東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

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【アウトリーチ活動】愛媛県立丹原高等学校・特別講義、今治市立九和小学校・ふるさと出前授業、ふくしまサイエンスフェスティバル、兵庫県立豊岡高等学校・STEAM概論、福島県立安積高等学校・SSH特別講義、福島県立安積高等学校・SSクラス先進地域研修(12/4, 7, 9, 13, 14, 22追記)

2023年12月 4日 (月)

 12月2週目。今週の天気予報も最高気温は高め。最低気温との寒暖差が20oC近い日もあるらしく、少し冬らしくなったとはいえ、日中の気温は15oCくらいで、冬というよりは晩秋くらいの気温。植物の生長にはちょうどよい気温。様々な事案の合間を縫って、リモート、現地でのアウトリーチ活動。


 12/4(月):愛媛県立丹原高等学校・特別講義「植物の多様性を理解する-ダイズ品種をモデルとして-」

 福島大、農学部との共同研究を行っている「愛媛県立丹原高等学校」。ダイズの収穫がほぼ終わろうとしているこの時期に、今年度の活動を振り返るという意味で、「遺伝的多様性」、「品種」、「種子の重要性」について、圃場と室内での実習を交えての特別講義。担当の別府先生がnetを繋いで頂き、双方向性の確保。これも共同研究での生育調査、サンプリングなどで培ったシステム。ありがたいことです。ダイズ以外に栽培されているダイズ、トマトなども観察対象に。トマトがこの時期でも枯れずに緑体であるのは愛媛県の暖かさの賜物。

20231204110821-ede4bc0308d5021d179bf0290842ef367bd9b2c3.JPG ちょうど、種子の収穫時期であったことから、多様な品種を扱っているときに、品種間で種子が混ざらないようにすることなど、種子の扱い方についても。最後の質問の時間も講義、実習のことなどを踏まえたよい質問でした。

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 12/7(木):今治市立九和小学校・ふるさと出前授業「花の不思議な世界」

 今年の「ふるさと出前授業」もこの日の九和小学校で最後。研究室のスタッフに手伝って頂き、プレゼンとホワイトボードを切り替えで使えるように設定。できるだけ、現地で講義をしている感じを出せるように、工夫を。単にプレゼンと話をするだけよりは理解が進むだろうと。ところが、最初の接続のところでトラブル発生。スタート時間が10minほど遅くなっての授業開始に。申し訳ありませんでした。

20231208085105-979c9abea23ac0b87a3902720256a62f8418d717.JPG で、講義の内容は、花が形成されてから受粉、受精に至る過程でどんなことが起きているのか。その内容をリンゴをモデルに考えるという講義。現地で行っていた当時は、玉川中、鴨部小との合同でしたが、リモートの利点を活かして、今回は九和小に。理科の教科書では「受精」を学習するのは「動物であるメダカ」をモデルに。では、植物は受粉はするけど、受精はどうなのか。そんなところを入口に。最後は自家不和合性についてもその意義をしっかり考えてくれました。また、最後の質問、感想のコーナーでもしっかりとした内容でした。これからも頑張ってください。ということで、今年のふるさと出前授業のシメにふさわしい講義でした。ありがとうございました。次年度は半数くらいを現地でできればと思います。

 PS. そういえば、月曜日の12月4日の出前講義でお世話になった先生の母校が九和小学校だったような。こうして記事が並ぶのも不思議なご縁かなと。


 12/9(土):ふくしまサイエンスフェスティバル

 コロナ禍のリモートでの実施を含んで、今年で12年連続の参加となる「ふくしまサイエンスフェスティバル」。「バナナ」からDNAを取ってみようという毎年恒例の企画。科学に興味がある子供たちに「科学の楽しさ」を伝えるこの講座。渡辺の講座を含めて、福島高、橘高、福島東高、福島大から10余りのイベントがあり、1日いて、それぞれのイベントを楽しむ時間があればよいのにと思ったくらいでした。

