平成28年度文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究

平成28年度文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究

植物新種誕生原理植物新種誕生原理

Nagoya University Live Imaging Center

研究経過

【プレスリリース】DNAの1塩基の違いをハイスループットに判別できる新技術「PRIMA」を開発(清水グループ:瀬々班)

November 16, 2021 4:16 PM

Category:研究成果

main:瀬々班

当領域瀬々班の横浜市立大学木原生物学研究所 角井宏行 特任助教(研究当時、現 新潟大学 特任助教)、清水健太郎 客員教授(チューリッヒ大学教授兼任)、チューリッヒ大学 山﨑美紗子 博士の研究グループは、DNAの1塩基の違いを電気泳動法により効率的に判別できる新しい手法PRIMA(プリマ, Probe-induced Heteroduplex Mobility Assay)を開発しました(図1)。

 

本手法は、5塩基欠失をもつ40塩基の一本鎖DNAをプローブとして用いることで、従来の電気泳動法では見分けることが難しかったDNAの1塩基というわずかな違いを迅速・簡便・安価に判別できます。1塩基挿入/欠失個体を効率的に判別できるだけでなく、一塩基多型(SNP)を判別できる事例も示し、現在盛んに行われているゲノム編集研究やゲノムDNA研究、遺伝子多型解析をさらに加速させることができると期待されます。

 

20211022-1.jpg

 

 

また、今回の研究成果について、学会賞も受賞しました!

第140回講演会日本育種学会優秀発表賞

講演番号313
DNAの1塩基差を迅速・簡便に判別できるPRIMA (Probe-induced heteroduplex mobility assay)法の開発
☆角井 宏行1,2, 山﨑 美紗子1, 清水 健太郎1,2 (1チューリヒ大・進化生物環境研, 2横浜市大・木原生研)

https://www.nacos.com/jsb/07/07prize_2021.html

 

 

プレスリリース詳細はこちら

https://www.yokohama-cu.ac.jp/news/2021/20211022kakui.html

 

<発表論文>

タイトル: PRIMA: a rapid and cost-effective genotyping method to detect single-nucleotide differences using probe-induced heteroduplexes
著者: Hiroyuki Kakui, Misako Yamazaki, Kentaro K. Shimizu
掲載雑誌: Scientific Reports
DOI: https://doi.org/10.1038/s41598-021-99641-x

Plant and Cell Physiology特集号を編纂しました!

September 27, 2021 8:46 AM

Category:研究成果

main:東山班

当領域の成果の集大成として、Plant and Cell Physiology特集号を編纂しました。

 

領域代表 東山教授のEditorial Issue(巻頭言)が公開されていますので、ぜひご覧ください。

https://academic.oup.com/pcp/advance-article/doi/10.1093/pcp/pcab133/6369135

【アウトリーチ活動】東京大学 高校生のための冬休み講座2020 「種の壁を超える」 東山哲也教授

September 27, 2021 8:35 AM

Category:アウトリーチ活動

main:東山班

東京大学理学部「高校生のための冬休み講座2020 Online」にて、領域代表の東山教授の講義が公開されています。

 

種の壁のしくみを理解し、打破することで理解の実証を目指す当領域の研究を紹介しています。

ぜひご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=R5Bwn-dj6xA

領域代表 東山先生の記事が、朝日新聞「論座」に掲載されました!

September 27, 2021 8:26 AM

Category:新聞発表・メディア報道

main:東山班

本領域の成果に関する東山先生の記事が、朝日新聞「論座」に掲載されました。

 

植物の受精の謎の解明や異種間交雑を起こす道筋などについて分かりやすく発信しています。

ぜひ、ご覧ください。

https://webronza.asahi.com/science/articles/2021092200001.html

【プレスリリース】繰り返す猛暑に植物が適応する仕組みを発見(伊藤班)

June 11, 2021 3:24 PM

Category:研究成果

main:伊藤班

 奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科バイオサイエンス領域の山口暢俊助教・伊藤寿朗教授(公募研究)の研究グループは、東京大学、龍谷大学、九州大学との共同研究により、DNAを巻き取っているヒストンというタンパク質にメチル基が結合(メチル化)することで、熱ショックタンパク質の遺伝子の発現を抑制しており、高温になるとメチル化が除去されて、その遺伝子が活性化されるという生体防御の機構が働きはじめ、さらに気温が下がった後もその状態がしばらくの間、維持されることを突き止めました(図)。熱ショックタンパク質の遺伝子の発現が抑制されないままなので、連日のように訪れる高温の刺激に速やかに応答できることも明らかにし、植物が繰り返しやってくる高温の刺激に適応した上で、あらかじめ次の高温刺激に備えておくという巧妙な生体防御の仕組みを世界に先駆けて明らかにしました。 

 

2.png

 繰り返される高温に応答したヒストン修飾の変化
(a)高温の刺激がない場合、H3K27me3がついている
(b)高温の刺激がある場合、JMJがH3K27me3を除去した状態を維持する

 

さらに日本各地の温度条件に応答した遺伝子の発現の状態を数理的なシミュレーション(模擬実験)で予測し、人工的に操作して高温耐性を付与することにも成功しました。

 

植物の生き残り戦略を知るとともに、植物に対する気候変動の影響を軽減するための対策を講じていくうえでも非常に重要な成果で、2021年6月9日付け「Nature Communications(ネイチャーコミュニケーションズ)」(オンラインジャーナル)に掲載されました。

  

◆プレスリリース詳細はこちら→奈良先端科学技術大学院大学のHPへ

 

<発表論文>

H3K27me3 demethylases alter HSP22 and HSP17.6C expression in response to recurring heat in Arabidopsis

Nobutoshi Yamaguchi, Satoshi Matsubara, Kaori Yoshimizu, Motohide Seki, Kouta Hamada, Mari Kamitani, Yuko Kurita, Yasuyuki Nomura, Kota Nagashima, Soichi Inagaki, Takamasa Suzuki, Eng-SengGan, Taiko To, Tetsuji Kakutani, Atsushi J. Nagano, Akiko Satake, Toshiro Ito

Nature Communications DOI:10.1038/s41467-021-23766-w

研究経過Top 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11