東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

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研究室ダイアリー

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台風19号

2019年10月16日 (水)

1日の寒暖差が身にしみる季節になってきました。
技術職員の伊藤です。

寒暖差に身体がついて行かず体調を崩しやすい時期です。
加えて、台風19号の被害に遭われ今も大変な状況にいる方々も大勢おられると思います。

仙台でも夜中に何度も緊急速報のメールが鳴り、避難勧告が出た地域の学生さんが研究室に避難したりと緊張した1日でしたが、片平キャンパスは大した被害もなく、当研究室のスタッフ、学生さん達も皆、無事でした。

今回の台風で、雨が強くなり、自宅近くのマンホールから水が溢れてきている様子を見ながら、こんな暗闇の中、避難指示が出た場合、自分自身がうまく避難できるかとても不安になりました。
ましてや小さい子供やお年寄りがいる家庭などを考えると、非常に難しいのだろうなと。
普段からの意識と備え、訓練などが重要である事を再認識しつつも、、、ニュースで被害を目の当たりにすると不安が大きくなる日々です。
今は被害に遭われた方々が1日も早く日常生活に戻れる事をお祈りしております。


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いとう

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第36回生命科学セミナー「シロイヌナズナにおける細胞膜H+-ATPaseの働きと活性調節機構」開催(10/8)

2019年10月 9日 (水)

 台風19号が来襲の3連休で関東を直撃する模様。。。仙台は日曜日の午前中がピークになりそう。netの記事がある時点で、マリアナ諸島近海で、最大瞬間風速75m/sというのは、どんな風なのか。もちろん、このレベルで日本に来るのは、困るわけで。。。おまけに、今週末は、卵の開催日。。。何とかなりそうにも見えるし、。。。そんな週末が気になる火曜日。少し曇り気味でしたが、以前から、HPで広報していた、コペンハーゲン大・林博士をお招きして、細胞内から外へプロトン(H+)をATP加水分解エネルギーで輸送する、H+-ATPaseについてのセミナー。渡辺が苦手とする生き物の「恒常性」に関わる部分とおぼしきところ。

20191009143813-7fe3df803803b6ae06a032c2a8431f9f985c5a0f.JPG これまでの研究から、気孔の孔辺細胞のお話がmainで。普段はコラボをしているところでお願いしている生化学的解析などのきれいなdataが。なるほどでした。また、普段から考えているシグナル伝達系がいくつものステップで分かっていて。こちらも解析手法では学ばないと。。。ある意味反省でした。花を使っていると、気孔からのガス交換のことなど考えることがないのですが、どこかで関係していることはきっとあるだろうと。繋がりがあることを期待しつつ。ありがとうございました。そうそう、最初にデンマーク、コペンハーゲンの概略のお話も。最近の出張はアジア、アメリカが多く、欧州へ行くことがないので。何かの機会にと。。。

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 わたなべしるす

 PS. 恒例となっている月1回のケーキ会。せっかくですので。こんな時にやるのがよいのではと。準備してくれた皆さんに感謝です。

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第35回生命科学セミナー「ラズベリー黄化ウイルスの花粉伝染メカニズム」開催(10/4)

2019年10月 5日 (土)

 この週末から、プロ野球はクライマックスシリーズ。いずれ、短期決戦。長いシーズンでの戦い方、短期決戦への望み方など、勝負事なので。そんな週末前の金曜日。岩手大・農学部の磯貝先生をお招きして、生殖過程と植物病理の境界領域のセミナーを。渡辺が岩手大・農学部にいた頃からお世話になっており、また、こちらに来てからも21st COEでご一緒することもあり。今回のセミナーと言うことに。

 こちらがセミナーに伺うことはあっても、来て頂くのは初めてということで。花粉経由のウイルス感染。ウイルス感染を起こすと、植物にいろいろな表現型が出るのですが、果実に大きな影響が出るというのは、生殖過程の最後のところで、大事な欠落が生じることで。。。いずれの実験もなるほどと納得。花粉を使って、おもしろい実験ができるのではと思ったくらいで。。。是非、コラボできればと。で、本来なら、写真の撮影などをしないといけないのが、バタバタしていて。。。すみませんでした。さらに発展した話をまた、して頂ければと。ありがとうございました。

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 わたなべしるす

 PS. 来週は海外からの来客によるセミナー。今度は、写真など、忘れないように。。。

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【アウトリーチ活動】仙台市立黒松小学校、仙台市立長命ヶ丘小学校、仙台市立七北田小学校・特別講義(9/24, 10/1)

