東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

中間発表です。(農:岡田和花)

2017年11月24日 (金)

 画像にあるのは私が今まで育ててきたレッドキャベツスプラウト(上)と茎ブロッコリー(左下)、ミニニンジン(右下)です。

 さて、中間発表です。こちらの内容にそって今回は書いていきます。また本文中のオレンジ色の文字はすべてここからの引用です。


中間発表
(1) この展開ゼミを通じて、植物の発芽、生長を観察し、どの様なことが一番驚くべきことであったか。できれば、撮影はしてあったけど、掲載していない写真等を使いながら、説明をして下さい。また、苦労した方は、普段、食している野菜に対する感覚がどのように変化したかも、併記して下さい。

 全体を通して驚いたことは、植物が意外と強くできていて、意外と弱い生き物だということです。

 意外と強いところというのは、例えば、猫被害のあったミニニンジンと若いうちに植え替えをしてしまった茎ブロッコリー、どちらもいまだたくましく生きていらっしゃることとかです。根に大なり小なり傷をつけてしまったのは植物にとって結構重大な被害だったと思うし、何かしら生育に問題が出てきてもおかしくないなぁと思っていたのですが、今のところ病気っぽいミニニンジン一株以外は全くの元気です。生命の力強さを感じますね...。

 育てる前は、「植物は完璧な環境で、極力外敵を減らさないと全くうまく育たない!初心者はうまくいかなくて当たり前!」みたいな偏見があったんですが、実際に栽培してみると文字通り、思ったより強かったです。さすが現代まで子孫を残せてきた種族。

***

 20171124okadawaka1.jpeg

 また、今までの更新で報告してなかったのですが、ミニニンジンの種子で発芽してなかったものをずーーーっとシャーレに放置していたところ、(片づけてなかっただけなんですけどね)この間発芽しているのを発見しました。写真は発見時、11月18日のものです。
 いつ発芽したのかは観察をやめてしまっていたのでわからないのですが、水をシャーレにいれてから、私が見捨てた後も長い間じっくり水を吸って力強く生えてきたことがわかります。本当にびっくりしました。もう植えるところも置くところもなかったので再び見殺しになったんですけどね。ごめんね...。

***


 次に、私が感じた植物の意外と弱いところについて。

 栽培を通して、私は植物って、案外簡単に死ぬなぁと思いました。鉢植えされた植物は私が水をやらなければしおれて死んでしまうし、日当たりも考えなければ徒長して茎が折れてしまったり、うまく大きくならなかったり...。環境が悪ければうまく成長しないのは当たり前の事なんですけどね。
 でも、動物の私からすると、身の回りに水分がないだけで死んだり、生まれた場所の日当たりが悪くなりすぎると死んだり(猫に襲われても逃げられなくて死んだり)してしまうというのは本当にかよわいと思います。

 今はまだ大丈夫ですが、寒さでやられてしまうこともありえますね。人間は自分でたくさん服着て暖房付けて、生きていくのに最適な環境にできるけれど、植物はそうもいかないし。過干渉も有難迷惑でしょうが、うまくお世話していきたいです。


 総合すると、植物と動物の間で生きていくのに必要不可欠なファクターというものがだいぶ違うのだということが、当たり前の事なんですがびっくりしました。

 書いてから気が付いたんですが、内容の方向性が昨年の田阪さんと被ってますね...。

***


 あと余談なのですが、私はいつもスーパーで売られているような、農家の方が作っている野菜の農薬について、育てるためには仕方ないと思うのであまり気にしないのですが、自分で作ってる野菜に農薬を使用してそれを食べるということを考えると、なんだかちょっと恐ろしいと感じました。こういう気持ちになったのは自分でも少し驚きです。薬を使っていることを目の前で見てしまうと直接農薬を飲んでるみたいな気持ちになるのだと思います。
 あまり薬は使いたくないなぁ...。



(2) 渡辺からのコメントにもずいぶん書きましたが、自分の記事をuploadすることに満足せず、他の受講生の方の投稿記事、去年までの受講生の記事を参考にしてほしいと言うことを記しました。そのことを踏まえて、自分の記事を含めて、誰の記事が参考になった、あるいは、なるほどということをに気がつかされたということを記して下さい。その時、いつの誰の記事というのをlinkを入れて、わかるようにして下さい。linkを入れるのは、これから栽培する方々が参考にすると言うことを考えて。。

2017-10-15:工:田村秀人さん:不慮の事故
 不慮の事故はほんとに不慮の事故で自分も気を付けよう...となったのですが、それだけでなくその後の根の観察も参考になりました。私もは芽がこのくらいの大きさの時に植え替えをすることにしたので、鉢から芽を取り出すときにこの辺までは根があるぞという心構えになりました。よっぽどのことがないと根の様子を見ることはできないと思うので、この記事は貴重だと思います。

