【出前講義】愛媛県立今治西高等学校・大学出張講義「農学・生命科学入門--アブラナ科植物の自家不和合性と研究者への道--」(9/16)
2015年9月16日 (水)
今年の夏の暑さがすごかったのは、HPでもずいぶん書きましたが、愛媛でもすごかったのを街路樹の葉っぱの痛み具合で。。。学内の樹木もかなり傷んでいたと書きましたが、その比でないような被害でした。写真を撮るのを失念したのですが。ただ、秋は着実に来ているようで、花は夏から秋に変化しているようでした。
母校の愛媛県立今治西高等学校からは、ここ数年、もっとになるでしょうか、「大学出張講義」をお願いされていて、ありがたいことです。ここ数年、少なくとも、雨は降らない天候で、講義をできたのですが、今回は結構な雨模様。降ったりやんだりで。おかげでいつもなら拝見する稲作であったり、マツの手入れを見ることができなかったのは、残念でした。講義は名前の通り、大学の教員が出前講義に来るわけですが、県内外から10名程度の先生方が。文系理系など、多様な講義が。2年生向けに。3週間ほど前でしょうか、卒業生で大学生、大学院生が行っている「蛍雪大学」でも、講義、実習を行いましたが、これほど短期間で、今治に来るのもはじめてのことで。打合せ場所になっている「蛍雪記念館」の2F。いつもなら、1Fなのですが、体育館の改修工事の関係で、1Fが体育教官室になっている関係で。講義をする教員がそろったところで、山田校長先生からご挨拶が。総合の時間を使って、高大連携の講義ができることは、ありがたいし、生徒さんは楽しみにしていると。。こちらこそという感じで話を伺い、今回の講義を統括されている担当の河村先生から今日の講義についての概要を。渡辺はいつもの生物室へ。
今年の講義に参加してくれた生徒さんは、22名。最初に伺うのを失念していて、途中からでしたが、今治自然科学教室、今治西中学校への出前講義で、渡辺の講義を受けたという方も。また、夏の蛍雪大学を受講してくれ、さらに、この渡辺の講義も。ありがたいことです。講義は、前半が植物の生殖、自家不和合性という渡辺の研究の話。後半は、キャリア教育。どれくらいキャリア教育が定着しているのかわかりませんが、生きていく力になるわけですので。今回も前半をしゃべりすぎで。。
生殖の意義、それは子孫を残すこと。それもできるだけ多様性のある。そのために、植物もがんばっているのだと。高校生にとっては、不思議なことかも知れないですが。その導入はいつものように、農作物の花とその種類の対応関係。モチベーションアップのために、東北のおせんべいを。どうだったでしょうか。最終的にかなりの枚数を集めていた生徒さんも。これがきっかけとして、改めて、身の回りの変化を見るきっかけになれば。もうすこし知っているかと思いましたが、「ミカン」の花が知らなかったのは。。。あまりにいろいろな答えが出るので、自由なことを言うのはよいけれど、その答えを見て、お世話をされている森田先生は、生徒さんのレベルを計っているのだと。。。スカウターの数値のように。それでも結構、すごいコメントが続きました。いつも使う、ヒマワリの花の上にいるハチはどこから来て、どこへ帰るのか。。。。ツツジの花へ。。。。というときには。さすがに、どこかの高校でもあった、時空をゆがめる、ワープのようなことができるすごいハチに改造されたからかと思ったくらいで。。。この話が出たあとには、少し季節感持ってくれたのではないでしょうか。
そんな導入から、近親交配をすることはとても危険なことと言うことを。そのことを復習する材料として、渡辺のこの前の仙台放送のニュースアプリのことがあったのですが、慌てていて、話すのを忘れていました。スマホ世代でしょうから。是非、downloadしてみてみて下さい。改めて、面白さがわかると思いますので。その中でも、自殖弱勢、自家不和合性の現象はかなり不思議というか、すごいと思ってくれたようでしたし、渡辺が遺伝学をやるきっかけになった雑種強勢もそれなりに。渡辺も高校を卒業して、30年以上。その中でようやく世界レベルになれたと。それまでもちろん、いろいろな戦いがあり。でも、1回限りの人生を生きるなら、Nature, Scienceというtop journalを目指してほしいと。渡辺という今西の1先輩とできるのでよければ、是非是非に。お待ちしております。
後半は、キャリア教育。小学校の時に覚えたこと、つまり、たくさん訓練したことは覚えていると。今の高校生は忙しいのもあるかも知れないですが、省エネで答えを丸暗記というのでなくて、しっかり考えてほしいと。そのために、数学は大事にしてほしいと。渡辺が科学者になろうと思ったのは、テレビアニメのおかげ。そんなきっかけでよいのだと。大学受験で、共通一次ができず、東北大になったと。その時の担任のこと、あるいは、小学校の担任の先生が励ましてくれたこと。人生はそんなものだし、何より、東北大に行くことを選んだので、今があると。もちろん、大学で師匠の日向先生に出会ったことが大きいと。そのために、是非、HPなどで師匠になるであろう、大学の情報でなくて、教員のこと、研究室のことに目を向けて、ほしいと。このあたりからは、時間over。。。すみません。かなりのスライドを飛ばしました。自主学習を。最後の最後は、いつもの組織論と集合写真で世界へ情報発信。質問の時間も取れず、失礼しました。レポートであったり、mailでお願いできれば。レポートを楽しみにしております。
最後になりましたが、愛媛県立今治西高等学校・山田校長先生、河村先生、森田先生をはじめとする関係の先生方にはお世話になりました。ありがとうございました。また、今治で出前講義があるとき、お邪魔でいればと思います。と言うのと、是非、1人でも多くの生徒さんを東北大学に、また、大学院で渡辺と一緒に研究できる方がいれば、楽しみにしておりますので。ありがとうございました。
わたなべしるす
PS. 伺ってすぐ、講義が終わったあとに、校長室に山田校長先生とお話しする時間を頂きました。ありがとうございました。渡辺より9級、今西の先輩になる方。夏の蛍雪大学の時にも、卒業生が高校との連携に関わることを高く評価されており、その意味でも、渡辺も卒業生なので、より多くの卒業生が講義をすることは、高校生へのよいロールモデルになるのだろうと。次年度も、よろしくお願いいたします。
PS.のPS. 今年度は、今西の同期になる、九州工大・安永先生でない方がいらしていましたが、いらしていた工学系の先生は、東北大・工学部卒の方。。。こんなところで東北大の方にお目にかかるとは。。。びっくりでした。世の中狭いものです。
PS.のPS.のPS. 講義でお世話になった生物の森田先生は、以前、SSHの指導等でよく伺っていた松山南高の卒業生とか。渡辺がお世話なった先生の話を講義の中でしたわけですが、たくさんの先生をご存じで、やっぱり、世の中狭いなと。また、なにより、渡辺が高校で化学をきちんとできるようになったというか、基礎を教えてもらった「桐木先生」には、直接お目にかかれたわけでないのですが。。。近しい方と。感動でしたし。あのときに、化学の基礎を教えていただき、それを元に、大学入試試験であったり、そのあとの化学に対応できたわけで。。。本当に懐かしく、うれしかったです。ありがとうございました。
PS.のPS.のPS.のPS. 講義等の合間に、6月のふるさと出前授業でお世話になった今治市立吹揚小学校の高橋校長先生と11月の出前講義についてお話しをできる時間を頂きました。ありがとうございました。実施校のことを含めて、昨今の小中高大での教育問題について、1hrほど、話をする機会を頂きました。ありがとうございました。