東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

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平成29年度 活動ブログ

平成29年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2017.09.24

君をもっと知りたいな!

 宮城県仙台二華高等学校1年、佐藤雄大です。第4回科学者の卵講義の感想を書きたいと思います。

 もうすっかり見慣れた建物のドアを通り、ツキイチの殻割りデイが始まりました。まずは英語サロン。自己紹介では、自分が少し勉強している位相幾何学が好きということだけは伝えようと、必死に話しました。「math」「topology」を連呼して、with a smileで話すと、不思議なことに、案外簡単と国境を越えて数学愛は伝わるようです。また、留学生の出身国についての話も聞くことができました。世界の最高峰、標高8848m のエベレストが気高くそびえるネパール出身の留学生の山の話が特に面白く、標高の高いところでの暮らし、そこでの植生についていろいろと聞くことができました。また、東北の山も多く登っているようで、山岳部で最近登った月山についての話もして幸せな気分でいると、いつの間にか留学生とのお別れタイムが来てしまいました。英語力のあまりない僕でも、自分の知っている知識とジェスチャーを総動員すれば意思は伝わる、ということを実感できました。正しい英語を話そうとして、いちいち辞書を使って会話を途切れさせるよりも、楽しくsmileで連続的に話す方が、自分の意志は伝わるのかもしれません。ただ、英語を勉強すればもっとスマートに伝わるのは確かですが。

 そして始まったのが、大好きな数学の講義です。「理論計算機科学」と聞いたときに、友人と夏休みに渋谷の数学ショートプレゼンイベントに参加した際の「計算機代数」についてのプレゼンを思い出し、それとの関連性に目を見開いて聞いていました。「デロス島の災難」として有名な倍積立方体問題が20歳で死んだ数学者ガロアによって不可能と分かった、それまで2000年間数学を発達させ続けた、というエピソードがとても印象に残りました。長年未解決だったフェルマーの最終定理、ポアンカレ予想なども、分野と分野の思いがけないつながりが発見されたりしながら証明され、そのことが数学を発展させたことは言うまでもありません。また、数学はもちろん生活に役立っています。ただ、sinやcosを日常生活で使うのか。個人的には友人と話すときによく現れて話を盛り上げるのですが...。実は、数学は追究に追究を重ねることで一気にその効用を発揮するものなのでした。すぐに使えることがないからといってその追究をやめてはいけない。追究段階では、「あっ面白いな」「きれいだな」というロマンティックな気分で気長に取り組む、というのがいいのだな、と思いました。

 ここで、少し考えたことがあります。トランプの赤と黒を当てるゲームで、「よさそうな戦略」と書いてある方法がなぜ「よい」のかということです。52枚のトランプをディーラーが一枚ずつめくっていき、僕達はその赤または黒を当てる。僕達は一万円持っていて、確実にできるだけ儲けたい。賭けずに見ていることも可能で、赤と黒が26枚ずつ、最後までめくる。 一生懸命カードをカウントすれば残りの赤の数、黒の数は分かる。残りが赤r枚、黒b枚のとき(r≧b)、(所持金)×(r-b)/(r+b)円を賭ける。これが「よさそうな戦略」です。...なんで?それに、赤2枚黒1枚のときの例で、賭け金としていきなり10000/3円という額が提示されている。...いやなんで?考えてみました。

IMG_E3060.JPG Nとnを用いて、10000/3の適切性は画像のように分かりました。また、r=bのときは賭けない方がよいことも分かりました。(自明なようにも思えますが。)この方法を用いて、rとbが小さいときから順々に考えていけば任意のrとbについて最終所持金が分かります。これらは「よさそうな戦略」にピッタリ当てはまりますが、どうもそれ自体を導くことができません... r=bの場合の前後で必ずrとbの差が1になるという意味でr=bの場合がカギになりそうな気はするのですが...

 

 自分よりも他人の大声で目が覚める、恒例の背伸びとともに植物の自家不和合性についての講義が始まりました。被子植物で、一つの花の中におしべもめしべもあるのに、自家花粉では受精をしないが他家花粉では受精するものが存在する。この性質を自家不和合性といい、それは種内の遺伝的多様性を維持するための自他識別機構である。これを用いて品種改良も行われます。 本来他殖性であるマルバアサガオを無理矢理自殖させると、自殖弱勢が現れ、個体が小さくなったり外的環境の変化に弱くなったりした。...なんで?自殖弱勢ってなんで起こるんだ?スライド18を見ると、「優性の法則」「分離の法則」「劣性形質」が関わっているようです。自殖弱勢は自殖でなければ起こらない。つまり個体が小さくなったりすることは劣性形質で、F0世代がともに劣性(例えば大きさを決める遺伝子では)であるため子にも孫にも劣性が出てしまう...ということなのでしょうか。ただし、この考え方では、すこし納得できない点があります。他殖である場合でも劣性形質は出現するので、もっと高頻度で小さい個体が出現しうるのではないのでしょうか。優性劣性以外に、形質を決めているものがある...?それとも、わりかし高頻度で小さい個体は出現している...?

 今回の講義で、多くの疑問が生まれ、講義後の質問タイムで、また登下校中自転車に乗りながら、昼食を食べながら、月山に登りながらいろいろと考えていました。そこでさまざまなアイデアが思い浮かび、いろいろと改良されました。「...なんで?」という単純な疑問を解決するために考えることは楽しいですし、これが自分を育てるのかなあ、とも思います。人とのコミュニケーションでも、何かを学習するときも、初めましての気持ちで、もっと知りたい!と思うことで、相手を、対象を好きになれるのかもしれません。

 はじめまして!君をもっと知りたいな!

 

 

投稿者:宮城県仙台二華高等学校

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