この4月から分野名を「植物分子育種分野」に変更した。以前は「植物生殖遺伝分野」であった。扱う形質の幅を広げると言うこともあり、分野名を変更したが、実験技術というか、手法の基礎は遺伝学である。以前も、書いたことがあるかも知れないが、渡辺が高校生の頃には、遺伝学は「生物I」で学習した。その後、どの様な過程を経たのか、厳密に知り得ないが、今では、1遺伝子座によって制御されている遺伝学は、中学3年で履修するらしい。では、2遺伝子以上の複雑な系は。。。高校での生物学の中に入っているらしいが、ほとんど、扱うことがないらしい。ゲノムというか、細胞が有している遺伝情報を比較的簡単に解析できるこの時代。もちろん、1遺伝子座で制御されている現象もあると思うが、それと相互作用したり、複雑な系は存在するはずであろう。渡辺が単純に遺伝学に興味を持ったのは、数学の「確率」で物事を考えることができたことが背景に。サイコロを振るように、どちらの目が出るのか。優性の対立遺伝子なのか、劣性の対立遺伝子なのか。その組合せをひたすら書き出して、考えたのを思い出す。ただ、実際に実験をすると、試験問題のような少ない数で、答えを出すのは、かなりの苦難がある。それぞれのサイエンスの分野が細分化されているとはいえ、力業でなくて、物事を論理的に考えることはどんなfieldでも重要であるわけで。。。基本的なことを理解して、物事を観察して、考える、というのはサイエンスの基礎基盤であり、どの様に現象をバランスよく捉えるかによって、現象理解は違ってくるのではないだろうか。研究の基礎力というか、研究力の低下が叫ばれている現状で、あらためて、いままでの研究の歴史を振り返るのも1つなのだろう。 歴史と言えば、小学校から高校までで何を教えるのか、学習指導要領というのだろうか、10年に1度、改訂されている。その学習指導要領によって、先の遺伝学を教える位置も、変わったのであろう。時代によって変遷があるということは、その時点では完成度が高いものかも知れないが、振り返ると。。。ということはもちろん、あるだろう。渡辺の時代、高校に進学しないという友達がどれくらいいたであろうか。数%だったような。。。今は、ほぼ、100%の進学率。では、改めて、遺伝学をしっかり高校でというのは、。。遺伝学は遺伝子を扱って、物事を考える人たちの基礎になっている訳なので、もう少し各論のことを抑えるとか。。。ただ、大学入試との関係で、そんなに簡単なことではないのかも知れない。ただ、研究の歴史を知るのと同じくらい、教育の歴史という意味で、学習指導要領を知っておくのも大学人として大事なのかも知れない。小中高と学んだ学生が大学に来るわけなので。。。
そういえば、高校、大学で遺伝学は学んだが、遺伝学の実験をした記憶がない。作物を使って、適切に検出できる形質がないのだろうか。もちろん、メンデルが使った形質は使えるはずであり、モデル植物、生物を使えば、できるものもあるのだろう。モデルの方が、色々な実験例もあり、圧倒的に実験はやりやすい。その意味で、蛍光顕微鏡で観察をしないとできない「自家不和合性」形質は、基礎的な実験には、少々不向きなのかも知れない。とはいえ、形質の検出の以前に、F0からF1を作出し、自殖することで、F2を展開する必要がある。交配というか、交雑である。だんだんと年を取ったのだと思う。実験に使うピンセットの手先がおぼつかない。そんな中でも、なんとか、総当たりの組合せを欠落しないように。。。あとから、あれもほしかったというのは、困りものになるので。。。オセロ、サッカー、将棋、いずれの世界も、若手が活躍している。若手に負けないように、残りの12.5年で何ができるのか、しっかり逆算して、現状の研究施設をフル活用して、さらには、共同研究をすることで、時には圧倒的な力業を使いつつ、完成度の高い教育研究をと思う今日この頃である。
わたなべしるす
PS. この記事の1つ前に、出前講義が1,000回を超えたとか。。。桁違いというのはよくいったもので。始めた頃は、1桁だったのが、2桁、3桁、4桁に。。。支えてくれた関係の方々に、お礼を申し上げます。ありがとうございました。
PS.のPS. もう1つ。この週末の農芸化学会のサイエンスカフェ。あちこちで、広報しているのですが、まだ、席に余裕があります。是非、申込の上、ご参加頂ければ、幸いです。
力業、完成度、圧倒(10/17)
2018年10月17日 (水)
祝!1000回
2018年10月17日 (水)
渡辺先生、おめでとうございます!!
10/15の七北田小学校での講義で、出前講義数が1000回に到達しました!!