2019年10月 1日 (火)

 この記事を書き始めたのが、10月1日。なんとかの日、というのがありますが、今年は、消費税が10%になった日。それに連動したのか、日銀短観で景気を不安視するところもあるとか。。。経済の話と自然科学研究。連動してないようでしているのが、研究費。消費税が上がっても、これまで、その増税分があがったかと言えば。。。そんなこと考えている暇があったら、科研費の申請書を書かないと。。。と思う、9月最後、10月最初の出前講義(心の中では、かなり、・・・と言う状態を見せないように。。。)。


 9/24(火):仙台市立黒松小学校・特別講義「花の不思議な世界」

 今年で、5-6年目になる、仙台市教育センターから依頼の出前講義。今年度は7件のリクエスト。青葉区の小学校が1校。残りは泉区。不思議なアンバランスですが。8月末の片平丁小学校に続いてのこの出前講義。で、はじめて伺う、黒松小学校。数年前まで、NSPを七北田小学校で支えて頂いた椎名先生が異動された赴任先。近くを通ることはあっても初めてのところは、あれこれと考えるものが、最近のGoogle mapという代物のおかげで。無事に。で、玄関先でwelcome boardがお出迎え。ありがとうございました。

20191001185756-67c3ed8ea5f5a3e9b0c24afb52b0be6c9afae813.JPG リンゴの花から果実ができるまでの不思議についての講義。最初に自己紹介というか、理科専科の先生に教えてもらっている、それも大学で「化学」を専攻していた先生に。渡辺も小学校時代から理科専科の先生でした。そのおかげで、理科が好きになったと言っても、過言ではありません。文科省でも検討事項に。そんなところから、講義をスタート。花の名前をどれくらい知っているのか、もちろん、形だけでは分からないものもあって。。。写真から考える大事さもしっかり理解していて。受粉のところで、媒介昆虫が飛ぶと何が起きるのか、彼らは何がしたいのか。実際にモデルとしてお手伝いをしてもらいながら。。。ミツバチが飛んでいるのを見かけたら、そっと、見てみて下さい。実際の受粉反応、花粉と雌しべの相互作用、動画で見ると、なるほどだったのでは。もちろん、自家不和合性の動画も。遺伝的多様性を植物も必要というのが、感覚で理解してもらえたのでは。

20191001190336-7448bb02cd41d4ac1bf56137f224d4c93f4416eb.JPG20191001190401-114af3a1d096b640831584fcd4d2c9412c8a93b9.JPG20191001190415-dcf8c82ed42acaf6c162453072b4c8650a1b10aa.JPG リンゴの場合、摘果をするわけで、なぜ、日本ではそんなことができるのか。諸外国ではほとんどされてないのか。もちろん、最近ではかなり大変になっているわけですが。それよりも問題なのは、赤いリンゴが減っていること。赤くすることが大変な農作業。それを理解できないまま行くと。校長先生の年齢くらいになると、黄色いリンゴばかりに。。そうならないように、よい消費者になってほしいなと。最後は、リンゴの横断面、縦断面を観察。さらなる不思議があったのでは。そうそう、立派だったのは、2コマを続けての講義。途中の休憩はなし。トイレにという方は、先生に話をして。それで数名でした。大学の講義時間に近いくらい、しっかりと集中できているのは、普段からの先生方の指導の賜物かと。最後になりましたが、櫻場校長先生、理科専科の椎名先生、5年生の担任の先生方をはじめとする関係の先生方にお礼申し上げます。ありがとうございました。また、次年度もということをいって頂き、うれしい限りです。

20191001190438-84b5b9b782e438a75a22dd052832bb0612096490.JPG20191001190455-5043486c1465c89cf8c948b62939ae8df379facd.JPG PS. 出前講義の翌日、椎名先生から理科の授業での定着度というか、リンゴの話をしたり、リンゴを食べたという子供たちのお知らせが。聞いたことが刺激になり、さらに、不思議を探すことができるようになることを祈りつつ。

 PS.のPS. 校長室でそったく(くちへんに卒業の卒、啄)の機。「そつ」が卵の中からひな鳥がつつく様子。それに応じて、親鳥が外からつつくのが「啄」。いろいろなことがこうありたいものだと。。。思わず、写真を頂いたのでした。

