平成最後の天皇誕生日による休日。朝のニュースを見ていて、陛下の言葉で「言葉に詰まる」というか、「声を震わせて」いたのが、印象的であった。改めて全文を拝見すると、昭和、平成を生きてこられた思いというような簡単な言葉では言い表せないものを見たように思った。そんな「平成」の大半の期間、タイトルホルダーであった羽生竜王が失冠し、27年ぶりに無冠となった。その間、七冠全制覇した時の感動も忘れられないが、こうして羽生九段という「無冠」になったのは、ある意味、信じがたい。同世代を真正面からの激闘、渾身の一手で凌駕してきたが、若い世代がAIなどを駆使してきたところで、難しさがあったのだろうか。もちろん、こうした世代間のトップが拮抗している状態からどうやって、勝ち抜くのか、そこには、大山十五世名人という先達の歴史から学ぶところはあるのだろう。また、故米長会長の言葉に、「大切なのは負けた後」という言葉も。。。と、将棋の話であるが、自分自身に翻って考えたとき、27年前、渡辺が日向研の助手になった年。渡辺が教育研究をしている間、羽生九段は、ずっと将棋界のtopにいたわけである。自分はどうであろうか。力不足で苦難の時代もあったし、少しずつかもしれないが、植物科学に貢献できた時代もあったのかも知れない。羽生九段のような七冠全制覇というような凄みはないが、植物科学の神髄を究めることの達成が重要なのであろう。 将棋には「定石」という常識がある。研究でも、ここではこんなことをするという「決まり事」は存在する。ただ、意外と常識の本質というか、なるほどという「からくり」というか、そんなことを知らないことも多い。そんなポイントを突いた「テレビ」もある。なるほどと思う反面、意外なことで、「へーーー」と思うことも。もちろん、将棋の定跡もAIなどとのコラボによって、これまで検討されなかったことが検討され、伝家の宝刀では通用しないことも起きつつある。研究でも同じように「異分野融合」で、AIなどとのコラボが重要なのであろう。ただ、常識は常識として、対応しないと、とんでもないことが起きることもある。一端傾きかけたものを元に戻すことは容易ではない。子供時代、今治・桜井海岸の白砂青松を維持するために、薬剤散布があったり、ということを考えると、少しでもはやい対応を期待したい。
こうした27年間とは異なるfieldであるが、25年間のスポーツを振り返った記事も見つけた。何を持って「進化」とするのか。。確かにtopクラスを維持するための研鑽は大変なものがある。また、スポーツ界であれば、目指せ、2020というか、東京オリンピックのようなものがある。翻って、渡辺そんなものがあるのか。。。あるとしたら、残り12年と言うことかもしれない。残りの12年で、師匠である日向先生の系譜を継承し、乾坤一擲の奥義を究めることが大事なのであろう。なにより、師匠を超えるのは、弟子の務めだから。。。この思いをこれからの序曲とすることが大事なのだろう。そんなことを考えた平成最後の天皇誕生日であった。
わたなべしする
PS. 今日の仙台では、沿岸部の歴史のこと、トラブルのことなど。。。沿岸部に色々とあったようですが、回復を祈るばかりです。。。
勝敗、常識、序曲(12/23)
2018年12月23日 (日)
【アウトリーチ活動】米沢興譲館高等学校・SSH異分野融合サイエンス(12/13)
2018年12月18日 (火)
11月はかなり気温が高めに推移したような。。。ところが、ここに来て、寒さが。。。そんなことを書きかけて、。。土曜日が科学者の卵養成講座の統括。月曜から韓国出張(詳細は、また、後ほど。)で、その準備などで。すっかり、遅くなったのですが。。。仙台は、寒くなったとはいえ、ほとんど、雪はなくなり。。。そんな中、山形県立米沢興譲館高等学校への出前講義。仙台から比べると、道中、それなりの雪でしたが、例年よりは少ないのだろうと。こちらが伺った日には、きちんとアスファルトも見えていて。。。
12/13(木): 米沢興譲館高等学校・SSH異分野融合サイエンス
今年度は、米沢興譲館高校に4回目。「バイオ産業科学と社会課題」というお題。2回の講義で1つのunitになるような仕掛け。なので、前回の3回目である、10月18日の続きのversion。前回が果実の観察と自家不和合性。今回が、自然科学の歴史を振り返って、それが結果として何をもたらしたのか。また、渡辺の歴史である「キャリア」で何を考え、どう生きてきたのかと言うこと。ある種の生き方のサンプル提供。 2回目の講義と同じように、「史料室」の見学からスタート。史料室の中、前回と少しばかり、模様替えしたような。。。前回のものと、完全に比較できなかったですが、米沢興譲館高校の江戸時代からスタートした歴史、それにまつわった人々を少しばかり理解できたのでは。。。何より、皆さんが今後、新たな歴史を作ってほしいと。。。
