東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

平成29年度 活動ブログ

平成29年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2017.12.18

Do the ド根性

 宮城県仙台二華高等学校1年、佐藤雄大です。
国際センター駅で一気に缶詰状態になる東西線に乗り、青葉山に着く頃にはサバの味噌煮になってやいないか心配しながら階段を上り、サバの水煮状態で工学部のドアをくぐりました。

 イングリッシュサロンでの留学生のヤダヴさんの話で、"people are same everywhere" "develop slowly,slowly" "everything is different"という言葉がありました。「人間、どこでも同じ」。「バングラデシュを境に、西側は見知らぬ人と目が合うと睨み付け、東側は微笑む」という噂がありますが、国民性の微妙な違いはあっても、仲良くなりたい、「君をもっと知りたいな!」という状態である、ということはさほど変わらないのです。「ゆっくりゆっくり、上達する」。みんな留学する前に英語を完璧にしようとしますが、別にそうでなくともよく、留学中にいろいろと学び、そしてモチベーション高い留学後にそれを生かせばよいのです。「何もかもが違う」。町並みも看板も、制度も常識も価値観も。日本の中に留まっていてはいくら時間をかけようとも分からない、違いと衝撃、楽しさがあるのです。
 留学。「確かにいろいろなことを学べるいい機会だとは思うけど、日本を蔑ろにする感じがどうも好きじゃない。」以前は心の中でこう思っていました。しかし、いつもの所から一度離れてモノを見る、そしていつもの所に戻ってきたとき、そこの景色は果たして同じでしょうか。日本が好きだから日本に留まる、というよりは日本が好きだから違う視点でも見てみたい、と思う方がいいなぁと、思いました。

 ライスを中にすればよかったと後悔しながらライス小とレバー等々を食べ、やはりいつもの最前列センターに陣取り午後の講義が始まりました。酸性ウレアーゼのスクリーニングについての話は驚きました。日本酒のpHに合うとんでもないウレアーゼがあるはずだという「変な自信」、探せばいるはずだという「信念」による地道な調査の末にブータンの牛糞から望みの活性のものが見つかった。研究されつくして手垢にまみれたはずの酵素を変な自信と信念で調べ続け新しいモノを見つけた。ブータンの牛糞が世界のヒーローとなったことは置いといて、科学者の目標に対する執念を感じました。
 キンギョソウの花言葉として「たぶんダメです」以外になにがあるのか調べたところ「でしゃばり」「推測ではやはりNO」などのネガティブな言葉に次いで「図太い」「負けない」などがあるようです。20000本のキンギョソウにも負けない図太さでオーレウシジン合成酵素が植物ポリフェノールオキシターゼの仲間であることを突き止め、最終的には黄色いトレニアができたという事実には、感動を覚えます。ただ、「花の色を変える」ことに何の意味があるのか?それはおそらく、「きれいだから」で充分であるように感じます。「黄色いアサガオってなんでないのかな」「ボールはどうやって落ちるんだろう」「磁石はなんで引き合うの?」などの無意味に思えて単純素朴な疑問から科学、研究は出発しているのだと、僕は思います。
 そしてこの講義には直接関係はないのですが、スライドをよく見ると酵素が働かないことによる病気、障害の例として「レッシュ・ナイハン症候群」というものがあり、それにショックを受けました。症状に、「尿酸高蓄積、精神発達遅滞、自傷行為」があるのです。調べたところ、HGPRTという代謝酵素が突然変異による遺伝子異常で働かなくなることでプリン体合成が上昇し、それに伴い神経症状が出るようです。自傷行為を防ぐために装具をして生活している人もいます。インターネット上で論文をみてもなぜ精神発達遅滞や自傷行為を引き起こすのかは分かりませんでした......

 2時間目は現役の大学生の方々と高校生活ですべきこと、息抜きの方法、大学での生活や勉強などについてさまざまな角度から話すことができました。自分がこれから経験する大学生活についてのビジョンをより具体化できるとてもよい機会になったと思います。特に、友人が自分の先を行っているときに、「なにくそ」と思うよりは「なぜ自分はできないのか」を分析した方が良いとしれたことが大きな収穫でした。

 やはり今回の卵のキーワードは「執念」だったように感じます。目標に対して、ゴールするまで、ゴールしたことで生まれる新たな目標に対して、20000本のキンギョソウに対して、「根性」燃やして立ち向かう。それが科学者として必要なものなのだと感じました。そして次回はかなりの重要局面があります。Do the ド根性!


P.S. ABC予想の証明の査読が終わったようですね!!!望月教授が5年前にIUT(宇宙際タイヒミューラー理論)(名前がかっこよすぎる)という独自の理論を用いて証明しましたが、それが難解すぎて世界中の数学者が分からなかった。そして5年かけて、その査読が終わった。。。感動ものですね。というのも、ABC予想(もう定理!!)とは「a+b=cを満たす互いに素な正整数a,b,cに対し積abcの互いに異なる素因数の積(たとえばabc=72だったら72=2^3*3^2なので2*3で6)をdとする。任意のε>0においてc>d^(1+ε)を満たす組(a,b,c)は高々有限個しか存在しない」という予想で、フェルマーの最終定理やポアンカレ予想と並ぶようなとにかくすごい予想なのです。。。

セカンドP.S. 12月17日にエコノミクス甲子園宮城大会に参加し、3位敢闘賞を頂くことができました!決勝問題は全て当たったために優勝できなかったことは悔しいですが、保険や投資信託、税や株、ライフプランニングなどについて知識を深め、金融知力や金融リテラシーを高める良い機会になりました!

投稿者:宮城県仙台二華高等学校

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