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 10/1(火):仙台市立長命ヶ丘小学校・特別講義「キャベツとブロッコリー」

 学校評議員を仰せつかっている長命ヶ丘小学校1月には、評議委員会と出前講義。今回は5年生向けに「キャベツとブロッコリー」。どちらもB. oleraceaの野生型のものから栽培化されたもの。キャベツは寒い地域。ブロッコリーは温暖な地中海沿岸とか。もちろん、誰も見たことがないのが。。。で、キャベツとブロッコリーの両方の遺伝子を持つ植物はどんなものなのか。実験をするとしたら、春のシーズンに、両者を交配して、その種子をとって、秋から春にかけて栽培すればよいわけ。でも、すでに秋。今からスタートすると、5年生の場合、6年生の春に交配。その種子を秋に播くと、中学生になる春にどんな植物か分かるという時間がかかるという問題が。。。だから、品種改良をするのには時間がかかるわけです。イネの場合、10年近いですし、果樹になると、もっと長くなるわけで。。。で、玄関先でwelcome boardがお出迎え。ありがとうございました。

20191001222758-5e4512da3fa07e75a9f5e8f4ec358810605bc77b.JPG20191001222934-09b0b1f54a693cbe8ddf50f3f5b76305b97da62a.JPG で、講義では、植物の生長のルールを復習して、この2つの遺伝子を持った植物を模造紙に書いてみるというもの。2つのクラスでそれぞれ4つの班に分かれて。それだけでは、緊張感がないので、担任の先生方もチャレンジ。先日のW杯ラグビーのような「ジャイアントキリング」が起きるのか。模造紙に書いたものをプレゼンして、それに続いて、質疑応答。発表に積極的なグループ、鋭い質問を連続でするグループ。それぞれのクラスの特色もなかなかのもの。そうした積極性を大事にして下さい。何よりよく観察して、よく考えて、よく議論して、絵を描いて、プレゼンをできたことはniceでした。また、2コマ連続の講義。途中の休憩も特に入れずで、よく頑張っていました。

20191001223023-a4d40f217ccc6181a48d40fa8280d6795de163ea.JPG20191001223036-61585e47a2a4014b83ae11a00745b787d102d8b6.JPG ほとんどのグループが植物のルールに則り、想定される植物を書いていたのは、niceでしたね。また、鋭い質問にも耐えるdefence力。これも大事なこと。理香というと、何かと覚えることと思われがちかも知れないですが、考えるということを大事にして下さい。そうそう、先生方も最後にプレゼン、さすが、先生。子供たちに説得力のある説明力。この説明力を身につけて、次の機会には是非、勝利を。。。講義の最後には、2名の代表の方が、今日の講義についてのお礼の言葉。とてもしっかりしていました。がんばって下さい。最後になりましたが、板橋校長先生、伊藤教頭先生、5年生の担任の先生方をはじめとする関係の先生方にお礼申し上げます。ありがとうございました。また、次年度もということをいって頂き、うれしい限りです。

20191001223049-2e98f9cdd25710aebad18baf3616303aff047df8.JPG20191001223059-ba76d43c58433f10c1f22bc759630ebfbf668685.JPG20191001223109-ac86f0bdc75f430077ce3d1eb36843f6378f1f10.JPG PS. 講義が終わったあと、去年の3年生向けの「ヒマワリ」の講義をしたクラスの方々がご挨拶に。去年のことを覚えてくれているのは、うれしいですね。今年は4年生。来年の講義でお目にかかりましょう。


 10/1(火):仙台市立七北田小学校・特別講義「花の不思議な世界」

 午前中の長命ヶ丘小学校に続いて、午後からはかつて、NSPを年間で行っていた七北田小学校。入り口を入ると、校舎の中には、卒業生の「羽生結弦」選手に関する新聞の拡大版など、。。子供たちには、目指す目標ができてよい環境だなと。そんな大きな写真のわきに、玄関先でwelcome boardがお出迎え。ありがとうございました。

20191002083544-6f72e30de8f669db9ccbb8d9f9bcbc3a7ce8bd2f.JPG 講義は1週間前の黒松小学校での講義と同じ。この時期、科研費でパンクしている渡辺のミスで、黄色いリンゴのリクエストをすることのミスが。。で、いつものように、最初にお花の名前。ヒルガオの理由をきちんと説明できたこと。なかなか、niceでした。リンゴはバラ科なのですが、バラの花は一般には、5枚の花弁よりも多い枚数。なぜ、。。これをうまく説明できなかったのですが、いわゆる、homeotic mutant。どこかのパーツが別のパーツに変わると言うこと。ショウジョウバエのアンテナペディアを思い出せばよかったのですが。。雄しべの数が減って、花弁に変わり、豪華に見えるようになったもの。そんな品種、多いですから、花屋さんで観察してみて下さい。

