手元に記録として残してないのですが、日本生化学会のHPを拝見すると、1992年に福岡で開催された第65回の折、当時、大阪大学蛋白質研究所の崎山先生に招待頂き、自家不和合性のセッションで、アブラナ科植物の自家不和合性について、自分がしゃべったのか、共著で師匠であった日向先生がしゃべったのかも忘れていますが、そんなことがあったのを思いだしています。
で、話は変わるわけですが、昨年の4月から日本学術振興会学術システム研究センター・主任研究員を拝命。それに伴い、そういえば、学内向けに3回の科研費セミナーというか、科研費の仕組みについて話していました。このHPから報告してないことに気がついたわけです。2023年7/28(金)には、農学部とDEI推進センター、8/9(水)に生命科学研究科で。
今回のお知らせは学外の「生化若手東北支部」からのお願い。ここで初めて、日本生化学会とJSPSがつながり、「学振セミナー」と題した講演会の3人目の登壇者として、センター・主任研究員という立場で、日本学術振興会特別研究員についてお話しします。zoomでの開催ですので、以下のpdfの情報に従い、参加登録をして下さい。日本生化学会員でなくても参加できると言うことですので。
日時:2024年3月2日(土) 14:00~15:45(予定)
場所:@zoom
(渡辺の講演である第三部は、15:00から30min程度の予定)
↓クリックでポスターのPDF版がダウンロードできます(size=0.47MB)
上にも書いたように、参加登録が必要です。また、定員は100名。〆切は3月1日(金)となっています。不明な点はpdfのお問い合わせ先まで。
わたなべしるす
【お知らせ】生化若手東北支部主催「学振セミナー」第三部で講演予定(3/2 zoom開催、2/15)
2024年2月15日 (木)
【著書増刷】「エッセンシャル植物生理学-農学系のための基礎-」、第3刷完成!!(1/17)
2024年1月17日 (水)
1997年1月17日に起きた「阪神・淡路大震災」から29年。黙祷。
さて、2022年10月20日に出版した「エッセンシャル植物生理学-農学系のための基礎-」。2023年6月15日に第2刷。2024年1月11日に第3刷が完成しました。今回は特に修正はなかったですが、改めて吟味してミスがない書籍にしたいと思います。というか、こんなことを書き忘れていたということがないようにしたいと思います。 まだ手に取ってない方、是非、書店、netなどでご覧頂ければ幸いです。よろしくお願いします。
わたなべしるす
【お知らせ】2024年度 生命科学研究科 説明会「春風学術航路:大学院進学ナビゲート」の日程が確定(1/11)
2024年1月11日 (木)
例年、年始には前年を振り返り、今年の目標などを記すのですが、あれこれとあり、筆がすすで下りません。少しお時間を頂戴します。そんな間に、次年度の生命科学研究科 説明会についてのお知らせを。2023年までは、大学院入試説明会としていましたが、趣を変え、生命科学研究科とはどんなところで、どんな研究をしているのか、大学院入試直前の学部4年生だけでなく広く、1-4年全体に生命科学研究科を公開しようということに。
また、新型コロナも5類になったことから、2019年まで行っていた研究室公開にあわせた「ケーキ会」を復活させたいと思います。ケーキを食べながら、院生、スタッフの方々と話をして、研究室がどのようなところなのか、普段の生活など聞いて頂ける機会を設定します。なお、「ケーキ会」なるものについてのHPの記事が最近ないので、そんなことをしているのかと思うかもしれないですが、ほぼ、月1で行っていますので、楽しみで来られる方、ご心配なく。是非、周りに声をかけてください。 説明会の詳細は、また、このHPからお知らせしますが、5月11日(土)の午前、午後を使って、研究科の説明、ポスターセッション、研究室公開を行います。こちらは対面でのイベントになります。
加えて、その翌週の5月18日(土)にはオンラインで、研究室メンバーと交流する機会を設けます。
これらのイベントへの参加登録などについては、また、詳細が決まり次第、お知らせしますので、時々、HPを見て頂ければと思いますし、多様なルートで説明会についてお知らせしますので、是非、ご参加下さい。 で、渡辺の研究室ではどんなことをやっているのか?まずは渡辺のHPを見て頂ければと思います。ベースは植物の生殖システム、つまり、自殖・他殖、自家不和合性、受粉反応など、生殖の入口の部分を研究しています。数多くの研究室と共同研究をしているのも特徴です。また、遺伝学、生理学、細胞生物学など、多様な手法を駆使して、植物の生殖システムを明らかにすることが研究室の目標です。動くことができない植物が構築した自殖も他殖もできる生殖システムを一緒に解析できるメンバーをお待ちしております。
わたなべしるす
【Podcast番組出演】「#003 自分と他人を見分ける仕組みがカギ? 育種と食糧問題」(12/8, 15, 22追記)
2023年12月 8日 (金)
「Podcast」という言葉を耳にしたことはあっても、「それなに??」という方もいるのでは。インターネットを介した「音声、動画」を聞いたり、見たりすることができるシステムとか。渡辺はパソコン経由ですが、基本はモバイル端末で見聞きすることができるというのが現在の主たる使い方とか。
Podcastという点では、10/12, 17に、FMラヂオバリバリ「わくわく自然科学館」にゲスト出演し、Podcastで現在も聞くことができます。そんなPodcastを公開して、1ヶ月くらいのところで、本部広報からPodcast番組「東北大学の研究第一」への出演をお願いされました。事前打合せのあと、収録でしたが、収録現場には、東北大学広報活動キャラクター「研一」も。広報活動キャラ「研一」、なかなかのナイスなキャラでした。 大学のHPにまとめられていますが、Apple Podcast, Amazon Music, Spotify, YouTubeを通じて聞くことができます。今回のPodcastは「#003 自分と他人を見分ける仕組みがカギ? 育種と食糧問題」という大きなテーマで、3つの話題についてお話しします。今回公開されるのは、
・「#003-1 育種と食糧問題:自分と他人を見分ける仕組みがカギ?」(12/8公開) です。
第1回目の番組のApple Podcast, Amazon Music, Spotify, YouTubeから直接視聴できます。渡辺のしゃべりがよくないのもあり、1回目の公開は40min程度ありますが、途中で諦めることなく、最後まで聞いて頂ければ幸いです。また、来週、再来週の金曜日に、残りの2つの話を公開予定です。公開され次第、このHPからお知らせします。より多くの方々に聞いて頂ければと思いますので。
わたなべしるす
PS. 12/8(金), 17:30. 大学の広報のHP、研究科のHPにも本件についての記事が掲載されました。あわせて、ご覧下さい。また、Podcast、百聞や一見にしかず、是非、聞いて見て下さい!!
