東北大学・飛翔型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

東北大学・飛翔型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

平成21年度活動ブログ

平成21年度活動ブログ養成講座の活動を記録しています。

2009年12月の記事一覧

2009.12.26

発展コース(環境科学研究科 細矢先生、久保先生)から

「科学者の卵養成講座」受講中の皆様へ

クリスマスはいかがでしたか?
学校も冬休みに入ったとおもいますが、講習などでまだまだ学校に行ってるよという方も多いかもしれません。

第2期発展コースを担当してくださっている細矢先生、久保先生より、現在発展コースで実習中の内容について紹介記事をいただきました。指導をしている細矢先生は次回1月9日に講義を担当予定で、体験実験も用意しているそうです。お楽しみに。

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  科学者の卵養成講座,発展コース「水を操る賢い材料~浄化,除菌,脱臭,保湿~」では,さまざまな可能性を持つ多孔性高分子の不思議を実際に見て貰い,さ らに,受講生からの斬新なアイデアに基づき,大学院生とやりとりを続けながら,新たな多孔性材料の創出の可能性を探っています.

 当研究室から紹介した多孔性高分子の不思議としては,○除菌効果を持つ樹脂,○エネルギーを用いない水質浄化,○入浴剤の色取り,○油を吸着する発泡性樹脂,○保湿と発熱を示す樹脂,など多数紹介しました.

  これに対して,受講生たちが現在取り組んでいるテーマは壮大で,○低コスト・低エネルギーで行う海水の淡水化,○リユース可能なキッチンペーパー,○海水 中の二酸化炭素をキャッチする新材料,○海中で生態系を作り出すインテリジェンス材料,などなど,バラエティに富んでいます.

 受講生たちは,それぞれのテーマを実現するべく,大学に来るたびに白衣,めがねを着用し,大学院生指導の下,まだ見ぬ材料を自ら作っています.実験室での様子は下の写真の通りです(インフルエンザ対策のため,全員マスク着用にしています).

 あと,1,2 回しか実験をするチャンスがありませんが,受講生にとっても大学院生にとっても,今後につながる知見を得てもらえればと思います.

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写真:みんな白衣を着て、いろいろ調べてますね。
   おもしろい結果が出ることを期待しています!


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2009.12.22

他大学での「未来の科学者養成講座」

東北大学では今年度よりスタートしたプログラムですが、筑波大学、千葉大学、埼玉大学、京都大学では、一足早く去年からスタートしています。

昨日12月21日にその5大学の実施状況のお話を聞いてきました(第一部)。

筑波大学では、小中学生を対象とした生物分野のプログラムが実施されています。実験してでのプログラムとフィールドでのプログラムが体験できます。
千葉大学では、「ラボon the デスク」とよばれる教材が目玉のようですが、その他にも経済同友会や博物館・科学館と連携した多彩なとりくみに加え、若手研究者の研究生活が紹介される等、多彩さが印象的でした。
埼玉大学では、「ロボカップ」への挑戦等、各種対外試合(?)をめざしたメニューが準備されているようでした。
京都大学は、少数精鋭のプログラムのようで、「高度なあそび」と表現されていましたが、正規の時間外にも高校生が通ってくるほどの深い独自の世界ができあがっているようです。
岡山大学は、地域にある「科学大好き岡山クラブ」との連携をはじめ、地域に根ざした印象です。

分野によって、大学によって、地域によって、それぞれの特徴や状況をふまえたプログラムがあることがよくわかりました。

第2部では、東北大学同様、平成21年度から新たに加わった9大学も含めて、どうやったらうまくプログラムが運営できるかの意見交換会でした。プログラムを広く生徒や保護者に知ってもらうためには?高校との連携は?などなどがはなしあわれました。

渡辺先生と参加したのですが、東北大学には熱意あふれる生徒が集まっているので、みんながのびていける様なプログラムになるよう取り組もうとの話をしました。スタッフも日々精進です!

2月には東北大学も実施報告を行う予定です。

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写真:第2部の意見交換(直前)の様子(携帯のため画質が悪くてすみません)。黒い背広が多いですね(苦笑。)左端のベージュ色が渡辺先生です。

個人的には、前職(女性研究者育成支援推進室)でお世話になった先生や、大学時代の研究室の先輩にも久しぶりにお会いすることができました。いつもと違うところに出かけていくと、そういう楽しみもあります。

by Kuri

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2009.12.21

発展コース(工学研究科 祖山先生)から

第2期発展コースを担当してくださっている祖山先生より、現在実習中の内容について紹介記事をいただきました。実習の様子など今後も適宜送ってくださる予定です。

発展コース「泡で叩いて金属を強くする」では,キャビテーションという泡を使って金属を叩き,叩いた金属をX線などを使って調べる実験をしています。

富士山などの高い山では気圧が低いので,90℃弱で水が沸騰します。
液体を速く流すと,圧力が下がって,室温でも気体になります。このように流速が増大して液体が気体(泡)になる現象をキャビテーションと呼びます。水道の蛇口から時折,シャーという高い音が発生するのは,キャビテーションが生じる音です。
キャビテーションは,金属も凹ますような衝撃力を発生するので,ポンプや船のスクリューを壊してしまう「害悪」ですが,逆転発想的に,金属を叩いて強くすることにも使えます。

今日は,磁石に付かないステンレスを叩くと,結晶の構造が変わり,磁石にくっつくようになることをステンレスのスプーンを使って体験しました。その結晶構造を模型を使って視覚的に学んだ後,高校の物理IIに出てくる「ブラッグの回折条件」を勉強してから,実際にX線で計測してみました。また,ビー玉をパチンコのように転がして「二項分布」になる実験から,X線の分布形状(正規分布)を学びました。

さらにキャビテーションにより金属に圧縮の応力を導入できることや,金属の中のミクロな歪をとることもできることを,X線を使って調べました。また,材料が引張られていると,割れてしまうことを,アク
リル樹脂を使って体験しました。

というわけで,今日は,眼に見えない原子の並び方や間隔をX線を使って調べ,キャビテーションという泡で,金属が変わることを体験してもらいました。

試験片の取付.JPG

キャビテーション.JPG

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