20191002083727-33e07d0c6575dc9066d4b17f24e1aceac654708c.JPG20191002083818-513fc80fa42f6b4753b209f60edce2df06acb371.JPG 受粉反応、自家不和合性の動画は、感動だったようで、「おーー」という歓声が。なぜ、遺伝子を混ぜる必要があるのか、他の遺伝子を持ったものとで子孫を残すのか。遺伝的多様性が重要と言うことをしっかりこたえてくれました。ちまたでは、赤いリンゴ品種が減ると言うよりも、黄色、緑色系のリンゴ品種が増えている理由。均一に色づかせることがとても大変と言うこと。でも、多くの人は、真っ赤なリンゴがよいと言うこと。それでは、日本の農業、リンゴ農家は立ちゆかないことを実感。これからが、リンゴの季節。スーパーなどで、リンゴを見かけたら、作っている人の立場も考えて見るようにしてみて下さい。

20191002084643-23332e168b1d9380e06e9d67f2ee0d49fa34969e.JPG20191002084654-1f9208f93b4b56a893ac3b31c3190668a33c92a1.JPG 講義が始まる前に、今回のプログラムを統括頂いている仙台市教育センター・長谷部先生、相澤校長先生を交えて、最近の教育事情などの議論を。小中高大とつながる教育。何をすべきなのかと言うことが実感できた時間でした。ありがとうございました。最後になりましたが、相澤校長先生、5年生の担任の先生方をはじめとする関係の先生方にお礼申し上げます。ありがとうございました。また、次年度もということをいって頂き、うれしい限りです。

 PS. 先にも書いた、仙台市教育センター・長谷部先生が今回の講義を見学に。ありがとうございました。継続してよりよい出前講義を行いたいと思いますので。


 わたなべしるす






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【アウトリーチ活動】愛媛県立今治西高・特別講義, 愛媛県立新居浜西高・特別講義, 愛媛県立今治北高・特別講義(9/18, 19, 20, 21追記)

2019年9月21日 (土)

 台風17号の北上北海道・利尻山での初冠雪)。秋が来ているのは、気温の低下で実感できるものの、台風17号が通過した後、また、暑さが戻るのではと。。。そんな9月半ば。愛媛県の3つの高校へ出前講義。

 9/18(水):愛媛県立今治西高等学校・特別講義「将来に向けたキャリア形成のポイントと学部選択のあり方」

 10年近く前に、3年生全体に講義をしたり、文化祭で講義をしたこともあり、その後、全校生徒向けの講義も。それ以外は一部の学生向けの講義だったのが、今回、久しぶりに1年生全体にキャリア形成の講義を母校の今治西高で。渡辺が高校に入学した頃を考えると、40年近くの時代のずれが。講義をした場所も1Fが武道場(剣道、柔道)、2Fが卓球場。もちろん、渡辺の時代のものではなくて、最近新しくなった建物。時間がずいぶん流れているのだと。そんなことを感じざるを得ない場所で。

20190921221441-b5777f60304d63dc6e01ab1fa4af108106a54461.JPG20190921221708-a6165585f01609848a5a4664fce131f441224f9e.JPG インターネットがなかった時代。周りの自然と自分たちで工夫をして、何かをした時代。ゴミ捨て場にあった廃品をつかって色々なことを。ところが、今や、チップに集積されたもので構成されている時代。壊しておもしろいかと言えば、。。そんな時代であっても、植物は昔のまま。自然を観察することが大事なこと。で、身の回りをどれくらい観察しているのか、駅から高校までの道順で、きれいに管理された「マツ」を見たことないかという問い。残念ながら、見たことがないというのは残念でしたが。是非、通学だったり、それ以外の時に通る道。キョロキョロしたら、意外なものを見つけることができますので。