2017-10-17:農:菅原ののさん:[2]播種と発芽そして子葉
 菅原さんは書式がきれいで読みやすいです。最初に目次がついているのも内容を把握しやすいし、観察の中で、日付などの観察条件だけオレンジで統一されているので条件の記録と観察内容の本文の違いが分かりやすくすっきりしています。この読みやすさを見習っていきたいです...。

2017-10-19:文:中里早希さん:ホウレンソウとミニダイコンの徒長問題
 徒長は私も苦しみました。徒長は去年も起こっていたようですし、結構みんながぶち当たる問題なような気がします。中里さんは、徒長対策として芽を紙の輪で支えることをしていました。私も芽が倒れそうで心配だったのですが中里さんのような紙を丸めて筒を作り、それで支えるという支え方は思いつきませんでした。すごい。

2017-10-29:農:平澤花織さん:豆苗の収穫(2回目)とハクサイ・ミズナの間引き
 平澤さんが育てた豆苗と売られている豆苗の比較がしてあるのが驚きました。同じ「豆苗」というカテゴリでも違いがあることがわかりやすく書かれていて参考になりました。私が育てているレッドキャベツスプラウトはまだ売られているところに遭遇できていないのですが、見つけたら同じように観察してみたいです。


(3) 渡辺だけでなく、研究室のスタッフからも色々なコメントをしました。そのコメントで、どの様な気づきがあり、また、その後の野菜栽培に参考になったかと言うことについて、数個の記事を選んで、どの様に参考になったのか、(2)と同様に記して下さい。なお、こちらからのコメントでなくて、外部のHPの方が、より参考になったという場合は、その記事のことを簡単に記して、同様にlinkを入れて、説明して下さい。

2017-11-6:宮一高:直江彩花さん:栽培の様子:春菊と豆苗の成長④
 写真のどこに注目してほしいか表すのに、赤丸を使用すればよいということを初めて知りました。今まで矢印で書いていたのですが、範囲をしめすならこっちのほうが確かにわかりやすいなと。これからこの直江さんのように写真をうまく使っていきたいです。

2017-11-11:教:阿部美里さん:ハツカダイコンの植え替え(36日目)
 2017-11-12:工:井野塲遼馬さん:本葉の成長とスプラウト栽培のスタート
 阿部さんへの「子葉が黄色くなるのは、仕方ないのですが、できるだけ緑に保つ。つまり、黄色くなり始めたら、施肥をすると」いうコメントと井野塲さんへの「できるだけ、子葉は枯らさないように、栽培して下さい。子葉は植物体が持っている最後のエネルギーの袋みたいなものですので。」というコメント。子葉が植物体に対してこんなに大切な役割を持っているとは知りませんでした。発芽直後に頑張っているだけのものかと...。これからは子葉を大切に、丁寧に観察しようと思いました。

2017-11-15:教:井上千晴:ミニハクサイをごっそり移植
 私は水耕栽培というものが実際にどういうものなのか、またどうなっていくものなのか全く知識がないので、井上さんの水耕栽培がとても楽しみです。こちらのコメントに「水耕栽培、水面を下げて株元1/3の部分を空中に出して下さい! 根は呼吸するものです。」という記述がありました。根が呼吸するということ、いままであまり意識していませんでした。言われてみれば確かに土や鉢の説明をしていただいたときに通気性の話があったなと思います。土の中にも酸素があって、それが呼吸に使われているということにはっとさせられました。


(2)と(3)を兼ねるものもあったので別枠で紹介します。


2016-10-12:農:開田有紗さん:のびるのびる、打倒徒長!
 こちらも徒長関連なのですが、開田さんが徒長対策のためデスクライトで光を足した時の観察が書かれています。デスクライト使用前と使用後が比較されていて光の重要性がよくわかります。デスクライト使用というアイデアもすごいと思いました。また、こちらのコメントの屋外の光(太陽光)と屋内の光(デスクライトなど)の光の強さの違いや、光は光量だけでなくスペクトルや日長も大事だというヒントが書かれており、日光の偉大さを考えさせられました。

2016-11-17:工:鈴木大貴さん:[39日目]バルコニー "楽園"化計画 始動!!
 鈴木さんが作成した簡易的な温室と日光を集めるための反射板を紹介している記事です。寒さ対策に家の中か屋外かの選択肢しかなかったのですが手作り温室という新しい選択。猫対策にもなりそう、と参考になりました。また反射板についても、私も隣の家との配置の関係で短い日照がさらに短くなってしまっているのでこれも参考になりました。ぜひやってみたいです。またこの記事のコメントの部分にこの鈴木さんの温室の良い点と改良できる点が書かれており、今後の作成の参考になりました。



(4) 最後に、以上の(1)~(3)を踏まえて、残りの展開ゼミの講義を続けるに当たり、どの様なことに注意して、また、何を目標として、この展開ゼミの講義から何を学び、記事にしたいかを記して下さい。

