゃん」などと言われます。しかし、私が作りたいのは現在あるようなタイプのロボットではなくて、より本物そっくりであることが大切で、人と心が通わせられるような長く一緒に暮らしたペットのような関係を築けるロボットであり、反応も言動もよりリアルである事を求めています。今、ロボットの研究では、ロボットが二足歩行を自然にすることや、人工知能を利用した結果自然な言語を話すロボットを中心に開発されています。残念ながら動物が人と接した後の反応については、対話というよりは、モノの反応として捉えられてしまう事が多く理解をしてもらうのは難しいようです。その際に一生懸命説明すればするほど「動物はモノだよ」とか「そういうことをしたいのはエゴだよ」「ペットは死ぬから大事にするものでしょう」などと言われる事がほとんどです。私は、この夏、たくさんの大学見学をしました。あちこちの工学系や機械系、ソフトウェア系の研究室を訪ねて、私のしたいことを伝えてみたのですが、どうも最終的には「動物というものの科学的捉え方」と「私のつくりたいロボットと人の関わりの間に生じる倫理観」にぶつかるようでした。ある大学の研究室を訪ねたとき、そこの教授が「君は倫理についても学ばなければいけないかもしれないね」とおっしゃってくださいました。今回の講義を受講した直後だったこともあり、特に心に響きました。大学受験まであと1年と少し、さらに研究室配属まで3年あるので、じっくり倫理という点から自分のやりたいことをしっかり見ていこうと思いました。実は、これまでは夢のことを話すと、「でもさ」という反応が多かったので、それを聞くと「私のやりたい事をするのは、もしかしたら無理なのかな」とショックを受けたり、へこみそうになったりもしました。しかし、この講義を受講出来た事で「研究者は研究成果を世に問う。そこに正邪はなく、あくまで使い道を考えるのは社会の側」という言葉に勇気と改めて希望を感じました。うれしかったです。まだまだ夢に向かってがんばります!

投稿者:桜の聖母学院高等学校

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