東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

中間発表(宮一高:直江彩花)

2017年11月23日 (木)

早いもので、この展開ゼミに参加してから1カ月半が経ちました。まずは、今まで自分がどれだけ植物と関わってきたかを振り返ってみました。思い返せば、小学1年生の時にアサガオ、2年生の時には学校の授業でミニトマトかきゅうりのどちらかを育てようというものがあり、私はミニトマトを選んで育てた記憶があります。3年生の時はヒヤシンスを育てました。記憶は曖昧ですが、水やりなども含め1から10まで全て自分がやったわけではないですね。渡辺先生が初回の講義でお話しされていた通りです。5年生の時は、加美町で田植えと稲刈り体験をしました。中学2年生の時は、会津の農家へ民泊し、農業体験をしました。キノコの菌(コルクの様な形をしたもの)を木の穴を埋め込んだり、ヨモギを摘んでヨモギ餅を作ったりしました。植物との関わりは様々な形で学校の授業や課外授業を通して体験してきました。しかし、植物を種から育て、気温・湿度の計測、水やりの量、土寄せ、節間の長さの計測などは、どれもが今回のゼミを通して初めて体験したことです。ゼミに参加して植物を育てることの難しさを1カ月半の中で、実感しました。それとともに育てることの楽しみも味わうことが出来ました。


それでは早速、中間発表について報告したいと思います。

(1) この展開ゼミを通じて、植物の発芽、生長を観察し、どの様なことが一番驚くべきことであったか。

一番の驚きと言えば、植物の「生命力の強さ」です。私は春菊と豆苗を育てていますが、この1カ月半の中で、植物の「生きる力」を見たような気がします。春や夏の季節に、多くの植物が太陽の光を浴び成長する姿は当然のことだろうと思うのですが、それにもまして冬場に育つ野菜は本当にたくましいと思います。少しの光でも生育することのできる野菜にとっては、短い時間の太陽光でも十分育つことも知りました。それは自分にとっては新鮮かつ驚きでした。他の受講生の方々へ向けた渡辺先生やオガタさんのコメントを読む度に、自分はこれが出来ていない、あれがダメかもと反省しつつ、その中で自分に足りないものを知り、修正することが出来ました。なかなか自分の思う通りに育たたない春菊を通して、一つの小さな命を大きくするも小さくするも、自分の手にかかっていると実感しました。そして、種から発芽した時の喜びは今でも忘れません。

自分の中で現在も苦戦している、春菊の「徒長」については、本当に難しいですね。。正直な気持ち、「徒長」に手こずっている自分にもどかしさを感じたり。日々勉強です。

「前回(11/19)の投稿記事」で、土寄せの工夫を渡辺先生のコメントから学びました。朝と夜に春菊の成長を観察し、今日はどうなっているかな?と依然よりもデイリーのチェック回数も増えてきています。「徒長」を起こすのは植物の習性であり仕方ないとは思いますが、それをいかに土寄せ、水やり、温度調節、肥料等で調節していくのか、今後も課題として取り組んでいきます。

私が一番驚いた植物の「生命力の強さ」についての具体例ですが、前回報告した枯れた春菊(茎の部分が折れてクタクタにしおれてしまったもの)の、その後の記録です。茎の周りに、変な虫がついていないだろうかとチェックもしましたが、虫はいなかったようです。でも、このまま捨てることも出来ず、再度、別のプランターに植え替えてみました。祖母が家庭菜園している庭にあった土をもらって利用しました。だめもとで復活できるか様子を見守ってみました。すると、信じられないことが起きました。なんと、あのヨレヨレ春菊が画像の通り、復活してきたのです。今もまだ見守っている最中なので、正直どこまで復活できるかは分かりませんが。。でも、ここで「生命力の強さ」を感じた私は、ぜひ中間発表で報告したいと思い掲載することにしました。育てている場所は一日中ベランダなのですが、そのことにも驚きです。

