東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

中間発表 生長と成長の実感(理:山本実永)

2022年11月20日 (日)

中間発表

 

 こんにちは。山本である。本日は中間報告をする。中間報告ということで、この講義がもう折り返し地点に来たという感慨に浸っている。光陰矢の如しという言葉の意味を今ほど痛感した瞬間は、これまでの人生においてなかったと思う。息つく暇がないほど課題があり(私のタイムマネージメントに問題があるという可能性も否定できない)、最近は課題以外にしていることがないほどである。それはさておき、本題に入る。中間報告を始める前に、初心忘るべからずということで、最初の記事に書いた目標を見返し、今の自分がどの程度できているかをまず考える。私は、最初の記事で講義を通じて身に付けたいことを二つ挙げている。一つ目が観察眼を養うことで、二つ目が気づきを文章化して分かりやすく伝える技能を身に付けることとしている。一つ目については、今のところ実感がわかないが、伸びているのではないかと思っている。というより、伸びていてほしいという願望である。過去の自分の記事を見返して、写真の撮り方が最初のころに比べると大きく変わったと感じた。これについて、植物をいろいろな角度から観察している癖が写真の撮り方にも反映されていると考えると、観察眼が伸びたということを示しているのかもしれない。次に、文章化して分かりやすく伝える技能については、判断できないというのが正直なところである。なぜなら「わかりやすいか」ということは、「他者が読んでわかりやすいか」ということであり、自分ではなかなか判断できないと考えたからである。ただ、私自身の意識には明確な変化があった。それは、自分が書いた文章の読みやすさを気にして文章を見返す癖がついたことである。自分で書いた文章であったとしても、主語述語が対応していなかったり接続語と文末が対応していなかったりと、分かりづらい部分は必ずある。この部分を分かりやすい表現に置き換えようとすることに意識を向けるようになったということは、私の中での大きな変化である。

 さて、中間報告は以下のような順番で書く。

(1)ここまでの栽培で驚いたこと
(2)参考になった記事
(3)コメントが参考になった記事
(4)双方向での講義でよかった点と悪かった点
(5)残りの記事についての目標など

(1)ここまでの栽培で驚いたこと

 ここまでの栽培で特に驚いたことは、浅漬けミックスの収穫前後の生長の仕方の変化である。詳しくは第4回記事第5回記事を参照してほしい。収穫前の浅漬けミックスは、10cmくらいで生長が止まり、3日ほど待っても生長しなかった。しかし、播種から23日目に当たる11月2日に収穫してから8日間で14cmまで伸びた。このように、収穫という間引きを行ったことで植物の生長の仕方に大きな変化が現れるということは、とても興味深かった。植物は動物と違い動くことができない。そのため、多くの個体が密集して生えている場合に土中の養分や日光の取り合いになり、それぞれの個体が大きく生長できなくなってしまう。こんなことは当然であるのかもしれないが、私にとってはかなり印象的であった。それと同時に、間引きすることの大切さも知った。私が子供のころの話だが、私は親の家庭菜園の手伝いをすることがしばしばあった。間引きを手伝うことはもちろんあったのだが、そのときはいつも「どうしてせっかく生えてきた芽を摘んでしまうのだろう?」という疑問があった。子供の目には残酷な行為として映った間引きだが、今では植物がより大きく生長するために必要なことであったと理解している。植物が大きく生長することで人間が得られる収量も増すという、植物と人間双方に利益がある関係を築くために間引きは重要であると実感した。上の写真から、1回目の収穫直前の11月2日夜(播種から23日目)の浅漬けミックスの横と上から見た様子、2回目の収穫直前の11月17日夕方(播種から38日目)の浅漬けミックスの横と上から見た様子である。

IMG_20221102_213336.jpg

IMG_20221102_213356.jpg

IMG_20221117_163146.jpg

IMG_20221117_163147.jpg

(2)参考になった記事

 私が栽培するうえで特に参考になった記事は、以下の記事である。しかし、写真の撮り方、温度の測定や植物の性質についてなど参考にした記事はこれ以外にも多数あり、以下に示すものは特に参考になったものである。


