皆さんこんにちは。岩手県立一関第一高等学校2年の松本英です。先日行われた講演会「ニュートリノ研究に夢を乗せて」の活動ブログです。先日はいつもの講義とは異なり、一般の方や高校生も参加していてとても新鮮でした。先日の講演会の内容は梶田先生による「神岡での30年」、中家先生による「神岡に向けてニュートリノビーム発射」、井上先生による「ニュートリノで解き明かす宇宙の謎」、そしてトークセッションの4点でした。
ノーベル物理学賞を受賞した梶田先生の公演は、ニュートリノについての基礎知識と、ニュートリノ研究の歴史と将来についてお話してくださいました。私は講演の中で梶田先生が「ニュートリノの質量はほかの電子やクォークの仲間と比べると約100億倍も小さい」とおっしゃったとき強い衝撃を受けました。それほどまでに小さい粒子を研究するために、なぜあれだけの大きさの研究施設を使うのか、そしてなぜ正確にそれらを計測できるのか疑問に思ったからです。しかしこの疑問は梶田先生のわかりやすい講演を聞くにつれて解消されていきました。梶田先生はニュートリノ研究の第一人者だけあって、その言葉には重みがあって、聞いているだけでどんどん吸い込まれていきました。
中家先生の講演では、ニュートリノ振動についてを漫画や高校数学に例えてわかりやすく教えてくれました。中家先生の講義を聞いていて、ニュートリノが持つ無限の可能性を知ることができました。極めて小さな粒子であるニュートリノを研究することで、巨大な宇宙の神秘を解き明かすことができると知ったので、私はロマンを感じずにはいられませんでした。また、お話の中でニュートリノを飛ばすにはカーボンナノチューブを使うとおっしゃっていたのを聞いて、将来カーボンナノチューブの研究に携わりたいと考えている私は、私がこれから先、ニュートリノ研究に貢献できるのではないかと思い、今まで以上にカーボンナノチューブの研究をしたいと思いました。それと同時に、科学の横のつながりを感じました。研究がほかの研究につながり、研究が発展すればほかの研究も発展する。このような研究の正の循環に感動しました。
井上先生は東北大学のニュートリノ研究についてユーモアを交えながらお話してくれました。中でも「東北大学はお金を使わず頭を使う」という言葉が印象に残っています。私はこの言葉の通り、頭脳を駆使して有限なお金をうまく使い、その上新たな発見に近づいている東北大学の研究に対する情熱と頭の良さに感激させられました。
最後に行われたトークセッションでは、研究者のあり方についてが多く話されました。中でもどの先生方もおっしゃっていたように強いこだわりが大切だと思いました。
今回の講演会はとてもためになる内容で、研究者のあり方について考えさせられました。次回からの科学者の卵も楽しみです。
投稿者:岩手県立一関第一高等学校