こんにちは。聖ウルスラ学院英智高等学校の小松優香です。九月は新人戦もあり期末考査もあり何かと忙しい月でした。運悪いことに,新人戦が科学者の卵養成講座とかぶってしまい,今回は途中から参加させていただきました。ちなみに私は陸上部です。自分の種目が午前中にあり,できるだけ早く終わらせて英語サロンに参加したいと思っていたのですが,ちょうど英語サロンが終わったころに到着しました。次の回からは最初から参加して,積極的に留学生と話したいと思います。
さて,本題に移ります。午後の講義しか参加することができなかったのでその分集中して聞きました。まずは徳山豪先生の「理論計算幾何学への招待」から始まりました。中学校や高校で習った数学の知識なんて将来使わないと思っていました。三角形の合同や,図形の面積,微分,積分など非日常的で逆に普段使っていたらすごいと思います。そんな数学をなぜ習わなければならないのか。その答えが今回の講義でわかりました。そもそも考えると,数学の歴史は長く,高校で習う三角比も何百年前にピタゴラスによって明らかにされたものです。昔の数学者の頭のなかってどうなっているのだろうと考えてしまいます。ピタゴラス,ガロス,アルキメデスなどの数学者,物理学者たちの発想は今の天文学,計算幾何学に活かされています。例えば,ガウスによる統計学は小惑星ケレスの観測,ハヤブサからイトカワへの帰還に関わっていて,産業革命に必要な数学を編み出しました。他にも数学を主としているコンピュータ,そこからのインターネットの開発がなされています。このような応用からは数学=計算と思ってしまいますが,私はそうは思いません。図形や三角比,数列など将来何の役にも立たない,どこで使われるのか。その答えは「思考力の養成」だと考えます。どのような商品を開発すれば世の中の役に立つのだろう,このような企業を立ち上げればうまくいく,そのように数学は年を取るごとに活かされていくのだと思います。あくまで私が勝手に解釈したものであります。何事もポジティブに考え,数学をやらされているという受け身の考えではなく,今頭が良くなっていくのだと思いながら勉強すると頭に入ると思います。多種多様な思考回路を養いながら,将来のことを見据えて数学を学んでいきたいと思います。
続いては渡辺正夫教授の自家不和合性についての講義でした。第一回では伊藤先生のDNAと遺伝子組み換え作物についての講義があり,どちらも私がまさに大学に入ったら研究してみたい内容でした。農学に興味がありつつも物理を選択しているので生物とは疎遠な状態です。そのような状態で大学に入って研究をしていくのは難しいのではないかと感じていました。そこでメールで渡辺先生に相談したところ,安心できるお返事が来たので,自分の興味を深めつつもまずは目の前にある教科を頑張っていこうと思います。話がずれてしまいましたが,植物の勉強は中学校で一回習いました。花粉管,分離の法則,自家受粉など懐かしい用語がたくさんでてきました。渡辺先生から度々クイズがあり,正解するとネイチャーを頂けるので必死で手を挙げましたが,残念な結果に終わりました。雌雄異熟という単語は聞いたことがなく,雌雄異熟とは雄しべと雌しべの成熟度合の違いで他殖になる仕組みだそうです。また,自家不和合性では雌しべが自家受粉と他家受粉を識別し,集団内において近親交配を妨げ,種内の遺伝子的多様性を維持しようとする仕組みです。雌雄異熟は雌雄で熟するタイミングをずらして他殖性を高めようとしますが自家不和合性はその応用です。このように植物が自ら遺伝的多様性を維持していくための営みはよくよく考えるととても神秘的です。自家不和合性を利用して作られたのが,例としてスーパーでよく見かける立派なダイコンです。このダイコンはもともとS対立遺伝子の異なる純系の細長いダイコン,太くて短いダイコンの種子を植え,ミツバチによって交雑させます。すべて他家受粉となり均一な雑種の子孫を得ることができます。しかし優秀でばらつきが無い形質は一代限りという欠点があります。そのため,農家は毎年新しい種子を購入する必要があります。もし一代ではなく次世代へと優秀な形質が受け継がれる技術があれば(メンデルの分離の法則を無視していますが)とても効率が良く農作物を育てることができるだろうと思います。また,自家不和合性を使えばブランドの果実を組み合わせてさらにおいしい果実ができます。りんごのデリシャスと国光を合わせればふじができました。ただ単に優秀な作物ができるのではなくそこからブランド作物を生み出したり新しい品種を開発したりできます。講義の内容はとても分かりやすく,渡辺先生の説明が面白い表現ばかりだったので頭にどんどん吸収されていきました。
ここまで読んでくださった皆さん,ありがとうございました。私の文章は皆さんと比べ,未熟ですし,知識も足りません。レポートも時間以内に書くことに苦労しています。そんな私ですが,農学に興味があり,ぜひ発展コースで研究してみたいと言う意識は強いです。また,今回参加できなかった英語サロンも十月からはしっかり参加していきたいです。十月からもよろしくお願いいたします。
投稿者:聖ウルスラ学院英智高等学校