【出前講義】愛媛県立今治西高等学校・蛍雪大学・講義「将来の職業観を持って、大学で何を考え、学ぶのか。」、実習「農学部って、どんなところ??」(8/24)
2016年8月25日 (木)
前日の昼までが仙台での「楽しい理科のはなし2016」。渡辺は本件の関係で、午後から失礼したのですが、学生さんの記事にもあったように、午後からも盛会であったと。また、企画・運営をさえていた河北新報社の担当の方から、学生さんの頑張りに対して、お褒めの言葉を頂戴しました。ありがとうございました。というか、学生の皆さん、これをきっかけにさらに、がんばってほしいなと。。。一方で、渡辺は、夕方と言うよりも夜に愛媛・今治に。仙台も台風一過でずいぶん暑かったですが、西日本の暑さは、尋常ではないものが。。。地球温暖化でしょうか。ただ、この記事を書いている金曜日のNatureに産業革命以前に温暖化が。。。渡辺の理解が間違っていなければ。出先なので、詳細を見ることはできないので。。いずれ、ずいぶん前から、何かが起きていたのだろうと。。何により、日本近海をうろうろしている台風10号がずいぶん発達しているのを見ると、海水面の温度上昇もかなりなのだろうと。。。来週、また、台風となれば。。。今度こそ、温室の対応をしないと。。。
ずいぶん、前置きが長くなりました。去年に続いて、母校・愛媛県立今治西高等学校での出前講義。「蛍雪大学」という卒業生、つまり、渡辺の後輩たちが企画・運営する出前講義。事前に打ち合わせなども行っており、たいした準備力だと。。今年も感動させてもらいました。当日は、7:50に集合。最近、少し朝が早くなったのですが、それでも、実験に使う花などを持っての移動は、ちょっとしたトラブルもありましたが、何とか時間に間に合って。。。講義の最初に、高校サイドから本企画へのお礼の言葉。今まで、数多くの高校へ出前講義に伺っていますが、卒業生が自主的に企画・運営するというのは、きわめて、稀。というか、ここだけだと思います。また、参加される大学生も大学、学部、学科など多様性に飛んでおり、話を聞く高校生側にとっても、自分自身に近いロールモデルを探すことができたのではないかと思います。
1コマ目は、高校生に向けてのメッセージというか、講義。50minを2名で担当。農学部に進学した学生さんがいないことから、前半を担当してくれたのは、愛媛大・医学部の学生さん。細かな情報がわからなかったのですが、最初の準備の時に話をしていたら、渡辺の直系の後輩。つまり、桜井小学校、桜井中学校、今治西高。。。そのあとは、渡辺は「赤い血」が苦手で。。。植物をやっているわけですが。そうそう、愛媛大・医学部には、渡辺の今西同期の日浅教授がおられ、不思議なご縁だなと。。で、肝心のプレゼン。感動でしたね。こちらが、普段、出前講義で高校生に向けて話をしているメッセージがたくさんあって。。。渡辺よりも素晴らしい後輩だと。偏差値で志望校を決めないでしっかりとした将来性を持つこと、大学進学後にちょっと違ったと思っても真剣に取り組んでみること、あと、座右の銘。渡辺は日本語のパターンですが、英語で「Human life is one page. There is no another page.」と。。。
後半の渡辺の所では、子供の頃の原体験の重要性。先日も今西の先輩である村上校長先生が仙台市教育センターでの研修で言われていたこと。感動だったのは、意外と多くの方が学校の行き帰りに寄り道をしたり、道草をしていたこと。その体験が将来、きっと活きてきますので。そんな渡辺の子供時代、なぜ、「科学者」という言葉にあこがれた、というかかっこいいと思ったのか。。。当時のテレビアニメと言うか、そうしたものに出てくる「科学者」、「博士」のすごさ、かっこよさ。その当たりは、当日の開場を統括いただいた生物の中川先生が詳しいところ。時間の関係で、コメントを頂くことができなかったですが、渡辺の講義を聴いて不明な方は、是非、中川先生から話を聞いてみて下さい。あと、高校時代に大事にしてほしいのは「数学」で考えると言うこと。公式を覚えて解くというのではなくて、いろいろな考え方をつなげて解くと言うこと。工夫をすると言うこと。よく考えれば、渡辺の子供時代には遊び道具もあまりなく、ないもので何とかする、変わりのものを考えるということをしていたわけです。ものがあふれると言うことはよいことかも知れないですが、その分、「考える」と言う能力をどうやって養成するのか、これからの小中高での教育でのポイントなのかも知れないと。。。。
