東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】今治自然科学教室・特別講義「博士になろう!研究をしてみよう!-東北大・渡辺教授はどのような子ども時代を過ごし、研究者になったのだろうか??-」(3/2)

2013年3月 2日 (土)

 今年度も、出身の愛媛県、今治市では多くの出前講義を行いました。6月には、松山市立小野小学校今治市立日高小学校愛媛県立今治南高等学校愛媛県立松山南高等学校。9月には、愛媛県立西条高等学校愛媛県立今治西高等学校今治市立富田小学校。11月が一番多くて、今治市立今治小学校、今治市立美須賀小学校、今治市立日吉小学校、今治市立城東小学校今治市立立花小学校新居浜市立金子小学校今治市立常盤小学校今治市立吉海小学校愛媛県立伯方高等学校今治市立桜井小学校今治市立国分小学校今治市立上朝小学校、今治市立下朝小学校今治市立乃万小学校愛媛県立今治西高等学校。11月には、FMラヂオバリバリにも出演しました。

 そんな愛媛、今治での今年度最後の2つの出前講義は、1つが、この今治自然科学教室。翌日には、今治市PTA連合会研修会。今治自然科学教室での講義は、2年ぶり。前回は、2011年3月5日でした。あの、2011.03.11の1 week前。。。あのときに講義をしながら、そのようなことが起きるとは。。。また、昨年は、愛媛新聞の道標にコラムを書き、この今治自然科学教室、今治市の理科教育のことを書かせて頂きました。何より、自分自身が、小学校の時に、この活動に参加していて、今も、連綿と続いているというのが、うれしい限りですし、そうした後輩たちの前で、講義ができると言うことも。50年以上の歴史があり、今回が571回目になると。。

DSCN5754.JPG 最初に、会長の竹内先生から。昨年の今治市立立花小学校でもお世話になった校長先生。すごくぴしっとしていて、渡辺が小学校、1, 2年生だった時の、越智先生ととても感じがよく似ていて、その当時、怒られると、後ろとか、廊下に立たされたりしたのを、今でも思い出します。なので、こうした「ぴしっと」したのを聞くと思い出すとともに、気合いをもらえるのもありがたいです。今年度の活動内容について、簡単な紹介があり、サンプリングしたものから、虫が。。よくあることと思いながら、最近は、木の実、ドングリなどを集めることはないなと。。。懐かしかったです。このあと、今治市教育委員会からいつもであれば、教育長の方から挨拶なのですが、所用でいらっしゃれないことから、越智次長様から挨拶がありました(前2回、参加したときには、教育長の方がお話し頂いたのは、感動だったのを覚えています。)。その中で、渡辺の出前講義のことを紹介頂いたり、「蘖(ひこばえ)」という文字について。学部の3年生の作物学の時間にイネが株を増やすときに、「分げつ」するというのを習いました。要するに、腋芽が横に広がると言うことなのですが。これを漢字で書くと、「分蘖」と書くというのを、当時の、教授から習ったのを思い出しながら、話を聞かせて頂きました。

 前半は、今年度、どの様な活動をしたのかという、1年間のまとめ。毎月の活動について、。。ハマダイコンがあるというのは、自分のふるさとでありながら、知らずにいました。また、いつか、現地を観察したいと。岩石の収集をしたようで、そういえば、学研の科学と学習の中に、鉱物サンプルが付録であったのを思い出しました。風を使った実験というのもあったそうで、風力発電との関係も学習したようでした。最近の科学も取り上げているのは、自然科学教室も進化しているのを実感しました。なにより、どの小学校の発表も、とてもしっかりしていたのが、感動でした。

DSCN5722.JPG さて、講義の内容は、今治で子供時代を過ごして、どの様にして、今のように研究をするようになったのか。自然豊かな愛媛、今治。そんな中で、虫を捕まえたり、花をむしったり、そうした自然に多くふれあったことが、今になって大きな力になっていると。また、昔は今のようにコンピューターとか、そうしたものがなかったので、あれこれと考えるという習慣があったのかもしれません。今なら、寒ければ、酸素とふれあうことで発熱する、「ほっかいろ」のようなものがありますが、当時はなくて、ゴミ捨て場にあった、ビンビール、ジュースの王冠をくつの裏で引きずって、アスファルトとの間で、摩擦を発生させて、それを握ると熱かったり。。。いろいろな小学校時代を思い出しました。つまり、いろいろなことに対して、マニュアルではなく、考えると言うこと。普段の学校の勉強では、理科でも小学校だと、覚えることがほとんど。自分もそうだったと思いました。でも、自然の中に出れば、なぜなのかなとか、不思議だなと思って、考えること、それがとても大切だと。自然がたくさんある訳で、その自然の不思議さを考えるところから始めれば、きっと、いろいろなことを考える習慣になるのではと。。。

DSCN5715.JPG ここで出会った子供たちが大学生になるのは、6年後、大学院生になるにしても、10年後。まだ、渡辺は研究をしています。学位を出すには、そのあと、6年、今のシステムなら、まだ間に合います。そんなことになるのを楽しみにしています。講義の最後は、いつものように、世界に向けて。。。。全体での写真撮影でした。

DSCN5752.JPG 閉会時には、東予教育事務所の原田指導主事様から、冬眠についての研究の第一人者、近藤宣昭先生のご紹介。元は、臓器移植のために、低温での臓器保存をやっていて、それが発展して、冬眠に。なんと、今治の出身で、今治西高校の15級先輩でした。どこかで聞いたことがある名前と思いつつ、昔、お世話役をしていた岩手大の21世紀COEプログラムでの「フォーラム」の中を調べたら、名前を見つけました。第36回(2006年10月27日)で、年周性に冬眠を制御する分子シグナル"冬眠特異的蛋白質(HP)複合体"という話題提供を頂いていました。こんなところでつながっているとは、びっくりでした。この26回の時は、何かの用事で参加できなかったのだけ、思い出しました。最後に、副会長の松本先生から、この今治の自然科学教室が、研究をしたり、考えたりする基礎になっていると。また、この世代からも、研究者になってほしいと。ぜひにと、こちらも思った次第でした。

 最後になりましたが、本発表会でお世話になりました、本会会長の竹内先生をはじめとする多くの方々に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。ぜひ、こうした活動に、また、ご協力できれば、幸いです。


 わたなべしるす

 PS. 会が始まる直前に、渡辺が小学校5, 6年生の時に、担任をして頂いた白石先生のお孫さんとお会いできました。先生が亡くなられて、どれくらいたったのか。。。愛媛新聞の12月のコラムにもお世話になったことを書きました。この自然科学教室に参加していたのも、6年生の時。その当時のことを思い出して、。。。。心にこみ上げるものがあり、。。 講義だけでなく、こうした出会いがあったのも、何かのご縁だと。本当にありがとうございました。

 PS.のPS. 講義のあと、今治市内のいろいろな小学校の先生方と交流ができ、次年度以降、また、幅の広がった出前講義が展開できるのではと、今から楽しみになってきました。

 PS.のPS.のPS. 昨日、3/1は、生命科学研究科の旧農研、旧遺伝生態研時代からお世話になっていた、ゲノムの佐藤先生の最終講義(イネ遺伝資源探索の旅)でした。渡辺はこの出前講義の前日、別の打合せがあり、拝聴できませんでしたが。。。これから遺伝資源は重要だと。。。常々思っていたのですが。また、いつかゆっくりお話しできればと。ありがとうございました。

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