20190921221335-37df544ec2448088aaa530116d61a733d5fd4374.JPG20190921221506-fa53d2c86f253823c3cdbc710ebe59e591c27cdc.JPG 渡辺の高校時代の話も。生物が苦手で、物理・化学が好きだった渡辺が何故、遺伝学をしたのか。人生のきっかけなど、ふとしたところにあるものなので。高校の時に大事なことは覚えるのではなくて、考える習慣をつけること。公式を覚えれば、簡単かも知れない。でも、応用するとき、その基礎にある理屈を理解しておくことの方が大事。高校1年生は新しい大学受験のシステム。その中でも、短い時間で処理をすることよりも、考えることが重視されているはず。高校時代を大事にして下さい。

20190921221810-5311b59d25b6a02308f455a6542eba9cb0793971.JPG 大学へ何故行くのか、何を学ぶのか、何をやりたいのか。そんなことを決めて、大学へ行ってほしいと。そこに行けば、何かが手に入れられると言うことではないので。。もちろん、あれもこれもやってみるのもよいこと。でも、時間と体力には限界があるはず。そう考えれば、これをやりたいと言うことに注力するのも大事なことなので。誰かがやっているからやるというのではなくて、それぞれの独自性を持って。それを大事にして。あと、大学では自分の指導教官を選ぶことができる。また、その人からの影響はかなりのもの。誰に師事するのか、相性も問題になるので。大学を選択するのと同じくらい大事にしてほしい事柄だと。事実、渡辺が東北大・農学部・植物育種学研究室でアブラナ科植物の「自家不和合性」の研究をしたので、今があるので。ずいぶん若い後輩の皆さん、頑張って、次の世代を支えて、作りだして下さい。

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 9/18(水):愛媛県立今治西高等学校・特別講義「進化論を唱えたダーウィンも注目した高等植物の自家不和合性」

 前半は1年生向けでしたが、後半は「植物の生殖、自家不和合性」について。希望者20名くらいだったでしょうか。年間で10校を超える今治市内の小学校に「ふるさと出前授業」を始めた頃。渡辺の講義を受けた方がいると思ったのですが。。。記憶の問題なのか、そんなことを自己主張するのがはずかしいのか。。。記憶と言うことでは、渡辺が高校2年の時、教育実習に来た大学生の方が、あとから考えたら、東北大の方。仙台での今西の先輩に会って、びっくりしたのを覚えているというか。

20190921222435-e9a6b5063e914523bf755d43c1b85a004be2c47d.JPG20190921222446-7ab2e8a11c292d0c75238be41d798f12cfe30938.JPG 生物、農学に興味がある、あるいは、進学を考えているという生徒さんが受講生。でも、知識を詰め込むことも大事だけど、それだけでなく、手元にあるdataを元に考えることをやってほしいと。小学校から植物を習っていても、自殖性、他殖性がある。これは意外なことだと。実は。基本、被子植物の花は両性花なので、自殖性と思うわけですが、そんなことはないと。どんな仕掛けで他殖をするのか、そもそも、面倒な他殖をする必要があるのか。。。そんなことも考えてもらうことで、遺伝的多様性の重要性は理解してもらえたのでは。そんな仕組みの1つが自家不和合性で。自家不和合性に興味を持ったのは、古くはダーウィンであり、そんなことに興味を持ったきっかけは。。。意外な話だったかと。人生のきっかけは、どこにあるのか分からないと言うことで。

20190921222502-b0e9e4550beda3bc9bd66a1cf28608e9a857b03b.JPG20190921222520-da71faf5bc041fc6d52656b55f79813012834aff.JPG 質問のコーナーでは、数名の生徒さん、玉井先生からも質問が。その中には、自家不和合性を使った経済的F1雑種の採種に関わるコアな部分も。からくりというか、理屈の部分が分かると、おもしろいものなのだと思いますので。というか、遺伝学の神髄だと。。。最後になりましたが、生物の玉井先生をはじめ、関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。また、次年度も出前講義ができるのを楽しみにしております。

20190921222536-03e19d7ccf7122d53285ff88093b055d7daf2e77.JPG PS. 講義のあと、ちょっとした調べ物で職員室で先生を紹介頂きました。名前、教科を伺いびっくり。渡辺が2年生の時にお世話になった方の。。。。無事、調べ物もできました。ありがとうございました。松山北高、数年前の出前講義でもお世話になった兵頭先生。生物室に伺ったら、ばったり。サッカーの話をする時間があればよかったのですが。

