東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】アウトリーチ活動(香川県立観音寺第一高等学校、青森県立五所川原高等学校)(2/18, 28追記)

2017年2月18日 (土)

 今週の前半が寒かったのか、暖かかったのか、少し記憶が飛んでいます。年なのか、何なのか。。。こまったもので。。。月初めの2/4(土)には、沖縄県立球陽高等学校へ。日差しがあれば、25oCくらい。2月は、SSH実施校の年度末発表会が多く、今週、来週、来月と。。。渡辺が子供の頃は、こんな企画もなくて。。あれば、今、どんな自分になっていたのか。。。その当たりは、ちょっと不明で。。。


 2/16(木):平成28年度 香川県立観音寺第一高等学校・SSH研究開発成果報告会・コメンテーター

 ほぼ7年近く前になるかと、。。愛媛県内の高校へ出前講義に伺ったとき、香川県立観音寺第一高等学校での出前講義、SSHへのチャレンジの話を伺い。。。そんなことがきっかけでちょうど、3.11の東日本大震災の翌年度2011年度から運営指導委員を仰せつかり、講義、発表会でのコメント等にも伺い、あっという間の6年間だったと。ふと、そんなことを考えながら。。。もちろん、第2期の申請も行っており、結果を待つばかりなのですが。

20170218170459-db5791e763707fb21b5cf7b59f4855b69e054388.JPG 午前、午後とあったうち、午前は主に海外科学体験研修と文系特色コース課題研究発表。SSHで海外へと言うことが強調されはじめた頃から見ると、英語で発表のイントネーションというか、抑揚というか、そんなことをしっかりできる生徒さんも増えて。ただ、実際には、海外で生活をしたり、研究をするというのは大変なことで。。。訪問先では、英語でコミュニケーションができるところへいくことが多いと思いますが、逆に、日本人でがんばっている方に、実際の英語を聞いてもらって指導されたり、今に至るまでの苦労を伺うと言うことの方が、より現実味のある戦略のような。。。難しい問題ですが。こちらも可能な限り、英語の発表には英語で質問を。。。こちらの英語も決して上手とは言えないのですが。。。

20170218170514-4af88cdbb02103f5c6508519a1b7079fdd5b6fd1.JPG 午後からは課題研究のポスター発表と意見交換。15題を超える理系、文系での発表があったのですが、1hrという時間もあり、また、これはと言うテーマに絞って、discussionとなると、4題でのdeepな議論と、3題くらいのlightな議論で。。。国内の研究所、大学への訪問をしていたようですが、せっかくなら、そこの歴史であったり、最近あったテレビに出ていたこととうまくつなげると、より理解が進のではと。。そんなコメントを。課題研究は、数学で主成分分析を行っていましたが、その軸が何を意味するのか。特に、スポーツイベントがターゲットでしたので、勝ち負けというような単純な図式ではなくて、何が理由で負けたのか、その原因を探る。もちろん、チーム全体でなくて、個人ベースで。最後の意見交換の時にもコメントしたのですが、渡辺が高校時代にできなかったこと。普段の定期試験、模擬試験などで、どういう項目ができなかったのかを数値化する。そうすれば、同じ失敗を繰り返しているのか、totalには点数として同じでも、中身は違うはず。スポーツも同じ。リードしていて勝つことができたのか、逆転で勝てたのかは、違うわけです。そんなことを是非、考えて見てはと。また、論文の書き方というか、まとめ方。渡辺が師匠の日向先生に習ったのは、材料及び方法を実験しながら書いて、あわせて、実験結果も。結果がまとまってきたところで、Discussionの部分を少しずつ構築して。その結果、結論にあわせて、どの様なイントロをつければ、魅力的になるか、general readerにも興味を持ってもらえるのか。これができたところで、要旨(abstract)を作成。最後の最後に、内容をぱっと表せるタイトルを考える。この「ぱっと表せる」というのが、くせ者かも知れないのですが。。そんなことを講評の所でも話したところ、夕方には、理科の先生方の間で議論になっていたとか。。。この迅速対応が何事においても重要だと思います。感動でした。