①農学部 高橋悠太さん『レッドキャベツ最終章』
栽培している植物ごとにまとめるということを意識して記事を書くようになってから、大いに参考にさせていただいた。一つの野菜についてこれくらい詳しい情報を調べたうえで記事にしている点に特に惹かれた。私もこのような記事を書けるように頑張っていきたい。

http://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/watanabe/as-vegetable2022/2022/11/08223543.php


②農学部 鹿股とほこさん『新たな仲間』
この記事の中でも特に土寄せに関して参考にさせていただいた。ぐらぐらしている朝霧を安定させるために土寄せしたというのも、この記事を読んだからである(注 11月20日時点では、土寄せに関してまだ記事にしていない)。朝霧の種が入っていた袋には土寄せに関する説明がなかったため、土寄せはしなくてもいいと思っていた。しかし、この記事を読んだ後にホウレンソウは土寄せが必要か調べ、土寄せしたほうがよいという気付きにつながった。

http://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/watanabe/as-vegetable2022/2022/11/15194523.php


③農学部 小島蒼太さん(2021)『これから肥料を与える方、一度この記事を読んでください--肥料焼け--』
栽培開始から日数が経過し、そろそろ追肥を考え始める頃になった。そんな折この記事を見つけ、肥料をやる際の注意点について学んだ。植物が肥料を吸収する原理や、肥料焼けがなぜ起こるかが分かりやすく示されておりとても参考になった。

http://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/watanabe/as-vegetable2021/2021/12/10143007.php


④農学部 小笠原千夏さん(2017)『寒さから守る!!(温室完成)』
寒さが厳しくなる中で昼間の温度をどのように確保するか考える際の参考にさせていただいた。段ボール箱とビニール袋で温室が作れるという新たな閃きをもたらしてくれた。

http://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/watanabe/as-vegetable2017/2017/12/09134028.php

(3)コメントが参考になった記事

こちらも参考になるコメントがとても多かったが、その中でも特に参考になったもの、面白いと思ったものを挙げる。


①私の記事に対する渡辺先生のコメント
スプラウトと、そのほかの植物の発芽前と発芽後の水やりに関して、このコメントに従ってやるようにしている。

http://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/watanabe/as-vegetable2022/2022/10/13170358.php


②文学部 恵利一花さん『はじめましての挨拶と、栽培開始!』に対するオガタさんのコメント
写真を撮るアングルについて、水平方向と垂直方向から撮るようにするきっかけとなったコメントである。

http://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/watanabe/as-vegetable2022/2022/10/16233741.php


③農学部 鹿股とほこさん『成長とこれから』に対するオガタさんのコメント
私がそれまで着目したことがなかった、葉の角度と生存戦略の関係に関する説明がとても面白かった。葉の付き方の角度に着目するとは、とても新鮮な見方だと感じた。

http://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/watanabe/as-vegetable2022/2022/11/05170036.php

(4)双方向の講義で良かった点と悪かった点

 双方向の講義でよかったと感じる点は、一つ一つの記事に関してより詳細なコメントをいただけることである。他の大人数で受ける講義では、レポートについて詳しいコメントが返ってくることはない。仮にコメントが返ってきたとしても、次のレポートに向けた改善点を端的にまとめる程度で詳細なコメントをもらうことはない。(先生に直接メールしてアドバイスを求めるということは、ここでは置いておく。)この野菜栽培の講義では、次に向けた改善点のほかに、栽培状況に関するコメントやもっと生育が良くなるようにできることも教えていただけるため、とても助かっている。記事の書き方や写真の撮り方、水のやり方など、詳細にコメントしていただいてとても助かった。直接会っているというわけではないが、先生とラボスタッフさんが常に傍にいるようでとても心強い。そして、以下に述べることは双方向性と少しずれてしまうが、講義の形式としてブログを使っているため、他の受講生がどのようなことをしているかが分かることである。過去の受講生と今の受講生の記事を読むと、自分では思い至らなかった気づきを得られることもあり、とても助かる。特に、過去の苦労話は役に立つと感じる。順調に育てる方法は、どうしたら苦労するかという経験を生かして見出されるものであると考える。苦労話とその原因を探ることで最適解を見出すというこの行為は、将来生きてくるかもしれない。
 一方で、双方向の講義で悪かった、というよりも困った点は一つある。それは、先生やラボスタッフさんのコメントにこちらから反応を返したいときにどのようにするかである。例えば、私が書いた記事(http://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/watanabe/as-vegetable2022/2022/10/28152524.php)を例に挙げる。まずラボスタッフさんから、鉢受けを用意するとよいという旨のコメントをいただいた。そして、私は鉢受けを準備して、鉢の下にセットした。そして、この旨をラボスタッフさんにどのように伝えたらいいかで困った記憶がある。そのコメントにすぐに返すことができればよいのだが、そんな機能はないということで、次の記事の冒頭で『ラボスタッフさんからのコメントに対する回答』という形で返答した。この点に関してもう少し簡単かつ分かりやすくできないものだろうか...と感じた。ただ、これは仕様によるものでどうしようもないのかもしれない。ともかく、先生やラボスタッフさんのコメントに反応を返せなくても、それに応じて行動を変えることが大事であると信じて、できるだけ行いで示すようにした。