■11/13(月)春菊がしおれました ⇒ 11/22(水)春菊復活の様子です ※約10日間でここまで復活しました。

20171123191349-24f19125fd0a0c79a4350f4b70dec3633bf40856.jpg

復活作業としては、土の中に優しく、しおれた春菊を入れて土で寄せて様子を見ました。土寄せしてから3日ぐらいは本葉と子葉はヨレヨレの状態でした。「無駄な抵抗はよせ」、と言わんばかりの状態が続きましたが、その後、下だけを向いていた葉が少しずつ上の方を向いて今では通常通りに戻ったのです。奇跡だろうかと目を疑いましたが本当なんです。それが私の一番の驚きです。頑張ってここまで復活中の春菊を褒めてあげたいです。


(2) どの受講生の方の投稿記事、去年までの受講生の記事を参考にしたか。

「昨年の武田萌さんの記事」が参考になります。春菊の成長を自分のものと比べながら、そして納得しながら見ています。記事では「就眠運動」について記載がありました。私も春菊を育てていて、朝晩の本葉の開き具合が違うことに、どうしたのだろうか?と思っていました。この武田さんの記事に、渡辺先生の「就眠運動」についてコメント記載があり勉強になりました。生命力の強さだけではなく、「体内時計」の役割を果たすものが植物にも備わっているということに、人間と同じだと思いました。

「昨年の福島和紀さんの記事」も参考になりました。コマツナの「葉の面積」を計測していることが凄いなと思います。楕円の面積は(円周率)×(短軸の長さ)×(長軸の長さ)で出しており、大きい小さいに差はあるものの、葉の相似な形について述べられているところが参考になります。物事を数値にして表現することで、様々なことを証明することができて、面白さを感じました。

「昨年の鈴木大貴さんの記事」が面白いです。「温室作り」はすごいです。手作りの温室に感動しました。ダンボールとビニールとセロハンテープだけで、あそこまで作ってしまうなんて。そして、「日照時間を確保」するためにアルミホイルを貼った段ボールを作られています。発想と工夫がすごすぎます。光の反射利用、なるほどと思いました。これで、冬場も寒さから防ぐことも出来ますね。丁寧な作業が植物達の成長に大きく左右してくるんだと思います。身近なものでここまで作れることに驚きと感動を覚えました。

「今年の井上千春さんの記事」も興味深いです。移植方法に工夫されていて、いろんなケースでタメしているところがすごいです。今後、植え変えた先の容器によってどのような変化が現れるのか興味津々です。 根っこを空気中に触れさせ、水面を下げることで水耕栽培にチャレンジする等実験的な部分も参考になります。記事を読んでいて楽しくなります。

「今年の岡田和花さんの記事」は丁寧に記録されていてとても見やすいです。茎ブロッコリーを上から見た時の葉の出方の模式図を拝見して、面白いなと思いました。渡辺先生のコメントにあるように、葉っぱが出てくるタイミング、順序を「葉序」ということを知りました。葉が増える順番について、自分も注意して観察していきたいと思います。


(3) 渡辺先生やオガタさんからのコメントで、どの様な気づきがあり、また、その後の野菜栽培に参考になったか。

毎週、春菊と豆苗の栽培の様子を報告をするたびに、渡辺先生とオガタさんからコメントがあり大変有難いです。なかなか徒長が止まらない春菊には、「もっと土寄せした方がいいですよ」、「水のやりすぎですよ」等、丁寧なアドバイスに感謝してます。自分だけで植物を育てると独走してしまいそうな気がするので、こういったアドバイスは神の声です。

そして、お二人から頂くコメントで一番の気づきは次の通りです。

「渡辺先生の土寄せアドバイス」は大変助かりました。確かに私の植木鉢に入っている土の量は他の受講生の方よりも明らかに少ないですね。いち早く茎の安定した栽培を行うために、祖母からもらった家庭菜園用の土で優しく土寄せしました。そして、先生から私の土がいつも濡れているというコメントを頂き、気が付けば毎日水遣りやってしまっている時があるなと反省しました。こちらも水の量(一鉢180ml)を1日おきずつ与えることで十分ということもわかりました。何よりも、春菊栽培スタート当初に、肥料を撒くなどの失敗を重ね、植物の栽培では感覚で育てては決していけないことも気づかされました。 「豆苗の節間の長さを測った時の渡辺先生からのコメント」は嬉しかったです。 これからもいろんなことに気づきを持ち、考えながら、そして予想も立てながら取り組んでいきたいと思います。