20231209164736-a13138f80073242533d6d3b6bf1eae96e094909c.JPG 今年はtotal 5回の実施でしたが、100人を超える皆さんに実験の意図は伝わったのではないでしょうか。また、今年も福島高校の1年生にお手伝い頂きました。ありがとうございました。去年のお手伝い頂いた生徒さんとは、またひと味違った生徒さんたちで、とても頼もしい限りでした。お世話になりました。

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 12/13(水):兵庫県立豊岡高等学校・STEAM概論「身の回りの不思議を実感し、なぜと思う心を醸成する」

 兵庫県立豊岡高等学校へのアウトリーチ活動は今年で12年目。途中、コロナ禍での中断がありましたが、出前講義、研究室での実習、リモートでの講義など。今年度も昨年度と同じように、前半を農作物の可食部の観察と分類。後半は植物の生殖とキャリア形成についての講義。トマト、オクラ、ズッキーニなどに加えて、沖縄からトウモロコシ、スイカも取り寄せて頂きました。トウモロコシは各班ごとに解剖できるくらいの数。いつもなら可食部を覆っている葉(ハスク)と絹糸(シルク)を無造作にむしり、ゆでると思いますが、その部分が雌蕊の先端部分であり、受精に重要であることを理解してもらえたのではないかと。これも「本物」の力だと思います。ありがとうございました。分類は生き物を学ぶ上での基礎になるものです。豊岡の自然をしっかり観察して、そうした点を身につけてほしいと。そんな植物の生殖については、本学のPodcast「東北大学の研究第一」で聞くことができますので。是非、振り返りなどに活用ください。

20231213172318-a9b9723733604d435dae76ee24adf625e637c6fd.JPG 後半のはじめに、果実ができるまでの受粉などに関する講義をしたあと、渡辺をモデルにしたキャリア形成についての講義。将来を考えることにつながっていることを実感できたでしょうか。いろんなきっかけが身の回りにありますので。それをしっかりつかんで、これというものにして下さいと。最後の質問の時間。とても積極的で。その力を次年度からの課題研究に活かして下さい。もちろん、発表会も楽しみにしていますので。

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 12/14(木):福島県立安積高等学校・SSH特別講義「将来に向けたキャリア形成と『考える基礎』となる課題研究のあり方」

 仙台も冬らしい気温になりそうで、明日の金曜日は最高気温が6oCとか。一方で、今日14日、明後日の土曜は12oCが最高気温。体調管理がかなり大変な今年の冬。この程度の寒さで終わると思えないし、雪らしい雪も振っていないので。緊張感を持った年末になりそうな2023年12月。前日はリモートで兵庫県立豊岡高等学校への出前講義。今日は福島県立安積高等学校へ。伺うことを計画していたのですが、事案の重なりなどがあり、リモートでの講義をお願いすることに。前日の豊岡高校もそうでしたが、安積高校も1クラス向けの講義。クラス全体の雰囲気がわかり、1学年という単位だと雰囲気がつかみにくいですが、その点はコロナ禍を受けてよい形で準備頂きました。ありがとうございました。

20231214163130-ced3ce9f57a99be1496f77354168cb961a1c200a.JPG 講義の内容は前半に「課題研究の意義とその実施」。後半は「渡辺のこれまでのキャリアを踏まえての進路選択というか、キャリア形成」をどのように考えるかという講義。リモートであっても可能な限り、双方向性を維持するために、質問をして答えてもらう、挙手してもらうなど。また、渡辺のしゃべりの時間はできるだけ削減して、質疑応答の時間を長めになど。ある程度、臨場感があったのではないでしょうか。また、このクラスは昨年末に研究室見学で渡辺の話を聞いてくれていたのも、効果的だったのも知れないと思いつつ。質疑応答の時間、結構シビアな問題、議論に発展したのは普段から将来の自分のあり方を考えているからだろうと。そんな思いを大切にして、課題研究、受験に向けた1年間を頑張ってください。今日の講義の振り返りには先週から公開されているPodcastの「東北大学の研究第一」を明日の金曜日、来週の金曜日とあわせて聞いて見て下さい。