見学のあとに、講義。前半が、これという科学がもたらした歴史的な意義。もし、それがなかったら、それの使い方を考えていたら。。。歴史に「if」はないのですが、歴史を学ぶと言うことは、先人の成功・失敗を学び、自分であれば、どうするのかということを考えてほしいと。そんなことが、歴史の陰にあったのかというのを、実感できたのでは。是非、そんなことを考えながら、課題研究等に取り組んでほしいなと。
最後は、渡辺の歴史。以外と色々なことを考えていたと思ってもらえたのでは。考えることは、何より大事なことですから。最後に集合写真を撮るのを失念。。。慌てると、すぐに忘れてしまうような年になったのか。申し訳ありません。そうそう、講義の最後に、代表の方からしっかりとした挨拶を。前回、今回の講義の本質を理解してくれていたと思います。奏したことを考えながら、これからもがんばって下さい。
講義が始まるまでの少しの時間、横戸校長先生、熊坂先生と今回の講義企画についての議論をする時間を頂きました。ありがとうございました。現状の高校教育をより深く理解でき、情報交換の時間でした。このことを、次年度の企画に活かしたいと思います。最後になりましたが、今回の4回の企画を頂戴しました、今崎先生、熊坂先生をはじめとする関係の先生方にこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。また、次年度も何らかの形で、コラボできればと思います。
わたなべしるす
PS. 講義のあと、鉛筆を鉛筆削りでなくて、カッターナイフで削ると言うこと。左右の手のバランス。どうしたら、そんなことができるのか。今となっては、小学校では、そんなことをしないのだと。。。だったら、このSSHでやってみる。自分で鉛筆を削ることを、科学的に考えるというのは、とてもよいことではないかと。日本人が手先が器用と言われていたことも大事な歴史なので、それを継承することも大事なことだろうと。とても参考になりました。ありがとうございました。
平成最後の...忘年会
2018年12月 9日 (日)
M2の引地です。この前まで猛暑の夏だったのに、あっという間に12月になったということを実感していませんでした。それもそのはず、12月上旬まで暖かい日が続いたため、防寒対策もあまり意識せずに過ごしていたからです。
しかし昨日になって、仙台市で雪が降りました。
本日の生命科学研究科本館付近の様子です。うっすらと積もっていますね。普段身に付けない手袋がないと指先が耐えられない気温でもありました。足元も所々凍結していましたので、通学・通勤の際にはお気をつけください。
さて、前置きが長くなりましたが、先週の5日には植物分子育種の忘年会がありました!
今年のお店は国分町にあるGEKKOH 月虹さん。
幹事の小川さんたちとお店を決めていた時、やっぱり「せり鍋」が食べたいよねという話になり、丁度忘年会特集をしていたホットペッ○ーの冊子をパラパラと捲っていたら...美味しそうなせり鍋の写真があり、ここがいい!と提案したところ、飲み物の種類も豊富そうだったのでその場で予約したお店です。
(そしてその後日、研究室でもせり鍋を食べましたね...でも何回も食べたいくらい皆せり鍋が大好きです。)
お店は程よく落ち着いたバー風の内装で、最初はちょっと緊張してしまいましたが、食べ物が美味しくてリラックスして楽しむことができました!
基本のコースのお料理+食べ放題だったので、好きなメニューを選んで食べられたんです!運ばれたらすぐ食べてしまったので写真はほとんどありません。(しかも下の写真は全てマスコさんに撮っていただきました)
上:せり鍋(まだせりは入れていない) 左下:サラダ 右下:いぶりがっこ
その他にもアナゴ飯、肉寿司、ローストビーフ、クリームコロッケ、チーズなど...沢山食べましたね!
それぞれのテーブルでかなり盛り上がっていましたね。渡辺研・菅野研の学生に加え、渡辺研の学生アルバイトさんや、来年配属される学生さんも来てくれて賑やかでした。
個人的に面白かったことといえば、なべさんがカレーライスを頼み、ちゃんと大皿のカレーライスが出てきたことと、ロシアンたこ焼きです。
私達のテーブルでは、その場の勢いで「ロシアンたこ焼き」(1つだけ辛いものが混ざっている)を注文したのですが、
よく考えると、「アルバイトさんや先輩に当たってしまうのはいけない」と思い、私が当てるつもりで一番大きなたこ焼きを選びました。
しかし、私が口にしたたこ焼きは至って普通のたこ焼き...
