立命館大の石水先生との共同研究を始めたのは・・・。ずいぶん前になりましたが、こちらで至らないことが多く、ようやく形にできました。希土類金属はrear earth金属ともいわれ、半導体などで重要な金属。そんな金属イオンに植物の生長を促す効果があるということになり、あれこれのトライを行い、低照度状況の植物の生育を回復できる効果を発見。発表まで長くかかったのですが、辛抱強くコラボ頂いた石水先生に感謝です。これからもお世話になります。
で、肝腎の論文は「Iguchi et al. (2023) Lanthanum supplementation alleviates tomato root growth suppression under low light stress. Plants 12: 2663.」。pdfはオープンアクセスになっています。是非、ご一読頂ければ、幸いです。
わたなべしるす
【研究成果】低照度状況の生育改善に希土類金属の添加が効果あり「Plants」(8/4)
2023年8月 4日 (金)
【研究成果】ザゼンソウの花粉発達とsuger transporter「Physiol. Plant.」(8/4)
2023年8月 4日 (金)
21st COE、宮崎大、研究室のクロスアポイントメント准教授としてお世話になっている稲葉先生との「ザゼンソウの花粉発達とsuger transporter」についての共同研究結果が論文として発表されました。7月中にはacceptになっていたのですが、こちらが余裕がなくて、websiteの記事になっていませんでした。ご容赦ください。
で、肝腎の論文は「Koyamatsu et al. (2023) Molecular characterization of SrSTP14, a sugar transporter from thermogenic skunk cabbage, and its possible role in the developing pollen. Physiol. Plant. 175: e13957.」。pdfはオープンアクセスになっています。是非、ご一読頂ければ、幸いです。
わたなべしるす
【著書増刷】「エッセンシャル植物生理学-農学系のための基礎-」、第2刷完成!!(6/30)
2023年6月30日 (金)
昨年の10月20日に出版した「エッセンシャル植物生理学-農学系のための基礎-」。それからほぼ8ヶ月の6月15日に、好評につき、増刷となり、第2刷が完成しました。第1刷ができたときと同じように、何か別のことに追われていて、気がついたら月末。慌てて、紀事をuploadと思いまして。 第1刷ができたあと、直接、間接的にいくつかのミスをお知らせ頂き、校正の甘さを実感。数ヶ月たったところで、講談社のHPに正誤表をつけて頂いたのですが、それもお知らせできておらず、失礼しました。これらの修正を含み、修正した第2刷の出版となったのでした。手元の書籍の中には、40年で第31刷という教科書も。40年とはいかないまでも、農学系の植物生理学といえば、この書籍、といわれるように、これからも精進したいと思います。ありがとうございました。よろしくお願いします。
わたなべしるす
【お知らせ】第12回学生懸賞論文募集(クミアイ化学工業)(6/17)
2023年6月17日 (土)
昨日までのジメジメした天気から一転、この週末は仙台も30oCを超えるとか。40年近く前に仙台に来たときより明らかに梅雨の気温が上昇しているような。そんな天候の今日この頃。
で、「クミアイ化学工業株式会社・第12回学生懸賞論文募集」というお知らせを頂きました。今年のテーマは、「『食料と農業の未来』-持続可能な社会を実現させる為に-」。昨今の食糧自給率、SDGsとの関連ではないかと思いますが、持続的な発展のために多様な方策が取り上げられているような。。。学生という立場で自由に語るのは大事なことかと思います。「『食料と農業の未来』-持続可能な社会を実現させる為に-」というテーマで「学生懸賞論文」を募集
・応募資格:大学、大学院、農業大学校、短期大学、専門学校、に在籍する学生(グループによる共同執筆も可)
・応募期間:2023年5月15日~10月31日(当日消印有効)
詳しいことは、募集のHPをご覧ください。
昨年は3人の先生方と「エッセンシャル 植物生理学-農学系のための基礎-」という書籍を出版し、農業がいかに人類の発展というか、食糧問題に寄与してきたのか、改めて理解できたのでした。学生の皆さんも是非、食糧という言葉を振り返って考えてみるのにはよい時期かと。多くの方のチャレンジを楽しみにしています。
わたなべしるす
【研究成果】RBDウィルスが種子伝播をしたり、そうでなかったりするからくり「Arch. Virol.」(4/13)
2023年4月13日 (木)
学生時代、植物病理学の講義の中で、ウィルスは接触であったり、害虫などを通じて伝染することがほとんどで、種子伝播することは極めて稀であると。一度、ウィルスに感染すると、その種子由来の植物はウィルスに感染したままになる訳なので。生殖のステージで何らかの障壁というか、防御するシステムがあるのだろうと。
そんなことを考えたままだったのですが、コロナ禍がスタートする前に、岩手大・農にいた当時、色々なことを議論したり、21-COEプログラムをご一緒した磯貝教授からRBDV(Raspberry bushy dwarf virus)というウィルスは感染した花粉を受粉すると、種子を介して感染すると。。。そんな時、学生の時の講義を思い出して、生殖のところで何が起きているのかをうまく観察できればよいのではと。。。ところが、コロナ禍になり、思うように交流もできず、落ちつて来た昨年から改めて再スタートした共同研究の成果が今回、Archives of Virologyの5月号に論文として掲載(Isogai et al. (2023) Seed transmission of raspberry bushy dwarf virus is inhibited in Nicotiana benthamiana plants by blocking embryo invasion of the virus through the infected embryo sac and endosperm. Arch. Virol. 168: 138.)されました。
普段、花粉と雌ずいの相互作用ですが、植物とウィルスの相互作用からも学ぶことは多いのだと。これからも継続的なコラボになりますように。
わたなべしるす