講義数が500回を超えたのが2013年だったので、残りの500回を実施するのに丸5年。
年100回ペースの計算になります。
記録を振り返ってみると北は青森、南は沖縄まで24都府県、156校で講義をしています。
新ためてすごさを感じますね。
小学生向けの講義の最後に出るスライド
簡単そうに見えてすごく難しい事なのですが、私も常々こうありたいなと思っています。
忙しい時も体調がすぐれない時もあると思いますが、次は1500回は目指して、
渡辺先生、これからも頑張ってくださいね!
いとう
【アウトリーチ活動】仙台市立七北田小学校・特別講義「花の不思議な世界」, 米沢興譲館高等学校・SSH異分野融合サイエンス(10/15, 18追記)
2018年10月16日 (火)
仙台市内の小学校は基本、2学期制だとか。。。大学の前期と後期のようなものなのでしょうか。途中で数日、秋休みが入るというの聞いたことがあるような。大学も10月から後期がスタート。いつものように「展開ゼミ」がスタート。最初の出足を心配していますが、天気のよい日だけでなく、太陽の光を当てることは、大事なこと。室内での栽培は、容易ではないですから。。。また、10月は後期が始まることに加えて、「科学研究費」の書類書きの月でもあり。。。これを気合いと根性でgetしないと、次年度の研究を展開できないわけで。。。年々、そのシステムがシビアになるのは。。。という気がしますが。いずれ、そうした中で得た研究成果を社会に還元することも大事なこと。仙台市教育センターとのコラボでの3つ目の学校は、仙台市立七北田小学校。以前は、通年でNSPを行っていたのですが、忙しさが半端なくなってきたこともあって。今回も玄関先で、welcome boardがお出迎え。ありがとうございました。
10/15(月): 仙台市立七北田小学校・特別講義「花の不思議な世界」
講義は、5年生向けに「花の不思議な世界」。先月の北仙台小学校と同じ講義内容。リンゴをモデルに、開花、受粉、受精、結実ということの理解を。イントロを北仙台小学校とは、変えたのですが、いつもとは違うパターンだったようで。この記事を書く頃には、はて??何をしゃべったのか。。。年は隠せなくなりました。いつもイントロは、渡辺の出身の愛媛県今治市。今治タオルを使ってくれている方もたくさんいました。何かの折りに使ってみて下さい。 花の名前を考えるところ。ヒルガオということの理由を説明できるのに、ほとんど時間がかからず。これも、理科をしっかり学んで、考える習慣ができているからだと思います。「科」の分類。これも難しいと思いましたが、バラ科果樹。たくさんのものがでてきたと思います。普段からの観察を大事にして下さい。
受粉の電子顕微鏡と受粉反応の動画。高倍率のものと動きがあるというもの。さすがに感動だったようです。ただ、5年生で学習するのは、植物では、受粉まで。花粉管、受精というのは、中学生になってからのようです。受精というのは、「メダカ」で学習するとか。。。動物も、植物も新しい子孫を残すとき、「受精」が必要ですので。そんな話に続いて、リンゴの品種のことを話すのですが、どれくらい知っているか。最近は、赤いリンゴと黄色、青系のリンゴについて。真っ赤なリンゴばかり選ぶと。。。。校長先生くらいの年齢になった時、赤いリンゴが消えてしまうかも。。。そうそう、日本のリンゴは、摘果をするので、大きいですが、海外ではそんなことはできないほどの、粗放な農業。この大きなリンゴができる大事さというか、ありがたさも実感して下さい。
最後は、自家不和合性。さすがに、植物が自分と他人の花粉を識別できるというのは、驚きのようでした。では、なぜ、そんなことが必要なのか。遺伝子を混ぜること。それで多様性を保つということ。そんなことをしっかり身の回りの観察から学んで下さい。
講義の最初と終わったあとで、相澤校長先生と理科専科の先生と理科教育などについての議論を。10年くらい前にスタートした「NSP」のきっかけを作って頂いたのが、内藤校長先生の時代。また、今の教育センターとのコラボの話を頂いたのは、坂本校長先生が教育センターにおられた頃にお話しを頂き、今に至っていて。。。そんなで、長きにわたり、渡辺が来たと言うことよりも、その間、理科専科の先生を置いて、教育した効果だと思います。先日行われた、全国レベルでのテストで、理科の成績がずいぶんよかったと。やっぱり、その道のプロというか、しっかり準備して、授業をできる先生がやるというのが大事なことなのでしょうか。また、講義の翌日から、6年生は修学旅行とか。その席で、校長先生が去年の出前講義の話をして、リンゴのことなどを覚えていたと。。。ありがたいことです。また、次年度、そうした機会があれば、幸いです。最後になりましたが、相澤校長先生、理科専科の先生、5年生担任の先生をはじめ、関係の先生方にお礼申し上げます。ありがとうございました。また、次年度もお世話になる機会があれば、幸いです。 PS. 講義の最後に、リンゴの果実を切ることを。いつもなら、縦にしか切らないはずですが、横に切るということ。そんなことはしたことがないのでは。なぜなのか。。。とある歴史と関係があるとか。。。当たり前を当たり前と思わずに、やってみることです。