 PS. 来週には、1年生が研究室見学にという予定。楽しみにしております。

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 12/22(金):福島県立安積高等学校・SSクラス先進地域研修

 コロナ禍も何とか実施し続けた福島県立安積高等学校「SSクラス先進地域研修」も今年で4年目。課題研究を行う上で、1つステップが上の大学の研究室などを見て、研究に対するイメージを持ち、大学の教員などとの議論を目的とした「SSクラス先進地域研修」。3つのグループに分かれて、工学部、農学部と生命科学研究科を見学。理工系と生物系に分けると、生物系が被るので、片平キャンパスという研究の歴史遺産があるところを重点的に、最後は渡辺の研究も見てもらうように。

20231222175438-fa681ddecc03d4231508b7a6857c91068b312196.JPG20231222175451-21497c28c92d174ebc408ce94deb1557e6d5e1eb.JPG 大学の正門、樹齢200年のイチョウ、アブラナ科植物の多様性、実学を研究することの意義、多様性ある人材の受入等、これからの研究を考えるヒントはいくつかあったのではないでしょうか。来年、講義をするときにも、今回のことを是非、イメージしてください。

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 わたなべしるす




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【アウトリーチ活動】仙台市立将監中央小学校・特別講義、みらい型科学者の卵養成講座・特別講義、今治市立常盤小学校・ふるさと出前授業、山形県立東桜学館高等学校・SSH特別講義及びSSH特別研究指導(11/22, 11, 29, 30追記)

2023年11月24日 (金)

 11月とは思えないような暖かさかと思えば、この週末は最低気温が0oC近くになるとか。初秋と冬を行ったり来たりの今年の天候。植物、農作物への影響もあるようですが、例年のようにゆっくりと冬にならない「秋のような天候」、こんなに体にこたえるとは。。。そんな11月の4週目は仙台市内の小学校へ。

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 11/22(月):仙台市立将監中央小学校・特別講義「環境問題を多角的に考える」(楽しい理科のはなし2023--不思議の箱を開けよう--主催:河北新報社、協賛:東京エレクトロン)

 2015-2019年にコラボで実施していた「楽しい理科のはなし」。コロナ禍を受けて、4年間の中止期間を経て、2023年の今年度から復活。仙台市内、大和町内の小学校へまずは1回ずつの出前講義ということで、2023年度は将監中央小学校へ。この過酷な環境変動を考えるということで、「環境問題を多角的に考える」と題した講義。

20231124160007-d327b00984066106be67211f66d30b464de4ccbd.JPG 環境問題というと、もちろん、地球温暖化などありますが、もっと身近なところに「環境問題」はあるのだということを実感してもらい、地球温暖化、動植物への影響など、いつもの理科とはちょっと離れるかもしれないですが、色々な角度からの環境問題について考える時間になったと思います。最後に挨拶をしてくれた代表の児童の方、講義の内容をしっかり理解して、環境問題を考えることができると思います。みんなの地球です。身近なところから考えて、少しでもよい環境にできればと。

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 11/11(土):みらい型科学者の卵養成講座・特別講義「教授の進路選択アドバイス-人生を戦略的に考える-」

 本来なら記事の順番が逆なのですが、11日前の「みらい型科学者の卵養成講座」での特別講義の記事を記すのを失念。ちょっとこの間が慌ただしかったなどあり。。。順序が逆ですが、簡単に。今年で15年目の科学者の卵養成講座。毎年、渡辺の研究である「植物の自家不和合性現象」とこれまでの歩みである「キャリア育成」の講義を。

20231125213403-d512e86e1de3dcf5398219984d74327141b46162.JPG 小学校時代に始まり、渡辺が何を考え、行動したのかなど。15年にもなるので、世代のずれが大きいのではないかと言うことも、講義のあとの取材で実感。ただ、「コスパ」「タイパ」などと言う言葉が今の若者では言われているようですが、時間がかかったことから学ぶこともあると。レポートを拝見して、こちらの意図は伝わっているのを実感でした。