PS.のPS. 12/15(金), 15:20. 先週12/8(金)の第一回配信を多くの方に視聴頂き、ありがとうございました。概ねよかったというコメントも頂き、ほっとしております。その続きである、第二回目の配信は
・#003-02 科学への憧れと先生の一言(12/15公開) です。
前回同様に、第二回の番組はApple Podcast, Amazon Music, Spotify, YouTubeから直接視聴できます。
また、大学本部広報、研究科のHPに同様の記事が掲載されています。Podcastを探すことに困った方は、本部広報、研究科のHPからどうぞ。
PS.のPS.のPS. 12/22(金), 17:05. 先週、先々週の第一回、第二回の配信を視聴頂き、ありがとうございました。今週の第三回で終わりとなります。
・#003-03 てのひらサイズの「助手さん」たちとアウトリーチ活動の原動力(12/22公開) です。
前回同様に、第三回の番組のApple Podcast, Amazon Music, Spotify, YouTubeから直接視聴できます。
また、大学本部広報のHPに同様の記事が掲載されています。Podcastを探すことに困った方は、本部広報のHPからどうぞ。
【研究成果】倍数体植物が他殖性から自殖性に進化するメカニズム解明「Nature Commun.」(11/30)
2023年11月30日 (木)
アブラナ属植物に含まれる(B. rapa, B. oleracea, B. nigra, B. napus, B. juncea, B. carinata)のゲノム関係を示した「禹の三角形」。二倍体種であるB. rapa, B. oleracea, B. nigraは自家不和合性。それに対して、それらの2種から構成される複二倍体のB. napus, B. juncea, B. carinataは自家和合性。二倍体であれば、不和合性になる組合せが最大で2つの対立遺伝子。このように倍数性は一般に自殖性。二倍体種は他殖性が多いわけですが、そのメカニズムは不明でした(「禹の三角形」の説明については、エッセンシャル植物生理学などを参考のこと)。 そこで、モデル植物ともいえるArabidopsis属のハクサンハタザオ(二倍体で他殖性)、セイヨウミヤマハタザオ(二倍体で他殖性)、ミヤマハタザオ(複二倍体で自殖性)を材料にして、自家不和合性を制御する雌雄因子(SRKとSP11/SCR)の遺伝子構造、遺伝子発現などを調査し、ミヤマハタザオのSP11/SCR遺伝子発現が抑制されて、自家和合性になっていました。機能型のSP11/SCR遺伝子を導入すると、自家不和合性に復活することでSP11/SCR遺伝子が自家和合性の原因であると証明。ところが、この仕組みでは説明できない系統もあり、その系統はSP11/SCR遺伝子の発現を抑制する低分子RNAが機能することで自家和合性になっていることも証明できました。また、ミヤマハタザオの亜種であるタチスズシロソウ(朝ドラ「らんまん」の牧野富太郎博士が命名)では、低分子RNAが欠失しており、SP11/SCR遺伝子導入で自家不和合性に復帰しました。
このように、花粉側制御因子SP11/SCR遺伝子の発現制御を様々に行うことで、自殖性に深化したのではないかと結論づけられました。この研究成果は、チューリッヒ大、横浜市大、東京大、三重大との共同研究であり、Nature Commun.に英国時間の11月29日に公開されました(Yew et al. (2023) Dominance in self compatibility between subgenomes of allopolyploid Arabidopsis kamchatica shown by transgenic restoration of self incompatibility. Nature Commun. 14: 7618)。Open accessになっていますので、pdfはfree download可能です。引き続き、よい形でのコラボができればと。
わたなべしるす
PS. 本学HPのトップページにプレス発表された資料のpdfがあります。あわせて参考にして下さい。また、研究科のHPにも本件の記事を掲載頂きました。