正面を見ると、同期のTさんがつらそうな表情を浮かべていました。
このリアクションが中々にナイスで、今年で一番笑いました。(Tさんには申し訳ないですが、先輩と後輩に当たらなくて胸をなでおろしました)
こんなおふざけもありましたが、忘年会の本来の目的である「今年の苦労を忘れる」こともワイワイ盛り上がることで達成できたのではないでしょうか。
個人的な「今年の苦労」ナンバーワンとしては、なんといっても就職活動を挙げますが、2018年はまだ残っているので「修士論文執筆」がナンバーワンになりそうです。そうならないように残りわずかの日々で頑張っていこうと思います。
忘年会にしてはちょっと早めの実施だったので(去年は12/26でした)、すんなりと予約できて、お店も落ち着いていたので会話も弾み、個人的には大満足でした!予定が合わず来られなかった方も、今年はお疲れ様でした。
そして、予約から連絡・会計まで1人で頑張ってくれた幹事の小川さんありがとう!
最後に集合写真で締め、この後も各々で楽しみました。
次の私の執筆はおそらく年始になるかと思うので、もう挨拶してしまいますが、
皆様、良いお年をお迎えください!
M2 ひきち
【アウトリーチ活動】宮城県仙台第一高等学校・特別講義、ふくしまサイエンスフェア(12/5, 8, 10追記)
2018年12月 6日 (木)
今週前半は暖かい気温というよりも、12月とは思えないような気温で推移。この記事を書いている木曜日には冷たい雨で、10oC近い気温の低下。週末に雪も降るとか。いずれ、東北にも冬がようやく。。。東北といえば、サッカー天皇杯の準決勝は「みちのくダービー」。仙台が初の決勝へ。いつもなら、正月の決勝戦のはずが。。。決戦といえば、第31期竜王戦第5局。羽生竜王が勝って、タイトル獲得通算100期に王手。。。1桁、2桁、3桁という桁違いの数字が。。若い者に負けないように、日々の精進なのでしょうか。
12/5(水):宮城県仙台第一高等学校・特別講義「植物の生殖・自家不和合性」
さて、そんな中日の水曜日。昼過ぎまでは日差しもあり、暖かい日中。生物部の生徒さんが研究室に実験に来たりして、交流がある、仙台一高へ出前講義に。担当は宮城一高時代からお世話になっている小松原先生。2年生向けに「植物の生殖」の話を。学校での生物の授業では、この時期に、動植物の生殖・発生のところを学習とか。そんなタイミングで、出前講義の機会を頂きました。ありがとうございました。 55minという時間の中で、植物が子孫を残すために努力をしているのに、人間がしているのは。。。ということから始まり、両性花の花が多いので、植物は自殖性と思っている方がほとんど。自殖性、他殖性ということを、小学校からの理科で習った覚えもなく。。。ただ、植物もDNAを介して、子孫を残す生命体。遺伝的多様性が重要なわけで。。。では、どうやって、遺伝的多様性を確保しているのか。一方で、自殖性の植物が存在している理由は。。。
そんな話に始まり、自家不和合性が遺伝的多様性を確保する上で、重要であるということ。それを使って、F1雑種種子を採種して、農業に貢献しているということ。だから、そのメカニズムを理解することは大事なことと。もちろん、その高校生でそんなからくりを知る必要性はないのですが、鍵と鍵穴を使って、上手に多様性を引き出しているというのは、分かってもらえたのではないでしょうか。植物が自殖性、他殖性に適応できるという実験をしたダーウィンの例を紹介。そのきっかけは意外なものだったのではないでしょうか。そんな風に、身近なところに、不思議、疑問はあって、それに気がつく心を醸成して下さい。最後は、リンゴが自家不和合性だけど、その品種の果実をちゃんと食べることができるからくり。理科で学んでいても、食べるもので理解するわけではないので、意外だったのではないでしょうか。あらためて、自分で、果実を切ってみて、考えて見て下さい。で、あっという間に、55min間でした。
最後になりましたが、仙台一・小林校長先生、猪狩教頭先生、小松原先生には、貴重な機会を頂き、ありがとうございました。とても反応がよい生徒さんたちで、あっという間の55min間でした。講義の最初に、大学で学ぶなら、動物と思っていた気持ちに、少しかも知れないですが、植物も意外と賢いのだと思って頂けたのではと思います。また、どこかで接点があることを楽しみにしております。ありがとうございました。
PS. 講義が終わったあと、生物担当の小松原先生と昨今の高校生物を取り巻く諸事情について、議論する時間を頂きました。渡辺が生物Iを学習したのが、1981年だったかと。それから、40年近くですので、明らかになったことはたくさんあれど、。。。生き物を生き物として、見る心を育成することが、生物学習の要諦なのではと。。。そんなことを思った時間でした。ありがとうございました。