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 11/29(水):今治市立常盤小学校・ふるさと出前授業「自分の将来を考えて、どんな職業でがんばるか考えて見よう!」

 今年のふるさと出前授業も残すところ、常盤小と九和小。今日は常盤小学校の5年生に、渡辺がこれまで歩んできた道をお話しして、小学校の頃はみんなと同じような子供時代を過ごし、植物の研究の道に進んだことをお話。それらを通じて、児童のみなさんが自分たちがこれから積み重ねるキャリアであったり、職業を考えるヒントになればという講義。リモートでしたが、対応頂いた白石先生をはじめ、関係の先生方がたくさんのカメラで体育館の情報を送ってくれて、とてもスムーズでした。

20231207175713-a521342fbf3406ab94021d77c4cc9d21767aa4fc.JPG こちらからの問いかけにもしっかりとした自分の考えていること、思っていることを表現できていたのはniceです。また、5, 6時間目の間の休み時間もひっきりなしに質問に来てくれた方々の熱意もとてもよかったです。最後の質問の時間は、予定の時間をoverするくらい、今日の講義の感想、質問などあり、それでも時間が足りないくらいでした。今治で出前講義をするきっかけを頂いた常盤小学校で、こうしたふるさと出前授業ができ、こちらもほっとです。来年は予定を合わせることができれば、現地に伺いたいと思います。

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 11/30(木):山形県立東桜学館高等学校・SSH特別講義「SSH課題研究を始めるに当たって」

この冬一番の寒気が入り、仙台市内でも雪が舞い、昼間の気温が6oCくらいが最高気温。北風も冷たい。そんな11月最後は山形県立東桜学館高等学校へ。峠筋は真っ白に積雪。もちろん、山形県側の方が仙台よりも一段と寒い状況。外気温だけで、室内は暖かいので、講義に問題ないわけですが。

 コロナ禍だったり、会議・講義の重なりなどがあり、現地での講義は3, 4年ぶりのような。とはいえ、リモートであっても現地であっても、講義内容は同じというか、質量ともに変わらずにやることが要諦。「課題研究」を行うためにどのような心がけが必要か、また、そのテーマを決めるとき、どの様な過程を踏んで実験系などを構築するのかということについて、Research Question(RQ)という言葉を使って、実際に「花」を使った実験例を紹介することで、どんなことをやるのか、イメージを持てたのではないでしょうか。

20231201094133-eeb29af8b110a5fef7f36758e430433fa76d411b.jpg 講義の後半は、課題研究で身につけた考え方は、大学、大学院、社会人としても大事なこと。そうしたキャリアを積み重ねる過程でも大事にしてほしいということで、渡辺の歩みを紹介しつつ、どんな問題点に接して考えたのかについても。これからの課題研究、さらにキャリア形成のヒントになればと。最後の質疑の時間もしっかりした質問が多く、課題研究発表会を楽しみにしております。また、現地の講義風景を写真で頂きました。ありがとうございました。

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 11/30(木):山形県立東桜学館高等学校・SSH特別研究指導「データをどう考え、どのようにプレゼンテーションを行うのか?」

 講義のあと、課題研究を行っている2年生のチームから、現状までの研究成果をまとめたものを準備いただき、プレゼンを拝見しながら、データに対する考え方、どの様なストーリー性を持たせるのか、結果として何を結論にするのか、など、研究室にいても学会発表、学位審査などで問われるような点について、議論をしつつ、研究指導を行いました。

 生徒さんたちにとっては、これが限界という形でプレゼンを作ったようでしたが、こちらからのコメント等で、ずいぶんと実験に対する考え方も変わったようでした。実験をまとめる時、今回と同じように考えるようにしてみて下さい。また、今回の研究指導を他のグループにも展開して頂ければと思います。

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【アウトリーチ活動】今治市立清水小学校・ふるさと出前授業、仙台市立桜丘小学校・理科特別授業、山形県立米沢興譲館高等学校・SSH異分野融合サイエンス(10/16, 19, 11/9追記)

2023年10月16日 (月)

