皆さんこんにちは。宮城県仙台二華高等学校一年の梶川友寧です。
今日は東北大学 科学シンポジウム「ニュートリノ研究に夢をのせて」に参加しました。ニュートリノについてのお話ということで、原子よりもずっと小さなその存在に隠された大きな謎を知ることができるのだとワクワクしながら参加しました。
最初の梶田隆章先生の「神岡での研究の30年」では、先生がニュートリノに質量があることを発見し、2015年にノーベル物理学賞を受賞するまでの研究についてのお話を伺うことができました。そもそもカミオカンデは10の30乗年で寿命が来ると予言された陽子崩壊を研究するために造られたものだったというノーベル賞受賞の裏側のお話や、ニュートリノは振動によって種類が変わりそのことによってニュートリノには質量があることがわかったこと、地球の反対側から来たニュートリノは距離が遠いことで振動が生まれることにより地球を通過した時点で半減するというニュートリノの性質などを高校生の私にもわかりやすいように説明してくださったので、ニュートリノについての興味がさらに強くなりました。
次の中家剛先生の「神岡に向けてニュートリノビーム発射」では、タイトルの通り茨城県東海村の大強度陽子加速器施設(JPARC)で陽子ビームを1.8億電子ボルト→30億電子ボルト→300億電子ボルトと増幅させながら光の速さに近づけて1回に300~1000兆個のニュートリノを発生。神岡までの295kmの距離をニュートリノビームにして飛ばすということで、人工的につくられたニュートリノについての研究をするという方法に納得しました。その中で、300億電子ボルトという途方もない数値の陽子ビームでニュートリノを送っていることに驚きました。また、科学においてわからないことこそ面白いのだというお話を聞いて、たしかに今わからないことを追い求めていくことで科学は進歩しているのだと感じました。
そして井上邦雄先生の「ニュートリノで解き明かす宇宙の謎」では、現在宇宙空間の中に存在する物質で解明されているものは5%しかないということ、またそんな宇宙の中でニュートリノは1立方cmに300個も含まれていることにも驚きました。超新星爆発などによって発生する宇宙の中のニュートリノや反物質などの存在を調べることで、宇宙の歴史や暗黒物質や暗黒エネルギーなどの宇宙の謎を解明できるかもしれないというお話を聞き、今はわからないことばかりでも研究を重ねていくことによって宇宙について知ることができるなんてとても楽しみな気持ちになりました。
最後の渡辺寛子先生による高校生とのトークセッション「科学研究の夢」では、同じ高校生とは思えないくらいよく考えられた質問や難しい質問が出てきました。確かに自分も研究者になるにあたって心がけることは何かが気になった点でしたので、その質問の回答はなるほどなと思うところもありました。そのような色々な質問にも先生方はわかりやすく答えてくださったので、ますます科学は面白いなと思いました。
今回のお話の中で、私の科学への視点が少し変わったような気がします。研究は、自分が興味を持った、面白いと思ったことをしていかなければならないということに納得しました。研究者は頑固で諦めが悪いというところは、自分が知りたいということを一生懸命追い続けている証拠なのだなと思いました。私が将来研究職に付く場合は、このことを大事にして失敗しても諦めずに何事もやり遂げていきたいと思います。
投稿者:宮城県仙台二華高等学校