米沢興譲館高等学校・SSH異分野融合サイエンス(10/18)
今年度から始まった、山形県立米沢興譲館高等学校・SSH異分野融合サイエンス。今年度、7月、8月に実施。「バイオ産業科学と社会課題」というお題。1回目に、果実類を観察して、意外と気がついてないことが多いことをというか、観察することの大切さ、どこを見るのか、何を見て、考えるのか、それが何とつながっているのかなど。普段余り考えてないことを、考える機会に。2回目では、地域、世界の科学の歴史を振り返ってみるとそこに何あるのか、また、それを踏まえて、人生をどう考えるのか。ということでした。夏と秋での2つの異なる受講生にと言うことで、同じパターンの講義になりましたが、今回は、前半に当たる「アブラナ科植物における自家不和合性の基礎から応用」の部分を。用意いただいた野菜、果実が、夏から秋のものへと変化しており。。。そうそう、今週の初めの仙台市立七北田小学校が1,000回目の出前講義でしたので、今回は1,001回目。1,500回を目指して。 違いを見つけると言うことは、実は、物事を分類すると言うことからスタート。それが、分類学、形態学というの発展しただろうと思うわけです。で、用意頂いた、リンゴ、ピーマン、トマト、オクラ、ズッキーニ、メロン、イチゴ、モモ、トウガンを「科」という大きな仲間で分類。
今でこそ、DNA塩基配列で分類するわけですが、以前は、花の形態による分類。「科」の中の細かなところ、あるいは、「科」を超えたところで、どの「科」が相互に近いのかについては、確かにDNA塩基配列の方が正確なのかも知れないですが。。。ところが、この話に行く前に、キャベツと芽キャベツの違いと言うことで盛り上がって(どちらも、Brassica oleraceaで、品種改良で、それぞれが成立したのですが。。。)。。。あらかじめ、こうした野菜類の写真を用意しておかないといけないことを痛感。。。で、先の分類ですが、夏にやったグループとは、また違った発想で。。。ただ、大事にしてほしいことは、なぜ、その分類にするのか、その理由はということ。なぜ、ということを大事にすれば、考える習慣がつきますので。。。最近、そんなテレビ番組もありますので。。。そういえば、そんな話を小学校の出前講義でも話をしたなと。。。
後半は、植物の生殖、自家不和合性について。前半を2hr使ってしまったので、後半を1hrという駆け足になりましたが。。。自殖性、他殖性の違い。他殖性が重要であること、また、自殖を続けると、どうなるのかなど、今までの植物、花に対するイメージは違ったのではないでしょうか。ヨーロッパの中世のハプスブルク家の話をするのですが、1年生でも意外とたくさん知っているのは、感動でした。また、英国の陶磁器を作っている「ウェッジウッド」のことを知っている方も。意外なところで、サイエンスと接点があったりしますので。色々なことを結びつけて考えることができるようになって下さい。
最後とのところで、自家不和合性のからくりというか、種子と果実の関係を。。サクランボの時期には、外れていますが、リンゴはこれからが最盛期。そんなバラ科果樹においては、自家不和合性を有しているというのが、通常。なので、受粉樹が必要になるわけですが、そんなことをしたら、まともな果実ができるのか。雑種の果実にならないのか。。。その当たりは、教育指導要領というか、どこで何を教えるのか、難しいところですが、やっぱり、系統的に教えることの大切さを改めて。。。講義の最後には、代表の方から、今日の講義の感想とお礼の言葉を。その言葉を忘れずに、自然を観察して、違いを見つけて下さい。
最後になりましたが、実施に当たり、今崎先生、熊坂先生をはじめとする関係の先生方には、大変お世話になりました。本物を見る機会がある、米沢という環境の下で、それをどの様に実行するのか、ということの難しさを改めて、強く実感できた3hrの講義でした。ありがとうございました。次回は12月の2回目の講義になるかと思います。楽しみにしております。
わたなべしるす
PS. 学校から駅に戻る途中の畑に、アブラナ科野菜の、ブロッコリー、キャベツなど、たくさん見つけました。学校の周りを改めて、観察してみて下さい。意外に、たくさんの野菜の不思議を見つけることができますので。
PS.のPS. 次年度のSSHの計画、科学者の卵養成講座についても、意見交換の時間を頂きました。ありがとうございました。よりよい発展につながればと思いますので。何卒よろしくお願いいたします。
出会いと別れ、ケーキ会
2018年10月12日 (金)
M2の引地です。記事を書くのは4月ぶりであり、随分とご無沙汰しております。
就職活動も全員なんとか落ち着き、気が付けば院生生活も半年を切ってしまいました。時が経つのは本当に早いものです。
院生生活を支えてくださる方は教授はもちろん、スタッフさんや先輩、同期や後輩、家族...と多くの方が関わっているのですが、
研究室アルバイトさんには中でも本当に助けられました。
ということで、10月は5日の1年生歓迎会に続き、11日には卒業するバイトさんを交えたケーキ会を行ないました!
