朝の小松高校での出前講義のあとが、中海小学校。小松市内の平野部と山間部の境目。学校が近くなるにつれて、積雪量も多くなり。。。。今年度は「キャベツとブロッコリー」、「花の不思議な世界」に続いて、3回目。季節的には、材料をそろえるのが大変ですが、ウリ科の写真と実物を見て考えてもらうもの。ヘチマ、キュウリ、ズッキーニを寺岸先生が用意頂き、それを観察することで。学校の入り口には、いつものようにwelcome boardが出迎えてくれて。ありがたいことです。 この時期にヘチマがあると言うのも、とてもすごいこと。寺岸先生のお宅で栽培されていたものを保存頂いていたのを、これにあわせて、横断面の観察。小学校では、「維管束」という単語を習わないようですが、せっかくなので。また、ウリ科に特徴的な名前の付け方、「親づる」、「子づる」というようなことも。あわせて、なぜ、メロンには、Tの字になった果実とそうでないものがある理由。講義の時にはさすがに高価なので、実物を見せることができなかったですが。。。
また、スイカなどは、横断面で切ることは稀で、基本は縦断面の方向に切断。この理由とおぼしき歴史だったり。メロンにネットがある理由。かさぶたのようなものと考えて下さいというと、なるほどと理解してくれたのは、さすがでした。もちろん、寺岸先生が用意してくれたキュウリとズッキーニの横断面を実際に見て、なるほどと。あわせて、維管束の位置関係も。また、途中の休憩時間で積極的に質問してくれたり、。
最後は、みんなからこの講義での感動したことなど、1ことずつ。立派でしたね。最後は、恒例の世界に向けて情報発信。
最後になりましたが、今回の出前講義の企画の時からサポート頂いた石川県立小松高等学校・寺岸先生、小松市立中海小学校・山本校長先生、谷口先生をはじめとする関係の先生方にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。
わたなべしるす
PS. 午後からの小松高校での講義、発表会のあとに、明日の講義向けの野菜をgetに。その時に、メロンのTの字のつるがあるものとないもの。値段もずいぶん違いました。是非、見てみて下さい。
【出前講義】小松市立中海小学校・出前講義「ヘチマとそのなかまたち--実は、たくさんの仲間がいます--」(1/26)
2016年1月26日 (火)
雪かき2016
2016年1月26日 (火)
現在、大きな寒波が来ており、通常通りに寒い冬の仙台です。沖縄から西日本まで、40年ぶりとも言われる寒波が来ていますが、これは極渦の影響が大きいとされています。極渦とは、北極、南極に存在する、寒い気流の渦の事。周りにジェット気流が吹いているため、通常この冷気が外に漏れることはありません。しかし、地球温暖化の影響により大気のバランスが不安定になり、寒さが漏れてきているんだそうです。えらいこっちゃですね。
雪が積もるとガラス温室側面の雪がガラスを圧迫し、破壊してしまうことがあります。今回のような重い雪は特にね。それを防止するために、毎年雪かきをするのですが、今年も行いました。
(マスコは出張に行く渡辺先生を仙台駅に送るため、雪かきサボり いや 車の掃除をしました、てへへ)
以下、雪かきの様子を、大事MAN ブラザーズバンド "それが大事"の替え歌でご覧ください。
知らない世代の人はyou tubeで聞きながら見なさい。
うぉーうぉーうぉおーーお うぉおお おーー おーーーーー
負けないこと 投げ出さないこと 逃げ出さないこと 信じ抜くこと
駄目になりそうな時 それが一番大事ーー
負けないこと 投げ出さないこと 逃げ出さないこと 信じ抜くこと
涙見せてもいいーよ それをー忘れなければーー
高価な除雪機使うより 安くても除雪スコップ すばらしい
ここにいるだけで 寒くて帰りたくなるけど
さんざん我儘言ったあと Brassica(アブラナ)への想いは 変わらないけど
見えてる雪の多さに 時折負けそうになる
ここのーー 雪がーー 邪魔だから 手でーー 投げるわーーー
ここのーー 雪がーーー 重すぎて持ち上がらないわー うぉううぉおおーー
でも 負けないこと 投げ出さないこと 逃げ出さないこと 信じ抜くこと
駄目になーりそうなーとーき それがー 一番大事ーー
負けないこと 投げ出さないこと 逃げ出さないこと 信じ抜くこと
涙 見せてもいいよ それをー 忘れなければー
うぉーうぉーうぉおーーお うぉおお おーー おーーーーーーーーー
以上です。皆さん、お疲れさまでした。
マスコ
【出前講義】石川県立小松高等学校・SSH特別講義「進化論を唱えたダーウィンも注目した高等植物の自家不和合性」(1/26)