 PS.のPS. 帰り道、玄関先で声をかけてくれるというか、渡辺の名前を呼んでくれる生徒さんが。渡辺の小中高の後輩で、ふるさと出前授業のレポートにイネ品種「亀ノ尾」のことを書いてくれていた方だと。そういえば、小学生で「イネ育種の歴史」を知っている方がいるのだとびっくりした記憶が。。。理系でなく、文系に進んだそうですが、物事の歴史を忘れずに、頑張ってください。声をかけてもらえるというのは、望外の喜びでしたし、積極的動けるという行動力、大切にして下さい。

20190921222300-24f9aadf3d6979126d34cc8b7f6d0b485c399828.JPG PS.のPS.のPS. このHPを書いているのが、土曜日。あれこれとあって。その時にはすでに、玉井先生が2コマの講義についての記事が今治西高のHPに。ありがとうございました。


 9/19(木):愛媛県立新居浜西高等学校・特別講義「農学・生命科学入門」

 6月にも生物の河野先生にお世話頂き、3年生の生物履修生向けに、植物の生殖・自家不和合性の講義をした新居浜西高。今回は同じネタで、1, 2年生の希望者対象。20-30名と言うところでしょうか。機材のセッテイングで少し難ありだったのですが、黒板でなくてホワイトボードにスライドを投影。だからといって、何か便利なことがあるとは思わずに、講義をしていたところ、。。投影した図版、写真に書き足すことができる。ホワイトボードなので。通常の黒板ではこんな芸当は無理。これは便利と感動した瞬間でした。ホワイトボード用のマジックと黒板用のチョークのコスト。どれくらいの差があるのか、分からなかったですが、このシステムはいけると。。。ずいぶん多くの出前講義を行ってきましたが、衝撃的な感動でした。玄関先では、今回もwelcome boardがお出迎え。それから、いつもの生物講義室でなくて、通常の教室で。もちろん、ここにも案内の掲示が。ありがとうございました。

20190921224754-d4060687b519c514ab6b890c107546ec0ae70b48.JPG20190921224808-cd5f885ab8af735a620bc2a270d63615df4f2f31.JPG で、肝腎の講義。前日の今治西高で「亀ノ尾」の話があったので、それをきっかけに。水田に水を入れる「水口(みなくち)」のところの水温が低くて、生育がよくないことに目をつけて、耐冷性を持った品種を育成したと。もちろん、それを直接話すことでなく、水田が持つ条件などを考えてもらいながら。品種改良の時に、遺伝的多様性を産み出すためにも、生殖のステージの理解は重要で。花粉管伸長の動画を見ながら、トウモロコシの果実のところにある「ひげ」のようなものが何なのか。植物で受精するというのは、どこでなのか。。。当たり前に見えていることが意外と知らないこと、気がつかないこと。

20190921231431-31a2db6ab09fbbd4720e7a81fcc91da5739b41dc.JPG20190921231449-3db61f14a1262a18509a6d3fdd4b386f10dff6bf.JPG 進化と言う言葉は知っていても、どんなことが起きているのか。また、野生の植物を栽培するようになる栽培化で必要なことは。もちろん、植物において。花粉がいつでもあるというか、自分の花の花粉でまかなえることがどれだけ便利か。でも、一方で、クローンに近いような状況では、植物にとっては迷惑な話。植物の多様性を犠牲にしてなり立っているのが、農耕、農業と言うこと。また、自殖性であることも大事なこと。もちろん、自家不和合性を持ったままの農作物もキャベツ、ハクサイ、サツマイモなどありますが、。。

20190921231505-c7d4550dc4b1acad73a67945b2de6a01fa540387.JPG リンゴの果実と種子の関係。動物の受精は教科書、テレビなどでよく見かけること。では、植物の受精でできるのは。。。自家不和合性を有しているリンゴでは花粉樹として、別の品種が必要。ふじには、王林というように。。では、市販のリンゴは雑種なのか??もちろん、雑種になっているのは種子だけ。では、果実は母親の遺伝的背景の細胞が増えたもの。だから、ふじに王林をかけても。。。一方、リンゴを食するとき、大事な次世代の種子をどうするのか。。。かなりやばいのではと。こんなことを考えたことはあまりなかったのでは。当たり前と思わず、自然を観察して下さい。それが考える力を養成してくれますので。

20190921231520-4f6850b7af293da5f6bfc3e4c627f61a8d5d2c08.JPG 最後になりましたが、玉井校長先生、河野先生、河端先生、柏木先生をはじめ、関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。また、出前講義ができるのを楽しみにしております。