 10月も中旬。最高気温が25oCは超えないものの、それに近い温度。寒暖の差が大きいのは植物にとってよいことなのか。いくつかの事案を抱えつつも、今週もいくつかのアウトリーチ活動という予定。

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 10/16(月):今治市立清水小学校・ふるさと出前授業「花の不思議な世界」

 月曜日の午後は、リモートで今治市立清水小学校へ「ふるさと出前授業」。清水小学校は渡辺が通っていた桜井小学校の隣の隣の校区。校区の中を自転車で通ることはあっても、清水小学校へ行ったことがあるのは、コロナ禍前にふるさと出前授業で伺ったのが最初。そんなことをイメージしながら、「花の不思議な世界」。あらかじめ接続テストをしたにもかかわらず、通信が一方向のみ。「???」という状態でしたが、研究室のスタッフに助けられ、何とかスタート。久しぶりにプレゼンと「ホワイトボード」のようなものを組合せて、切り替えながら。この作戦がうまく機能したのか、あとで検証が必要なのですが。

 途中の休み時間を入れて、2hr弱。普段見ているけど、余り考えたことがない植物についてあれこれと考えたのではないでしょうか。これから秋、冬の果物がおいしくなる時期。それが花だった頃、受粉したあとにどうなったのか、何が起きたのか、果実が大きくなるようにどんな工夫をしているのか、そんなことを考えながら、是非、そんなことを話題にして、学校、自宅で果物を食べてみてください。この2hrで「植物の受粉・受精・結実」のところについて、脳みそはしっかりversion upされていますので。

 PS. 講義の中で、これから将来に向けて「赤いリンゴでなく、黄色のリンゴ」が多くなるかもしれないけど、それでよいのかと聞いたのですが、「OK!!!」と答えてくれていた児童のみなさん。実際のスーパーに並んでいる様子を研究室のスタッフが写真に。本当にこんなになりますが、大丈夫ですか???

20231018145513-95053ebd9ffc9c467956aeb92775b3347bf4c0ce.jpeg やっぱり、赤いリンゴがよくないですか? 赤いのがあると、こんな風景になりますよ。

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 10/19(木):仙台市立桜丘小学校・理科特別授業「環境問題を多角的に考える」

 朝の気温が10oC近くでも、日中は25oC近くになり、少し秋らしく。おかげで出前講義を体育館で実施しても問題なくできるように。この日は午前、午後で仙台市立桜丘小学校へ。午前が6年生向けの「環境問題」。環境問題というと、自分とは遠い世界で起きていることのように捉えられがちですが、今年の夏の暑さを例にしたり、毎日の生活の中に、「環境問題」が潜んでいるのは理解できたのではないでしょうか。学校での学習環境が少しでもよくなるように。

 もちろん、昨今問題の地球温暖化、遺伝子汚染など、トピック的な内容も扱いつつ。さらには、そんなことは実際にはできないかもしれないけど、それができたら、解決ができるかも。そんなちょっと突飛な発想かもしれないけど、そんなことを考えることが新しいことを考えるきっかけになるということも。この講義をきっかけにして、様々な「環境問題」に目を向けてくれることを期待して。。。

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 10/19(木):仙台市立桜丘小学校・理科特別授業「花の不思議な世界」

 午後からは5年生に「受粉・受精・結実」の講義。昨年度と同じように事前に受粉の授業をされた上で質問、疑問点を担当の佐藤先生がまとめて下さり、それについての解説が5時間目。昨年度と同じように「大学、大学院レベル」の講義を。必死にメモをしたり、挙手して答えてくれているのがとても印象的でした。全てが理解できなくても、ここはおもしろかったということがあれば、中学、高校でのまなびにつながると思いますので。

20231019175113-180021944587d2eb9af9512ecff93f0683410cfa.JPG20231019175126-15002f4decd89ccd3e8b4dc792c46775465130fd.JPG 後半は通常の5年生向けの講義を1/2の時間に圧縮してとなるわけですが、大半は前半で話をしているので、自家不和合性、果実の観察を中心に。前半のdeepな講義にしっかりついてきた児童の皆さんだけあり、ちゃんと答えてくれて、最後の質問の時間に。質問も直球ど真ん中の質問がほとんど。とてもよかったです。今回のように学校でのまなびをちょっと難しい本を読むなどして、深めることをしてみて下さい。今までになかった世界が拡がっていますので。