2016年1月26日 (火)
暖冬といっていたのがよくなかったのか、年が明けて、少しずつ寒くなり、このところ、仙台でも10cmを超える積雪。日本海側の積雪は記録的なものになり、また、奄美、沖縄、台湾でも降雪が。。。。そんな中、11月以来の石川県での出前講義。今回の寒気で大雪に。講義をした実験室には、食虫植物が。そのコントラストが。。。もちろん、雪の下には、ダイコンが。。。。葉っぱがないのが、かなり不思議な光景ですが。。。
さて、いつもより短めの日程ですが、最初は、小松高校の理数科1年生。去年の11月には、課題研究、キャリア教育でしたが、今回は、サイエンスの講義で、自家不和合性。最初は、いつもの作物の花。秋には2年生の生物履修の生徒に行いましたが、結構苦戦。・・・・最初は、よいペースで正解が。。。ところが、わかったのは、5つくらいだったでしょうか。毎日食べているようなものが多い訳なので、雪が解けた春には観察してみて下さい。
この後の「ヒマワリの上のハチ」、これも同じく鬼門。ヒマワリから、どこの花に移動するのか。「菜の花」と回答してくれたのは。。。。季節感の欠落。。。ワープ機能があるハチが。。。と思ったら、北半球から南半球に移動できる航続距離があるハチだとか。。。いずれ、困ったもので。季節感を持つことは、観察の第1歩。同じく、観察です。大事なことは。
最後は、本題の自家不和合性。ちょっと時間の計算ミスがあったのですが、自家不和合性の現象を見てもらい、動物でどの様に近親交配を避けているのか。自家不和合性の仕組みは。などなど。。。。もちろん、最後は、自家不和合性と同じように「鍵と鍵穴」という分子システムで制御されている受精反応。花1つをとっても不思議なことはたくさん。是非、これを機会にというか、春になったら、花を、植物を観察してみて下さい。
最後になりましたが、今回の講義の企画を頂いた政浦先生、寺岸先生には大変お世話になりました。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
わたなべしるす
PS. 前日には、寺岸先生と今回の出前講義の打合せ。あまりの雪で外回りをできなかったのですが、一昨年の青森県立五所川原高等学校への出前講義以来でしょうか。「長靴」での出張。長靴がなければ。。。とんでもないことに。。。この雪を見て頂ければ。。。在来線は止まることもあるようですが、この雪でも新幹線はほぼ定刻で。このあたりが日本の科学力なのだなと。。。小松まで早く新幹線が届いてほしいものだと。。。 PS.のPS. 今回も、welcome boardが玄関に。ありがたいことです。ちゃんと全部掲載できるのか。。。がんばってみます。今回も難しそうです。
小さな選択
2016年1月19日 (火)
昨日の仙台は今シーズン初の大雪でした。
そんな中、起きたちょっとした出来事を伊藤がお伝えします。
通勤には普段は自転車を使っているのですが、
さすがに雪道を自転車で走る勇気はありません。
朝の出勤時は主人に車で送ってもらったのですが、
帰りは歯医者の予約を入れていた事もあり、
迎えに行こうかと言う優しい主人の言葉にちょっと遠慮して
「いえいえ、バスで大丈夫。」と家路につく。
大学からちょっと歩いて駅前のバス停に到着。
駅前から我が家へのバス経路は2系統あって、
どちらに乗っても時間的に然程変わりはありません。ただ、歯医者に行くにはAの青い路線を使う方が近いな〜
なんて考えながらバスを待つ事10分。
最初にやってきたのは残念ながら赤いB路線のバスでした。
一瞬迷ったものの歯医者に遅れてはいけないと思い、
取りあえず乗車。
暖かい車内でほっと一息。
まだ時間があるので雪道で道路が混んでいても歯医者には
間に合いそう♪
家まで1/3程まで来たところで、バスが仙石線の踏切の一歩手前で停車。
ところが、、、
なかなか遮断機が上がりません。
この遮断機の近くには駅があるので、
駅に電車が停車中の場合は多少時間がかかります。
でも、、、遅いな。
5分程経ち、バスの中もちょっとしたざわめき。
10分経ち、バスの前に停車中だった車がUターンを始める。
う〜ん。遅い。
20分経ち、、、遅過ぎでしょ。
車内にちょっとイラッとした空気が流れる。
バスの外を見ると帰宅途中の中学生が踏切前にわんさか。
「うっ、寒そう。」
「まだ、バスの中で暖房が効いているだけマシか。」
我慢、我慢。
30分経ち、運転手さんのアナウンスが入りました。
「線路内に雪の重みで木が倒れ込んでいる模様です。
もうしばらくお待ち下さい。」
もう少しって、、、どの位?