大学に進学するとき、うまくいかないことも。渡辺もその口で。。。そんな時、渡辺を救ってくれたのが、小学校5, 6年生の担任であった白石先生。よく考えれば、旧制中学時代になりますが、渡辺の大先輩。そんな先輩から「どこもいくところがない訳ではないだろう。それなんだったら、いけるとこで、がんばれば良いではないか。。。」と。そのおかげで、東北大・農学部でがんばろうと思えたし、今があるわけです。また、どんな大学に進学しても、これという師匠に出会えるもの。それを大事にして、今自分のいる場所で最大限にがんばってほしいと。。。もちろん、オリンピックではないですが、目指すなら、世界一を。。。あと、グローバルと言われているけど、AIの力で翻訳機能もかなり進化するだろうと。そう考えれば、母国語でどれだけしっかり考え、文章にすることができるか。座右の銘くらいは。まさに、前半を担当してくれた先輩のように。渡辺は理化学研究所所長・仁科博士の「環境は人を創り、人は環境を創る」を紹介。ぜひ、今の若い世代が、次の日本国をつくってほしいと。。。もちろん、最後は組織論。夢と希望を抱き、努力して、失敗にへこたれないそんな人として活躍して下さいと。
講義に続いての2, 3コマは、「実習型講義」。渡辺の「農学」コースでは、ちょうど、前日に行った「花の解剖」を。前日の夜に花の手配をしたときに、キクの品種の中で、中心部の小花がほとんど残っているものから、ほぼ、小花が花弁に変化したものまでを用意。つまり、品種改良の成果として、「豪華」に見える花が育種されてきたと。。。また、ピーマン、パプリカ、シシトウ、トウガラシは同種(Capsicum annuum L.)。つまり、交雑ができる。では、市販の一見、どれに見えるものかわからないもの。まずは、解剖でしょうが、かじってみる、もちろん、おそるおそる。これが昔の子供のチャレンジ。実際に講義を行う前に、渡辺がかじってみると、色は、確かにトウガラシ、形態的には、微妙。。。では、かじると。。。「しびれました。。、すこしだけ。」。子供時代のチャレンジというだけでなく、こうした食することができるか、そうでないかをはじめて、食べた人たちは、チャレンジしたわけです。何をやるにも、やってみないと。。もちろん、最大限の安全を確保して。。。。こんな設定で、基本、キクの花の解剖と、カーネーション、バラ、リンドウなどもあわせて解剖。並べて、比較することで意外なことがわかったのでは。。。
解剖には基本、ピンセットを用意したのですが、「手」で分解する方も。どの様に並べるかは、前日のイベントと同じように、個性が。やっている方も楽しいですが、それを見ている方も楽しませてもらえます。もうすこし、科学的というか、生物学的、植物学的な要素を加えて、並べてみたらという方もいました。その領域を超えて、古代ギリシア、ローマのように、哲学、芸術の世界との融合を果たしたような作品も。確かに、外国での学位(博士号)のことをPh.D.と言いますが、Doctor of Philosophyというわけで。物事に対する哲学をしっかり持っていると言うことを意図しているのだろうと。科学と哲学の根源は同じなのだろうと。そう考えると、芸術的な作品もありなのかと。。。
また、さきの辛み成分を持った果実。実際にかじってチャレンジした生徒さんは5名くらいだったでしょうか。誰かがやって、辛いことがわかってもやってみることができることも評価できると思います。果実の先端は意外と辛くなくて、種子に近い方が辛いと。痛い目に遭ったり、失敗(今回のは失敗でなくて、チャレンジ)は、これからの高校生活、さらにその先できっと活きてきますので。これに懲りず、チャレンジをたくさんやってみて下さい。
2, 3コマで同じイベントを行ったのですが、それぞれのコマで参加した生徒さんのキャラの違いも。2コマ目に参加してくれた生徒さんは、1コマ目から連続。たとえて言うなら、第1志望が農学。3コマ目に参加してくれた方は、第2志望が農学。と言うイメージがあるからかも知れないのですが。ただ、いずれの参加者も熱心に50min間、あれこれとチャレンジされている姿は、立派なものだと。参加してくれた学年も、1, 2, 3年生。部活動などある中での自主参加。こうしたことに早くからチャレンジしたり、自分自身の進路を決める上でのチャレンジだったり。こちらの理解不足で、ピンセットの数が不足しましたが、改めて、身の回りのものを解剖、分解してみて下さい。ということで、最後は、いつものように世界に向かって情報発信。