20231019175145-866fcc71a231760232e840b9b9c2ad40be3aa4bb.JPG これで今年度の「仙台市理科特別授業」を完了。それぞれの小学校の担当の先生方にはお世話になりました。ありがとうございました。また、次年度講義ができるのを楽しみにしております。


 11/9(木):山形県立米沢興譲館高等学校・SSH異分野融合サイエンス「バイオ産業科学と社会課題」

 仙台も急に朝夕が寒くなり、この週末から週明けは12月上旬並みの寒さになるとか。米沢までの出張の車窓も福島-米沢間はかなり紅葉が進んでいました。

 今年度2回目のSSH異分野融合サイエンス「バイオ産業科学と社会課題」で出前講義。前半が植物というのか、農作物の類縁関係と形態的特徴の観察。知ってそうで意外と知らないことも多かったようでした。今回の講義をきっかけに、身の回りの野菜、果物を食べながら、これは何なのだろうとか、考えることをしてみて下さい。

20231109180242-032fa166208eaa52ef7b354495366f0f4f41f007.JPG 後半は、前半の講義をfollowする「植物の生殖」の講義と「キャリア形成」を考えるために、渡辺のこれ前での歩みを紹介して、受講生のこれからの進路などのキャリア形成にいかしてほしいという講義。最後の質問の時間も「これ」という質問内容でした。こちらの答えがよいきっかけになればよいのですが・・・。で、講義の合間、終わったあとに、担当の山下先生、山口先生を交えて、意見交換会も。ありがとうございました。次年度も何とか時間を確保したいと思いますので。

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【アウトリーチ活動】今治市立伯方小学校・ふるさと出前授業、今治市立桜井小学校・ふるさと出前授業、仙台市片平丁小学校・理科特別授業、今治市立吉海小学校・ふるさと出前授業、仙台市新田小学校・理科特別授業(9/27, 10/2, 3, 4, 5追記)

2023年9月30日 (土)

 朝夕少し秋らしくなってきた9月下旬。アブラナの栽培が遅れるとどうなるのか、秋も気温が高めに推移するということで、開花まで至るのではないかと。

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 9/27(木):今治市立伯方小学校・ふるさと出前授業「花の不思議な世界」

 9月最後の出前講義は「ふるさと出前授業」。初めての伯方島、今治市立伯方小学校へ。2019年以来の現地での「ふるさと出前授業」。開花から結実までをリンゴをモデルとしての授業。伯方島の自然をしっかり観察したり、学習していることから、受粉から受精、結実のことをこちらから質問しても、しっかり答えてくれていたのが印象的でした。リンゴをモデルにしたので、昨今の黄色いリンゴ品種が増えている原因についても考えてもらいました。赤い系のリンゴで色むらがあっても「真っ赤な」リンゴを選ぶことなく、食することができるように約束してくれたのはさすがでした。

20230930165848-b0e8e5c67db7b42690b6d6fe6e5a883284ad5374.JPG20230930165948-fe87a01bf0f96b6d5043eb5c578423a7cfb2cbd6.JPG 後半は受粉時の自家不和合性、果実のどこに花があったのか、果実の中で種子がどのように配置されているのか、いつもとは違うきり方で果実を観察したり。自家不和合性がある原因もよく考えていました。最後は質問の時間。こちらがどう答えたらよいのか困るような鋭い質問も。とても楽しい2hrでした。ありがとうございました。講義が終わったあと、今年度から「ふるさと出前授業」を統括頂いている木山校長先生と今年度、次年度に向けての方向性も議論できました。ありがとうございました。