歯医者に間に合わないと焦る私。
どうしよう。
バスを降りて別路線のバス停まで歩こうか?
あ〜 最初からそっちの路線に乗っていれば良かった。
いやいや、一体どこで木が倒れているのか解らない。
別路線の先にも仙石線の踏切があるので、
ひょっとしたらそこの遮断機も閉まっているかも?
そうこうしているうちにバスの乗客が一人下車する。
悩ましい。
旦那に連絡して車で送ってもらおうか?
あ〜 最初から、遠慮せず迎えにきてもらえば良かった。
いやいや、この事故で周辺道路が全て混んでいるかも?
車に拾って貰うより先にバスが動くかも?
悩ましい。
また一人、バスの乗客が下車する。
「降りて歩いた方が早いから。」
あ〜 悩ましい。
歩く、、、いやまだちょっと距離がありすぎだな。
そこで歯医者に連絡を入れる。
雪でキャンセルが多いのか、珍しく余裕があるのでと
時間をずらしてもらう事が出来た。
あ〜良かった。
一安心。
安心すると、ちょっと眠くなる。
うとうと仕掛けたところで電車再開。
結局66分遅れでバスは再び走り始めました。
バスを降りてふと朝のNHKの番組の「きょうの選択」
という歌を思い出す。
『きょうの選択』
出演:又吉直樹(ピース)
うた:HARCO
作詞:貝塚智子
作曲:近藤研二
朝起きてパンを食べるか、ご飯を食べるか。
着ていく服はおしゃれ着か、普段着か。
持ってく本はカフカか、太宰治か。
右の道を行くか、左の道を行くか。
きょうの選択は私をどこへ連れて行く。
もしもあのとき あっちにしたら 今頃どうなって いたんだろう
きょうの選択は わたしをどこへ 連れて行く
「私たちの毎日は小さな選択の連続です」
60分以上も待たされたバスを下車する時って、
なぜかみんな笑顔なんです。
小さな選択のせいでちょっとしたパプニングに巻き込まれたのですが、
その先に小さな幸せが見れたので、まあ今日は良しとするか。
いとう
【出前講義】宮城県仙台第一高等学校SSH生徒課題研究発表会(第2回学校公開)・コメンテーター(1/9)
2016年1月 9日 (土)
お正月気分というか、今日は何日なのか、年始から海外出張があったりして。ただ、何曜日なのかだけは、Journalが出る日が毎週決まっているので、そんなこともあり、なんとか、曜日感覚だけは。いずれ、暖冬なのだけは事実で。困ったものです。。。そんな土曜日。片平キャンパスから2番目に近い高校。宮城県仙台第一高等学校のSSH生徒課題研究発表会の案内を頂き、お邪魔を。SSHの出前講義、科学者の卵養成講座の受講生などが数多く参加頂いており、なにより、宮城第一高等学校の時代から生物の小松原先生にはお世話になっており、。。
ここは、ちょうど、岡山県の金光学園高校と同じように文理関係なく、広く課題研究を。こちらの仙台第一高等学校の方が1, 2年生全体でやっているという意味では、さらに広いのではという気も。。。いずれ、体育館全体を使って、途中でポスターの張り替えまでする形で、100-200課題くらいあったのではないでしょうか。全体を見る時間はないので、これというトピックを探して。いくつか目にとまったり、これまで生物部などで、指導していたり、科学者の卵養成講座の受講生がどうしているかを。その当たりを拝見。
最初は、イネ発芽時の耐塩性。栽培イネでなくて、野生種であれば、塩水をかけても生育するイネがあるというのを。何でも、夜露として水分を外部に出すときに、塩水が出て行くとか。。。ただ、これは聞いた話。実物を見たことがないのですが。一方で、育種の結果、海水でも育つ栽培イネもあるとか。その当たりは、未確定情報なのですが。発表ではそんなことは触れていなかったですが、イネの形態学についてはもう少し学習した方が。イネ科の生長は普通の植物と異なり、地上部は葉鞘と葉身からできていて。出穂時に茎の生長が起きる。ちょっと不思議な仕掛けのもの。また、胚乳で初期生育が起きることも。渡辺は農学部農学科だったので、そんなことを知っている。そうかもしれないですが、課題研究でやるなら、そのイネ科の基本は理解しておいてほしいなと。
次に見つけたのは、魚の成長と耳石との相関。なるほどと思った反面、例えば、雌雄の耳石で違いがないのか、また、雌雄での違いはないのかなど。魚が専門でないので、イネほど細かなことはかけないですが、もう少し工夫をしたら、おもしろくなるのではと。遺伝子組み換えのナタネが移動などの関係で野外にあるというのは、これまでも育種上、問題になっていたわけです。それに着目して。3.11の津波との関係。もう一工夫がほしいなと。。。