「オガタさんから頂いた初めてのコメント」は嬉しかったです。豆苗の節間距離を測ったのがおもしろい、とコメントを頂いて、さらにやる気が出ました。部活のことや、日々の生活の気づきに対するコメントも有難いです。「オガタさんの記事で研修室で育てている作物の様子」は私の参考書です。ここまでやってきて自分できちんと出来ていなかった徒長対策や、水やり、土の濡れ方チェック、日照等を比較するうえで役に立ちました。オガタさんの料理のコメントも興味があります。パエリアやタンドリーチキンの作り方を娘さんに伝授する、素敵なお父さんですね。。羨ましい限りです。


(4) 残りの展開ゼミの講義を続けるに当たり、どの様なことに注意して、また、何を目標として、この展開ゼミの講義から何を学び、記事にしたいか。

今回、中間発表という節目に参加できることが、まず嬉しく思います。今までの報告を振り返ると、初回の報告に比べると直近の記事の方が進化しているのでは、と自己採点ですが感じています。

正直、春菊や豆苗を栽培してきた中で、「何が正しいことなのか?」「何が間違いなのか?」と不安に思う時もあります。その中でも、他の受講生の方の記事や渡辺先生、オガタさんのコメントやアドバイスを見ながら栽培をやることで、学びを得ています。このような方法で学ぶことは、今までの自分の学習法にはなかったかもしれません。でも、こういった方法の学びはとても身になる気がします。受け身ではなく、能動的な学習方法というか、自分にとってはとても新鮮だし、吸収するものも多い気がしてなりません。

今後、この講座を受講していくに当たり、今述べたように、いろんな記事を拝見して吸収しながら自分のものにしていきたいと思います。それにより、植物栽培に生かすことが出来ると思っています。目標としては「一番最初に自分が掲げた目標」を達成することはもちろんですが、さらに上を目指したいです。目の前の目標では、春菊の徒長を少しでもなくし、大きな株に工夫しながら育てることです。成長した後は、何かを計測したり、観察を通して調べたりすることで新たな発見や気づきを得たいと思います。

最後になりますが、残りの期間は今まで得た知識に満足することなく、チャレンジしてみたいです。昨年の受講生、今年の受講生の方から学ぶことがまだまだ沢山あります。それらを参考にしつつ植物を育て、オリジナリティー溢れる自分なりの考えを記事にして、報告できればと思います。

コメント

宮城一高・直江さん

 こんばんは、遺伝の渡辺でございます。イントロの文章がよいですね。これまでに育てたことがある植物、農作業を振り返り、自分だけでやることの大変さを今回のことにうつして、考えて見ること。この展開ゼミだけでなく、高校の授業、部活動、普段の生活などで、昔のことを振り返り、考えて見ると、意外と気がついてないことに気がつくと思いますので。是非、そんな風に考えて見るようにしてはどうでしょうか。また、高校生としての参加は2名ですが、毎週確実にきちんとした記事を投稿している姿は、大学生の先輩たちの刺激になったと思っています。その点は、講義をしている側としては、望外の喜びです。

 あの折れてだめになったと思ったシュンギクが復活したというのが、こちらも感動ものです。びっくりです。確かに、植物は大きくなって折れても、そのままで育つことはありますが、このように小さな苗の状態で、復活するとは。たいしたものです。是非、他のシュンギクと比較しながら、観察を続けて下さい。去年、今年の記事を参考にしてやっているのはよくわかります。後半戦は、是非、こうしたよいところを取り入れながら、オリジナリティーを出して下さい。こちらからもできるだけ、そのタイミングにあったコメントをするようにしますので。

 最後のところに書いてあった、何が正しいのか、。。最終的に順調に植物が育ってくれることです。生き物なので、多少の間違いもシュンギクのように自己修復できるものもあれば、そうでないこともあります。自己修復できるのは、何よりもしっかり観察して、これがよいだろうと対応しているからだと思っています。これからもがんばって下さい。さらにversion upした記事が後半戦に投稿されるのを楽しみにしております。


 わたなべしるす