午後からは、高校生との進路・受験相談会。1名の方でしたが、受験生の方が、東北大・農学部を受験したいと。渡辺とは少し専門が異なりますが、いわゆる、応用昆虫学を学びたいと。青色光を使った防除法など、おもしろいことにチャレンジしており、新しいことができるのではと。来年度、仙台でお目にかかるのを楽しみにしています。
最後になりましたが、今治西高・山田校長先生、山本教頭先生、村井進路課長、蛍雪大学・佐伯代表をはじめとする関係の先生方、蛍雪大学を支える多くの大学生、大学院生の方々に感謝申し上げます。ありがとうございました。こうした卒業した大学生中心のイベントに渡辺のようなものを加えて頂き、ありがとうございました。若い後輩たちががんばっているのを拝見して、感動でした。是非、今治で長く継承されている、「うしお」、「今治自然科学教室」のように50年を超えるような事業になることを祈念しつつ。。。さらには、このつながりでできたメンバーでのさらなる別の形でのコラボができればと思います。ありがとうございました。
わたなべしるす
PS. 大事なことを忘れていました。渡辺の午前の講義、実習の時、写真撮影、指導、サポートいただいたのは、同じく後輩になる建築家の錦織さま。ちょうど、渡辺が東北大・農学部の助手から岩手大・農学部に異動になるくらいの年に、理学部生物に来られた方。盛岡に異動した関係で、その後を存じ上げてなかったのですが、渡辺が愛媛新聞・日曜版大型コラム「道標 ふるさと伝言」を2012年に連載したのですが、翌年の後任として、担当されたのが錦織さん。不思議なご縁だなと。。。。学部卒のあと、工学部・建築学科に学士入学され、今では独立されて、あちこちの設計を。仙台だけでなく、ふるさと今治のものもあると。ちょうどその関係で、今治にいらっしゃると言うことで、お手伝いを頂いた次第です。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。
PS.のPS. 出前講義の受講生の中に、小学校の時に、渡辺の講義を聴いた方々(国分小学校、日高小学校、今治自然科学教室、常盤小学校)が。ありがたい限りです。また、どこかでお目にかかれるのを楽しみにしております。というか、また、次年度以降もこうした形での再会があることを祈念しつつ。
PS.のPS. 講義のあと、生物担当の先生方と情報交換。次年度に向けてのコラボの話も。よりよい発展ができればと思います。よろしくお願いいたします。また、6月の出前講義でお世話になった西条農高・別府先生も生物の部屋でご一緒でき、秋以降のコラボについての時間を。ありがとうございました。
PS.のPS.のPS.のPS. イベント終了後に企画・運営をされた大学生と交流会。隣の校区だったり、東北大の教官とのコラボを考えておられるとか。。。いずれ、自分自身が何をやりたいのか、ほぼ、明確化されていたのは、こうした企画に参画するだけのことはあるなと。もちろん、あれこれとなやんでおられるかたも。まずは、なにから、と言う順番付けをしてやってみることかと思います。渡辺の方はlabのHPから情報公開をしていますので、コラボできることがあれば、お知らせ下さい。若い方々のよいところは、現状を鑑み、何がよいことなのかを考え、さらによい方向に持っていることだと。。その意味で、現状の問題点を洗い出し、さらなる発展型になるようにと思っております。
PS.のPS.のPS.のPS.のPS. 渡辺がまだ、岩手大にいた当時の2003年、「異業種グループネットワークフォーラム第5回全国大会」と言うイベントが愛媛・今治で開催され、当時の地域連携センターだったでしょうか、センターの教授から出席の依頼を受けて、発表をしたのですが、その時に、小規模農家というか、庭でちょっと作った野菜、果物を出荷・販売するシステムのお話が。話をされたのが、さいさいきて屋・西坂様。今治の言葉というか、「いっつもきてね」と言うお店のネーミング。よくできたシステムで、ネーミングだなと、その当時思っていたのですが、今では、今治市内に拡大しており。。。講義前日に、講義で使った「花」の調達の折、お目にかかりました。ご縁とは、不思議なことだなと。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。というか、また、寄せてもらいます。