 10/2(月):今治市立桜井小学校・ふるさと出前授業「花の不思議な世界」

 先週は「ふるさと出前授業」を統括されている木山校長先生がおられる伯方小学校へ。打合せもあることから、まずは現地へ。今週はリモートでの問題点というか、改善点も含めて何ができるかということで、母校の今治市立桜井小学校。いまでも学年のトップが班長さんをして集団登校をしているだろうと。そんな地域の話から。講義の内容は先週と同じ「花の不思議な世界」で開花、受粉、受精、結実。リモートからは難しいと思ったのですが、受粉のあと、花粉管が伸びて、受精する。動物も植物も受精を経て、次の世代である子孫ができるというのは、理解してもらえたようでした。さすが、我が後輩たち。

20231002180120-63c379ac0cf5279e6e40785f2a7eddfa09334ba1.JPG 後半は自家不和合性という性質が何故あるのだろうか。遺伝子を混ぜて生じる多様性の重要性を認識してもらえたのではないかと。また、リンゴの果実のどこに花があり、普段置いている姿でよいのか、改めて考えてもらえたのではないでしょうか。身の回りにはたくさんの不思議がありますので、しっかり観察してみてください。最後に「努力する事、頑張ること、続けること」の大切さを伝えて、あっという間の2hrでした。ありがとうございました。

20231002180231-4f9da71a7fd0c18eec8337ccbcd88b6d64d5d5b5.JPG PS. 講義の初めに、学校の支援員さんとお話しする時間が。どこかで聞いたことがある声にはびっくりでした。色々なところで活躍されているのだろうと改めて実感。こんなことからも対面でということの大事さを再認識でした。ありがとうございました。

 10/3(火):仙台市片平丁小学校・理科特別授業「花の不思議な世界」

 先週から3つの小学校で続けての出前講義。お題はいずれも「花の不思議な世界」。片平キャンパスから一番近い、小学校である仙台市立片平丁小学校へ。HPにもあるとおり、創立150周年の記念行事が最近あったとか。

 小学校での「受精」のまなびは「動物」が対象。では、植物は受精をしないのか。そんなことはないわけです。遺伝的に多様な子孫を作るという意味で大事なわけです。このレベルまで来ると、高校生物なのかもしれないですが、そこはあえてチャレンジ。この日の片平丁小学校の5年生は、受粉、給水、花粉管伸長、受精、種子形成という一連の過程の理解に深く考え、答えていたのが印象的でした。何より、どんな質問にも積極的に答えてくれたことは、これからの様々な学びでも同じようなチャレンジをして下さい。

20231003141541-355662654583f6ddca78dcfebcebb18da315ba67.JPG もちろん、本題のリンゴに纏わる事象(バラ科、八重咲、自家不和合性)についても講義をしてきちんと理解できていたと思います。八重咲になる原因、バラ科の多様性、自家不和合性を持っていることの大切さ、リンゴ果実のどこに花があったのかなど、学んだことを秋、冬の果実を食べながら、また、考えて見て下さい。

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 10/4(水):今治市立吉海小学校・ふるさと出前授業「自分の将来を考えて、どんな職業でがんばるか考えて見よう!」

 今年度4校目の「ふるさと出前授業」は今治市立吉海小学校。ほぼ、毎年のように授業を行っています。昨年度は現在統括をされている伯方小学校の木山校長先生が教頭先生として「キャベツとブロッコリー」を講義したのですが、今年度はいわゆる「キャリア教育」。小学校の頃から将来はこんなことをしたいなど、「夢」があるわけです。では、その夢をどんな風に実現するのか、揺れ動く夢でよいのかなど、渡辺を実例に、小学校、中学校、高校、大学、現在に至るまでを示して、いろんな場面でみんなはどう考えるのか、発表してもらいました。小学校5年生という年齢でしゃべるのが恥ずかしいなどあったかもしれないですが、ほとんどの方がいずれかの質問に答えてくれて、とてもよかったです。

20231005185052-b6ac2b7dd2404ceab91c71c24aab5b3a4616787b.JPG 小学校、中学校までは大島の中ですごし、そのあとは島の外での生活になるかと思います。そんなことを通じて経験値も上がると思います。一方で悩ましいこともでてくることでしょう。そんな時、今日の講義のことを思い出して、頑張ってください。こちらからの質問にしっかり答えてくれたみんなであれば、きっとできると思いますので。