20170218170633-848e7480e37ff3c02b5598fb461800e32ed4693e.JPG 最後になりましたが、今回の発表会でお世話になりました香川県立観音寺第一高等学校・高井校長先生、SSH担当・床田先生、上原先生、石井先生など関係の先生方には、たいへんお世話になりました。第2期の計画採択されることを、祈念しております。ありがとうございました。


 2/17(金):青森県立五所川原高等学校・特別講義「高校で課題研究が、大学・大学院での研究につながる---課題研究は自由研究の延長ではなく、論理的に考える思考を養い、それは将来の自分形成に重要である。。。---」


 四国から青森へ。。。いつだったかは、岩手までの移動だったので。。いずれ、温暖な四国から雪国へ。ただ、鳥取などで大雪というニュースを見ていたので、青森・津軽の雪は心配でしたが、思ったよりも少なく。。。青森県立五所川原高等学校へは、理数科課題研究発表会・助言者と言うことで、昨年の11月に。その時に、2年生の発表を次年度からがんばると言うことで聞いていた1年生向けに、次年度から課題研究から何を学ぶかという講義。去年も今の2年生向けに、同じようにお世話になりました。

20170218211100-502538582abf32c01b16f8e88403dd3f9f2dfe60.JPG 前日が香川県立観音寺第一高等学校での課題研究の発表会でしたので、そこでの問題点も踏まえつつ。こういう時、連日でのアウトリーチ活動を活かして、話ができるのもよいところ。最初にテーマを決めるわけですが、そのタイトルを最後には、改変する必要があること。結果、結論にあわせて、イントロ、タイトルを変えると。誇大にならず、適切なタイトルにと。あと、なによりも、繰り返した実験、高校生らしいテーマで行うこと。観察すること、それをどの様に工夫するか、大事だと思います。また、むかしのように「ガキ大将」の様なことがない時代。班での課題研究を通じて、グループ内での自分の立ち位置というか、なにをするのか、なにをすることが全体のバランスによいのか。ノートをしっかり書くこと。メモのようではだめ。あとは、写真には物差しを。などなど。大事なポイントを。

20170218211122-817f8bad06545cff76391caf3581762d824c3fdf.JPG 後半は、渡辺の子供時代からの振り返りをモデルにしたキャリア教育。経験をすることが大事であり、今の時代にたくさんの失敗を経験してほしいと。また、高校時代の数学で論理性を磨いてほしいと。それから、国語というか、母国語である日本語で高等教育ができることのありがたみも感じてほしいと。もちろん、諸外国での色々なことを学ぶことも大事ですが。あと、大学はもちろん通過点。社会で何をどの様に貢献するか。そんなことを今からしっかり考えてほしいと。そんなために、座右の銘くらいは。。。前日の香川県立観音寺第一高等学校の写真にある理化学研究所・所長・仁科芳雄博士の「環境が人を創り、人が環境を創る」というのを。そうそう、最後は、組織論に基づく課題研究のチームで行うことの大事さを。理解してもらえたのでは。

20170218211137-ce0617b8e59c3b712d20a4bc502c961647400313.JPG20170218211147-5d5ec98991223bd1e7b86bcc64bbdd8c81baf167.JPG 最後になりましたが、中村教頭先生、相馬先生をはじめとする多くの方々にこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。次年度もこれまで以上にコラボできればと思いますので、よろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 香川県立観音寺第一高等学校への出前講義の前日。ふるさとである今治市、今治市内でお世話になった先生方が近隣の市町村に異動されたところでの出前講義(ふるさと出前授業)を行ったのが、2007年の今治市立常盤小学校今治小学校で行ったのが始まり。その当時、常盤小学校の教頭先生をされていたのが、今治市立吹揚小学校・高橋校長先生。諸事情があったにもかかわらず、対応頂き、今年度で100回を超えることに。そのことを評価頂き、今治市教育委員会から「感謝状」を頂きました。「ふるさと出前授業」という冠をつけて頂いたのも、現・今治市立吹揚小学校・高橋校長先生。本当にありがとうございました。