 PS. 講義時間をギリギリまで引っ張り、慌てての移動。忘れ物がないつもりが。。。デジカメの忘れ物が。。。翌日の講義にあわせて、担当の先生方での絶妙な連係プレーで助かりました。ありがとうございました。


 9/20(金):愛媛県立今治北高等学校・特別講義「農学・生命科学入門」

 最終日は今治北高へ。昨年までお世話して頂いていた生物の玉井先生が異動になり、担当頂いたのが、化学の矢野先生と田中教頭先生。矢野先生には、松山北高西条高での出前講義でもお世話になっており、田中教頭先生には、松山南高時代に、SSHダイコンコンソーシアムでご一緒していて。。渡辺にとっては懐かしい先生方にお世話になれる場所。

20190921224625-623a1ffd857700b7b3178cac4e7a9710c3a69a20.JPG 講義の最初は、小学校時代の「ふるさと出前授業」の話から。前の3回の講義でもそうだったのですが、何故か意外と覚えてない??、講義をした側としては、少々寂しいものが。詳しいことを聞いたら、「キャベツとブロッコリー」のことは覚えていても。。。そんなイントロから始まり、植物の生活環、生殖の話。そもそも、雌雄が存在する理由は。。。ある意味、素朴な疑問。講義をしているのは、ちょうど金曜日。金曜日の20:00からの「○△ちゃんに叱られる」というテレビ番組の子供目線で見たときに、当たり前と思わない、疑問に思わないというのでなくて、「なぜ??」ということが大事と。見たことがないという方が多いのは、最近の「塾」あるいは「部活」、はたまた、「宿題」が多いのか。。。頭を柔軟にすると言うことでは、一度ご覧あれと言うことで。

20190921224640-c13187c2d5743cef3c00d9d3676e12b9d72ba8b3.JPG 植物を含めた生命体においては、遺伝情報を交換し、遺伝的多様性を持たせることが重要であることを認識してもらった後、植物は不思議で自殖性、他殖性があること。なぜなのかということを考えてもらうことに。他殖性を維持するために、自家不和合性があり、そのからくりを使って、hybrid種子生産が起きていることも。市内のDIYのようなところで、hybrid種子を見つけることができますから。そんな今までは考えなかったことに、注意を払うことができるようになることも、大事なことですから。身の回りのことにどれだけ見ているかと言うことで、植物とは違うことにも、チャレンジ。簡単なようで、難しいことだったのでは。

20190921224653-9079819698cc5b7647a9841a704a3f7159bc0616.JPG で、最後に話をしたリンゴの果実、種子の関係。また、種子の部分を流しの三角コーナーに入れていることがどれだけ、植物にとって不利益なことなのか。ちょっとでよいです、立場を入れ替えると、意外なこと、とんでもないことに気がつくのではと。。。講義の最後は質問の時間。何とか時間の枠内で講義を終えることができたのかなと。

20190921224709-5f3d99d028e3186460e00106acd157775dc91554.JPG 講義の初めに、二宮校長先生と少しだけお話の時間を。名前を見ると、愛媛県のあの当たりの出身なのか分かることもあるのですが、そんな話くらいしかできず、申し訳ありません。また、次の機会に。。。最後になりましたが、講義をお世話頂いた矢野先生、田中教頭先生をはじめ、関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。また、出前講義ができるのを楽しみにしております。

 PS. 玄関先には、講義で話をした「ソテツ」が。これだけ豊かな今治の自然。身近なことからでよいので、身の回りを見るきっかけになればと。。

20190921222711-35fb54ef37eda33fb3740456de988139391ec625.JPG PS.のPS. この記事を書いている土曜日。その時には、すでに矢野先生が学校のHPに渡辺の出前講義の記事が。。。ありがとうございました。

 PS.のPS.のPS. 講義のあと、別の打合せ先で渡辺の世代には欠かせないキャラの本を発見。読む時間がなかったので、どこかでまた見つけることで。。

20190921222726-ad6770b381bbd2b1f5b6db43c716eef91c06f468.JPG PS.のPS.のPS. 出前講義の合間に、秋の「ふるさと出前授業」について、今治市立乃万小学校・村上校長先生とお話しする時間を頂きました。ありがとうございました。今年度も中学校でのチャレンジの機会があるとか。どの様な講義をするのか、これからまた、楽しみです。


 わたなべしるす



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