あと、プレゼンの仕方の問題も。今の生徒さんたちは、パソコン、携帯端末を使っているはず。その時、わからないときは、Google先生にというのをよく聞きます。その割に、プレゼンでグラフをExcelで書かせたとき、dotの大きさが大きすぎたら。。。重なっていくつの点があるのか。それは見せ方としては、重要な問題。その当たりも工夫しないと。せっかく普段は、Google先生にお世話になっているのに。。。
高校生が数学的な観点とは言え、麻雀を考えているのは。。。子供の頃、夏休みなど、友だちが集まってやっていたのを、ふと思い出して。色々な仮定をして、ある場面でどうすればよいか。確かに数学の問題かもしれないです。しかしながら、やっているのは人間。表情に出したり、よい牌パイだったのに、そうでない顔をするヒトも。その逆も。そうしたことを確率で扱うのは。。。。わざと遠回しをして、あるいは、自分以外の3人との駆け引きの部分もあるわけです。その駆け引きがある意味で醍醐味。そういえば、将棋の終盤の羽生マジック。これはたぶん、あり得ないと思う一手で、何を考えているのか戸惑わされている間に、負けになっている。麻雀ではそんなに時間がないですが、それでもある種の決断と流れを読むこと。これは、サイエンスでも大事なこと。どちらの実験を先にするかによって、色々なことがちがってきたりします。麻雀好きで数学的に考えるのはよいことですが、人間がやっているということをどう考えるのか。そのことを考える方が、おもしろいような。
文系の課題もあり、「愛国心」というのも。そういえば、来週には、リオ五輪の予選を兼ねたサッカー男子アジア地区最終予選AFC U23選手権。そんな時、日本の国旗が振られたり。あるいは、国体など入場式では、来賓のところで、「かしら~~~みぎ」といって、帽子を取り、というもあります。そういえば、去年の3月に科学者の卵養成講座の関係で、リバーサイドの高校へ。その時には、全ての教室に星条旗が。。。先日の韓国訪問の時にも、セミナー室には、韓国国旗の「太極旗」が。日本では、祝日に国旗掲揚されるくらいで。。。どうも日本では愛国心を語ると。。。という面があるようですが、グローバルには、国旗掲揚をすることは、普通の事象のような気がするのですが。。。その当たりは少し考えてほしいなと。
順番的には最後出なかったのですが、渡辺の高校時代には、一番得意だった、数学の問題。零で割り算をするという問題。数学的には、基本あり得ません。禁則だったような。ただ、議論をして、無限小、無限大という観点で考えると、なるほどと。すっかり議論に夢中になり、他の課題を見る時間も終わってしまって。論理的に破綻をしないように物事を考えること、それは、やっぱり大事なのだと、考え直させてもらいました。ありがとうございました。おもしろかったです。
発表会のあと、それぞれの分野ごとに反省会。「生物」でお世話になったのですが、小松原先生がケガをされていることもあり、代わりに渡辺が。。。代わりになるほどのことは語れないのですが、論理的に考え、その思考力を活かして、文章力を磨くこと。結構難しいかもしれないですが、渡辺が大学1年生向けに行っている展開ゼミでは、20回近い記事を書くことで、しっかりした論理的な文章力をつけた方も。同世代です。大学生だからと言わず、しっかり文章力を磨いて下さい。その例として、渡辺がよくHPに書いている3 wordの関係なさそうなことでstoryを作る。発想力と何をどの様に関連づけるか。ちなみに、今日は生徒さんから、3 wordを提案してもらい、「a、愛、キノコ」。。。さすがにすぐには頭を抱えたので、生徒さんに振って、2名の方にこたえてもらいましたが。。。難しいようでした。渡辺の解答。それは、ここでは内緒と言うことで。。。最後、どの様なオチをつけるのか。それは話として重要なので。。。覚えておいて下さい。このあと、もう1人の生物の先生である佐藤先生から、お言葉を。ありがとうございました。
最後になりましたが、生物の小松原先生、佐藤先生、金先生、ありがとうございました。近い場所です。また、折を見て、伺います。
わたなべ拝
PS. 今日の発表会にあわせて、石川県立小松高等学校の寺岸先生と喜作先生が来仙。寺岸先生が発表会のあと、渡辺の研究室に。3hrほどだったでしょうか。昨今の教育事情について、deepな議論を頂きました。ありがとうございました。今月末には、北陸遠征。楽しみにしておりますので。