 大きなものとして、まず、「いままで学んできたことをどれだけ実際に感じることができるか。」ということに注目したいです。私は高校で生物を学んできて、教科書的な植物の生態や特徴は学んできましたが、実際にそれを目の当たりにしたり、何かに役立てたりできたことは今までありませんでした。前半を終えて、光と植物の関係だったり、水の重要性だったり、肥料と根の浸透圧の事だったり、今まで学んできたことが目の前に迫ってきてすごくわくわくしました。実際に植物を育てて、毎日観察することは(祝物系のコースや研究に携われば別かもしれませんが)もうあまりないと思うので、この機会にできるだけわくわくしたいですし、そういう発見を記事にしたいと思います。
 あと、観察の基本を身に着けることを頑張りたいです。今までの観察やいただいたコメントを通して、人に何が言いたいのか伝えるための写真の撮り方や記録の撮り方はなかなかコツが必要なのだなと思いました。家でやってネットで報告するスタイルだからこそ見ている人にしっかり伝わるような観察が重要なのだと思います。将来的にも必要なことだと思うので、まだまだ未熟ですが自分の投稿を振り返って改良し、他の人の良い観察も見習って確実にこの力をつけていきたいです。
 あ、それから最近少しできるようになったのですがブラインドタッチも頑張りたいです。

***

 目標ということで、第一回更新の時にたてた目標を少し振り返ってみると、


・HP更新を挫折しない
 (HPの更新を放り投げない、内容の改善や工夫をする努力)
・作物の管理の徹底
・栽培に必要な情報収集
 (下調べ)


とありました。更新頻度は週一でここまでできているのでまぁ良しとして、内容の改善や工夫の辺りは目標があまり変わってないですね。少し具体的な目標には変わりましたが。それから管理の徹底。うーん猫にやられたりスプラウトしおれさせたりしたのでこれは後半も頑張らねば...。そして情報収集。これはほかの人の記事を読んでいくことがかなり良いということがわかりました。続けていきたいです。


 第一回更新に書いたものと比べると、前半のこの期間でかなり目標がブラッシュアップされた気がしますね。実際に行動してみて何か変わったのだと思います。たぶん。展開ゼミ後半は今回新しく見えてきたものと、第一回更新の時のもの、両方の目標をもって頑張っていきたいです。



 ああ...結局締め切りギリギリ...。まぁ書きたいことは書けたので...うん...。
 中間報告はこのくらいで!

コメント

農学部・岡田さん

 こんばんは、遺伝の渡辺でございます。ずいぶん、たくさんの記事を書きましたね。5,000も字を超えていました。古い記事からみているので、厳密ではないですが、最長だと思います。全体にも流れがあり、おもしろく読めました。植物と動物の比較。難しいですね。それぞれの生き様というか、生き方なので。工夫はありますから。分散型の対応か、集中型の対応か。植物と動物で。脳みそを考えたとき、そんな風になりますね。植物は脳みそはないですが、情報物質とその受容体(リガンドとレセプター)というが対応すると思います。あと、農薬のことを書いてあったので、少しだけ書いておきます。これは渡辺が、農学部の3年生の時に、農薬学だったと思います。植物病理学と昆虫学(当時は、害虫学でしたが。。。)の先生方からの講義で、講義をされたのは、病理の江原先生だったと思います。農薬をどう使うか、確かに、色々な考え方はあるけど、植物も何もしないわけではなくて、「ファイトアレキシン」という病原体に対して、抵抗性を示す物質を作ると。で、これが自然界で分解されるのは、かなりの時間だったか、その類いのことがかかると。一方、農薬は自然界で分解されるまでの時間は調べられていて、。。つまり、農薬を処理して、病害虫がいない方がよいのか、かじられた葉っぱから、ファイトアレキシンがある方が、よいのか。。。もちろん、それぞれの考え方もあると思いますが、植物も考えているという行ったんだと思います。もちろん、人間も農薬で助けているわけですが。。。今の農学部の教員がそんなことを講義するのか、分からないですが。。。

 出先で記事にコメントを書いているので、これまでの情報などがすぐに出てこないのですが、見せ方という点ではよくできていると思います。うまく色を違えて、それが反対色になっているとか。オレンジと緑ですが。バランスがよいですね。さらに、他の受講生、過去の受講生のやり方を取り入れて、version upして下さい。子葉は、意外と知られてないようですね。もちろん、普通の農家の栽培では、子葉は枯れると思います。でも、枯れないようにした方が、渡辺の場合はたくさんの花を咲かせてくれる、そんな管理になっていることから、できるだけ、子葉が持ちこたえるようにします。もちろん、花が咲く頃には子葉はなくなっていますが。。

 高校で学んだ「生物」をこの展開ゼミでの植物の栽培で実感できているというのが、感動です。是非、残り半分の期間でも、新しい発見をして下さい。そうそう、ブラインドタッチができるようになったのはよいことですね。慣れてくると、頭で考えたことをそのまま、文章にできるので、文章力は向上すると思います。是非、さらなるversion upをして下さい。半分の講義を終えて、目標が先鋭化できたことはよいことだと思います。情報収集を怠らず、さらに、おもしろい記事を楽しみにしておりますので。


 わたなべしるす