バイトさんは、出会いもあればいつかはお別れのときが来てしまいます...。開催時期が遅くなってごめんなさい。
今回のケーキ屋さんは南町通りのカズノリイケダさん。いつもお世話になっております。
こんな感じで、見た目もお洒落なケーキが揃いました。
どれも美味しそうですよね。私は右上のカップスイーツ(名称は忘れてしまいましたが...)を頂きましたが、イチゴソースが本当に美味しかったです。
今回は参加人数が多かったため、ショーケースを指差して「端から端まで下さい!」という夢のような買い方をしてしまいました。
ケーキを前にバイトさんたちも大喜び。
今回卒業してしまうのは内野さん(一番右)と堀井さん(右から二番目)で、左の2人は偶然シフトが重なったので参加してくれました!
久々の集合で、バイトさんたちは農学部トークで盛り上がり...
学部生は専門科目や学生実験で大変そうだというのが伝わってきました。
大変な部分もコースによってそれぞれ違うみたいですね。
私も生化のような学科にいたので、少し共感しました。
みんな...頑張れ!自分に合った研究室に出逢えますように。
ケーキ会の後半には、2人へのプレゼント贈呈。
気になる中身は、ムーミンのキャラクターのマグカップです。
お家で使うもよし、研究室でもMyマグカップが必要になってくるので是非使ってください!
悩んで選んだ甲斐があり、喜んでもらえてよかったです!
後はなべ研一同からのメッセージを集めた色紙をお渡ししました。終わりごろになべさんからのありがたいお言葉がありました。
いつも美味しいケーキご馳走様です。そして堀井さんからもご挨拶。
(内野さんは用事で帰ってしまいました...!)
内野さん、バイトに来てくれる度に笑顔でいろいろなことをお話してくれたので、こちらも元気を貰えました。ショートカットにしたときはあまりにも似合いすぎて学生の間で話題になりました。演劇に実験に、頑張ってください!
堀井さんは、先日まで国体に行っていたようです!トライアスロンって本当に体力が要りそうでずっと続けられているのは尊敬します。これからも部活動に打ち込んでいってください!そして最後の挨拶で言っていた通り、1年生のうちから研究室の様子を知っているということは、今後も役に立つと思います。
お2人には時には過酷なお仕事(主に植物の管理)を任せてしまったこともありましたが、どんなお仕事も黙々とやってくれたのでどれだけ助けられたか...と思います。いい子達だったので、とても寂しいです。
本当にありがとうございました。今後はそれぞれのフィールドで活躍してくれることをお祈りしています!
たまには遊びに来てね。我々も買出し頑張りましたよのポーズ。(まあやさんも一緒に)
お疲れ様でした!
M2 引地
ようこそバイトさん!
2018年10月10日 (水)
こんにちは。ご無沙汰しています。M1のおがわです。
とっても久しぶりのダイアリー。全然投稿しておらずすみません...。
今回のテーマはバイトさん歓迎会!
去る10月5日、アルバイトの伊藤さんと八巻くんの歓迎ケーキ会を開催しました。写真は準備中の佐藤さんと高橋さん。いい顔すぎる。
今回のケーキは仙台の老舗洋菓子店すがわらで購入。お店まではマスコさんの車で送っていただきました。ありがとうございました!
見てくださいほら看板がもうかわいい。これはおいしいケーキが待ってる(確信)
......え?手前のクリニックに行きそう?いやいやどう見てもすがわらを前にうきうきの引地さんでしょう!素敵な笑顔ですね。
いろいろなケーキを用意していざ歓迎会!主賓のおふたり、けっこう急な連絡だったにもかかわらず予定を合わせて来てくれてありがとう!
みんなでわいわい盛り上がりました。主賓のふたりも楽しんでくれた、と、思います!
おいしいマロンシューにテンションの上がった私が一番楽しんでいたような...。それぞれ好きなケーキを食べて、にぎやかにおしゃべりをして、とてもいい時間でした。なべさん、今回もケーキを買ってくださりありがとうございました!
4月からバイトに加わり、前期の間もたくさん働いてくれた八巻くんに伊藤さん、ふたりとも働き者でとっても感謝しています。これからもどうぞよろしくお願いします (*'ω'*)