20170218211237-ca4ca45659efba0b3dc1eb8338918387c653629e.JPG20170218211248-ad05b1367e9b88d3be8a817d4da4c1e428896325.JPG 教育委員会が閉校となった今治市立今治小学校に移転すると言うことで、忙しい中ではありましたが、今治市教育委員会・高橋教育長をはじめとする事務局の方々と今治市立吹揚小学校・高橋校長先生を交えて、1.5hrほど意見交換ができたのは、望外の喜びでした。おなじ「ふるさと」と言う名前では、「ふるさと納税」の方が有名ですが、こちらが始まったのは、2008年からとか。1年先立ち、ふるさとに貢献するというような発想で、こうした活動ができたのは、高橋校長先生をはじめとする出前講義に伺った学校の先生方のサポートのおかげです。ありがとうございました。これからの10年、15年と続けて、がんばりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。なお、夜には「ふるさと出前授業」でお世話になった先生方と懇談会も。ありがとうございました。

20170218211308-211323321ada3e01df5e35e4cf4dbe8a1e4581a5.JPG PS.のPS. 香川県立観音寺第一高等学校の運営指導委員をされている香川大・工学部・長谷川先生。今回はお目にかかれなかったですが、1月に香川県を特集したテレビ番組で解説をされていて。。。その時のことを伺いたかったのですが。。。是非、プログラムが継続採択されれば、また、お目にかかれるのではないかと。。。

 香川県立観音寺第一高等学校でコメンテーターとして、広島大学大学院生物圏科学研究科・西堀先生がいらしていて、2年前に飛翔型「科学者の卵養成講座」の受講生をつれて、国際学会に参加したのですが、その時にお目にかかったと。。。こんなところでまた、お目にかかるとは。。また、広島大でのグローバルサイエンスキャンパスを運営されていて。ぜひ、東北大の飛翔型「科学者の卵養成講座」ともコラボできればと思います。よろしくお願いいたします。

20170218212938-68097d7558def0a28bb36b047c2b3a3b98651b63.JPG PS.のPS.のPS. 列車で移動していると、たまにトラブルになったり、遅れて到着したり。。。今回は仙台への帰路の東北新幹線。一関駅付近で減速して、臨時停車が。。。何が起きたのか。。。デッキのところで見ていたら、上下線のホームだけでなく、通過のための上下線の1つが埋まり、1つは列車の通過。。1つの駅でこんなに混雑したのを見るのは、新幹線では珍しく。。。写真を撮れなかったのは、残念でしたが。。。少しの遅れで仙台駅に到着できたのも、日本の新幹線システムがすごいから。。。最後も感動でした。

20170218212308-122cee69bd4b47bc44ba0126387638b8bb14d7e8.JPG PS.のPS.のPS.のPS. 2/10(金)だったと思います。研究科の学位審査が終わったあとの懇親会の時、科学者の卵養成講座の3期生だったかと思いますが、今は学部生だと、声をかけて頂き、なんと、渡辺の講義の時に、質問もしてくれたと。懇親会のあとに、研究室にも来てくれました。来年度からは、新天地でがんばると。。。また、どこかでお目にかかれるのを楽しみにしておりますので。

20170218211750-da2a9c02c6b3fb8b33a7687fd2d42914737d5fa5.JPG PS.のPS.のPS.のPS.のPS. 2/28(火) 9:00. 五所川原高等学校から、レポートと理数科通信を頂きました。こちらの講義が有意義であったと。。ありがとうございました。時間を見つけて、コメントを返却したいと思いますので。なお、理数科通信については、五所川原高等学校HPからdownloadすることができます。pdf fileとして。ご覧頂ければ、幸いです。


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