(5)残りの記事についての目標など

 1か月と少しくらいこの講義を受けてきたが、たしかに文章を書く力が付いたように感じる。残りの講義では、毎週投稿のペースを守りつつ、よりわかりやすい記事を心がけて書きたい。そして、他の受講生の記事で得た新たな気づきや着眼点を自分の記事に取り入れていきたい。また、この講義を通じて観察眼と文章力を養うということを目標にしたが、これからは過去の記事や他の受講生の記事もしっかり読むことも目標にしようと思う。他の人の経験を貪欲に取り入れて、より良い植物を育てたい。

中間報告は以上である。(3500字くらい)

コメント

理学部 山本さん

中間報告、一番乗りですね。何よりかなりの余裕を持っての投稿ということが評価できます。講義も折り返しになり、最初の自分と現在の自分を比較して、どのような変化があったかを自分なりに自己分析できているのはよいことかと思います。観察眼はどう言えばよいでしょうか。ある種の着眼点と言ってもよいのかも知れないです。植物体のどこにピントを合わせるのか、何故そこにフォーカスしたのか。そこから何を見て何を説明したいのか。そんなことを残りの記事のuploadするときの写真について考えて見て下さい。文章を書きっぱなしにしないで、改めて読んで何がわかりにくくしているのかを考えることはとても大事です。特に、理系の場合、英語で論文を書くようになります。その時、日本語では主語、述語が曖昧でも何となく理解できますが、英語はそれが許されないような言語です。その意味でも「人に読んでもらう文章の作成」を心がけて下さい。

中間報告のformat、文章いずれもこれから中間報告を書く受講生の参考になる形になっています。植物が専門でないということであっても過去の体験などと比較して考えたり、同期、先達の記事を参考にして何をすることが大事なのかを、「人の振り見て我が振り直せ」という形で理解できているのだと思います。年齢を重ねるほど、周りから色々なことをいわれなくなるように思います。そんな時、周りがどのような対応をしているのだろうか、それがどのように映っているのかを考えて見るヒントが過去ログを見たり、記事へのコメントを参考にすることだと思いますので。残りの講義でも是非、継続して深く掘り下げて調べてみて下さい。

もしかすると、講義をしている教員に直接質問のmailを送っているのでしょうか。よいことですね。疑問に思ったり、考えたことはその場で解決すること、大事なポイントであり、習慣です。大事にして下さい。双方向性の大事さを深く理解できているし、過去ログの重要性も理解しているので、後半戦が楽しみですね。言われるように、こちらからのコメントに対して、どう対応したのか。なかなか鋭いところを突いていますね。われるように次の記事に書いて間に合うようであれば、次の記事の文頭に書くと、こちら側でもコメントが理解されたのが分かります。一方で、急ぎの対応をしたけど、よかったのかな??という緊急性の場合は、困りますね。そんなことが起きたときは、例えば、こちらがコメントをした記事に、追伸として、日付でも入れて、記事を書き足す。ただ、こちらが気がつかないことがあるので、mailで連絡するというようなことはいかがでしょうか。受講生が追加の記事を書いたとき、web上で表示が変化するなど分かるようなシステムができないか、検討してみます。

後半戦も毎週の記事投稿をすることで、文章力、文章構成力など目標としたことを着実に自分のものにして下さい。

DSCN4065.JPG
わたなべしるす