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 10/5(木):仙台市新田小学校・理科特別授業「環境問題を多角的に考える」

 今週は4日連続の出前講義。その最後が仙台市立新田小学校。初めて伺う宮城野区の小学校ですが、校長先生は、片平丁小学校館小学校などでお世話になっていた大友校長先生。コロナ禍でお目にかかれなかった時期もあり、久しぶりでした。で、講義は「環境問題を多角的に考える」。理科で環境問題を学習しているので、イントロで環境とは時いてみると、地球温暖化など、しっかりとした答え。でも、もっと身の回りの環境問題である「教室内での自分の席の周りにどんな友達が座っているのか」。学習する上で「適切な環境」といえるのか。ちょうど、今日から席替えがあったところのクラスもあり、この重要なことについて考えると、環境問題はとても身近なことを理解してもらえました。とてもよいタイミングの「席替え」でした。

20231005150439-54c9b42c3403a77a18e0a493b132c6eebf213d77.JPG20231005150454-8a0092581b1cb3acd86ce4b52ce9af836c1f9361.JPG このあとは、地球温暖化、遺伝子汚染、絶滅危惧種、外来種など、環境を考える上で考える大事なことを深く掘り下げ、その問題点、解決方法など、みんなで考え、発表できたのはとてもよかったと思います。理科だけのまなびではなかったかもしれないですが、環境ということが複合的な要因で起きていて「理科」だけでは解決できないことを理解できたのではないでしょうか。明日からといわず、今日から身の回りの「環境」がよくなるように今日のまなびを活かして下さい。

20231005150518-a9c9211d881be105dad3f0838effd7e16c592c43.JPG20231005150533-3bcd882b5b4cb400af9a4f48814b4ac29e3acfec.JPG PS. 講義が終わったあと、大友校長先生、学年主任、理科専科の先生方と、教育の現状、どのような経験が子供たちを成長させるかなどdeepな議論ができたのはとても楽しい時間でした。ありがとうございました。

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 わたなべしるす



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【来客・学会発表】タイ国Chulalongkorn大・Chaumpluk准教授来仙、及び第144回日本育種学会ワークショップ(9/16, 20)

2023年9月21日 (木)

 この記事を書いているのが、9/21(木)。前日の18:00頃には25oCくらいの気温に。そのまま気温が下がり続けて、日中は21oCくらい。もう少し雨が降ればと思いつつ。これで本当に夏が終わるのか、気になるところですが、天気予報を見る限りは、ほぼ30oCになることもなさそう。最低気温も10oC台に。秋の作付けが困難だったので、週明けにはできるかと。問題は従来のように生育してくれるか。気温が下がるので、微妙なところかと、そちらも気になる9月下旬。

20230921163608-acd702486c22f0a0b92e561a346d95deab7d8f4d.jpg 前日の9/20(木)には、タイ国Chulalongkorn大・Chaumpluk准教授が来仙。渡辺が助手になってすぐくらいにマレーシアから10ヶ月のサバティカルで研究に来られていた方がいたのですが、それ以来の東南アジア諸国から訪問のような。積極的に質問する2名の学生さんと、今回の来仙などを設定された元・岩手生物工学研究センターの山村博士も。山村様に会うのは10年以上前のような。懐かしい時間でした。ありがとうございました。コロナ禍も収まる方向なので、時間を見つけて、こちらからも訪問できればと。

20230921163438-572886f761728a9fa1f2ffeaaceab8f8cbea151e.JPG その前の週の土曜日が日本育種学会の年会。玉川大・肥塚教授石川県大・高木准教授が企画された「アブラナ科作物の遺伝・育種学の未来像を描く」と題したワークショップのトップバッターとして、「アブラナ科作物研究の過去から学ぶ」という演題で20min弱の講演。若手の方も多くいらしたので、少しは昔のことに目を向けるきっかけになったのでは。と思っています。ありがとうございました。


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