PS.のPS. 受講生の中に、市内の小学校へ出前講義をしたときのことを覚えてくれている生徒さんも。多分、きっと、この世代ではないのかなと。。。
12/8(金):ふくしまサイエンスフェア
今年も残すところ、20日余り。ここに来て、寒気団が降りてきたので、寒さがきたぶん、植物の管理等が大変に。。この週末にかけて、雪が降ると言うことだし、日照不足出し。。。植物関係も年内のことは、年内に。どうしても年越しをしたものについては、できるだけ早い開花を。というのが、残された時間でやるべきことなのだろうと。。。そうでないことも、書き物を含めて、年内に片をつけるようにしないと。。。いずれ難問です。そんな週末の土曜日。今年で、7年目の参加となる、ふくしまサイエンスフェア。渡辺の方で準備するものもありますが、実験に使う溶液類は、福島高校の先生方に事前に準備頂き、また、実験当日は、福島高校の2名の生徒さんもお手伝い頂き、今年もお世話になっての実験のスタート。そうそう、このイベント、福島市内だけでなく、福島県内の中高生が小学生以下の子供たちに、科学の楽しみを広く、公開するというもの。子ども時代に科学にふれるというか、自然を楽しむことは、大事なことだと思いますので。 渡辺は例年通り、「バナナからDNAをとってみよう」というお題で。3 setで、50名を超える子どもさん、親御さんたちに参加頂きました。一番小さい子どもさんは、4歳だったのではないでしょうか。小さな手で、一生懸命にやってくれていたのが、印象的でした。最後に、析出したのを見ると、場内が「おーー!!」となるのは、ありがたい反応でした。実験手法は簡単ですから、実験で配布した「資料」をもとに、他の植物、動物などで、生命の設計図であるDNAを単離してみるというのはいかがでしょうか。
講義が終わったあとには、各ブースの見学。あれこれと、興味深いものもありました。時間の関係で、酸化できたのはいくつかでしたが。。。その中で、中学生の研究発表へのコメントを求められて。。。水耕栽培での実験でしたが、なかなか実際に綿密にやろうとすると難しいと思いますが、少し観点を変えてチャレンジされてみるのもよいのではと。。。そのあとには、SSHを担当されている細谷先生をはじめ、多くの先生方と情報交換を。SSHの方向性であったり、これからの戦略など、色々なことを情報収集できました。ありがとうございました。次回は、3/2(土)の課題研究発表会で、今年度の成果発表を楽しみにしておりますので。
わたなべしるす
PS. 毎年数学のブースを出されている数学の先生をされていたところは、今年度もversion upを。高校の頃までは、数学が得意だったのですが、今となっては。。。という感じで。なんとか、理解して、チャレンジしてみようかなと。。。ありがとうございました。 PS.のPS. 昨年度まで、SSHを担当されていた橋爪先生とも、新しい学校での情報交換も。時間を見つけて、伺うことができればと思いますので。
PS.のPS.のPS. 12/10(月), 8:45、土曜日の入場者数が1,000名を超えたというお知らせを頂きました。多くの方々に、科学の楽しさを感じて頂けたのではと。。。ほっとした瞬間でした。ありがとうございました。
避難訓練2018
2018年11月30日 (金)
今日、生命科学研究科の避難訓練が行われました。
震度5弱の地震が起こったという想定で、ヘルメットを着用し、迅速に逃げるメンバー一同。
道を間違えるメンバー一同。危険の少ない、規定の避難経路で避難しなくてはなりません。引き返します。
点呼される白ヘル軍団2018。2017はこちら。風が冷たく、手が寒いです。
今年はいっそう寒かった気がします。それもそのはず、昨年は10月末でしたからね。
今年は、避難訓練の後、医学部の付属動物実験施設の技術専門職員の方をお招きしての講演会が行われました。
東日本大震災の時、実験動物たちはどうしたのか。いざという時の準備、リスクマネジメントはどうすればよいか。実体験からお話頂く、という講演会だったようです。我々は植物を扱っていたため、その当時植えていた植物は殆ど廃棄した、と聞いていましたが(産休中だったから詳しい事は知らず)、ラットやウサギ、サル等を扱ってらっしゃる研究室は、大変だったのだろうなあ、と思います。
いざと言うときのために、日頃の備えを大事に過ごしたいものですね!
先日タイヤ交換に行ったトヨタのお店で売ってた車載防災セットが欲しい、
マスコ